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解決編

解決編

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『カァラスなぜ鳴くのォ♪  カラスの勝手でしょォ♪』
 突然、ナポレオンは歌い始めた。



「えェ?」どうしたんだ。いったい。


 おそらくこの歌は、童謡『七つの子』の替え歌だ。


 ボクもYou Tubeか何かで聞いた事がある。


 元ネタはドリフターズの志村けんだが最近、You Tubeでバズっていた。

 それにしてもなんで急に『七つの子』を歌うんだ。

 


「おいおい、美人弁護士さんよ。お気の毒に。暑いからなァ。おぼっちゃま探偵の介抱を頼むぜ」
 鰐口警部補はいたわるような言葉を言った。


「はァ」さすがにクリスも困惑気味だ。



「ン、カラスの勝手かァ……」
 何気なくボクも繰り返した。


 その瞬間、ボクの脳裏に閃いた。


「わかったよ。ナポレオン。そうか。そうだったのか!」
 ボクは空を見上げ叫んだ。



「おいおい、勘弁してくれ。今日は暑いからなァ。もうひとり熱中症で病院へ連れて行かせるつもりかァ!」
 鰐口警部補はボクをバカにするように苦笑した。




『フフッ、わかってないのはあなたですよ。鰐口警部補!』
 またナポレオンは挑発的な発言を繰り返した。

 

「はァ、なにをわかってないんだァ。おぼっちゃま探偵さんよォ?」



『もう一度申しましょう。このナポレオンの辞書に不可能と解けない謎はないんです!』
 ナポレオンはダンスを舞うようにポーズをつけた。



「ぬうゥなんだとォ!」



「警部補。ほらァ見てください。あそこに真犯人がいますよ!」
 ボクは空を指差した。



「なにィ真犯人だってェ?」
 一斉に、その場の全員が空を見上げた。















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