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3章 ダンジョン突入編
45話 元奴隷はダンジョンが出来た事を知る
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俺は地面が揺れたと認識した瞬間には、ムタイとワタナベを抱えて、どんな事がおきてもある程度は守るように、いつでも俺の周囲に不死鳥の炎を噴射出来る様に準備した。
俺の準備が終わったと同時にムタイが小声で俺に言った。
「ロキ、大丈夫だ。日本では、地震がよくある事だし、そこまで慌てることではない」
俺はムタイの言葉を聞いて、地揺れがよくある国があるのかと驚いたが、それと同時に行動を間違えたと理解した。
それを理解してから、2人をすぐに離したが、その時ある方向から凄い気配を感じ取った。
ムタイとワタナベもそれを感じ取ったらしく、俺を含めた3人共が同じ方向を見た。
感じ取った気配はかなり大きく、グラトニースライムと同じ様な気配だったので、俺は気配を感じたモールの建物を挟んだ向こう側に走った。
それに釣られて、ムタイとワタナベも走り出し、俺を追ってきた。
それから、俺達が反対側に割り込むと、既に戦闘員が何人か建物の外に出ていた。
その戦闘員達がムタイに報告してきた。
「総隊長!!中は殆ど無事です!!物が倒れたり、動いたりしてしまったものもありましたが、怪我人はありません!!
ただ、この気配が何か分からないので、結界の外には出ず、外の様子を伺っています」
「分かった。地震対応は、いつも通り管理部隊が指揮を取っているな」
「はい、もちろんです!!」
「分かった。お前達は中の警戒に戻ってくれ。それと私と瀬里香は外で警戒に当たる事を、皆に伝えてくれ」
「はい!!」
外にいた戦闘員達はムタイに指示されると、すぐにモールの中に戻った。
それを見送ってから、ムタイは俺に聞いてきた。
「ロキ、気配はどうだ。動いているか?」
「いや、『気配感知』を使ってるが、動いてないな。というか、ここからでも感じ取れる気配なのに、スキルを使った上で本体を見つけられない」
「見つけられない?隠れるタイプの魔物か?」
ムタイがそう言った所で、ピロンという音が聞こえて来た。
その音が聞こえて来てから、即座にムタイがスマホを取り出した。
それを見てからムタイは眉を顰めて、俺に聞いてきた。
「ロキ、ダンジョンは知ってるか?」
「ダンジョン?知ってるが、それが?」
「おそらく、この気配はダンジョンの気配だ」
「は!?ダンジョンの気配!?
今まではダンジョンは生まれていなかったんだろう?」
「ああ、さっきのメールは、世界初のダンジョンが生まれたというワールドアナウンスだ。
しかも、ゲームよりもゲームらしいダンジョンだ」
俺がムタイの話を理解出来ずに首を傾げると、ワタナベも理解出来無かったのか首を傾げながらムタイに聞いた。
「ねえハク、ゲームよりもゲームらしいダンジョンってどういうこと?」
「ワールドアナウンスによると、ダンジョンの中で倒した魔物は倒した瞬間に消えるらしい、消える代わりにDP、ダンジョンポインとという物を得ることが出来るらしい。
そのダンジョンポイントを貯めることで、食料や物資はもちろん、家等も購入可能なのだそうだ」
「「っ!?」」
俺とワタナベはムタイの言葉に驚き、目を見開いた。
もしも、ムタイの言う通り、様々な物を手に入れられるなら、ダンジョンがあるかもしれない、この場から移動するのは愚策と言える。
仮に、ムタイ達が移動するとしても、食料が人一倍居る俺に取って、ダンジョンから離れることが致命的な事態を引き起こす可能性もなくはない。
それなら、ムタイの言う通りなのかを確認する必要がある。
そう判断した俺は、ムタイに言った。
「ムタイ、俺はこの気配の中心に向かう」
「は!?待て待て、早まるな。ダンジョンにはどれくらいの魔物が居るのか分かって居ないんだぞ?危険過ぎる」
「確かにそうだ。だがパーティー間なら、パーティーのアプリから俺の体力と状態は見れるし、離れていてもパーティー間なら、メールアプリでやり取りできる。
それなら、ムタイはこの場を守り、俺が偵察に行くのが合理的だ。(それに、こちらのダンジョンにも興味があるしな)」
最後の一言だけはムタイの耳元で、ムタイにしか聞こえないように言った。
ムタイは俺が耳元で囁いた事で、体をビクリと反応させて、顔を真っ赤にし俺から遠ざかった。
それを見て、ワタナベに何を言ったのかと突っ込まれないように、「甘い言葉を吐いたが、刺激が強かったか?」と先んじて言った。
が、ワタナベは俺の言葉を聞いた瞬間、目を見開いて俺の両肩を握り潰すくらいの強さで掴み、怖い笑顔で言った。
「甘い言葉って、何を言った?」
「え、いや、それは」
「何?私に言えないような事?」
「いや、ちゃんと無事に帰るから、心配しないでくれと言っただけだ」
俺はワタナベの圧力に冷や汗を流しながら、ありきたりな事を言った。
それを言うと、ワタナベは光が消えている目で俺を見てきたが、俺はそれを笑顔で躱して、ムタイに言った。
「そ、それじゃあムタイ!!俺はもう行くからな!!何かあれば、すぐにメールしてくれ!!」
それだけムタイに告げて、俺は気配の中心へと走り出した。
俺の準備が終わったと同時にムタイが小声で俺に言った。
「ロキ、大丈夫だ。日本では、地震がよくある事だし、そこまで慌てることではない」
俺はムタイの言葉を聞いて、地揺れがよくある国があるのかと驚いたが、それと同時に行動を間違えたと理解した。
それを理解してから、2人をすぐに離したが、その時ある方向から凄い気配を感じ取った。
ムタイとワタナベもそれを感じ取ったらしく、俺を含めた3人共が同じ方向を見た。
感じ取った気配はかなり大きく、グラトニースライムと同じ様な気配だったので、俺は気配を感じたモールの建物を挟んだ向こう側に走った。
それに釣られて、ムタイとワタナベも走り出し、俺を追ってきた。
それから、俺達が反対側に割り込むと、既に戦闘員が何人か建物の外に出ていた。
その戦闘員達がムタイに報告してきた。
「総隊長!!中は殆ど無事です!!物が倒れたり、動いたりしてしまったものもありましたが、怪我人はありません!!
ただ、この気配が何か分からないので、結界の外には出ず、外の様子を伺っています」
「分かった。地震対応は、いつも通り管理部隊が指揮を取っているな」
「はい、もちろんです!!」
「分かった。お前達は中の警戒に戻ってくれ。それと私と瀬里香は外で警戒に当たる事を、皆に伝えてくれ」
「はい!!」
外にいた戦闘員達はムタイに指示されると、すぐにモールの中に戻った。
それを見送ってから、ムタイは俺に聞いてきた。
「ロキ、気配はどうだ。動いているか?」
「いや、『気配感知』を使ってるが、動いてないな。というか、ここからでも感じ取れる気配なのに、スキルを使った上で本体を見つけられない」
「見つけられない?隠れるタイプの魔物か?」
ムタイがそう言った所で、ピロンという音が聞こえて来た。
その音が聞こえて来てから、即座にムタイがスマホを取り出した。
それを見てからムタイは眉を顰めて、俺に聞いてきた。
「ロキ、ダンジョンは知ってるか?」
「ダンジョン?知ってるが、それが?」
「おそらく、この気配はダンジョンの気配だ」
「は!?ダンジョンの気配!?
今まではダンジョンは生まれていなかったんだろう?」
「ああ、さっきのメールは、世界初のダンジョンが生まれたというワールドアナウンスだ。
しかも、ゲームよりもゲームらしいダンジョンだ」
俺がムタイの話を理解出来ずに首を傾げると、ワタナベも理解出来無かったのか首を傾げながらムタイに聞いた。
「ねえハク、ゲームよりもゲームらしいダンジョンってどういうこと?」
「ワールドアナウンスによると、ダンジョンの中で倒した魔物は倒した瞬間に消えるらしい、消える代わりにDP、ダンジョンポインとという物を得ることが出来るらしい。
そのダンジョンポイントを貯めることで、食料や物資はもちろん、家等も購入可能なのだそうだ」
「「っ!?」」
俺とワタナベはムタイの言葉に驚き、目を見開いた。
もしも、ムタイの言う通り、様々な物を手に入れられるなら、ダンジョンがあるかもしれない、この場から移動するのは愚策と言える。
仮に、ムタイ達が移動するとしても、食料が人一倍居る俺に取って、ダンジョンから離れることが致命的な事態を引き起こす可能性もなくはない。
それなら、ムタイの言う通りなのかを確認する必要がある。
そう判断した俺は、ムタイに言った。
「ムタイ、俺はこの気配の中心に向かう」
「は!?待て待て、早まるな。ダンジョンにはどれくらいの魔物が居るのか分かって居ないんだぞ?危険過ぎる」
「確かにそうだ。だがパーティー間なら、パーティーのアプリから俺の体力と状態は見れるし、離れていてもパーティー間なら、メールアプリでやり取りできる。
それなら、ムタイはこの場を守り、俺が偵察に行くのが合理的だ。(それに、こちらのダンジョンにも興味があるしな)」
最後の一言だけはムタイの耳元で、ムタイにしか聞こえないように言った。
ムタイは俺が耳元で囁いた事で、体をビクリと反応させて、顔を真っ赤にし俺から遠ざかった。
それを見て、ワタナベに何を言ったのかと突っ込まれないように、「甘い言葉を吐いたが、刺激が強かったか?」と先んじて言った。
が、ワタナベは俺の言葉を聞いた瞬間、目を見開いて俺の両肩を握り潰すくらいの強さで掴み、怖い笑顔で言った。
「甘い言葉って、何を言った?」
「え、いや、それは」
「何?私に言えないような事?」
「いや、ちゃんと無事に帰るから、心配しないでくれと言っただけだ」
俺はワタナベの圧力に冷や汗を流しながら、ありきたりな事を言った。
それを言うと、ワタナベは光が消えている目で俺を見てきたが、俺はそれを笑顔で躱して、ムタイに言った。
「そ、それじゃあムタイ!!俺はもう行くからな!!何かあれば、すぐにメールしてくれ!!」
それだけムタイに告げて、俺は気配の中心へと走り出した。
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