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番外編 『王国学園』編

21話

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「そうだね。あの使者は子爵家の人間だろうから、自分が頭を下げるという頭が無いんだろうね。

いや~、面白かったよ」

私がそう言うと、ミサは酷く不愉快そうな顔を一瞬だけしたが、すぐに心配そうな顔で私に聞いてきた。

「ですが、使者の言葉を無視して邸に戻っても良いのでしょうか」

ミサの言葉は今からでも城に入った方が良いと言っているように聞こえた。
その言葉に苛つきつつ、それを表には出さないようにして、ミサに言った。

「別に構わないわ。昼前から閉門寸前まで待っていたのだもの。これで私を悪く言うのは無理があるわ」

私の言葉に反応して、ミサにはバレないよう睨み付けていたフィーナも笑顔で言った。

「ええ、何より他の伯爵家や子爵家は通しても、フロービス伯爵家の馬車のみを通さなかったのは、不味すぎですから、多少は王家に泥を被っていただかなくては」

「で、ですか、王家に逆らっては、ローニャ様の身が危険に晒されます」

何時までも王家に利するように動こうとするのに苛ついて、低い声で名前を読んだ。

「ミサ」

「は、はい。ローニャ様」

私の苛ついて低くなった声に、体をビクリと反応させたミサは、冷や汗をかいて、私を見つめていた。
そんなミサに私は命令した。

「うるさい。これは私の決めた事だよ。それとも、ミサは私の決めた事を拒否できる程に偉くなったの?」

「い、いえ!!そんな事はありません!!私はただローニャ様が心配で」

「そう、でも私が危険に晒されることは早々無いの。分かったら、伯爵邸に着くまでは黙っていなさい」

「は、はい」

私に命令されたミサは体を縮こまらせた。
そんなミサを見て、ミサには気付かれないように小さくため息をついた。

それから外を見て、伯爵邸に着くまでは頭の中で今後の予定を立てていた。

(とりあえず、明日登城しろという使者は来ないだろう。私は仕事があるという理由で帰ったから、少なくとも明日1日は開けられる。

それまでの間に、私に嫌がらせをしてきた貴族連中を王家が消せればよし、消せなければ社会的に私達が消せばいい。

問題はフィーナの除隊と私の婚約者か。あの王家の事だ、フィーナの除隊と私の婚約者をセットにしようとする筈。
つまり、フィーナを正式に私の護衛にしたければ、王子のどちらかと婚約しろという事を言ってくる可能性もある。

その場合は、どうするか。特に使者と相対する事が無ければ、馬鹿のフリをすれば話は流れたかもしれない。
しかし、私は使者の面子を的確に潰した。こちらを侮っている王家に恥を掻かせる為とはいえ、失敗したかもしれない。

さて、なにか新しい策を考えないと)

私が王子の婚約者にならない為の策を考えていると、ようやく伯爵邸に到着した。
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