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騎士団長が兵士達に指示を出してからは、その場から動こうとする者は本当に捕らえられた。
それは私や息子であるはずのキースもだった。
私が退くように命令したが、「これは王命です」と言われれば何も言えない。
そのために何も出来ずただ待機していると、国王陛下と王妃様が、つまり私の父上と母上が到着された。
そして、2人は婚約者の事切れているのを見てから、父上が王命を出した。
「最初にこの場で起きたことを外に漏らすことは禁じる。更に平民の卒業生は王城以外に就職する予定があるものは、王城へと変更する。以上の事は王命である、王命を破った場合はその者を処刑する為、留意せよ」
そう宣言してから、父上が私に話しかけてきたしてきた。
「お前にはきちんと教育をしてきたつもりでは居たが、まだまだだったようだ。これからは今まででよりも厳しくなると覚悟せよ。
それでアイリスに婚約破棄を突き付けてまで結婚したかった令嬢はだれだ?」
「え、は、はい、ミリアです」
私がそう言うと、父上と母上は眉を潜めた。
「ミリアとは、まさかミリア・アスレイクの事ではあるまいな?」
「え、いえ、ミリア・アスレイクです」
「そうか、それならばミリア・アスレイクは側室か愛妾にし、出来れば高位貴族、最低でも子爵家の令嬢を正妃にせよ」
「な、なぜですか!?私はミリアと「黙りなさい」、母上?」
「お前には失望しました。ですが、既に終わってしまったこと。今後は些細な失敗も出来ないと覚悟しておきなさい。次に失敗したら、私は貴方を王族から引きずり降ろします」
「は!?わ、私をですか!?なぜです!?」
「目の前でアイリスが事切れているのが見えないのですか?そういうことです」
「ど、どういうことですか?」
私がそう言うと、父上と母上更には騎士団長も私にありえないものを見る目で見てきた。
それから3人で何かを話してから、母上が質問してきた。
「貴方はこの場で、いえこの時に婚約破棄を宣言することの意味が分かっていないのですか?」
「い、意味?一体どういう」
「アイリスは既に王太子妃を超えて、王妃教育すら半分まで来ていたのですよ?」
母上が言っている事が理解出来ずに首を傾げた。
それは私以外の令嬢や子息もそうであったらしく、むしろ首を傾げていない者は見当たらない。
そんな私達の様子を見て、父上はため息をついてから言った。
「まさか学園がここまでとは。今後は貴族達にきちんと教育させてから学園に子供を入学させるように指示を出さなければならないな。
そもそも王太子妃教育までなら、婚約破棄をされても令嬢側には問題はなかった。いや、優秀な者を王家に取り込めないという意味では問題があるが、それは今は置いておく。
しかし、王妃教育は別だ。王妃教育に入った時点で令嬢には常に護衛と監視が大量に付けられる。何故だが分かるか?」
そこまで言われても変わったような顔をしている者は居なかった。
それを見て父上は心底失望した顔をしてから、話を再開させた。
「それは王妃教育には重大な国の機密が関わるからだ。よって、王妃教育が始まってから婚約破棄又は婚約を解消されれば、すぐさま令嬢は殺されることになる」
この言葉に会場が息を呑んだ。
「これはお前の教育の内容にも、更にはこの場に居る高位貴族の令嬢や子息達の教育内容に含まれるため知っていた筈だ。それなのに何故、破棄したのだ?そして、何故すぐさま止めなかった?」
その言葉に私や会場の者達が何も言えずに居ると、父上はため息を付いてから再び話しだした。
「ふぅ、いや、もう良いか。どうせ、問い詰めた所で既に起こってしまった事には、変わりない」
そう言って父上は遠く見つめ、母上は悲痛そうに顔を歪め、騎士団長は自身が白くなるほどに手を握り怒りを堪えているように見えた。
それは私や息子であるはずのキースもだった。
私が退くように命令したが、「これは王命です」と言われれば何も言えない。
そのために何も出来ずただ待機していると、国王陛下と王妃様が、つまり私の父上と母上が到着された。
そして、2人は婚約者の事切れているのを見てから、父上が王命を出した。
「最初にこの場で起きたことを外に漏らすことは禁じる。更に平民の卒業生は王城以外に就職する予定があるものは、王城へと変更する。以上の事は王命である、王命を破った場合はその者を処刑する為、留意せよ」
そう宣言してから、父上が私に話しかけてきたしてきた。
「お前にはきちんと教育をしてきたつもりでは居たが、まだまだだったようだ。これからは今まででよりも厳しくなると覚悟せよ。
それでアイリスに婚約破棄を突き付けてまで結婚したかった令嬢はだれだ?」
「え、は、はい、ミリアです」
私がそう言うと、父上と母上は眉を潜めた。
「ミリアとは、まさかミリア・アスレイクの事ではあるまいな?」
「え、いえ、ミリア・アスレイクです」
「そうか、それならばミリア・アスレイクは側室か愛妾にし、出来れば高位貴族、最低でも子爵家の令嬢を正妃にせよ」
「な、なぜですか!?私はミリアと「黙りなさい」、母上?」
「お前には失望しました。ですが、既に終わってしまったこと。今後は些細な失敗も出来ないと覚悟しておきなさい。次に失敗したら、私は貴方を王族から引きずり降ろします」
「は!?わ、私をですか!?なぜです!?」
「目の前でアイリスが事切れているのが見えないのですか?そういうことです」
「ど、どういうことですか?」
私がそう言うと、父上と母上更には騎士団長も私にありえないものを見る目で見てきた。
それから3人で何かを話してから、母上が質問してきた。
「貴方はこの場で、いえこの時に婚約破棄を宣言することの意味が分かっていないのですか?」
「い、意味?一体どういう」
「アイリスは既に王太子妃を超えて、王妃教育すら半分まで来ていたのですよ?」
母上が言っている事が理解出来ずに首を傾げた。
それは私以外の令嬢や子息もそうであったらしく、むしろ首を傾げていない者は見当たらない。
そんな私達の様子を見て、父上はため息をついてから言った。
「まさか学園がここまでとは。今後は貴族達にきちんと教育させてから学園に子供を入学させるように指示を出さなければならないな。
そもそも王太子妃教育までなら、婚約破棄をされても令嬢側には問題はなかった。いや、優秀な者を王家に取り込めないという意味では問題があるが、それは今は置いておく。
しかし、王妃教育は別だ。王妃教育に入った時点で令嬢には常に護衛と監視が大量に付けられる。何故だが分かるか?」
そこまで言われても変わったような顔をしている者は居なかった。
それを見て父上は心底失望した顔をしてから、話を再開させた。
「それは王妃教育には重大な国の機密が関わるからだ。よって、王妃教育が始まってから婚約破棄又は婚約を解消されれば、すぐさま令嬢は殺されることになる」
この言葉に会場が息を呑んだ。
「これはお前の教育の内容にも、更にはこの場に居る高位貴族の令嬢や子息達の教育内容に含まれるため知っていた筈だ。それなのに何故、破棄したのだ?そして、何故すぐさま止めなかった?」
その言葉に私や会場の者達が何も言えずに居ると、父上はため息を付いてから再び話しだした。
「ふぅ、いや、もう良いか。どうせ、問い詰めた所で既に起こってしまった事には、変わりない」
そう言って父上は遠く見つめ、母上は悲痛そうに顔を歪め、騎士団長は自身が白くなるほどに手を握り怒りを堪えているように見えた。
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