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嵐の中で……✨✨✨✨

嵐の中で……

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「確かにキミからして見れば、オジさんかもしれないな」
 まだ顔を見つめている。なぜか、胸が痛いほどドキドキしてきた。

「じゃァ、キミのお母さんに連絡だけしておこう」

「お母さん……、そんなヤツ知るかよ」
「えェ……、知るかッて」

「ああァ……、そうさ。幼い時に、どっかに消えてそれッきりだよ」
「うゥ、どっかに消えた?」

「ああァ、私をDV親父のトコへ置き去りにしてなァ!!」

「そうか。置き去りに……」
 つらそうに顔を歪めた。


「フフゥン、ルナだよ。私の名前はルナ」
「ええェ……?  ルナ」

「ああァ、このまま誰かの前でビーナスなんて呼ばれたら死ぬほど恥ずかしいからな」
 そっぽを向いて、ぶっきらぼうに応えた。
 ビーナスなんて呼ばれたらマジで赤面してしまう。



「なるほどルナか。フルネームは?」


「はァ……、バカか。なんでホストに個人情報なんか教えられるんだよ」



「ホストッてェ……、オレが」


「あんた以外、ここには居ないだろう。ホストじゃァなきゃ、どっかのセレブマダムのお抱えジゴロかよ」

「フフゥン、ジゴロねえェ……」
「だって、この車、ポルシェだろう。安月給のサラリーマンには、おいそれと買えないシロモノじゃン」

「確かになァ。オレは弁護士だよ。セレブ御用達のね」


「フフゥン、ウソつくなら、もう少しリアリティを持たせろよ」


「ウソ……」
「アキラが弁護士なら、私は正義の味方、ジャスティスレディーか」


「はァ、ウソじゃないさ。ほらよ。このバッチを見ろよ。弁護士の証しヒマワリのバッチだ」


「フフゥン、そんなのどっかの通販サイトにいくらでも売ってるヤツじゃン」


「なッ……、あのなァ」
「だいたい本物を見たコトがないんだ。ニセか本物かなんて、見分けがつかないだろォ」


「フフ、確かにルナの言う通りだな。じゃァ、どうする。自宅はダメ。警察はNG。だとしたら病院か」



「良いよ。一応、身体はなんともねえェからな……」
 ゆっくりと肩を動かした。幸い痛みは感じない。



「それでも、一応人身事故だからな。下手に対応を間違えると、どっかのイケメン俳優みたいに世間からバッシングされるだろォ」



「平気だよ……。病院なんか」



「じゃァ、どうするんだ。二人で仲良くラブホで一夜を明かすのか」
 近くにラブホのイルミネーションが輝いている。



「アキラァ、ぶん殴るぞォ」
 ファイティングポーズを取った。
 

「おいおい……、ラブホも却下じゃ、夜通し嵐の中、ドライブさせるつもりか」


「うッううゥン……」少し考えた。
 チラッとアキラの顔を伺った。


 ドキドキするほどイケメンだ。
 ロリコンジジーとは雲泥の差だろう。


「じゃァ、アキラの部屋へ連れてけよ」
 我ながら大胆な告白だ。















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