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ダンシング『横須賀ストーリー』復興へ✨✨💕

ダンシング『横須賀ストーリー』✨🎸✨✨💕

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 確かに、ウチらは受験戦争で恋愛にはほど遠い学生生活を送ってきた。



「フフゥン、いるよ。私は!」
 しかし山中ウタ、通称シーちゃんだけが微笑んで応えた。余裕のなせるワザだ。


 我が校には珍しく彼女ひとり、同級生でイケメン眼鏡男子の彼氏がいた。



 なにしろアイドル顔負けの美少女だ。切れ長の目が妙にセクシーだ。男子には絶大な人気があるだろう。

 しかし……。



「ヘェ、だってその彼氏も今、受験勉強でデートどころじゃないわよねえェ……」
 ユリアンは、さらに鋭くエグッてきた。

 童顔だが、かなりの毒舌家だ。



「ええェ…、はァ、それは、ピアニストそうだけど……」
 ため息をついて、シーちゃんも眉をひそめた。




 シーちゃんの彼氏 本城譲はウチらのY高校きってのエリートで東大志望だ。

 とてもではないが、デートを愉しんでいる心境ではないはずだ。

 

 そう、ウチらは高校三年生。




 ここは神奈川県県立Y高校。
 横須賀では最も偏差値の高い県立高校として有名だ。


 年に十名ほど東大にも進学しているエリート高校として名高い。


 当然、中学生時代は全員、いわゆる優等生と言うヤツだ。



 ユリアンは私を覗き込み顔色を伺った。
「ねえェ……、イチゴ。ヒマでしょ。ヒマよね。
 ヒマそォな顔してるしィィ」



「おいおい、なんだよ」
 今度はウチをマンツーマンか。どんな密着マークだ。南米のディフェンダーかよ。



「はァ、ヒマァ、ヒマですよ。ドラクエのいち面からやり直すくらいヒマッすよ」
 仕方がない。こうなれば、ヤケになって開き直った。



「いやいや、良かった。そうだと思ったわ。
 推薦が決まったからって、合コンなんかにウツツを抜かしてちゃァ、ダメだから!
 不純異性交遊なんてもっての外だからね!
 わかっているでしょうね」
 いきなり教師ヅラをして釘を刺してきた。



「はァ、古ゥ……。なにその不純異性交遊ッて!
 いつの時代の死語なの。昭和に絶滅したんじゃないのォ!」
 サンタがクレームをつけた。


「なによ。夜中に繁華街で男子とイチャついたトコを見つけたら、一発でアウトだからね。
 大学推薦も取り消しよ。わかってるの?」


「きったねぇ……」
「パワハラ」
「横暴ォォ」
 一斉にメンバー全員からブーイングだ。









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