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ロリコン万堂……

万堂邸……（三人称）

「金に糸目をつけないタイプなんでしょ。たぶん」
　富田は自信満々に推理を述べていく。



「うッううゥン……」
　矢作は腕を組み何かを考えるように唸った。

　


「万堂さんはあの嵐の日のお昼過ぎに、銀行へ行き現金二千万円を下ろしてます。ボストンバッグへ現金二千万を入れ銀行をあとにしています」
　富田はタブレットを確認しながら､矢作へ告げた。


「ああァ……」



「そこまでは､銀行の防犯カメラでも確認済みなので､間違いないでしょう」


「ああァ､だろうな」


「問題はその後なんですが、万堂さんは横須賀方面へ向かったようです」


「横須賀……」

「ハイ、そこでおそらく何者かと落ち合い、非合法のコスプレ撮影会に参加したんですよ」



「おいおい、コスプレ撮影会の参加料が銀行から下ろした二千万かァ」


「いやいや、まさか。二千万は別ですよ。オプションと言うか」


「オプション……」
「ええェ、とにかく万堂さんは、横須賀のどこかの民家か､ラブホで､美少女のコスプレ撮影会をしたんです」



「コスプレか。それが失くなったセーラーエンジェルのセーラー服か」


「ええェ、そうですよ。ッで、主催者に金を握らせ､台風の中、チェキでの撮影会が始まった。
　その一枚が､この内ポケットにあったチェキなんでしょ」


「ううゥ……」

「おそらくこの美少女は主催者の関係者、例えば娘とか､まァ、金でモデルをやらせていたんでしょう」


「そうだなァ……」
　矢作は､チラッと画像のコピーを見た。
　
　目は傷んでわからないが､モデルの肌ツヤからしてまだ若い。
　どう見ても中高生だろう。


「そこで主催者とは話しがついていたのでしょう。
　銀行から下ろした現金二千万です！！」　


「エッチの代金か。高っけェな……」



「いえ、もしかしたら主催者は､モデルがバージンだからと吹っかけたのかもしれません。なにしろ趣味には金に糸目をつけないタイプですから。
　被害者の万堂さんは！！」

「なるほど、どうせ電子マネーで儲けたアブク銭だ」



「そうですよ。ッで、昼過ぎに銀行で下ろした二千万で、そのモデルとエッチしたいとか言って襲い掛かったんですよ」


「ぬうぅ」


「折しも、台風でどんなに叫んでも喚いても､悲鳴は外には漏れない。はじめは穏便に行くつもりが、徐々にエスカレートしてきたんですよ」

「それで逆に､セーラーエンジェルに反撃され、ガッツンか」


「ええェ……、どうでしょうか」










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