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砂の城……✨✨✨

ナポレオン……(三人称)

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 県警本部では課長から矢作に感謝状が送られていた。


「ほらァ、スーパースター。バスから龍崎のご令嬢を救出した感謝状だ」
 課長は苦笑いを浮かべ感謝状を手渡した。



「はァ、出来れば焼き肉の食事券の方がありがたいんですけどね」
 おどけたように苦笑した。




「贅沢を言うな。ッたく、火の中のバスへ飛び込んでいったそうだな。死ぬ気か。バカヤロー」



「ハッハハ、死にませんよ。何しろ憎まれっ子、世にはばかるですからね」
 


「知るかよ。頼むから無茶するなよ。ハギ!!」



「わかっていますよ」
 矢作は、苦笑いして席に着くと隣りの富田が嬉しそうに微笑みかけてきた。



「フフゥン、命がけの代償が、感謝状一枚ですか」
「るっせぇな。ほっとけよ」
 その時、着信バイブが響いた。




「ンうゥ……」見ると非通知だ。躊躇いながらも通話ボタンをタップした。



《やァ、おめでとう。ハギさん。感謝状一枚じゃァ寂しい限りだけどねえェ》
 いきなり少年ナポレオンの明るい声だ。


「お前なァ……。どっかで盗聴してるのか」
 とっさに矢作は辺りを見回した。


《まさか。そんな悪いことしてないよ。実は、ハギさんにお願いがあって》


「ふざけんな。そうそうレオンの願いばっか聴いていられるか」



《実はさァ……。龍崎レイラが退院したんで、オレの代わりにお見舞いに行って欲しいんだ》
 だが、まったく聞く気はないようだ。


「お前なァ……」


《頼むよ。彼女がハギさんの探してる榊ルナなんだから、さァ》



「なにィィ……!  サカキルナだと!!」
 立ち上がり叫んだ。隣りに座る富田もびっくりだ。


《ああァ……、これはオレからのハギさんへの感謝の密告だ。秘密だぜェ!》



「ぬうぅ……、なにが秘密だァ」
 矢作は着信画面を睨みつけた。








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