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3章 ダンジョン突入編
59話 元奴隷は何を買うかを考える
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12時前に戻って来たハクと一緒に昼食を食べていると、ハクに質問された。
「それで?本当に100万DPを貯めることを目標にするのか?」
「まあ、他に目標も無いしな。ただ毎日を生きるより、何かやることがあったほうがいいだろ?」
「それはそうだな」
ハクが私に同意をすると、セリカは苦い顔をした。
「え~、ハクも100万貯めるのに賛成なの?私は適度に使いたいけど」
「それでも構わないぞ。ざっと見た感じ嗜好品も多かったしな」
「へへ、私はそれよりも結界発生魔道具が欲しいんだよね。まあ、それも50万DP要るから、集めるのは変わらないけどね」
「結界発生魔道具って、セリカ作れるだろ?」
「自分以外の魔道具を見たいんだよ。拠点の時は私が作って、同じ物を作る感じだったしね」
「そんなものか?」
「そんなものだよ」
セリカの言葉を聞きつつ、俺は『ショップ販売』を開いて、魔道具の欄を見た。
それを見て、声を出してしまった。
「うっわ、全部高いな。ピンキリだが、最低1万、上は天井無しで、変なガチャ?まであるし」
「うん、ガチャは引きたい」
「駄目だ」
「引くよ!?最低の5万DPのやつは引くよ!?1回くらい良いでしょ!?」
「駄目だ。お前はガチャをするために課金しかけていただろう」
「うっ、そ、それはそうだけど、今回のは大丈夫だよ!!なんて言っても、課金のしようが無いしね!!」
セリカは必死にハクを説得していた。
ハクはセリカの気迫に押されて、今にもガチャとやらをしてもいいと言いそうだが、1回5万で何らかの魔道具が出る物を買わせる訳にはいかない。
なので、俺はセリカの邪魔をするためにハクに助言した。
「課金とはやらは出来ないだろうが、魔道具を『ダンジョン』アプリで買取すれば、似たことは出来るんじゃないか?」
俺がそう言うと、ハクはその手があっかという顔をした。
そんなハクを見て、セリカは顔を引き攣らせながら言った。
「そ、そんな事、私がするわけ無いじゃん。ね?」
「いや、やりそうだから駄目だ」
セリカはハクの明確な拒絶に肩を落とした。
◇
俺達は昼食を取り終えてから、すぐにダンジョン攻略を始めた。
しかし、1層から徐々に大きくなっている(気がする)ダンジョンでは、中々下に向かう階段を見つけられなかった。
その上、魔物の最大数が増えた事で、戦闘の回数は増えている。
もちろん、殆どは俺が殺し、数匹をセリカとハクに流しているが、それでも疲れは来る。
幸い、俺よりも先にセリカが疲れが溜まって来たので、前衛が後衛よりも先に音を上げる事はしなくて済んだ。
それから休憩には適度に良さげな場所を休んだが、その時にDPが3500は超えていた。
一応、この層の1魔物あたりのDPは11たったので、DPの増加量は今までと同じだと分かっていた。
それにしても、昨日は1~10層まで駆け抜けたとは言え、1000程度しか溜まっていなかった物が、昨日よりも移動ペースは落ちているのに2500も確保出来ていたのには驚いた。
この層で一度に現れる魔物の上限が20だとして、一度の戦闘で得られるのは最大220DPなのだから、かなりの戦闘したのが分かる。
因みに、DPはパーティーでの均等割ではなく、戦闘での貢献で決まっていると分かった。
現状では1体の魔物相手に、俺達3人で同時に襲い掛かったとすると、一番良い働きをした人間に6割、二番目の人間に3割、3番目の人間に1割となっていた。
因みに、パーティーでも何らかの形で戦闘に参加しないと、DPの配分すら行われない。
そんな訳で、現状では俺が一番多くDPを集めるだろうと分かったので、『初回限定商品』の中でも、良さげな物は3人で上げ、DPが余剰分も含めて溜まったら買おうとなった。
買う物は休憩中に見つける事になったが、とりあえずは食料以外となった。
理由は以前セリカが言っていた理由もあるが、そこまで多くの食料が『初回限定商品』の中で買えるわけでは無かったからだ。
例えば、普通の食料の方だと、1万DPで100食分の食料というのがある。
もちろん、『初回限定商品』と比べると断然高いが、俺のように大量に食わなければならない人間に取って、1食づつ買うよりは良い。
そんな理由から外された食料以外の物を見ていると、セリカが何気なく言ってきた。
「そう言えばさ、なんか上位種の出現確率高くなってるよね?」
「ああ、そうだな。今では1つの群れに一匹くらいは居るな。多い時は二匹居る時もある」
「そうだよね。もしかして、層毎に上位種が1つの群れに出る最大数も決まってたりして」
セリカの何気無い言葉に、俺とハクは顔を見合わせた。
それからセリカに言われた事を考えていると、確かにその可能性もあると思えた。
例えば、1~10層までは1匹、11~20層までは2匹、と言った感じで増えて行くとする。
そうすると、100層があるとすれば9匹まで上位種が現れる事になる。
これがゴブリンやフォレストウルフ、コボルトなんの上位種なら、例えそれぞれのキングになったとしても、強さは高が知れる。
だが、魔物の中でも強い魔物、例えばドラゴン等の魔物の上位が9体も居れば、それは俺も数度の死を覚悟しなければならなくなる。
更に、周りには現状の最低でも11匹の同種が居るときている。
その光景を考えると、中々終わっている光景に思えた。
というか、セリカが何気無く言った事を考えれば考える程に、それが現実にありそうに思えて来て、俺は顔色を悪くした。
そんな俺と同じ考えが頭に浮かんだのか、ハクも顔色を悪くした。
俺達2人が顔色を悪くしたのを見て、セリカは不思議そうに首を傾げていた。
そんなセリカを目を向けた所で、発動させていた『気配感知』に、今までの中では大きな部類に入る反応があった。
『気配感知』は体に纏う微弱な魔力を感じ取る都合上、強い魔物や大きい魔物程、感じる気配は大きくなる。
俺が感じ取った気配は、グラトニースライムの時の気配には程遠かったが、モールで相対したオークキングより少し弱いくらいの気配があった。
それを感じ取り、俺はすぐにコボルトの最上位種、コボルトキングが居るのだと理解した。
それを理解した瞬間に、コボルト達が急に速度を上げて、こちらに接近を開始した。
「それで?本当に100万DPを貯めることを目標にするのか?」
「まあ、他に目標も無いしな。ただ毎日を生きるより、何かやることがあったほうがいいだろ?」
「それはそうだな」
ハクが私に同意をすると、セリカは苦い顔をした。
「え~、ハクも100万貯めるのに賛成なの?私は適度に使いたいけど」
「それでも構わないぞ。ざっと見た感じ嗜好品も多かったしな」
「へへ、私はそれよりも結界発生魔道具が欲しいんだよね。まあ、それも50万DP要るから、集めるのは変わらないけどね」
「結界発生魔道具って、セリカ作れるだろ?」
「自分以外の魔道具を見たいんだよ。拠点の時は私が作って、同じ物を作る感じだったしね」
「そんなものか?」
「そんなものだよ」
セリカの言葉を聞きつつ、俺は『ショップ販売』を開いて、魔道具の欄を見た。
それを見て、声を出してしまった。
「うっわ、全部高いな。ピンキリだが、最低1万、上は天井無しで、変なガチャ?まであるし」
「うん、ガチャは引きたい」
「駄目だ」
「引くよ!?最低の5万DPのやつは引くよ!?1回くらい良いでしょ!?」
「駄目だ。お前はガチャをするために課金しかけていただろう」
「うっ、そ、それはそうだけど、今回のは大丈夫だよ!!なんて言っても、課金のしようが無いしね!!」
セリカは必死にハクを説得していた。
ハクはセリカの気迫に押されて、今にもガチャとやらをしてもいいと言いそうだが、1回5万で何らかの魔道具が出る物を買わせる訳にはいかない。
なので、俺はセリカの邪魔をするためにハクに助言した。
「課金とはやらは出来ないだろうが、魔道具を『ダンジョン』アプリで買取すれば、似たことは出来るんじゃないか?」
俺がそう言うと、ハクはその手があっかという顔をした。
そんなハクを見て、セリカは顔を引き攣らせながら言った。
「そ、そんな事、私がするわけ無いじゃん。ね?」
「いや、やりそうだから駄目だ」
セリカはハクの明確な拒絶に肩を落とした。
◇
俺達は昼食を取り終えてから、すぐにダンジョン攻略を始めた。
しかし、1層から徐々に大きくなっている(気がする)ダンジョンでは、中々下に向かう階段を見つけられなかった。
その上、魔物の最大数が増えた事で、戦闘の回数は増えている。
もちろん、殆どは俺が殺し、数匹をセリカとハクに流しているが、それでも疲れは来る。
幸い、俺よりも先にセリカが疲れが溜まって来たので、前衛が後衛よりも先に音を上げる事はしなくて済んだ。
それから休憩には適度に良さげな場所を休んだが、その時にDPが3500は超えていた。
一応、この層の1魔物あたりのDPは11たったので、DPの増加量は今までと同じだと分かっていた。
それにしても、昨日は1~10層まで駆け抜けたとは言え、1000程度しか溜まっていなかった物が、昨日よりも移動ペースは落ちているのに2500も確保出来ていたのには驚いた。
この層で一度に現れる魔物の上限が20だとして、一度の戦闘で得られるのは最大220DPなのだから、かなりの戦闘したのが分かる。
因みに、DPはパーティーでの均等割ではなく、戦闘での貢献で決まっていると分かった。
現状では1体の魔物相手に、俺達3人で同時に襲い掛かったとすると、一番良い働きをした人間に6割、二番目の人間に3割、3番目の人間に1割となっていた。
因みに、パーティーでも何らかの形で戦闘に参加しないと、DPの配分すら行われない。
そんな訳で、現状では俺が一番多くDPを集めるだろうと分かったので、『初回限定商品』の中でも、良さげな物は3人で上げ、DPが余剰分も含めて溜まったら買おうとなった。
買う物は休憩中に見つける事になったが、とりあえずは食料以外となった。
理由は以前セリカが言っていた理由もあるが、そこまで多くの食料が『初回限定商品』の中で買えるわけでは無かったからだ。
例えば、普通の食料の方だと、1万DPで100食分の食料というのがある。
もちろん、『初回限定商品』と比べると断然高いが、俺のように大量に食わなければならない人間に取って、1食づつ買うよりは良い。
そんな理由から外された食料以外の物を見ていると、セリカが何気なく言ってきた。
「そう言えばさ、なんか上位種の出現確率高くなってるよね?」
「ああ、そうだな。今では1つの群れに一匹くらいは居るな。多い時は二匹居る時もある」
「そうだよね。もしかして、層毎に上位種が1つの群れに出る最大数も決まってたりして」
セリカの何気無い言葉に、俺とハクは顔を見合わせた。
それからセリカに言われた事を考えていると、確かにその可能性もあると思えた。
例えば、1~10層までは1匹、11~20層までは2匹、と言った感じで増えて行くとする。
そうすると、100層があるとすれば9匹まで上位種が現れる事になる。
これがゴブリンやフォレストウルフ、コボルトなんの上位種なら、例えそれぞれのキングになったとしても、強さは高が知れる。
だが、魔物の中でも強い魔物、例えばドラゴン等の魔物の上位が9体も居れば、それは俺も数度の死を覚悟しなければならなくなる。
更に、周りには現状の最低でも11匹の同種が居るときている。
その光景を考えると、中々終わっている光景に思えた。
というか、セリカが何気無く言った事を考えれば考える程に、それが現実にありそうに思えて来て、俺は顔色を悪くした。
そんな俺と同じ考えが頭に浮かんだのか、ハクも顔色を悪くした。
俺達2人が顔色を悪くしたのを見て、セリカは不思議そうに首を傾げていた。
そんなセリカを目を向けた所で、発動させていた『気配感知』に、今までの中では大きな部類に入る反応があった。
『気配感知』は体に纏う微弱な魔力を感じ取る都合上、強い魔物や大きい魔物程、感じる気配は大きくなる。
俺が感じ取った気配は、グラトニースライムの時の気配には程遠かったが、モールで相対したオークキングより少し弱いくらいの気配があった。
それを感じ取り、俺はすぐにコボルトの最上位種、コボルトキングが居るのだと理解した。
それを理解した瞬間に、コボルト達が急に速度を上げて、こちらに接近を開始した。
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