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どぶ板通りライブ……✨🎸✨✨💕

ドブ板通りライブ……✨✨✨

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 私たちメンバー六人は出店の前に横一列に並びフォーメーションを組んだ。



 しかし学園祭の時とは、まったく違う様相だ。


「せェェーーーの!」
 どぶ板通りにショーリの掛け声が響いた。


 まるで親衛隊のようだ。
 一斉にアーケード前を歩いていた通行人もこっちを覗いた。



『これっきり♪  これっきり♪  もうこれっきりですか♪』
 振りを交えると恥ずかしくてまったく声が出ない。



「ハイハイ、ダメダメェェ。声、ちっさァァ……!!  ほらムッチもニコも腹から声出せよ。サンタもシーちゃんも!」
 まるでディレクター気取りだ。



「ええェ……、だってェ……」
 まだニコたちは恥ずかしそうだ。



 しかしいつの間にか、遠巻きから野次馬が集まってきていた。



「ゴンちゃんも顔、怖ッわァー!  もっと愉しそうにダンシングしようぜ」
 苦笑いを浮かべショーリが公開ダメ出しをした。



「なんだよ……」ゴンちゃんも不満げに口を尖らせた。



「ほらァ、イチゴもォ。もっと声出せよ。ネコかぶってねえェで……。いつもオレを怒鳴る時みたいに。震え上がるくらい大声で怒鳴れって!!」
 盛んにショーリはウチらを煽ってくる。




「フン……」
 私は顔を伏せ、横にいるサンタへ目配せをした。
 


「どうした。元ヤン。こんなモンでギブアップか」
 なおもショーリは毒づいてきた。


「フッフフ……」サンタも苦笑した。



「るッせぇよ……。誰が元ヤンだよ」
 私は客や通行人に失礼がないよう後ろを向き独り言みたいに捨て台詞を吐いた。



 何度か、リハーサルをするが、まったくうまく行かない。




「ハイハイ、じゃァ、ヤメヤメェ……。こんなに恥ずかしがってちゃァ、見てるこっちが恥ずかしいよ!」
 突然、ショーリは両手を上げギブアップ宣言だ。



「ええェ……?」



「笑われる事が怖けりゃァなんにも出来ねえッて」



「うッ、ううゥ……」

「だってたいしたことじゃないだろ。買取りッたって、六人で割れば、五、六万じゃン。ひとり」



「ぬうぅ」それはそうなのだが。


「良いじゃン。金で済むなら、それで。みんな恥をかきたくないんだろう!」
 


「あのなァ……!」




「ハイハイ、解散、解散!  どうせなんだかんだ言ったって、エリート高校の学園祭の延長なんだから」


「ぬうぅ……」ムカつくヤツだ。



「もう時間もないことだし諦めようぜ。オレだって、こんなていたらくじゃ恥かくだけだし」




「おい、舐めんなよ。ショーリ」

「ええェ……?」


「横須賀のJKを舐めるなよォ!」
 我ながらドスのきいた声だ。



「よォし、よく言った。さすが元ヤンだ」
 ショーリがウインクをして私を指差した。



「フフゥン」サンタも微笑んだ。


「はァ……、誰が元ヤンキーだってェ……」
 こいつに乗せられた。

 

「フフ、またドロップキックを喰らわせるのか。元ヤンキーさんよ」



「ッるせぇよ。ウチらは現役の横須賀の女子高生JKだよ」
 私たちの『横須賀ストーリー』が今、始まった。



 









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