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どぶ板通りライブ……✨🎸✨✨💕

どぶ板通りライブ……✨🎸✨💕

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「もう頭ッたまにきたわ!  よしみんなァ、もう一度マジでやるわよォーー……!」
 私は全員を見回し号令をかけた。
 
 


「フフゥン、やっぱ元ヤンキーじゃん」
 サンタが私にウインクしてきた。



「違うッてェ……!」
「もう一回、せぇーの!」
 ショーリがコールした。




『これっきり♪  これっきり♪  もうこれっきりですかァァァ♪♪』
 こうやって何度か歌っているうちに徐々に恥ずかしさも薄れていく。



 どぶ板通りにも客が集まりだし、中にはスマホで撮影している男子学生たちもいた。
 一気に情報は拡散していくようだ。




 オジさんたちもモノ珍しそうに私を眺めていた。
 ようやく私たちの身体も温まり始めた。



 シーちゃんを中心にメンバーの振りつけも揃ってくる。



 通行人もウチらのパフォーマンスに応援してくれるようだ。



 酔っ払いのオジさんが赤い顔をしてウチらに話しかけてきた。



「よォよォ、おネエちゃんたち、どこの女子高生だ?」


「フフ、私たちは全員、横須賀Y高校ですよ」

「ヘッヘェ……、頭良いだァ!  おネエちゃんたち」
 驚きの声を上げた。


「いえ、そんな……」
 取り敢えず、横須賀ではY高校のネームバリューは絶大だ。
 この地元横須賀ではY高校と言えば知らない人が居ないくらい偏差値窯高い。


 
 身体が温まってきたので一斉にコートを脱ぎ捨てた。


「おおおおおォォーーー」野次馬たちが沸いた。
 上はパーカになり制服のスカートは日本一短いと言われるミニスカートだ。




「みんなァァーー!  元気ィィィィ!!」
 その時、不意に私たちをアニメ声で呼びかける女性がいた。


 野次馬の並ぶ列の後ろから童顔で中学生くらいにしか見えない女性が手を振って微笑んだ。


 ウチらの担任教師のユリアンだ。


「あッ!  ユリアン!」彼女の笑顔を見た途端、みんなの顔がなごんだ。





「フフゥン、ずい分活気があるじゃん。ダンスパフォーマンス?」
 どうやらどこかで見ていたらしい。



「呼び込みだよ。お客さんが来ないから」
 ゴンちゃんが応えた。

 

「なによ。『これっきり♪』ッで、もうお終いなの。SOUL'd OUTなのかしら……」
 店の在庫品を確かめた。



「違うッて、まだ在庫が五、六十枚あるの」
「さっきまで、お客さんが来なくてガラガラだったんだよ」



「フゥーン……」



「ねえェ……、せっかくだからユリアンも何枚か買っていきなよ」 



「そうそう、身内だし少しくらいディスカウントセールするから」



「ええェ……、だって四千三百円でしょう。今月ピンチなのよね」



「良いじゃん。じゃァ、彼氏の分と二枚でどうかしら」
 私は冗談を言って勧めた。



「フフゥン、良い度胸ねえェ……。私が彼氏の居ないこと知ってるでしょ」
 思いっきりユリアンに睨まれてしまった。




「ハッハハ……、ジョークよ。ジョーク」  


「ねえェ、そうだ。ユリアン。歌ってよ。学園祭の時みたいに」
 サンタが両手を合わせて頼んだ。


「え、なによ。私が歌うの」


「頼みます。ユリアン先生ェ……」
 全員で拝んだ。



「フフゥン、こういう時だけ先生ねえェ……。ッたくわかったわよ。私が歌うわ」


「よォし、さァ、やるぞ」
 
 近くのカラオケボックスの店長がマイクを貸してくれた。









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