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那奈……✨✨✨
那奈……✨✨✨
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「ハイ、じゃァ焼きソバが温ったかいうちに食べてェ……」
ショーリはニコニコしてみんなに焼きソバを振る舞った。
「ぬうぅ……」
初め派意地でも食べるかと思ったが、香ばしいソースの匂いが食欲をそそっていく。
「ゴックン」咽喉が鳴った。
「どうぞ。みんなも焼きソバを食べて元気を出そうぜ」
盛んに勧めてくる。
「はァ……」
サンタも那奈も気にしつつ、割り箸で焼きソバを口へ運んだ。
「うッワァ、なに、これェーー……」
サンタも感激の声を上げた。
「ヤバいじゃん、美味しい」大好評だ。
「だろォ。イチゴも那奈ちゃんも食べてみなよ」
盛んにショーリは笑顔で勧めてきた。
うッううゥン……。
確かに美味しそうだ。なんと言ってもこの匂いが堪らない。
キャベツと肉のバランスも抜群だ。紅しょうがが絶妙に彩りを添えていた。
しかしせっかく今日一日、ダイエットしたのに、これを口にしてしまったら元の木阿弥……。いやそれどころではない。完全にカロリーオーバーだ。
だが泣く子と夜食の焼きソバには勝てない。
「うううゥ……」
ひと口食べるとサンタの箸が止まらなかったワケが納得できた。
「美味しい……」思わず正直な感想を漏らしてしまった。
「だろォ……」またショーリは満面の笑みを浮かべドヤ顔だ。
一気に私は焼きソバを完食してしまった。
「ああァ……、なんて愚かなんだろう。どうして、こんなに私は誘惑に弱いのかしら……」
食べている時の幸福感とは裏腹に食べ終わった後の後悔と絶望にも似た感情に苛まれた。
「ううゥ……」いつも食べ過ぎてから自己嫌悪に陥った。
「そんなに落ち込むなッて」ショーリの慰めの言葉も聞く気になれない。
「わかっているわよ」私の怒っていることなんて那奈の悩みからすれば取るに足らない些細な事だろう。
ようやくショーリが焼きソバの皿を片づけ、那奈の話しに集中できる態勢になった。
グラスに注いだアイスティーの氷もだいぶ溶けてきた。
「ねえェ……、ショーリ。ついでに那奈さんのグラスの氷も変えてきて」
私はアゴで彼に指示を送った。
「ああァ……」すぐにショーリはキッチンから引き返してきた。
「あッいいですよ。氷なんて……」
一気に那奈はアイスティーを飲み干した。
「ふぅ……」大きく息をついた。
テレビではショーリが録画したモノマネの番組が映っていた。
綺麗な女性芸人が昭和の歌姫、山口百恵のモノマネをしている。
曲は、最大のヒット曲『横須賀ストーリー』だ。
『これか……。さっきショーリが突然、歌い出したのは』
「ええェッと……、何から話したら良いのか」
うつ向いたまま那奈が重い口を開いた。
「フフゥン、別に、弁論大会じゃねえェんだから……、女子トークの延長で構わないよ」
相変わらずショーリは人懐っこい笑みを浮かべている。
「あのねェ……。ショーリが女子トークッて言うな」
すかさず私は彼にツッコんだ。
「ああァン、ヤダヤダァ。イチゴ!
私も女子トークに混ぜてよォォ……」
突如、ショーリはおネエの振りをした。
「フフ……」那奈もサンタも笑って、少しだけ緊張した雰囲気が和んだ。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
ショーリはニコニコしてみんなに焼きソバを振る舞った。
「ぬうぅ……」
初め派意地でも食べるかと思ったが、香ばしいソースの匂いが食欲をそそっていく。
「ゴックン」咽喉が鳴った。
「どうぞ。みんなも焼きソバを食べて元気を出そうぜ」
盛んに勧めてくる。
「はァ……」
サンタも那奈も気にしつつ、割り箸で焼きソバを口へ運んだ。
「うッワァ、なに、これェーー……」
サンタも感激の声を上げた。
「ヤバいじゃん、美味しい」大好評だ。
「だろォ。イチゴも那奈ちゃんも食べてみなよ」
盛んにショーリは笑顔で勧めてきた。
うッううゥン……。
確かに美味しそうだ。なんと言ってもこの匂いが堪らない。
キャベツと肉のバランスも抜群だ。紅しょうがが絶妙に彩りを添えていた。
しかしせっかく今日一日、ダイエットしたのに、これを口にしてしまったら元の木阿弥……。いやそれどころではない。完全にカロリーオーバーだ。
だが泣く子と夜食の焼きソバには勝てない。
「うううゥ……」
ひと口食べるとサンタの箸が止まらなかったワケが納得できた。
「美味しい……」思わず正直な感想を漏らしてしまった。
「だろォ……」またショーリは満面の笑みを浮かべドヤ顔だ。
一気に私は焼きソバを完食してしまった。
「ああァ……、なんて愚かなんだろう。どうして、こんなに私は誘惑に弱いのかしら……」
食べている時の幸福感とは裏腹に食べ終わった後の後悔と絶望にも似た感情に苛まれた。
「ううゥ……」いつも食べ過ぎてから自己嫌悪に陥った。
「そんなに落ち込むなッて」ショーリの慰めの言葉も聞く気になれない。
「わかっているわよ」私の怒っていることなんて那奈の悩みからすれば取るに足らない些細な事だろう。
ようやくショーリが焼きソバの皿を片づけ、那奈の話しに集中できる態勢になった。
グラスに注いだアイスティーの氷もだいぶ溶けてきた。
「ねえェ……、ショーリ。ついでに那奈さんのグラスの氷も変えてきて」
私はアゴで彼に指示を送った。
「ああァ……」すぐにショーリはキッチンから引き返してきた。
「あッいいですよ。氷なんて……」
一気に那奈はアイスティーを飲み干した。
「ふぅ……」大きく息をついた。
テレビではショーリが録画したモノマネの番組が映っていた。
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『これか……。さっきショーリが突然、歌い出したのは』
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うつ向いたまま那奈が重い口を開いた。
「フフゥン、別に、弁論大会じゃねえェんだから……、女子トークの延長で構わないよ」
相変わらずショーリは人懐っこい笑みを浮かべている。
「あのねェ……。ショーリが女子トークッて言うな」
すかさず私は彼にツッコんだ。
「ああァン、ヤダヤダァ。イチゴ!
私も女子トークに混ぜてよォォ……」
突如、ショーリはおネエの振りをした。
「フフ……」那奈もサンタも笑って、少しだけ緊張した雰囲気が和んだ。
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