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フリージア

由真《ゆうま》視点

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『ああァオレは由真ゆうま。岬由真だ』
 取り敢えずオレは自己紹介をした。

『どうする。おじやか何か食べてから解熱剤を飲む?』
 マリアは出掛ける用意をしていた。


『ふぅん、おじやァ?』


『勝手にレンジであっためて。薬はそこの薬箱の中にあるから』
 指示を送って出かけようとした。



『ああァそういえば、どのくらい寝てたんだ。オレは?』


『七、八時間でしょう。悪いけど、私出掛けるから。留守番頼むわねえェ』
 時間を気にしていた。あまり余裕はないみたいだ。



『おいおい、さっきまで名前すら知らなかったオレに留守番を頼むのか?』
 


『大丈夫よ。由真は、悪い人じゃないから』



『はァなんだよ。そりゃァこんなケガだらけのヤンキーがい人だって言うのか?』


『じゃァ悪い人なの。由真は?』
 マリアは意味深に笑みを浮かべた。

『えェッ、まァそうだな』
 一瞬、オレは考えた。
『どっちかって言えば、善い人かな』


『そう、じゃァ行ってくるけど。あんまり部屋の中とかタンスの中とか見ないでよ』
 彼女は時間を気にして玄関を出ていった。

『ああァ見ないよ。行ってらっしゃい』
 オレは彼女を見送った。

 すっかり熱も収まったようだ。

 
 暇になったオレは冷蔵庫にあった具材でカレーを作った。 


 特製カレーだ。









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