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アナザー横須賀ストーリー✨🎸✨✨✨💕

横須賀ストーリー✨✨✨

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 最後にもう一人、忘れるワケにはいかない人物がいた。
 

 
 川崎勝利ショーリだ。

 彼は、あれから漫画家になる夢を叶えようとアニメの専門学校へ進学し、そのままアニメーターになった。



 今は東京都下の小平市にあるアニメ会社へ勤務つとめているらしい。
 西武新宿線で新宿から西武ライオンズ球場の所沢方面へ向かうようだ。



 LINEでのやり取りは頻繁にしていた。
 そして今日、久しぶりに横須賀へ来ると言う。




 『海の見える丘公園』で待ち合わせた。
 子供の頃から嫌なことがあると、ここから見える東京湾を眺めていた。



 あれから何年経ったのだろう。



 そんなに昔ではないはずなのに妙に懐かしく感じる。



 どこからか、汽笛が聞こえてきた。


「よォ、イチゴォーー……!!」
 不意に背後から聞き覚えのある声がした。


「!!」振り返るとショーリが公園の入り口に立っていた。
 いつもの人懐っこい笑顔だ。
 彼の笑顔を見ると癒やされる。




 しかしファッションは戴けない。

 穴だらけのボロいデニムにグレイの横須賀ネイビーパーカを羽織っていた。


 しかも髪の毛はボサボサの長髪で、さらに不精ヒゲを生やしていた。




「はァ、何よ。久しぶりのデートで、そのカッコ?」
 私は眉をひそめ呆れたように嘆いた。



「いやいや、イチゴに会いたくて徹夜で仕事を切り上げてさァ……。ッて、これってデートなのォ?」
 わざとらしく驚いてみせた。



「知らないわよ。まったく……」
 こっちは念入りに化粧をしたって言うのに……。
 彼はオシャレには、いっさい無頓着だ。



「うッわァ……、そういえばキレイだね。見違えるくらいだぜ」
「なによ。お世辞ーー……」


「いやいや、良い匂いもするし……。なにこの香水。
 シャネルの5番?」  
 クンクンと匂いを嗅ごうとした。



「はァァーー……。知るか。バカなの。女子の匂いを嗅ぐなァ!  セクハラで訴えるぞ!」
 小学生か。ショーリは。二十歳を越えてるんだろう。お前も……。  




 まったくいつまでも変わらないヤツだ。









 ☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚

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