上 下
27 / 57
解決編

ナポレオン

しおりを挟む
「ありがとうございます。なんと言ってお礼を述べたら良いか」
 容疑者だった辺見レイカはナポレオンと美人弁護士の神堂クリスに深々と頭を下げて礼を言った。
 

 疑いが晴れて、満面の笑みを浮かべていた。


「ハッハハッ」
 褒められたわけではないが、ボクも嬉しくなった。

 辺見レイカの笑顔は思った以上に可愛らしい。
 


『別に、礼には及ばないさァ。ボクは事件を解決しただけだからねえェ』
 相変わらず、ナポレオンはクールな受け答えだ。



「はァ、そうなんですか?」
 辺見レイカも面食らったようだ。
 目をパチクリさせた。


 
 おそらくナポレオンが謎解きをしなければ、辺見レイカは鰐口警部補たちに最寄りの警察署へ連行されていただろう。

 ある意味、ナポレオンは恩人と言えるかもしれない。







 そのあとボクとクリスは海水浴を楽しんだ。


 水着などはすべてナポレオンのカードで支払ってもらった。
 さすが龍宮寺家の御曹司だ。

 彼は事件解決のお礼だと言った。




 ボクは今年、初めての海水浴だ。


「キャッキャッ、ほらァトモロー!」
 クリスも波打ち際で楽しそうだ。



「うわァやったなァ!」
 美女との海水浴なんて始めてだ。
 

 できればナポレオンも一緒に遊びたいが、炎天下の海水浴など無理に決まっている。



 ナポレオンにとって真夏の海岸での日焼けなど自殺行為だろう。




 ボクはクリスの水着姿をの当たりにできただけでももうけものだ。




 それにしてもあっという間に事件が解決した。




 いまだに信じられないことがボクの目の前で巻き起こったみたいだ。



 奇跡と言っても、大げさとは言えないだろう。
 
 




 まさに『十秒探偵ナポレオン』の誕生と言っても過言ではない。





 名探偵シャーロック・ホームズに匹敵するほどの推理だ。





 こうしてナポレオンとボクは数々の難事件を解決することになった。




 たとえどんなに困難が待ち受けようと。



 いつだって手にはお気に入りのミステリーを。



 そしてハートには勇気を持って正義を貫く所存だ。









しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ネコ耳探偵 未亜&犬のおまわりさん 真犯人はあなたに決定ニャン!!

オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
児童書・童話
彼は犬野正直と言う名前の通り真面目で正直なだけが取り柄の犬のおまわりさんだった。猫耳を付けた自称名探偵の未亜に巻き込まれ、今日も探偵ごっこを始めた。そこへ資産家の金有太蔵がペットのラッキーを探してくれと交番へやって来た。未亜と犬のおまわりさんは、ラッキーを探して資産家の金有邸の近所を探していた。犬のおまわりさんは、屋敷へ入っていく犬のラッキーを見かけ入り込むと金有太蔵が鈍器で殴られ意識不明で倒れていた。しかもダイイングメッセージなのか『もも』と言うメッセージを残していた。第一発見者として容疑をかけられた犬のおまわりさんは探偵未亜と捜査を始めた。果たしてダイイングメッセージの『もも』とは誰のことを指しているのか。容疑者は妻の桃井レイカ、パパ活愛人のもも、そして菱沼カイト、百田ユウマらだ。ネコ耳探偵未亜は、怖モテ警部補の鰐口警部補と共に事件解決へみちびいた。

新十秒探偵『ナポレオン&トモロー』 ナポレオンの辞書に不可能と解けない謎はない!

オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
児童書・童話
たったの十秒ですべての謎を解明する青い髪の天才探偵ナポレオン。美少年で頭脳明晰。だが病気のため直射日光に当たる事ができず、地下シェルターに引きこもって生活をしていた。ナポレオンは相棒のトモローと共に犯人が犯行現場から消失する事件を追うことになった。警察は第一発見者のヤンキーのジョーが犯人と目星をつけるが、美人弁護士のクリスとナポレオンたちが反論した。そしてついにナポレオンはある替え歌を使って鮮やかに事件の真相を解き明かした。『すべての謎はナポレオンに解かれたがっている』。

十秒探偵ナポレオン&トモロー 写楽の正体を暴け!

オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
児童書・童話
夏休みの自由研究のテーマが決まらないトモローは、ナポレオンと共に写楽の研究をすることになった。日本四大浮世絵師のひとり東洲斎写楽が誰なのかをナポレオンが鮮やかに解き明かした。

イケメン男子とドキドキ同居!? ~ぽっちゃりさんの学園リデビュー計画~

友野紅子
児童書・童話
ぽっちゃりヒロインがイケメン男子と同居しながらダイエットして綺麗になって、学園リデビューと恋、さらには将来の夢までゲットする成長の物語。 全編通し、基本的にドタバタのラブコメディ。時々、シリアス。

月神山の不気味な洋館

ひろみ透夏
児童書・童話
初めての夜は不気味な洋館で?! 満月の夜、級友サトミの家の裏庭上空でおこる怪現象を見せられたケンヂは、正体を確かめようと登った木の上で奇妙な物体と遭遇。足を踏み外し落下してしまう……。  話は昼間にさかのぼる。 両親が泊まりがけの旅行へ出かけた日、ケンヂは友人から『旅行中の両親が深夜に帰ってきて、あの世に連れて行く』という怪談を聞かされる。 その日の放課後、ふだん男子と会話などしない、おとなしい性格の級友サトミから、とつぜん話があると呼び出されたケンヂ。その話とは『今夜、私のうちに泊りにきて』という、とんでもない要求だった。

笑いの授業

ひろみ透夏
児童書・童話
大好きだった先先が別人のように変わってしまった。 文化祭前夜に突如始まった『笑いの授業』――。 それは身の毛もよだつほどに怖ろしく凄惨な課外授業だった。 伏線となる【神楽坂の章】から急展開する【高城の章】。 追い詰められた《神楽坂先生》が起こした教師としてありえない行動と、その真意とは……。

悪魔さまの言うとおり~わたし、執事になります⁉︎~

橘花やよい
児童書・童話
女子中学生・リリイが、入学することになったのは、お嬢さま学校。でもそこは「悪魔」の学校で、「執事として入学してちょうだい」……って、どういうことなの⁉待ち構えるのは、きれいでいじわるな悪魔たち! 友情と魔法と、胸キュンもありの学園ファンタジー。 第2回きずな児童書大賞参加作です。

訳あり新聞部の部長が"陽"気すぎる

純鈍
児童書・童話
中学1年生の小森詩歩は夜の小学校(プール)で失踪した弟を探していた。弟の友人は彼が怪異に連れ去られたと言っているのだが、両親は信じてくれない。そのため自分で探すことにするのだが、頼れるのは変わった新聞部の部長、甲斐枝 宗だけだった。彼はいつも大きな顔の何かを憑れていて……。訳あり新聞部の残念なイケメン部長が笑えるくらい陽気すぎて怪異が散る。

処理中です...