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天才探偵ナポレオン

フリージア

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 今回のターゲットなのだろう。



 金髪で黒地のTシャツだ。
 背中には白くドクロのイラストが描かれていた。

 かなりリアルスティックなドクロのイラストだ。

 見るからに派手なヤンキーファッションだろう。
 


 腕にはタトゥが施されてあった。

 背丈はさほど高くない。
 百七十センチ弱だ。

 
 しかし顔は美しい。
 美少女のようにキレイな顔だ。


 見ると墓石には不釣り合いな赤と白い花が手向けられていた。


 おそらくフリージアなのだろう。

 推しのアイドルが好きな花なのでボクも覚えていた。




「よォ、由真ユーマ。暑い中、墓参りか。ご苦労だなァ?」
 旧友のジョーが先頭に立って彼に声を掛けた。

 

 由真はチラッとジョーとボクたち一行を眺めた。

「ふぅん、ジョーか。どうした。みんな揃って家族連れか?」
 すぐさま由真はジョークで返した。



「フフゥン、取り敢えずユーマが墓参りに来るって言うんで、仲間と一緒にお参りに来たんだよ」



「なんだ。ジョー。美人弁護士のマネージャーにでも転身したのか?」
 由真は、ジョーをあざ笑った。



「ハッハハッ、ちょっと彼女たちとはでねェ。少年探偵団のアッシーを仰せつかってるのさァ」
 ジョーは茶化すように言い訳をした。



「はァ、少年探偵団のアッシー?」
 由真は眉をひそめた。まったくワケがわからない。



 そこへナポレオンがリモートで割り込んだ。




『フフッ、取り敢えず自己紹介しておこう。ボクが天才探偵のナポレオンさァ!』
 いつものようにリモート画面で自画自賛してきた。




「ふぅん、天才探偵のナポレオンねえェ。自分で天才探偵なんてずい分と傲慢だなァ!」
 由真ユーマは鼻で笑っていた。



 彼にとっては一介の年端のいかない『少年探偵』に見えるのだろう。




『傲慢かどうかは謎解きが済んでからにしてくれよ。断っておくけど、すべての謎はこのナポレオンに解かれたがってるんだ!』
 だが美少年探偵も負けてはいない。

 お馴染みのセリフだ。



 相変わらずプライドが高い。








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