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横須賀ネイビーパーカ✨✨✨

文化祭……✨🎉✨✨

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 一分もしないうちに前言を撤回する事になった。



 二階に上がり机の上を見た途端、私は近所迷惑も顧みず悲鳴を上げた。
「キャァァァァァーーーー!」
 

「なになに、どうしたの」
 さすがにこの悲鳴にショーリも部屋へ駆けつけてきた。



「た、助けてえェ……」思わず私はパニックになりショーリへ抱きついた。



「なんだよ。泥棒ォ?」
 ショーリは私を守るように用心して部屋を見回した。


「ち、違うよ。そこそこ!  そこにいるでしょ」
 私は怖くてショーリの胸に顔を埋め机の上を指差した。


「なんだよ。ゴキブリ?」


「違うのよ。蜘蛛よ。蜘蛛ォォォ」

「え、なんだ。蜘蛛か」


「ねえェ……、早く殺虫剤でやっつけて」
「ダメだよ。蜘蛛は益虫なんだから。殺しちゃ」
 そう言うとショーリは机の周辺を見回し蜘蛛を探し始めた。


「なんだ。キャーキャー言うから、スゴいデカいやつかと思ったら、こんな小さな蜘蛛かァ……」
 呆れたような顔で蜘蛛を追い払った。



「シッシッ、ほらァ、外へ逃げな。ウチのイチゴ姫は蜘蛛が苦手なんだってさァ」
 ルーズリーフ一枚を使い蜘蛛を窓の外へ追い払ってくれた。


「どう?  逃げた」
「ああァ、もう平気だよ。痛いからそんなにギューッとしがみつくなよ」 


「もういない蜘蛛……」不安で堪らない。


「いないよ。平気だって、蜘蛛は最後、地獄へ落ちた時、蜘蛛の糸で助かるかもしれないだろ」


「あれは、結局、蜘蛛の糸が切れて地獄へ行くんだろう」


「そうかもしれないけど」

「わァ、どうしよう。この部屋明日バルサンこうかしら」


「おいおい、平気だって、もう逃げたから」


 
 こんな時は、ショーリが頼もしく思えた。










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