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横須賀へ……✨✨✨✨
ナポレオン……(三人称)
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矢作は青く澄んだ空を眺めていた。
白い飛行機雲が青空を横切っていく。
車内にはちょうど『横須賀ストーリー』が流れていた。
『これっきり、これっきり、これっきりですかァ♪』
軽快なロックサウンドが心地よい。
不意に着信バイブが響き、矢作は眉をひそめてスマホの画面を確かめた。非通知と表示されている。
「もしもし……」取り敢えず電話を繋いだ。
《やァ、ハギさん。ようやくセーラーエンジェルを調べる気になったのか?》
スピーカーから子供のように甲高い声が流れた。まだ声変わりしていない少年みたいだ。
「ンううゥ……、なんだ。少年! 子供相談室なら別のトコへ掛け直せよ」
面倒くさそうに、矢作は景色を見ながら苦笑いした。
《フフゥン、まだ警察は黒川ジュリアが多摩山中に埋まっていると思っているのか》
妙に馴れなれしい口調だ。完全に舐めているみたいに話しかけてくる。
「さァな。アマチュアのおぼっちゃま探偵さんには教えられないよ」
「フフ……」運転している富田も肩をすくめ苦笑した。
《良いのか。遺体なんて見つかるはずはないんだ。黒川ジュリアは生きているんだよ。整形して別人としてね》
「ほォ……、そいつは知らなかったな……。
どこのネットに出ていた噂だ」
あまり興味がなさそうな素振りだ。
ネットではオッパイ番長、黒川ジュリア生存説が根強く出回っている。
《さァねえェ。黒川ジュリアは、阿久津が邪魔だったんだよ。それで、阿久津を資産家 万堂の保険金殺人犯に仕立て上げて自殺に偽装して殺したのさ》
「おいおい、車のダッシュボードには黒川ジュリアを刺した凶器のナイフがあったんだぜ」
はじめは軽く否していくつもりだったが、徐々に矢作も熱を帯びていく。
《バカだなァ。そんなの黒川ジュリアが自分で刺してナイフに血痕を付着させといたんだよ。
ハギさん、『科○研の女』を見たことないの?》
「あのなァ……。お前は誰だ」
《オレか。オレはナポレオンだ》
「はァ、なんだァとォ……。ナポレオン?」
《そうさ。これからは『レオン』ッて呼んでくれ。
オレも『ハギさん』ッて呼ぶから》
「ぬうぅ、なにがレオンだ」
《フフゥン……、良いか。オレの辞書に解けない謎はないんだ。
すべての謎はこのナポレオンに解かれたがっているんだからねェ……》
強気のセリフだ。
「おいおい、おぼっちゃま探偵さんよ。警察は、お子様の『探偵ごっこ』に付き合うほど、暇じゃねえェンだよ」
《フフゥン……、せいぜい横須賀の街を堪能するんだな。じゃァ、バイバイ》
勝手に少年は通話を切ってしまった。
「おいおい、マジか」
「フフゥン、ハギさんも大変ですね。子供のお守りまでさせられて……」
富田は運転しながら苦笑いを浮かべた。
「知るか。ッたくゥ……」
また矢作は青空に浮かぶ飛行機雲を見つめた。
だが、ナポレオンと名乗る少年の言葉がヤケに気に掛かった。
もしかしたら本当に黒川ジュリアは整形し名前を変え別人として、どこかで生きているのだろうか。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
白い飛行機雲が青空を横切っていく。
車内にはちょうど『横須賀ストーリー』が流れていた。
『これっきり、これっきり、これっきりですかァ♪』
軽快なロックサウンドが心地よい。
不意に着信バイブが響き、矢作は眉をひそめてスマホの画面を確かめた。非通知と表示されている。
「もしもし……」取り敢えず電話を繋いだ。
《やァ、ハギさん。ようやくセーラーエンジェルを調べる気になったのか?》
スピーカーから子供のように甲高い声が流れた。まだ声変わりしていない少年みたいだ。
「ンううゥ……、なんだ。少年! 子供相談室なら別のトコへ掛け直せよ」
面倒くさそうに、矢作は景色を見ながら苦笑いした。
《フフゥン、まだ警察は黒川ジュリアが多摩山中に埋まっていると思っているのか》
妙に馴れなれしい口調だ。完全に舐めているみたいに話しかけてくる。
「さァな。アマチュアのおぼっちゃま探偵さんには教えられないよ」
「フフ……」運転している富田も肩をすくめ苦笑した。
《良いのか。遺体なんて見つかるはずはないんだ。黒川ジュリアは生きているんだよ。整形して別人としてね》
「ほォ……、そいつは知らなかったな……。
どこのネットに出ていた噂だ」
あまり興味がなさそうな素振りだ。
ネットではオッパイ番長、黒川ジュリア生存説が根強く出回っている。
《さァねえェ。黒川ジュリアは、阿久津が邪魔だったんだよ。それで、阿久津を資産家 万堂の保険金殺人犯に仕立て上げて自殺に偽装して殺したのさ》
「おいおい、車のダッシュボードには黒川ジュリアを刺した凶器のナイフがあったんだぜ」
はじめは軽く否していくつもりだったが、徐々に矢作も熱を帯びていく。
《バカだなァ。そんなの黒川ジュリアが自分で刺してナイフに血痕を付着させといたんだよ。
ハギさん、『科○研の女』を見たことないの?》
「あのなァ……。お前は誰だ」
《オレか。オレはナポレオンだ》
「はァ、なんだァとォ……。ナポレオン?」
《そうさ。これからは『レオン』ッて呼んでくれ。
オレも『ハギさん』ッて呼ぶから》
「ぬうぅ、なにがレオンだ」
《フフゥン……、良いか。オレの辞書に解けない謎はないんだ。
すべての謎はこのナポレオンに解かれたがっているんだからねェ……》
強気のセリフだ。
「おいおい、おぼっちゃま探偵さんよ。警察は、お子様の『探偵ごっこ』に付き合うほど、暇じゃねえェンだよ」
《フフゥン……、せいぜい横須賀の街を堪能するんだな。じゃァ、バイバイ》
勝手に少年は通話を切ってしまった。
「おいおい、マジか」
「フフゥン、ハギさんも大変ですね。子供のお守りまでさせられて……」
富田は運転しながら苦笑いを浮かべた。
「知るか。ッたくゥ……」
また矢作は青空に浮かぶ飛行機雲を見つめた。
だが、ナポレオンと名乗る少年の言葉がヤケに気に掛かった。
もしかしたら本当に黒川ジュリアは整形し名前を変え別人として、どこかで生きているのだろうか。
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