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1章 王国編

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罪人の格好をした私は処刑場までの道を歩けなくなった足で立てないために、地面を無理矢理に引きずられながら、処刑場まで連行された。
連行される間にも民達からは石やゴミ、罵倒が飛んできて、私にぶつける。

そもそも、もう何故捕まったのかも、何故処刑されるのかも分からない。
その為に、何も考えずに居ると、私の首には縄が掛けられて処刑される準備が整った。

そして、私のよく分からない罪状が読み上げられて、刑が執行された。










「お嬢様、お嬢様。ローニャお嬢様、朝ですよ。起きてください」

その声で目が覚めて、目を開けた。
すると、そこには私を優しい目で見つめている人が居た。

彼女は私に唯一着いている侍女であり、私の育ての親である37歳のミサが居た。

「起こしてくれてありがとう、ミサ」

「いいえ、そんな。私はローニャ様の侍女ですから。それよりも今日は王城でのお披露目ですが、緊張してはいませんか?」

「お披露目、いいえ、緊張しては居ないわ。ただ、少しだけ1人になりたいの。少しだけでいいから、扉の外にいてくれない?」

「ですがー」

「お願い」

「・・・、分かりました。何かあれば、すぐにお呼びくださいね」

私はミサが部屋を出てから、すぐに部屋にある鏡でを確認した。
そして、私の目に私が望むそれがあると分かると、笑みが込み上げてきた。

「まさか、咄嗟に使った魔眼の力で、処刑される前に戻るどころか、私の人生の分岐点であるお披露目会の日に戻ってこれるなんて思っていなかったわ。でも、これで私は本来は1つしか持てない魔眼を、2つ所持している人間になってしまったわね。

気を付けないと」

私はそう呟いてから右の目ーこの世界で魔法を使う為に絶対に必要な物である魔眼ーの力を使って両目の紋章を隠した。
魔眼とは、その魔眼の色で出せる魔法の強さが決まり、魔眼の形(紋章と呼ばれる)でどんな系統の魔法を使えるかが決まる。
例えば、私の魔眼は両方共に最上級の色の黒色であり、魔眼を隠すのに使った魔眼は水と氷の魔法を使える魔眼の力である。

因みに殆どの魔眼は水と氷等と言った様に2つの系統の魔法は使えないので、水と氷の2つを使える私の右目はかなりレアだ。
左目はこれまで確認されていなかった、時間を操作する系統で、処刑される直前に発現させた為に調べる時間もなく、知らない事が殆どなので今は語る事もない。

とにかく、基本は右目の魔眼を使って魔法を使うことになる。
魔法は魔眼を発現させてからすぐに、眼球ごと奪われたから魔眼を使用する為の勉強はしていないが、魔法とは想像を現実にする力であると聞いていたので、両目の魔眼を隠す想像をすると簡単に使えた。

それに魔眼の、いえ紋章の発現条件も分かったから、今日のお披露目会で行われる発現の儀式では魔眼を隠し、後から発現した様に見せかける事で、家族と監視の目ゴミ共も欺ける。
本当に左目様々だ。
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