3 / 119
平家伝説財宝殺人事件✨✨
キヨマサ✨平家の末裔✨✨
しおりを挟む
その瞬間、俺は夢から醒めた。
「わァァーーッ」
俺は嬉しくて叫んでいた。
「財宝だァ! ついに財宝を見つけたぞ」
手を伸ばし起きたが、辺りは別世界だ。
まだ薄暗い。未明だった。
相変わらず蒸し暑い夜だ。全身から汗が滲んだ。
「うううゥ……、ここは」
俺は目を凝らして周りを見回した。
住み慣れたうす汚い長屋の一軒家だ。
深川清住町(現・清澄)にある柿の木長屋と言う粗末な住処だ。
いつもの薄いせんべい布団の上に寝ている。
「ふぅ……、またあの夢か」ため息をついた。
幼い頃から幾度となく見た夢だ。
しかしいつもとは、まったく違った。初めてだ。
いつもは、どうしても目の前に、高く聳りたった壁に阻まれ財宝を拝む事は叶わなかった。
俺の名はキヨと言った。
おっ母ぁが、亡くなる前に俺の本当の名前は清雅で、平家の末裔だと言い遺していた。
もちろんそんな事は世迷言に過ぎない。
亡くなる間際、おっ母ぁが妄想したのだろう。
しょせん俺は一介の浪人に過ぎない。
『平家の末裔』であるはずはないのだ。
「ううゥ……!!」
かすかに疼く手のひらを見ると壁に刻まれた刻印の痕がくっきりと残っている。
「ぬうゥ……、まさか! この刻印は?」
手のひらには揚げ羽蝶のような痕があった。
長屋の仏壇には亡き母から譲り受けた羽子板が飾ってある。数少ない遺品だ。
飾り絵には揚げ羽蝶をかたどった三匹の蝶が刻み込まれてあった。
今にも飛んでいきそうなほど精密な揚げ羽蝶だ。
全国各地には、今でも隠し財宝の伝説が残っている。
有名なところでは徳川埋蔵金だ。
その他にも武田信玄、豊臣秀吉の埋蔵金など名だたる武将には埋蔵金伝説が数多く残っていた。
そして、もうひとつ『平家の隠し財宝』にまつわる伝承があった。
俺たちは、この平家伝説に関わる事件に巻き込まれることになった。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
「わァァーーッ」
俺は嬉しくて叫んでいた。
「財宝だァ! ついに財宝を見つけたぞ」
手を伸ばし起きたが、辺りは別世界だ。
まだ薄暗い。未明だった。
相変わらず蒸し暑い夜だ。全身から汗が滲んだ。
「うううゥ……、ここは」
俺は目を凝らして周りを見回した。
住み慣れたうす汚い長屋の一軒家だ。
深川清住町(現・清澄)にある柿の木長屋と言う粗末な住処だ。
いつもの薄いせんべい布団の上に寝ている。
「ふぅ……、またあの夢か」ため息をついた。
幼い頃から幾度となく見た夢だ。
しかしいつもとは、まったく違った。初めてだ。
いつもは、どうしても目の前に、高く聳りたった壁に阻まれ財宝を拝む事は叶わなかった。
俺の名はキヨと言った。
おっ母ぁが、亡くなる前に俺の本当の名前は清雅で、平家の末裔だと言い遺していた。
もちろんそんな事は世迷言に過ぎない。
亡くなる間際、おっ母ぁが妄想したのだろう。
しょせん俺は一介の浪人に過ぎない。
『平家の末裔』であるはずはないのだ。
「ううゥ……!!」
かすかに疼く手のひらを見ると壁に刻まれた刻印の痕がくっきりと残っている。
「ぬうゥ……、まさか! この刻印は?」
手のひらには揚げ羽蝶のような痕があった。
長屋の仏壇には亡き母から譲り受けた羽子板が飾ってある。数少ない遺品だ。
飾り絵には揚げ羽蝶をかたどった三匹の蝶が刻み込まれてあった。
今にも飛んでいきそうなほど精密な揚げ羽蝶だ。
全国各地には、今でも隠し財宝の伝説が残っている。
有名なところでは徳川埋蔵金だ。
その他にも武田信玄、豊臣秀吉の埋蔵金など名だたる武将には埋蔵金伝説が数多く残っていた。
そして、もうひとつ『平家の隠し財宝』にまつわる伝承があった。
俺たちは、この平家伝説に関わる事件に巻き込まれることになった。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
幕末博徒伝
雨川 海(旧 つくね)
歴史・時代
江戸時代、五街道の内の一つ、甲州街道が整備され、宿場町として賑わった勝沼は、天領、つまり、徳川幕府の直轄地として代官所が置かれていた。この頃、江戸幕府の財政は厳しく、役人の数も少なかったので、年貢の徴収だけで手がいっぱいになり、治安までは手が回らなかった。その為、近隣在所から無宿人、博徒、浪人などが流れ込み、無政府状態になっていた。これは、無頼の徒が活躍する任侠物語。
わが友ヒトラー
名無ナナシ
歴史・時代
史上最悪の独裁者として名高いアドルフ・ヒトラー
そんな彼にも青春を共にする者がいた
一九〇〇年代のドイツ
二人の青春物語
youtube : https://www.youtube.com/channel/UC6CwMDVM6o7OygoFC3RdKng
参考・引用
彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」(5ch)
アドルフ・ヒトラーの青春(三交社)
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
豊家軽業夜話
黒坂 わかな
歴史・時代
猿楽小屋や市で賑わう京の寺院にて、軽業師の竹早は日の本一の技を見せる。そこに、参詣に訪れていた豊臣秀吉の側室・松の丸殿が通りがかり、竹早は伏見城へ行くことに。やがて竹早は秀頼と出会い…。
毛利隆元 ~総領の甚六~
秋山風介
歴史・時代
えー、名将・毛利元就の目下の悩みは、イマイチしまりのない長男・隆元クンでございました──。
父や弟へのコンプレックスにまみれた男が、いかにして自分の才覚を知り、毛利家の命運をかけた『厳島の戦い』を主導するに至ったのかを描く意欲作。
史実を捨てたり拾ったりしながら、なるべくポップに書いておりますので、歴史苦手だなーって方も読んでいただけると嬉しいです。
女の首を所望いたす
陸 理明
歴史・時代
織田信長亡きあと、天下を狙う秀吉と家康の激突がついに始まろうとしていた。
その先兵となった鬼武蔵こと森長可は三河への中入りを目論み、大軍を率いて丹羽家の居城である岩崎城の傍を通り抜けようとしていた。
「敵の軍を素通りさせて武士といえるのか!」
若き城代・丹羽氏重は死を覚悟する!
JK版ダンシング【横須賀ストーリー】✨💕✨👩❤️💋👨✨💕過疎化の進む地元横須賀をダンスで復興へ✨💕
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
ライト文芸
ピンチをチャンスへ✨✨💕
日本一の過疎地『横須賀市』。地元女子高生が横須賀ネイビーパーカーをまとってダンスで復興へ。
ダジャレから始まった企画で横須賀市の『政策コンペ』へ出典することに。
JKが横須賀を変える。そして、日本を。
世界じゅうに……。
ダンスで逆境を切り開け!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる