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ドブ板ライブ……✨🎸✨✨💕
ドブ板……✨✨✨
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アーケード前でチラシを配ったが、思うように集客できない。
「なんにも力になれなくて……」
ハッチは済まなそうに頭を下げた。
「そんなことないよ。ありがとうハッチ。来てくれただけで感謝してるわ」
いつしか陽も傾きだして二月の冷たい風が身に沁みる。
このドブ板の露店を借りられるタイムリミットが迫っていた。
このままでは、あと数十枚くらい売れ残りそうだ。
「じゃァ、みんなで五、六枚づつ買取りにしちゃう」
仕方なくムッチも肩をすくめた。
いくら声をかけても通行人は興味を示さずスルーしていく。
終盤に差し掛かるとショーリがやって来たが、あまりにもブルーな雰囲気に面食らったようだ。
「よォ、イチゴ。まだ売ってるのか。賞味期限切れになるぜェ……」
ショーリが顔を出し下らないジョークを言った。得意のジョークも冴えない。
「ううゥン……、悪かったな。賞味期限切れで」
こっちも困り果てていた。
「だって昨日は、バンバン売れたんだろう」
「フフゥン、今日は最悪よ。昨日のことがあるから、どうやってお客さんを断るか考えていたのに」
商売は水物だ。
「まずなんと言ってもお客さんが来ないのよ。チラシも配ったんだけどねェ……」
「ううゥン……、どうするか」ショーリも眉をひそめて考えていた。
「そうだ。じゃァ、みんなでライブをして客を呼べば」
「ライブゥ……!」
「なにバカなコト言ってるのよ」
「あのねえェ……、ウチらはA○Bみたいなアイドルじゃないのよ」
一斉にブーイングだ。
「そりゃァ、そうだけど……、そもそも客が来ないんじゃァ話しにならないじゃん」
「ンうゥ……、わかっているけど」
ウチらも顔を見合わせた。
「フフゥン♪ JK版ダンシング『横須賀ストーリー』♪」
まるでショーリはラッパーのようなジェスチャーをして笑みを浮かべた。
「ンうゥ……、ラッパーかよ。ショーリは」
「学園祭でやったみたいに、店の前でライブして客を呼ぶんだよ」
「ええェ……?」
学園祭のステージとは、まったく勝手が違う。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
「なんにも力になれなくて……」
ハッチは済まなそうに頭を下げた。
「そんなことないよ。ありがとうハッチ。来てくれただけで感謝してるわ」
いつしか陽も傾きだして二月の冷たい風が身に沁みる。
このドブ板の露店を借りられるタイムリミットが迫っていた。
このままでは、あと数十枚くらい売れ残りそうだ。
「じゃァ、みんなで五、六枚づつ買取りにしちゃう」
仕方なくムッチも肩をすくめた。
いくら声をかけても通行人は興味を示さずスルーしていく。
終盤に差し掛かるとショーリがやって来たが、あまりにもブルーな雰囲気に面食らったようだ。
「よォ、イチゴ。まだ売ってるのか。賞味期限切れになるぜェ……」
ショーリが顔を出し下らないジョークを言った。得意のジョークも冴えない。
「ううゥン……、悪かったな。賞味期限切れで」
こっちも困り果てていた。
「だって昨日は、バンバン売れたんだろう」
「フフゥン、今日は最悪よ。昨日のことがあるから、どうやってお客さんを断るか考えていたのに」
商売は水物だ。
「まずなんと言ってもお客さんが来ないのよ。チラシも配ったんだけどねェ……」
「ううゥン……、どうするか」ショーリも眉をひそめて考えていた。
「そうだ。じゃァ、みんなでライブをして客を呼べば」
「ライブゥ……!」
「なにバカなコト言ってるのよ」
「あのねえェ……、ウチらはA○Bみたいなアイドルじゃないのよ」
一斉にブーイングだ。
「そりゃァ、そうだけど……、そもそも客が来ないんじゃァ話しにならないじゃん」
「ンうゥ……、わかっているけど」
ウチらも顔を見合わせた。
「フフゥン♪ JK版ダンシング『横須賀ストーリー』♪」
まるでショーリはラッパーのようなジェスチャーをして笑みを浮かべた。
「ンうゥ……、ラッパーかよ。ショーリは」
「学園祭でやったみたいに、店の前でライブして客を呼ぶんだよ」
「ええェ……?」
学園祭のステージとは、まったく勝手が違う。
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