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1章 第2部 街へと二人目

26話 ダームス王国

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「それでエリーシア、何処の『ダンジョン都市』に行くかは決まっているのか?」

俺はアイミナが部屋を出た後に、エリーシアにそう質問した。

「王国にある『ダンジョン都市』か王国とは魔の森を挟んで対面している、ダームス王国の『ダンジョン都市』に行こうと思ってます。

ただ、私は王国に行っても良いことはありませんし、ストレンス殿を探している内に、位置的にダームス王国の『ダンジョン都市』の方が近くなってしまったので、恐らくダームス王国に行くと思います」

「ダームス王国か」

俺はエリーシアの話を聞いて、ダームス王国の事を思い出した。
魔の森はアステート王国並びにダームス王国、更に他2つの国が隣接している超巨大な危険地帯である。
それも魔の森は国が丸々一つは入るほどに巨大であり、アステート王国とダームス王国は魔の森を挟んで真反対に位置するために、アステート王国に見つからないという目的も果たせるだろう。
ここは魔の森の端から行くよりは、ダームス王国に近いだろう。

「俺とアイミナもダームス王国に行くのも、一つの手か」

俺がダームス王国に行くことを考えながら無意識に呟いたのを聞いた、エリーシアはかなり大きめに反応した。

「ほ、本当ですか!?それならば、私も同行してもいいでしょうか!?」

「あぁ、アイミナが嫌と言わなければな」

俺がそう答えると、エリーシアは突然立ち上がって、握り拳を作りながら言った。

「それならば、早速聞いてきます!!」

「え!?あ、ちょっとまt」

俺はまだ聞きたいことと話したいことがあったので止めようとしたが、止める間もなくエリーシアは部屋を出て行った。







そして、それから暫くしてから俺はるんるんという音が聞こえてきそうな程に興奮しながら、魔の森の深部に向かって歩いているアイミナとエリーシアにため息をついながら、言った。

「2人とも、ちょっと行動が早く過ぎない?しかも拠点まで壊させるって、もうちょっと考えて行動しようよ」

「「いや(なの)です」」

2人同時に帰ってきた返答に俺は頭を左手で抑えながら、こっそりため息をついた。
エリーシアが部屋を出た後に俺もすぐに後を追ったのだが、どうやってかエリーシアはアイミナを説得してダームス王国に行く約束を取り付けていた。
しかも、即日出発で戻れないように拠点も壊す(渋々だが俺も手伝った)という中々に大胆な行動である。

流石にこれには反対したが、エリーシアに何を吹き込まれたのかアイミナが目をキラキラと輝かせて「人間の街を見てみたいのです!!」と言ってきた。
色々と理由を付けたり、アイミナはまだ修行中ということにしたりしたが、全てアイミナとエリーシアのコンビに論破されて頷くしかなかった。

そんな訳で魔の森をダームス王国に向けて歩いている。
ダームス王国はアステート王国とは魔の森を挟んで真反対なので、とりあえずは深部に向けて歩いているだけだ。

ただ深部は行ったことがあっても最深部は無いので、そこは不安なので川から離れないで川を上に登ることにした。
因みに、今までは言っていなかったが、この魔の森にある川は魔の森に面している4カ国に流れてきている。

それなのに見た限りでは山が見当たらないので、魔の森にある川は『世界の七不思議』の1つに数えられている。
『世界の七不思議』とは、人が理解できないの事だったり、何故そうなっているのか分からない謎の事を言い、主な物だと魔の森の川や魔物の出現理由等が挙げられる。

少し話が逸れたがそんな訳で俺達は魔の森を突っ切ってダームス王国に向かっている。
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