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砂の城……✨✨✨

矢作警部補……(三人称)

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 矢作は車の助手席で、ぼんやりと横浜の街並みを眺めていた。



 手には、包帯が巻かれ顔にはまだ煤がついている。
 バス放火事件で負った名誉の負傷だ。



 彼のおかげで重傷だが龍崎レイラの恰好をした榊ルナは、かろうじて命は助かり救急搬送されていた。


 搬送される際、間違って龍崎レイラとして病院へ運ばれたが、それはまだ本人しか知らない。

 

「大変ですよ。ハギさん!」
 慌ててイケメンの若手刑事、富田が運転席へ駆け込んできた。



「どうした……。地球防衛軍に代わって、『死んだ怪獣のお片付け』でもやれっていうのか」
 うんざりした顔で天を仰いだ。



「いやいや、まさか。ルナですよ。榊ルナだったらしいんです」


「ン、サカキ ルナ!  見つかったのか。ルナが?」
 この情報には矢作も興味津々だ。



「いえ、あのバス放火事件で焼身自殺の巻き添えを食った少女がいたでしょ」


「あン?」矢作は眉をひそめた。



「彼女が榊ルナだったンです」



「なにィ……、あの焼身自殺に巻き込まれて」

「ハイ、今から遺体安置所へ向かいます」
 さっそく富田は車を発進させた。



「マジか。あの事故でサカキ ルナが……」
 矢作は両目を瞑って、また天を仰いだ。








 ☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚






 警察の遺体安置所へ駆けつけた矢作と富田は、そこで父親の榊と出会った。



 遺体安置所に父親の悲痛な叫び声が響いた。

「うッううゥ……、くッそォ、いったい誰がルナをォォーー!!」
 榊は大げさに遺体にすがるように泣き叫んだ。
 下手な三文芝居を見ているようだ。



「ご愁傷様です……」矢作たちは榊に哀悼の意を示すように丁寧に頭を下げた。
 


「ぬうぅ、おッ、お前らは!  何しに来たンだ!!」
 刑事を見て、榊はギョッとした。


「……」矢作たちもバツが悪い。



「なんでだよ。どうしてルナが焼身自殺の巻き込まれなきゃならないんだ!!」
 まるでドラマのようなセリフだ。


「申し訳ありませんが……。榊ルナさんに間違いありませんか」
 

「ああァン、当たり前だろう。ルナじゃなかったらこの金髪の美少女は誰だって言うんだ」


「いえ、そうでしょうけど……、確認してもよろしいでしょうか」


「確認……、何を確認する気だ」
「そうですねえェ……。本当にルナさんかどうかを」



「はァ、ルナじゃなかったら、誰だって言うんだ」



「いえ……、もしかしたら龍崎レイラさんではないかと」


「ああァン……、龍崎レイラ!  誰だよ。そりゃァ」













☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.


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