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都市、ギアス
戦国時代の人とかよく刀で殺し合えたなぁ。
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ユーチャにそういわれてもなぁ。
腰の後ろで×印になったベルトを装着し、金を払って外に出る。
「なんだぁその剣。果物ナイフかよ。今からリンゴでもむくつもりかぁ?」
面白くもない煽り文句を吐きながら、白髪男が金の剣を俺に向けた。
うっわすげーこええ。
戦国時代の人とかよく刀で殺し合えたなぁ。こうやって向かい合うだけで冷や汗がでてきそうだよ。
「さすが高いだけあって手になじみやがる……。いままで使った剣とは段違いの攻撃力を感じるぜ」
男が舌なめずりした。
俺も左手に青の宝石の剣を、右手に真珠色の宝石の剣を構える。
「ワシも見学するかのお」
「あうう、し、死んだらごめんなさい」
ドワーフさんと青年も見物に出てきた。死んだらごめんなさいって縁起悪すぎるだろ! もっとポジティブな応援をお願いします店員さん!
相手は余裕綽々である。にやにやした四人とも、俺に負けるなんてみじんとも想像してないようだ。 俺も俺が勝てるなんてみじんも思ってないけどな!!!
「さっさとやっちまって女共を持って帰るぞ」
「あれだけの女はなかなかいねえからなぁ」
はじめ、の合図も何もなしに、男がいきなり刀を振るってきた。
「うぁああ!!」
咄嗟に横に避ける。
剣が振り下ろされた瞬間、石畳の地面に亀裂が入った。どぅえええ! あの剣強すぎじゃありませんか! こんなの反則だ、ノーカンだノーカン!
「すげえ……! 剣の風圧だけで石まで切るのか」
男はすぐさま剣を振り上げ、俺の頭上を狙ってきた! やばい、左俺と右俺に生き別れ(死に別れ?)になっちまうぞ!
「うわぁああああ!」
俺は叫びながら思わず剣をクロスさせて黄金の剣を受け止めた。
途端に、短剣に埋め込まれていた宝石が光った。青い光が俺の指の隙間から漏れ、俺と、男の顔を青く照らした。真珠色だったはずの方の宝石まで!
「う、うわあああ!」
次に悲鳴を上げたのは男だった。黄金の剣が瞬く間に凍り付いていく。
「手を放せ!!!」
ドワーフさんが叫ぶ。相手の男は剣を手放し後ろに下がった。氷は鞘まで伸びていた。後一瞬手放すのが遅かったら男の腕まで氷に侵食されただろう。
カラン、と地面に落ちると同時に氷は砕けて煙を上げながら消えていった。
「これは……?」
思わず掌を開いて宝石を確認してしまう。輝きは止み、青の宝石は青いままで、真珠色だった宝石は真珠色に戻っていた。
「そっちのでかい方の弱点は水と氷魔法のようじゃな。剣がそれを判断して氷の魔法剣へと変化させた」
ドワーフさんが説明した。
剣から逃げた男が血走った眼でドワーフさんを睨む。
「3200000ルドも取っておいて使えない不良品をおしつけやがったのか!!」
「その剣にはそれだけの価値がある。ワシの傑作のひとつじゃからな。お前さんがそっちの兄ちゃんの剣を持ってみろ」
腰の後ろで×印になったベルトを装着し、金を払って外に出る。
「なんだぁその剣。果物ナイフかよ。今からリンゴでもむくつもりかぁ?」
面白くもない煽り文句を吐きながら、白髪男が金の剣を俺に向けた。
うっわすげーこええ。
戦国時代の人とかよく刀で殺し合えたなぁ。こうやって向かい合うだけで冷や汗がでてきそうだよ。
「さすが高いだけあって手になじみやがる……。いままで使った剣とは段違いの攻撃力を感じるぜ」
男が舌なめずりした。
俺も左手に青の宝石の剣を、右手に真珠色の宝石の剣を構える。
「ワシも見学するかのお」
「あうう、し、死んだらごめんなさい」
ドワーフさんと青年も見物に出てきた。死んだらごめんなさいって縁起悪すぎるだろ! もっとポジティブな応援をお願いします店員さん!
相手は余裕綽々である。にやにやした四人とも、俺に負けるなんてみじんとも想像してないようだ。 俺も俺が勝てるなんてみじんも思ってないけどな!!!
「さっさとやっちまって女共を持って帰るぞ」
「あれだけの女はなかなかいねえからなぁ」
はじめ、の合図も何もなしに、男がいきなり刀を振るってきた。
「うぁああ!!」
咄嗟に横に避ける。
剣が振り下ろされた瞬間、石畳の地面に亀裂が入った。どぅえええ! あの剣強すぎじゃありませんか! こんなの反則だ、ノーカンだノーカン!
「すげえ……! 剣の風圧だけで石まで切るのか」
男はすぐさま剣を振り上げ、俺の頭上を狙ってきた! やばい、左俺と右俺に生き別れ(死に別れ?)になっちまうぞ!
「うわぁああああ!」
俺は叫びながら思わず剣をクロスさせて黄金の剣を受け止めた。
途端に、短剣に埋め込まれていた宝石が光った。青い光が俺の指の隙間から漏れ、俺と、男の顔を青く照らした。真珠色だったはずの方の宝石まで!
「う、うわあああ!」
次に悲鳴を上げたのは男だった。黄金の剣が瞬く間に凍り付いていく。
「手を放せ!!!」
ドワーフさんが叫ぶ。相手の男は剣を手放し後ろに下がった。氷は鞘まで伸びていた。後一瞬手放すのが遅かったら男の腕まで氷に侵食されただろう。
カラン、と地面に落ちると同時に氷は砕けて煙を上げながら消えていった。
「これは……?」
思わず掌を開いて宝石を確認してしまう。輝きは止み、青の宝石は青いままで、真珠色だった宝石は真珠色に戻っていた。
「そっちのでかい方の弱点は水と氷魔法のようじゃな。剣がそれを判断して氷の魔法剣へと変化させた」
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「3200000ルドも取っておいて使えない不良品をおしつけやがったのか!!」
「その剣にはそれだけの価値がある。ワシの傑作のひとつじゃからな。お前さんがそっちの兄ちゃんの剣を持ってみろ」
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