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――保父の仕事、一日目――
由井 凜太朗、初めての魔法
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「どうしようと途方に暮れたときにあなたが来てくださって……! しかもスキルが保父だなんて、わたくしにとって救世主以外の何者でもございません! ここには食糧がありません。左の方向に村があるはずです。そこまで連れて行ってご飯を食べさせてあげてください」
「わかりました。不本意だけど、こんなちっちゃいのを置き去りにして飢え死にされたら一生後悔するしな」
「では……」
手を握られてドキッとしてしまう。水なのに暖かくて、握りつぶしてしまいそうなぐらい華奢だ。
「わたくし、水の女神ティーナの名において、救世主ユイ様に水の加護を」
「うわ……!」
ティーナの体かららせん状に湧き出た水が俺の体を包む。そして、弾けた。
「わたくしの水の力をお分けいたしました」
「まさか、これで、水の魔法が使えるようになったとか……!?」
「はい、その通りです。ご確認くださいませ」
「うん!」
張り切ってウィンドウを開いたんだけど――。
新スキル「水」
センタ・クトフロ『念じるだけで体や服の汚れが落ちる! 便利!』
アメカ・ラガード『急な雨でも濡れない! 便利!』
テ・カラジャー『お水は大事!』
スグニカ・ワク『濡れても安心!』
「……………………」
「どうしました?」
「1つ聞いていいっすか?」
「どうぞ」
「あなたはほんとに水の女神様ですか? 家事の女神とかじゃなくて?」
「水の女神です! 救世主様にお渡ししたスキルはどれもとっても大事なものですよ。体はいつでも清潔に。雨が降っても濡れないので風邪をひかない。人間にとっては必需なはず。特にこんなに小さな子だとただの風邪が肺炎になるかもしれないでしょう?」
「そりゃそうだけど攻撃とかのほうがよかったよ……、あ、このテカラジャーってのが攻撃呪文なのか?」
「試してみればわかりますよ。掌を広げて、テカラジャーと唱えてください」
「テ・カラジャー」
じょろろろろ
「ひぃい!!」
じょうろから水が出る感じで俺の掌から水が流れた。痛くも痒くもないんだけど超気持ち悪い!!
全力で腕を振ってしまった。
「おみじゅー」「ちべたいのー」
子供はきゃっきゃはしゃいでるけどこれは封印だな。掌に穴が開いてないか確認しちゃったよ。
「今はその程度ですが、ランクが上がれば覚えられるスキルも増えていきます。この子たちをよろしくお願いいたします」
「じゃ、暗くならないうちに村を探すことにするよ。じゃあ、また。ティーナさん」
「はい!」
「わかりました。不本意だけど、こんなちっちゃいのを置き去りにして飢え死にされたら一生後悔するしな」
「では……」
手を握られてドキッとしてしまう。水なのに暖かくて、握りつぶしてしまいそうなぐらい華奢だ。
「わたくし、水の女神ティーナの名において、救世主ユイ様に水の加護を」
「うわ……!」
ティーナの体かららせん状に湧き出た水が俺の体を包む。そして、弾けた。
「わたくしの水の力をお分けいたしました」
「まさか、これで、水の魔法が使えるようになったとか……!?」
「はい、その通りです。ご確認くださいませ」
「うん!」
張り切ってウィンドウを開いたんだけど――。
新スキル「水」
センタ・クトフロ『念じるだけで体や服の汚れが落ちる! 便利!』
アメカ・ラガード『急な雨でも濡れない! 便利!』
テ・カラジャー『お水は大事!』
スグニカ・ワク『濡れても安心!』
「……………………」
「どうしました?」
「1つ聞いていいっすか?」
「どうぞ」
「あなたはほんとに水の女神様ですか? 家事の女神とかじゃなくて?」
「水の女神です! 救世主様にお渡ししたスキルはどれもとっても大事なものですよ。体はいつでも清潔に。雨が降っても濡れないので風邪をひかない。人間にとっては必需なはず。特にこんなに小さな子だとただの風邪が肺炎になるかもしれないでしょう?」
「そりゃそうだけど攻撃とかのほうがよかったよ……、あ、このテカラジャーってのが攻撃呪文なのか?」
「試してみればわかりますよ。掌を広げて、テカラジャーと唱えてください」
「テ・カラジャー」
じょろろろろ
「ひぃい!!」
じょうろから水が出る感じで俺の掌から水が流れた。痛くも痒くもないんだけど超気持ち悪い!!
全力で腕を振ってしまった。
「おみじゅー」「ちべたいのー」
子供はきゃっきゃはしゃいでるけどこれは封印だな。掌に穴が開いてないか確認しちゃったよ。
「今はその程度ですが、ランクが上がれば覚えられるスキルも増えていきます。この子たちをよろしくお願いいたします」
「じゃ、暗くならないうちに村を探すことにするよ。じゃあ、また。ティーナさん」
「はい!」
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