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――村はどこ?――

『ワシはこの世界の全能神であるアンシャルだ』

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 並んで歩くは永久に続くわけじゃなかったのか!――って当然だよな、そのためにランクがあるってのに! 完全に油断していた……!

 森の中は歩くことさえ覚束ないぐらいに低木が生い茂って俺の視界を邪魔してくる。

「ユーチャ! ユーチャ――!!」

 返事はどこからもない。

「そうだ……!」
 スキル、『見つける』!

「いた……!」

 俺が頭の中で無意識に予測していたよりずっと遠くで一瞬だけ反応があった。反応時間が短すぎる……!!

「『見つける』! 『見つける』! 『見つける』!!」

 連続で使いながら――「おにちゃー……」
「居た……良かった……ケガして無い?」
「ないの……」
 勝手に離れたことが悪いことだったのは分かっているのか、木の陰に隠れてしまっている。
「おいで、皆のとこに戻ったらお説教だからな」
「う、う……」

 ユーチャがいる場所から光がほとばしり、天を突き破った。
 今度はなんだ!?

 俺の十倍はあろうかというお爺さんが光の中を降りてきた。白い髪にたっぷりの白い髭。見るからに神様だ。

『ワシはこの世界の全能神であるアンシャルだ』
 全脳神!?!?

 ただ立ってるだけだっていうのに圧迫感が凄い!

 光にまで圧力があって思わず一歩下がりそうになってしまう。
 神様は地を揺るがすような低音で言った。

『その……勇者も反省しているようなので、今回の迷子は許してやってくれんか?』

「おじいちゃんに謝らせちゃいけません!!!」

 草むらに隠れた勇者を怒鳴る。ユーチャの姿は見えないのに、汗のマークが飛んでいる錯覚が見える。

 全能神も何してんだ! 保父に謝るためにわざわざ降臨しないでくれ!!

「まったくもう……、怒ってないから出ておいで。二度とはぐれるなよ。心臓が止まるかと思っちまった」
「……ごめんなさいの……。これ、おにちゃんにお詫びの品なの」
「なんだ?」
 何気なく差し出した掌の上に、蜘蛛とムカデを足したような虫が乗せられた。

 ぎゃああああ。という俺の悲鳴が山に木霊したのは言うまでもないだろう。

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