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アフターストーリー お茶会編

過去話 第一王子誘拐④

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とても重そうな金属で出来た扉が開くと、陛下に王妃様、近衛騎士団長に司法長がいらっしゃいました。
その時の私は陛下しか分かりませんでしたが、陛下の前なのでかなり緊張していました。
緊張しながらも、宰相様と両親に続き部屋に入りました。

私達が部屋の中に入っても誰も話をしないので、私は何かしてしまったのかと更に緊張していましたが、そんな私を見ながら陛下が始めに両親に質問しました。

「ふむ、その娘が例の『加護』を受けた娘、で良いのだな?セーメマ男爵」

陛下がそう質問すると、両親は少し震えながら返事をしました。

「は、はい。その通りにございます、陛下」

その時は両親が陛下と話しているので緊張から震えていると思っていたのですが、後日話を聞くと、「『加護』の申告を5歳にしないのは重罪だからね。処罰を受けるのは覚悟していたけど、どんな処罰か決まるまでは震えが止まらなくてね」と苦笑いしながら私の頭を撫でてくれました。

そんな理由で震えている両親を私が見ていると、司法長様が引く声を出しながら両親に聞きました。

「陛下、セーメマ男爵家に『加護』持ちの娘が居るですか?私の耳には、その様な話は届いていないのですが」

司法長様のこの言葉で両親の震えが酷くなったのを今でも覚えています。
震えが酷くなった両親を私は不思議そうに見つめていたのですが、そんな私に陛下が言いました。

「セーメマ男爵令嬢、名をなんと言う?」

私は陛下に直接名前を聞かれたので、慌てて頭を下げながら言いました。

「し、失礼しました、陛下。デナータ・セーメマ男爵令嬢と申します」

陛下は私の言葉に頷くと、司法長様に私を紹介しました。

「司法長、今聞いた通り、この娘はデナータ・セーマメ男爵令嬢だ。この令嬢は『龍神の加護』を授かったらしい。

セーマメ男爵とセーマメ男爵夫人は、自分達では『龍神の加護』を授かった娘を守り切れないと判断して、私に『加護』の話をするまで申告しなかったらしい」

陛下がそう言うと、司法長様は目を見開きました。
そして司法長様は何度か瞬きをすると、今度は目を閉じて何かを考える様な仕草をした後、私の両親に質問しました。

「セーマメ男爵並びにセーマメ男爵夫人、『加護』の偽装や無申告は、それを実行した人間は下手をすれば極刑もあり得る。それならば、例え他の貴族に知られる事になっても普通に申告した方が良かったのではないか?」

司法長様がそう言うと、私の母が口を開きました。

「確かに私達の立場を考えるだけならば、そうした方が良かったと思います。ですが、娘の『加護』が大貴族の方にバレれば娘の保護と称して、何をされるか分かりません。

貴族には洗脳や調教、脅し等の非道な事をする方が、少なからずいらっしゃいます。そんな方に捕まったら、娘は幸せになれません。私達は極刑になっても良いのです。ですが、娘だけは、娘だけは守って頂けないでしょうか」
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