十秒探偵ナポレオン＆トモロー 【６６６】は悪魔のナンバー！

６６６は悪魔のナンバー

６６６

　校舎を出るとすっかり明るくなっていた。


　けれども今日も早朝から暑い。


　校庭の周りにはすでに何人か人が集まっていた。
　近所の野次馬だろう。


　手にはスマホを持って校庭にできた【６６６】を写うつしているようだ。

　


　誰かがネットで拡散したみたいだ。


　野次馬の中に目つきの悪い初老の男性がいた。


　何やらブツクサと文句を言っているようだ。



「！」
　ボクと視線が合うと、憮然とした顔で自分の家へ引き返していった。


　
「ぬウゥ」おかしな人だ。



　その時、ひと際、大きなエンジン音を響かせ一台の派手な車がやってきた。
　一瞬で校門の前が騒然となった。


　真っ赤なBMWだ。
　朝っぱらから賑やかな登場だ。


　しかし美人弁護士のクリスではないだろう。

　クリスの車ならば真っ赤なポルシェのはずだ。

　だとすれば、あのBMWを運転しているのは彼なのか。


　さっそうとカッコウをつけて外車から男が現われた。
　真っ赤なモヒカンみたいなヘアスタイルの男だ。

　自称、迷惑系ユーチューバーの城ジョーダンだ。



　ある事件でナポレオンが助けて以来、ボクたちの足としてドライバーをしてくれていた。



「よォ、おぼっちゃま探偵さんよォ。ここか？」
　ジョーはヘッドセットをしてナポレオンに連絡していた。

　まるでビジュアル系ミュージシャン気取りだ。


「ジョーさん。校門の前に車を停めちゃダメですよ」
　慌ててボクもマリリンを連れて校門の前へ駆け寄った。