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ダンシング『横須賀ストーリー』復興へ✨✨💕
ダンシング『横須賀ストーリー』✨🎸✨✨💕
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青い空を一直線に白い飛行機雲が横切っていく。
校庭では一、二年生が部活の練習に勤しんでいた。
この暑いのに、ご苦労な事だ。
一応、教室内はエアコンが効いていて快適に過ごせる。
窓際に座った私は青く澄んだ空を見上げて鼻歌を歌った。
『これっきり♪ これっきり♪ もうこれっきりですかァ……♪』
なぜか、古い懐メロを口ずさんでいた。
「なにそれ……、イチゴッたら、受けるゥ……。
なによ。これっきりッて」
ニコこと門田仁美が、あだ名の通りいつもニコニコして笑っていた。
「あのねえェ……。『横須賀ストーリー』じゃン。知らないの?」
「知ってる知ってる。よくおばあちゃんが歌ってたよ」
サンタがバカにしたように笑顔を浮かべた。
三田有紀、通称サンタだ。
顔は可愛らしいが、かなりの毒舌家で思った事はハッキリ言うタイプだ。
味方にすれば心強いが、敵に回すと厄介な女だ。
「おいおい、昭和の歌姫の代表曲よ。小泉純一郎が首相になる前は、横須賀で一番の有名人ッて言えば山口百恵だったんだから」
こんなバカな話しも、ウチらが推薦で大学が決まっているから出来るのだろう。
そうでなければ、今ごろ大学受験でピリピリしている。
私たち以外の神奈川県立横須賀Y校の生徒らは、ほとんどが大学受験に向け張りつめた状態だ。
不意に、教室の後ろのドアが開いた。
ゆっくりと童顔教師のユリアンが現われた。
あまり女性の年齢を言いたくはないが、確かアラサーになるはずだ。
しかし顔だけ見ると、中学生のように可愛らしい。
「ねえェねえェ……、あんたたち、ヒマァ?」
なんだよ。その挨拶は。
いくつなんだよ。お前は……。とツッコミたくなるような恰好だ。
どこのブランドか、知らないがフリフリのワンピースを羽織っている。しかも淡いピンクだ。
とてもウチらの担任とは思えない。
背もひと際、小さいので下手をすると私たちよりも年下のイメージだ。
「ねえェねえェ……、ヒマよねェ」
石坂ユリア。一応、ウチらの担任の教師だ。
通称、ユリアンは尚もしつこく訊いてきた。
「……ッて、相棒の課長かよ!」
仕方なく私が小声でツッコんだ。
「ユリアン、私たちを誰だと思ってるンだよ」
サンタが眉をひそめて苦笑いを浮かべた。
「フフゥン、ヒマァーな女子高生かしら?」
ユリアンが肩をすくめて微笑んだ。
「あのね、ウチらは『花のJK』だよ。まァ花のッて言うのは死語だけど……。
ヒマなワケあるかァー!」
「そうそう、日本のどこを探したら、ヒマな女子高生がいるッて言うのよ」
山中 詩、通称、シーちゃん。
美少女だが、切れ長の目が妙に色っぽい。
この中では唯一、同級生の彼氏がいる。
「いやいや、ヒマだねえェ……。だって見るからにヒマを持て余してる顔じゃン! ねえェ、イチゴ!」
「あのなァ……」
おいおい、ユリアンよ。
よりによって、いきなり私をご指名か。
「ッたく、ヒマそうな。ッてなんだよ。そりゃァ、忙しいよ。決まってるじゃン。猫の手を借りたいどころか、ドラえもんの四次元ポケットだって借りたいくらい忙しいよ」
「いやいや、みんなヒマよねえェ……。ヒマそうな顔してるしィ」
「だからどんな顔よ」
「だってみんなァ、彼氏も居ないでしょォ」
「ううゥ……」さすがに今のひと言には絶句だ。
ユリアンも痛いトコを突いてきた。
確かに、ウチらは受験戦争で恋愛にはほど遠い学生生活を送っていた。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
校庭では一、二年生が部活の練習に勤しんでいた。
この暑いのに、ご苦労な事だ。
一応、教室内はエアコンが効いていて快適に過ごせる。
窓際に座った私は青く澄んだ空を見上げて鼻歌を歌った。
『これっきり♪ これっきり♪ もうこれっきりですかァ……♪』
なぜか、古い懐メロを口ずさんでいた。
「なにそれ……、イチゴッたら、受けるゥ……。
なによ。これっきりッて」
ニコこと門田仁美が、あだ名の通りいつもニコニコして笑っていた。
「あのねえェ……。『横須賀ストーリー』じゃン。知らないの?」
「知ってる知ってる。よくおばあちゃんが歌ってたよ」
サンタがバカにしたように笑顔を浮かべた。
三田有紀、通称サンタだ。
顔は可愛らしいが、かなりの毒舌家で思った事はハッキリ言うタイプだ。
味方にすれば心強いが、敵に回すと厄介な女だ。
「おいおい、昭和の歌姫の代表曲よ。小泉純一郎が首相になる前は、横須賀で一番の有名人ッて言えば山口百恵だったんだから」
こんなバカな話しも、ウチらが推薦で大学が決まっているから出来るのだろう。
そうでなければ、今ごろ大学受験でピリピリしている。
私たち以外の神奈川県立横須賀Y校の生徒らは、ほとんどが大学受験に向け張りつめた状態だ。
不意に、教室の後ろのドアが開いた。
ゆっくりと童顔教師のユリアンが現われた。
あまり女性の年齢を言いたくはないが、確かアラサーになるはずだ。
しかし顔だけ見ると、中学生のように可愛らしい。
「ねえェねえェ……、あんたたち、ヒマァ?」
なんだよ。その挨拶は。
いくつなんだよ。お前は……。とツッコミたくなるような恰好だ。
どこのブランドか、知らないがフリフリのワンピースを羽織っている。しかも淡いピンクだ。
とてもウチらの担任とは思えない。
背もひと際、小さいので下手をすると私たちよりも年下のイメージだ。
「ねえェねえェ……、ヒマよねェ」
石坂ユリア。一応、ウチらの担任の教師だ。
通称、ユリアンは尚もしつこく訊いてきた。
「……ッて、相棒の課長かよ!」
仕方なく私が小声でツッコんだ。
「ユリアン、私たちを誰だと思ってるンだよ」
サンタが眉をひそめて苦笑いを浮かべた。
「フフゥン、ヒマァーな女子高生かしら?」
ユリアンが肩をすくめて微笑んだ。
「あのね、ウチらは『花のJK』だよ。まァ花のッて言うのは死語だけど……。
ヒマなワケあるかァー!」
「そうそう、日本のどこを探したら、ヒマな女子高生がいるッて言うのよ」
山中 詩、通称、シーちゃん。
美少女だが、切れ長の目が妙に色っぽい。
この中では唯一、同級生の彼氏がいる。
「いやいや、ヒマだねえェ……。だって見るからにヒマを持て余してる顔じゃン! ねえェ、イチゴ!」
「あのなァ……」
おいおい、ユリアンよ。
よりによって、いきなり私をご指名か。
「ッたく、ヒマそうな。ッてなんだよ。そりゃァ、忙しいよ。決まってるじゃン。猫の手を借りたいどころか、ドラえもんの四次元ポケットだって借りたいくらい忙しいよ」
「いやいや、みんなヒマよねえェ……。ヒマそうな顔してるしィ」
「だからどんな顔よ」
「だってみんなァ、彼氏も居ないでしょォ」
「ううゥ……」さすがに今のひと言には絶句だ。
ユリアンも痛いトコを突いてきた。
確かに、ウチらは受験戦争で恋愛にはほど遠い学生生活を送っていた。
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