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1章 第2部 街へと二人目

25話 魔物の肉

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「ん、体おも」

俺は何時も通りに起きてから、何時も通りに重さを感じたので声をかけた。

「アイミナ、起きろ~。重いぞ~」

「んむ、おはようなのです。ボス」

アイミナはそう言って、俺と一緒に被っていた毛布を半分捲りながら、俺の上から退いた。
アイミナがそのまま部屋から出ようとしたので、俺もそれに習うように部屋から出るために立ち上がろうとしたが、立ち上がれなかった。
それで、ようやく未だに体が重いことに気がついた。

「ん?まだ体が重い?」

俺がそう言いながら、毛布を取った。
すると、俺を挟んでアイミナとは反対側にエリーシアが寝ていた。

それを見た俺は完全に思考停止したが、アイミナは違った。

「あ~~~~!!あのメスがね、寝床に!!」

その大声でエリーシアも目が覚めた。

「ん、もう起きているのか、ストレンス。騎士団でも、もう少しは遅く起きれるのに」

寝ていたエリーシアの格好は、『トレント』との戦闘でボロボロになっていたままだったの上に、起き抜けで目がトロンとしているので、中々に異性に見せてはイケない格好だ。
そんなエリーシアから目を逸しつつ、質問した。

「え~と、エリーシア?なんで、ここで寝てるんだ?いや、この部屋というだけなら、まだしもね?この毛布とかは一応俺の寝床、ベッドみたいなものだよ?それなのにベッドにエリーシアのような魅力的な若い女性が入ったら駄目だと思うんだ」

「私は寝具関係を『収納』に入れると、『収納』が一杯になるから入れないのに、ストレンスは毛布を被って、ぬくぬく寝るなんて許せない。だから、入ったの」

エリーシアはそんな事を目を擦りながら言った。
俺がそんなエリーシアに困惑していると、エリーシアの手をアイミナが掴んで言った。

「さぁ!!これからご飯なのです!!さっさと行くのですよ!!」

そう言って、アイミナとエリーシアは部屋を出て行った。

そんなアイミナ達を見ながら俺はため息をついた。

「エリーシアって寝起きが悪かったのか。気をつけないとな」







「美味しいです!!この肉は一体何肉ですか!?昔食べた最高級肉よりも美味しいです!!これは何肉なんですか、ストレンス殿!!教えてくれませんか!?」

なんか、エリーシアが朝食(魔物の肉を焼いただけ)を食べて感動して、口調がちょっと敬語に戻っている。
そんなエリーシアにアイミナと俺は訳が分からずに頭を傾げている。

そんな様子を見て、朝食を一口食べてから、ずっと感動していたエリーシアが自分の分を食べきってから我に返り、恥ずかしそうに下を向いた。

「ごめん、ストレンス。意識しないと敬語が」

「あ~、楽な話し方で構わないぞ?俺はこのままが楽な話し方だから変えないけど」

「そ、それならば、私は敬語のままでお願いします。そ、それでこの肉は何肉なのですか?」

「(何肉かは気にするのか)これは魔物の肉を俺が食べられるように加工した物だ」

俺がそう言うと、エリーシアは完全に固まった。
人間には毒である魔物の肉を喜んで食べていた事を理解したくないのか、ずっと固まっていた。
俺とアイミナはお互いに顔を見合わせてから、まあ良いかと思いエリーシアは放って置いて、朝食を食べ続けた。

そして、俺とアイミナが朝食を食べきってからエリーシアは再起動した。

「こ、これが魔物の肉ですか!?」

「あぁ、正確に言えば『キングスネーク』の肉だな。『フォレストウルフ』は今は狩ってないし、若干の差ではあるけどどちらかといえば『キングスネーク』の方が美味しいしな」

「こ、これが『キングスネーク』の肉、ですか。ですが、魔物を食べると人間は死んでしまうのでは?」

「それは人体に魔物の血と魔石が有害なだけで、その2つを完璧に取り除けるなら別だ。特に俺の魔法なら簡単だしな」

「な、なるほど」

俺の話を聞いたエリーシアは自身の力のみで魔物を食べれないかと考えている様に見えた。
そんなエリーシアを横目にアイミナは俺に質問してきた。

「それよりもボス!!今日は訓練のなんなのです?」

「今日の訓練の内容か」

何時もは昼前まで魔法の講義と人間の常識を教えて、昼食後は俺と実戦練習を暫くした後に、俺と一緒に魔物で実戦というルーティンだった。
でも魔法の講義も人間の常識もある程度は教えたし、アイミナの得意な魔法を使えるようにするという視点から見ても、暫くは自由にさせるのも悪くない。

「よし、今日から昼食後の実戦以外は基本好きにしていい。ただ、拠点の外に出るのは俺に許可を取ることと、魔法の訓練は自分なりでいいから続けること。もちろん、今まで通りに何をすれば良いか分からなくなったり、忘れてしまったりしたものは俺に聞いていい」

「分かったのです!!早速、魔法の訓練をしてくるのです!!」

そう言って、アイミナは部屋から出て行った。
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