106 / 118
どぶ板通りライブ……✨🎸✨✨💕
どぶ板通りライブ……✨🎸✨💕
しおりを挟む
そのあとも次々と売れてついに完売となった。
「やったァァーー。完売だァァァァ!」
全員、その場でピョンピョン途飛び跳ねた。
「ええェ……、マジなの」
「もうSOUL'd OUTォォ……」
「マジかよ。欲しかったのに……」
まだ観客の中には買い求めたかった人もいるようだ。
「もっと売ってよ」
さっそくクレームがついた。
「申し訳ありません……」
「すみません」
クレームに対して全員で心からお詫びした。
途中、あまりにも売れず心が折れかけたので嬉しい悲鳴だ。
こうして私たちの長かった『横須賀ネイビーパーカ』の制作販売は終了した。
ひとつやり遂げた思いがして清々しい気分だ。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
横須賀中央駅への帰り道。すでに辺りは夕闇が迫っていた。
三笠ビル商店街のアーケードをくぐっていくと、まるで凱旋パレードのように晴れやかな気分だ。
身体は疲れているが、心地よい疲労感だ。
メンバー全員、満足げな顔をしている。
「フフ、どうイチゴ」
ユリアンが私の横に来て意味深に笑った。
「どうッて」
「最後まで反対してたでしょ。ネイビーパーカはダサいッて」
「そりゃァ、オヤジギャグだしねえェ……」
「ッで、終わった今の心境はどうなの」
「フフ、決まってるじゃン。最高よ。最高のメンバーに巡り会えたんだもの」
ゆっくりとみんなの顔を見回した。
この半年間、いろいろな事があった。
衝突したことも。喧嘩をしたことも……。
でも今では全部、懐かしかった想い出になった。
「ねえェ……、最後に平坂を昇って図書館から夜の横須賀を見下さない」
ゴンちゃんが提案した。
「ええェ……、ムリムリ。あの急坂を昇る気力はないよ」
ニコが何度も首を横に振って嘆いた。
「良いじゃン。『これっきり♪ これっきり……♪』なんだしィ」
私は妙にハイテンションだ。
「フフ、『急な坂道かけ駆け昇ったらァァ♪』」
サンタが歌い出した。
「『今も海が見えるでしょうかァ♪ ここは横須賀ァァァァァ♪』」
メンバー全員で合唱すると道行く人たちが何ごとかと目を見張っていた。
「ハッハハ……」みんな揃って爆笑だ。
「もしかしたら、このメンバーで平坂を昇るのは最後になるかもしれないじゃン」
だが京急中央駅の横にある平坂を見上げると少し後悔した。かなりの急勾配だ。
「ええェ……、マジでここ昇るのォォ!」
ニコはまだ納得していない。
「平気平気。途中棄権したくなったら、イチゴにおんぶしてもらいなよ」
サンタが冗談交じりに言った。
「ムリ言うなよ。さすがに私だってニコをおんぶしたらリタイアだよ」
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
「やったァァーー。完売だァァァァ!」
全員、その場でピョンピョン途飛び跳ねた。
「ええェ……、マジなの」
「もうSOUL'd OUTォォ……」
「マジかよ。欲しかったのに……」
まだ観客の中には買い求めたかった人もいるようだ。
「もっと売ってよ」
さっそくクレームがついた。
「申し訳ありません……」
「すみません」
クレームに対して全員で心からお詫びした。
途中、あまりにも売れず心が折れかけたので嬉しい悲鳴だ。
こうして私たちの長かった『横須賀ネイビーパーカ』の制作販売は終了した。
ひとつやり遂げた思いがして清々しい気分だ。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
横須賀中央駅への帰り道。すでに辺りは夕闇が迫っていた。
三笠ビル商店街のアーケードをくぐっていくと、まるで凱旋パレードのように晴れやかな気分だ。
身体は疲れているが、心地よい疲労感だ。
メンバー全員、満足げな顔をしている。
「フフ、どうイチゴ」
ユリアンが私の横に来て意味深に笑った。
「どうッて」
「最後まで反対してたでしょ。ネイビーパーカはダサいッて」
「そりゃァ、オヤジギャグだしねえェ……」
「ッで、終わった今の心境はどうなの」
「フフ、決まってるじゃン。最高よ。最高のメンバーに巡り会えたんだもの」
ゆっくりとみんなの顔を見回した。
この半年間、いろいろな事があった。
衝突したことも。喧嘩をしたことも……。
でも今では全部、懐かしかった想い出になった。
「ねえェ……、最後に平坂を昇って図書館から夜の横須賀を見下さない」
ゴンちゃんが提案した。
「ええェ……、ムリムリ。あの急坂を昇る気力はないよ」
ニコが何度も首を横に振って嘆いた。
「良いじゃン。『これっきり♪ これっきり……♪』なんだしィ」
私は妙にハイテンションだ。
「フフ、『急な坂道かけ駆け昇ったらァァ♪』」
サンタが歌い出した。
「『今も海が見えるでしょうかァ♪ ここは横須賀ァァァァァ♪』」
メンバー全員で合唱すると道行く人たちが何ごとかと目を見張っていた。
「ハッハハ……」みんな揃って爆笑だ。
「もしかしたら、このメンバーで平坂を昇るのは最後になるかもしれないじゃン」
だが京急中央駅の横にある平坂を見上げると少し後悔した。かなりの急勾配だ。
「ええェ……、マジでここ昇るのォォ!」
ニコはまだ納得していない。
「平気平気。途中棄権したくなったら、イチゴにおんぶしてもらいなよ」
サンタが冗談交じりに言った。
「ムリ言うなよ。さすがに私だってニコをおんぶしたらリタイアだよ」
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
0
お気に入りに追加
9
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる