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本城譲……✨✨✨✨
シーちゃん✨
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「ちょっとシーちゃん……」
すぐに私とニコは彼女を追いかけるが、愛想もなく不機嫌そうだ。
彼女は自分のクラスへ戻ると荷物をまとめ、挨拶もなしに早退してしまった。
まったく取り付く島もない。
「どうする? そういえば、ユリアンから視聴覚室へ来なさいッて呼ばれてたんだけど」
ニコが困ったように苦笑した。
「ああァ……、そっか」そういえば、ニコはそのために私のクラスまで来たんだった。
仕方がないか。あとでシーちゃんにはLINEで謝ろう。
ちょうどサンタも戻ってきた。
「フフ、良かった。一時は、どうなるかと思ったけど」
彼女は肩をすくめて苦笑した。
「うン……、こんなことドラマや漫画でしかないと思ってたよ」
特に神奈川県立Y高に限って、妊娠して退学したなんて話しは聴かない。
もちろん那奈は、ウチの高校ではないが。
彼女の通う県立O高校もかなり偏差値が高いので、これまで不祥事はないだろう。
視聴覚室へ行くと、ユリアンはニッコリと笑顔を浮かべた。
「フフゥン、ずい分とゆっくりねえェ……。イチゴ」
相変わらず童顔で可愛らしい顔をしている。
「はァ、どうも……」つい視線を逸らしてしまった。
「ニコを迎えにやったのに、何分かかるのかしらァ。ここに来るまで」
「いやァ……、ちょっと」
「三年A組に行って、本城譲君を拉致したそうね」
「いやいや、まさか……。ちょっと本城譲君とお話しをしただけですよ」
誰に聞いたんだろう。
「そうですよ。ユリアン先生。イチゴは、軽く一発しか殴ってませんから」
ニコが、からかうように微笑んだ。
「ヘェ……、一発殴っちゃったのねェ……」
ユリアンは眉をひそめて頷いた。
「いやいや、そんな滅相もない。殴ってませんよ。そんなァ……」
「わかってるわ。殴ってないけど、膝蹴りを喰らわしたんでしょ」
「いやァ、ユリアン、ジョークでしょ。そんなことしたら……」
マジでヤバい。推薦が取り消されるかもしれない。
「もちろん、そんなことしたら、大学推薦は見送られるわ」
「ハッハハ……、そんなことするワケがないわ」
開き直って高笑いした。
「ところで、シーちゃんは?」
ムッチが助け舟を出した。
「え、ああァ、シーちゃんなら」
一瞬、なんて応えるか迷った。
「シーちゃんなら頭が痛いッて早退したわ」
代わりにニコが応えた。
「そうそう……、ちょっと具合が悪そうだったから」
ひとまず、ニコの言い訳に乗ったカタチだ。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.
すぐに私とニコは彼女を追いかけるが、愛想もなく不機嫌そうだ。
彼女は自分のクラスへ戻ると荷物をまとめ、挨拶もなしに早退してしまった。
まったく取り付く島もない。
「どうする? そういえば、ユリアンから視聴覚室へ来なさいッて呼ばれてたんだけど」
ニコが困ったように苦笑した。
「ああァ……、そっか」そういえば、ニコはそのために私のクラスまで来たんだった。
仕方がないか。あとでシーちゃんにはLINEで謝ろう。
ちょうどサンタも戻ってきた。
「フフ、良かった。一時は、どうなるかと思ったけど」
彼女は肩をすくめて苦笑した。
「うン……、こんなことドラマや漫画でしかないと思ってたよ」
特に神奈川県立Y高に限って、妊娠して退学したなんて話しは聴かない。
もちろん那奈は、ウチの高校ではないが。
彼女の通う県立O高校もかなり偏差値が高いので、これまで不祥事はないだろう。
視聴覚室へ行くと、ユリアンはニッコリと笑顔を浮かべた。
「フフゥン、ずい分とゆっくりねえェ……。イチゴ」
相変わらず童顔で可愛らしい顔をしている。
「はァ、どうも……」つい視線を逸らしてしまった。
「ニコを迎えにやったのに、何分かかるのかしらァ。ここに来るまで」
「いやァ……、ちょっと」
「三年A組に行って、本城譲君を拉致したそうね」
「いやいや、まさか……。ちょっと本城譲君とお話しをしただけですよ」
誰に聞いたんだろう。
「そうですよ。ユリアン先生。イチゴは、軽く一発しか殴ってませんから」
ニコが、からかうように微笑んだ。
「ヘェ……、一発殴っちゃったのねェ……」
ユリアンは眉をひそめて頷いた。
「いやいや、そんな滅相もない。殴ってませんよ。そんなァ……」
「わかってるわ。殴ってないけど、膝蹴りを喰らわしたんでしょ」
「いやァ、ユリアン、ジョークでしょ。そんなことしたら……」
マジでヤバい。推薦が取り消されるかもしれない。
「もちろん、そんなことしたら、大学推薦は見送られるわ」
「ハッハハ……、そんなことするワケがないわ」
開き直って高笑いした。
「ところで、シーちゃんは?」
ムッチが助け舟を出した。
「え、ああァ、シーちゃんなら」
一瞬、なんて応えるか迷った。
「シーちゃんなら頭が痛いッて早退したわ」
代わりにニコが応えた。
「そうそう……、ちょっと具合が悪そうだったから」
ひとまず、ニコの言い訳に乗ったカタチだ。
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