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平家伝説財宝殺人事件✨✨

キヨマサ✨平家の末裔✨✨

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 その瞬間、俺は夢から醒めた。



「わァァーーッ」
 俺は嬉しくて叫んでいた。
「財宝だァ! ついに財宝を見つけたぞ」
 手を伸ばし起きたが、辺りは別世界だ。

 まだ薄暗い。未明だった。
 相変わらず蒸し暑い夜だ。全身から汗が滲んだ。

「うううゥ……、ここは」
 俺は目を凝らして周りを見回した。



 住み慣れたうす汚い長屋の一軒家だ。
 深川清住町(現・清澄)にある柿の木長屋と言う粗末な住処すみかだ。


 いつもの薄いせんべい布団の上に寝ている。
「ふぅ……、またあの夢か」ため息をついた。
 幼い頃から幾度となく見た夢だ。

 しかしいつもとは、まったく違った。初めてだ。

 いつもは、どうしても目の前に、高くそそりたった壁にはばまれ財宝を拝む事は叶わなかった。


 俺の名はキヨと言った。
 おっぁが、亡くなる前に俺の本当の名前は清雅キヨマサで、平家の末裔だと言い遺していた。


 もちろんそんな事は世迷言に過ぎない。
 亡くなる間際、おっぁが妄想したのだろう。
 しょせん俺は一介いっかいの浪人に過ぎない。
 『平家の末裔』であるはずはないのだ。

「ううゥ……!!」
 かすかにうずく手のひらを見ると壁に刻まれた刻印の痕がくっきりと残っている。

「ぬうゥ……、まさか!  この刻印は?」
 手のひらには揚げ羽蝶のような痕があった。

 長屋の仏壇には亡き母から譲り受けた羽子板が飾ってある。数少ない遺品だ。
 飾り絵には揚げ羽蝶をかたどった三匹の蝶が刻み込まれてあった。

 今にも飛んでいきそうなほど精密な揚げ羽蝶だ。





 全国各地には、今でも隠し財宝の伝説が残っている。
 有名なところでは徳川埋蔵金だ。

 その他にも武田信玄、豊臣秀吉の埋蔵金など名だたる武将には埋蔵金伝説が数多く残っていた。



 そして、もうひとつ『平家の隠し財宝』にまつわる伝承があった。

 俺たちは、この平家伝説に関わる事件に巻き込まれることになった。












 ☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚





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