69 / 69
2章 第1部 到着と初依頼
56話 有り難い行動
しおりを挟む
「ぐっ、それなら今からでも他の国にー」
「ストレンスさん。その前にこちらを」
そう言って、レイアさんは俺に手紙を3枚渡してきた。
「これは?」
「魔術師協会、商人協会、冒険者協会からの強制召喚取り消し要求書と取り消されなかった時の為の強制召喚の場にそれぞれの協会の協会支部支部長並びに同行人が同席する事を要求する旨が書かれている物です」
俺はその言葉に驚いた。
そもそも協会はかなりの数があるが、それはある一国の中だけだったりする協会もある。
しかし、そんな協会の中でも国を超えて多数の国に存在している協会もある。
そんな多数の国に存在している協会の中でも魔術師協会、商人協会、冒険者協会は特に強い権力を持っている。
流石に貴族や王族相手に命令は出来ないが、お願いという形にして重要な要求は断らせなくすることも出来るくらいだ。
まあ魔術師協会、商人協会、冒険者協会は無くてはならない協会だから、そうなるのも必然と言える。
しかし、それほどの権力があるために協会も下手な事は要求出来ない。
それこそ一個人の事に対しての要求なんて、出来ない無いにも等しい。
それを覆しているのだが、驚くのも無理はないだろう。
俺は驚いていると、レイアさんが話を続けた。
「ストレンスさん。お二人が強制召喚され、騎士に王都へと連れて行かれたのが2日前です。
そして、この街から王都までは通常のスピードで1ヶ月。魔術師が上手く魔術を公使して2週間掛ります。しかし、強制召喚された為に今回は『転移玉』が使われました。そのためにお二人は既に王都にいらっしゃることでしょう。
ですが、王都にある支部の協会長達が後1日、つまり明日までは時間を稼いでくれる手筈になっています。そして、明日中に王都へと到着出来れば協会支部長の同行人として強制召喚の場に入り込むことが出来るように手配しています
3日ぶりに目覚めたストレンスさんには辛いかもしれませんが、今から行動すればストレンスさんならば王都に明日にはつけるでしょう。どうしますか?」
レイアさんからそう聞かれたが、答えはすでに決まっていた。
「無論、行きます。ですが、何故協会は私達にここまでしてくれるのですか?」
「それはひとえにストレンスさんを守りたいからですよ」
俺がその言葉に『信じれるわけ無いだろう』という言葉をレイアさんに目で伝えた。
すると、レイアさんは一度肩を竦めてから答えた。
「ストレンスさんを守りたいのは本当ですよ。ただ元々魔法使いでは無かったエリーシアさんや、突如として現れた魔法使いであるアイミナさんの事を知りたくなったというのもあります。
ですが、魔術師協会、商人協会、冒険者協会はこれまで魔物討伐やその素材の販売、研究等で、ストレンスさんに随分とお世話になりましたからね。それらの恩返しも含まれていると思ってください」
「つまり、今後も良いお付き合いをしたいですし、研究とかも参加してほしいので、助ける代わりに良いお付き合いをして研究にも参加して、ということでいいでしょうか?」
俺がそう言うと、レイアさんは苦笑いをしながら言った。
「まあ、身も蓋もなく言えば、そうですね」
「それくらいなら構いません。ただ私の看病をして下さっていた方が居たので、少し気が引けるのですが、今すぐに出発してもいいですか?」
「ええ、もちろんです。あぁ、それとストレンスさんにこちらを」
レイアさんがそう言いながら、俺に緑色のマントを渡してきた。
マントは暗い色ではなく明るい色で、マントを止めるボタンは首元に一箇所のみだが、そのボタンの部分が風をイメージ出来る様なボタンになっていた。
更に、受け取ってから分かったが、そのマントはかなりの魔力が宿っていて、魔導具であることは簡単に理解できた。
「これは?」
「それはエリーシアさんに頼まれて、商人協会と協力して大急ぎで作った、『緑』の『アサシンモンキー』の皮膚から作ったマントです。すでに分かっていると思いますが、そのマントは風系統の魔法全般と『身体強化』の効力を上げてくれる魔導具です。
それと商人協会の副協会長と冒険者協会の協会長からの伝言です。『緊急指名依頼の報酬は正式な冒険者証が発行できていないので、商人協会の商人証に振り込んでおきました。ですが、緊急指名依頼のお礼を言いたいので、戻ってきてから会いに来てください』だそうです。
その時には、また私にも顔を見せに来てください」
「戻ってきてから、はい、分かりました。何から何まで、ありがとうございます」
俺は『戻ってきてから』という言葉に『このまま消えることは許さないから、犯罪等は犯さずに堂々と会いに来て欲しい』という意味を感じ取った。
その事に対して、レイアさんにお礼を言ってから急いで準備してから魔術師協会を飛び出して、街を出てから王都へと『飛翔』を使用して全力で移動を開始した。
END:1部
※事情により、一旦完結と致します。
現状は再び投稿を再開する予定はありません。
感想にて望む声があれば、再開するかもしれませんがご了承ください。
「ストレンスさん。その前にこちらを」
そう言って、レイアさんは俺に手紙を3枚渡してきた。
「これは?」
「魔術師協会、商人協会、冒険者協会からの強制召喚取り消し要求書と取り消されなかった時の為の強制召喚の場にそれぞれの協会の協会支部支部長並びに同行人が同席する事を要求する旨が書かれている物です」
俺はその言葉に驚いた。
そもそも協会はかなりの数があるが、それはある一国の中だけだったりする協会もある。
しかし、そんな協会の中でも国を超えて多数の国に存在している協会もある。
そんな多数の国に存在している協会の中でも魔術師協会、商人協会、冒険者協会は特に強い権力を持っている。
流石に貴族や王族相手に命令は出来ないが、お願いという形にして重要な要求は断らせなくすることも出来るくらいだ。
まあ魔術師協会、商人協会、冒険者協会は無くてはならない協会だから、そうなるのも必然と言える。
しかし、それほどの権力があるために協会も下手な事は要求出来ない。
それこそ一個人の事に対しての要求なんて、出来ない無いにも等しい。
それを覆しているのだが、驚くのも無理はないだろう。
俺は驚いていると、レイアさんが話を続けた。
「ストレンスさん。お二人が強制召喚され、騎士に王都へと連れて行かれたのが2日前です。
そして、この街から王都までは通常のスピードで1ヶ月。魔術師が上手く魔術を公使して2週間掛ります。しかし、強制召喚された為に今回は『転移玉』が使われました。そのためにお二人は既に王都にいらっしゃることでしょう。
ですが、王都にある支部の協会長達が後1日、つまり明日までは時間を稼いでくれる手筈になっています。そして、明日中に王都へと到着出来れば協会支部長の同行人として強制召喚の場に入り込むことが出来るように手配しています
3日ぶりに目覚めたストレンスさんには辛いかもしれませんが、今から行動すればストレンスさんならば王都に明日にはつけるでしょう。どうしますか?」
レイアさんからそう聞かれたが、答えはすでに決まっていた。
「無論、行きます。ですが、何故協会は私達にここまでしてくれるのですか?」
「それはひとえにストレンスさんを守りたいからですよ」
俺がその言葉に『信じれるわけ無いだろう』という言葉をレイアさんに目で伝えた。
すると、レイアさんは一度肩を竦めてから答えた。
「ストレンスさんを守りたいのは本当ですよ。ただ元々魔法使いでは無かったエリーシアさんや、突如として現れた魔法使いであるアイミナさんの事を知りたくなったというのもあります。
ですが、魔術師協会、商人協会、冒険者協会はこれまで魔物討伐やその素材の販売、研究等で、ストレンスさんに随分とお世話になりましたからね。それらの恩返しも含まれていると思ってください」
「つまり、今後も良いお付き合いをしたいですし、研究とかも参加してほしいので、助ける代わりに良いお付き合いをして研究にも参加して、ということでいいでしょうか?」
俺がそう言うと、レイアさんは苦笑いをしながら言った。
「まあ、身も蓋もなく言えば、そうですね」
「それくらいなら構いません。ただ私の看病をして下さっていた方が居たので、少し気が引けるのですが、今すぐに出発してもいいですか?」
「ええ、もちろんです。あぁ、それとストレンスさんにこちらを」
レイアさんがそう言いながら、俺に緑色のマントを渡してきた。
マントは暗い色ではなく明るい色で、マントを止めるボタンは首元に一箇所のみだが、そのボタンの部分が風をイメージ出来る様なボタンになっていた。
更に、受け取ってから分かったが、そのマントはかなりの魔力が宿っていて、魔導具であることは簡単に理解できた。
「これは?」
「それはエリーシアさんに頼まれて、商人協会と協力して大急ぎで作った、『緑』の『アサシンモンキー』の皮膚から作ったマントです。すでに分かっていると思いますが、そのマントは風系統の魔法全般と『身体強化』の効力を上げてくれる魔導具です。
それと商人協会の副協会長と冒険者協会の協会長からの伝言です。『緊急指名依頼の報酬は正式な冒険者証が発行できていないので、商人協会の商人証に振り込んでおきました。ですが、緊急指名依頼のお礼を言いたいので、戻ってきてから会いに来てください』だそうです。
その時には、また私にも顔を見せに来てください」
「戻ってきてから、はい、分かりました。何から何まで、ありがとうございます」
俺は『戻ってきてから』という言葉に『このまま消えることは許さないから、犯罪等は犯さずに堂々と会いに来て欲しい』という意味を感じ取った。
その事に対して、レイアさんにお礼を言ってから急いで準備してから魔術師協会を飛び出して、街を出てから王都へと『飛翔』を使用して全力で移動を開始した。
END:1部
※事情により、一旦完結と致します。
現状は再び投稿を再開する予定はありません。
感想にて望む声があれば、再開するかもしれませんがご了承ください。
0
お気に入りに追加
36
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】婚約破棄されて修道院へ送られたので、今後は自分のために頑張ります!
猫石
ファンタジー
「ミズリーシャ・ザナスリー。 公爵の家門を盾に他者を蹂躙し、悪逆非道を尽くしたお前の所業! 決して許してはおけない! よって我がの名の元にお前にはここで婚約破棄を言い渡す! 今後は修道女としてその身を神を捧げ、生涯後悔しながら生きていくがいい!」
無実の罪を着せられた私は、その瞬間に前世の記憶を取り戻した。
色々と足りない王太子殿下と婚約破棄でき、その後の自由も確約されると踏んだ私は、意気揚々と王都のはずれにある小さな修道院へ向かったのだった。
注意⚠️このお話には、妊娠出産、新生児育児のお話がバリバリ出てきます。(訳ありもあります)お嫌いな方は自衛をお願いします!
2023/10/12 作者の気持ち的に、断罪部分を最後の番外にしました。
2023/10/31第16回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。応援・投票ありがとうございました!
☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。
☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!)
☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。
★小説家になろう様でも公開しています。
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
うーむ。魔法名が前後逆だったり、
文脈中、肯定から入り否定、否定と文を作るのは作者の癖なのでしょうか。
最終的に否定するならまわりくどい言い回しは不要じゃないかと思わせる箇所が度々出てきます。
ストーリーが面白いだけに残念なブフです。
ご感想ありがとうございます。
魔法名が逆だったりするのは、見逃しだと思います。
これから修正しますので、お許し下さい。
文章に関することは無意識ですが、今後は意識して直せたらと思っています。