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懐かしい記憶(魔王)と現状(勇者)
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私はこの場に残ったメンバーを見て、少し笑ってしまった。
そんな私を見ながら、自身の椅子を消し、代わりにテーブルを出した完璧戦闘メイドであり、この城のメイド長であるメイが、私に異世界の甘味を出しながら質問した。
「こちらは召喚勇者から知識を得た、『アイスケーキ』です。全体がアイスになっておりますが、皿に微弱な『氷結』を付与しておりますので、ごゆっくりお召し上がり下さい。
それと魔王様。笑っておられたようですが、如何なさいましたか?」
私はメイド長が出した『アイスケーキ』を食べながら、笑った理由を話した。
「いやなに、今回この国の担当をしていたとはいえ、この場に残ったのが最初の魔王軍幹部だったのを思い出してな。あの頃は、私も精々勇者の3倍程度の能力しかなく、お前達も勇者と同等程度しか強くなかったな、と懐かしくなっただけだ」
メイド長と宰相は私がそう言うと、顔を見合わせた後に笑みを浮かべた。
「そう言えば、そうですね。特に私はドッペルゲンガーですし、勇者と同じ程度と言っても直接戦闘は弱いですから、聖女か賢者あたりを殺して成り代わり、よく内部崩壊を起こさせて、その隙にあの時はバトルメイドだった貴方に他を殺して貰ったりしていましたね」
「確かにそうですね。あの頃は我らに従うものも少なく、むしろ魔王様を殺して自分が魔王になろうとする愚か者ばかりでしたね」
私達3人はそんな懐かしい話題を暫く話した後、それぞれが準備へと取り掛かった。
◇勇者視点
「うっ、ここは?」
僕は謁見の間で気を失ってしまった。
そして、僕が目を覚ますと何処か知らない部屋に連れてこられていた。
だが謁見の間での確定した物を報告するだけの物だった。
それを思い出した瞬間、僕は叫んでいた。
「助けないと!!」
僕がそう叫んだのはみんなの今後のせいだ。
父上や他国の重鎮達は何も無かったが、勇者パーティーのメンバーは酷い事をされる筈だ。
そこで気が付いた。
「そう言えば、なんで皆はサファイスに土下座をしてたんだ?謁見の間にはサファイスは居なかった筈」
「ほぅ?私が行なった『記憶改竄』とは、少し違うな。見たくなかった物を他の物にすり替えたのか?」
僕はその声が背後から聞こえた瞬間には、その声がした方に振り向いた。
そして、その声の人物を見ると、目を見開き驚きながら叫んだ。
「サファイス!?君がどうしてここに?」
サファイスは僕の質問に狂った様な笑みを浮かべながら答えた。
「どうして私がここに居るか?それは勿論、私がここにお前を送ったからに決まっているだろう?」
僕はその言葉に驚き、聞き返した。
「ここに僕を送ったのがサファイスだって?それなら、今すぐに僕をここから出すんだ」
僕がそう言うと、サファイスは首を傾げた。
「何故、ここから出さないといけないので?」
僕はサファイスのどこか余裕に満ちた言動に焦りを感じながら、怒鳴るように言った。
「今すぐにみんなを助けに行かないといけないからに決まっているだろう!!早く僕をここから出せ!!」
僕がそう叫ぶと、サファイスは口を三日月の様な形にして、僕を嘲笑いながら聞いてきた。
「もうお前が私と婚約破棄すると言った日から、3週間は経過しているのに、パーティーメンバーを助けに行くのか?」
すみません、書き切る予定だったのですが、意外と手が止まってしまっているので、今日から1日1話となります。
時間は9:30投稿のままです。
そんな私を見ながら、自身の椅子を消し、代わりにテーブルを出した完璧戦闘メイドであり、この城のメイド長であるメイが、私に異世界の甘味を出しながら質問した。
「こちらは召喚勇者から知識を得た、『アイスケーキ』です。全体がアイスになっておりますが、皿に微弱な『氷結』を付与しておりますので、ごゆっくりお召し上がり下さい。
それと魔王様。笑っておられたようですが、如何なさいましたか?」
私はメイド長が出した『アイスケーキ』を食べながら、笑った理由を話した。
「いやなに、今回この国の担当をしていたとはいえ、この場に残ったのが最初の魔王軍幹部だったのを思い出してな。あの頃は、私も精々勇者の3倍程度の能力しかなく、お前達も勇者と同等程度しか強くなかったな、と懐かしくなっただけだ」
メイド長と宰相は私がそう言うと、顔を見合わせた後に笑みを浮かべた。
「そう言えば、そうですね。特に私はドッペルゲンガーですし、勇者と同じ程度と言っても直接戦闘は弱いですから、聖女か賢者あたりを殺して成り代わり、よく内部崩壊を起こさせて、その隙にあの時はバトルメイドだった貴方に他を殺して貰ったりしていましたね」
「確かにそうですね。あの頃は我らに従うものも少なく、むしろ魔王様を殺して自分が魔王になろうとする愚か者ばかりでしたね」
私達3人はそんな懐かしい話題を暫く話した後、それぞれが準備へと取り掛かった。
◇勇者視点
「うっ、ここは?」
僕は謁見の間で気を失ってしまった。
そして、僕が目を覚ますと何処か知らない部屋に連れてこられていた。
だが謁見の間での確定した物を報告するだけの物だった。
それを思い出した瞬間、僕は叫んでいた。
「助けないと!!」
僕がそう叫んだのはみんなの今後のせいだ。
父上や他国の重鎮達は何も無かったが、勇者パーティーのメンバーは酷い事をされる筈だ。
そこで気が付いた。
「そう言えば、なんで皆はサファイスに土下座をしてたんだ?謁見の間にはサファイスは居なかった筈」
「ほぅ?私が行なった『記憶改竄』とは、少し違うな。見たくなかった物を他の物にすり替えたのか?」
僕はその声が背後から聞こえた瞬間には、その声がした方に振り向いた。
そして、その声の人物を見ると、目を見開き驚きながら叫んだ。
「サファイス!?君がどうしてここに?」
サファイスは僕の質問に狂った様な笑みを浮かべながら答えた。
「どうして私がここに居るか?それは勿論、私がここにお前を送ったからに決まっているだろう?」
僕はその言葉に驚き、聞き返した。
「ここに僕を送ったのがサファイスだって?それなら、今すぐに僕をここから出すんだ」
僕がそう言うと、サファイスは首を傾げた。
「何故、ここから出さないといけないので?」
僕はサファイスのどこか余裕に満ちた言動に焦りを感じながら、怒鳴るように言った。
「今すぐにみんなを助けに行かないといけないからに決まっているだろう!!早く僕をここから出せ!!」
僕がそう叫ぶと、サファイスは口を三日月の様な形にして、僕を嘲笑いながら聞いてきた。
「もうお前が私と婚約破棄すると言った日から、3週間は経過しているのに、パーティーメンバーを助けに行くのか?」
すみません、書き切る予定だったのですが、意外と手が止まってしまっているので、今日から1日1話となります。
時間は9:30投稿のままです。
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