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Ⅲ
51:命尽きても
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レオノーラは、鼻をつく鉄の錆びた匂いと、頬にべったりとはりついたぬるぬるとした何かの感触に意識を取り戻した。
『痛い』
体中が経験したことのない痛みに悲鳴を上げていた。ぬるぬるとしたものはどうやら自分の流す血のようだ。
ガタガタと粗く揺れる荷馬車に乗せられているのがわかる。指を曲げようと力を入れると、ギシギシとした感覚で曲げることはできた。荷馬車が舗装されていない道を走っていることはわかる。しかし、どこへ向かっているかは上から臭く重たい布をかけられているのでわからない。
荷馬車を引いている男と別の男の声が聞こえた。
「おい、あれは帝都騎士団の馬だ。まずい、小屋に向かっている。引き返せ、反対の湿地に進むぞ」
荷馬車が向きを変えようと大きく道路を回り込む。車輪の片方が路肩を滑り落ちて、レオノーラの体も荷台を転がった。必死で呻きをこらえる。背中の裂けた皮膚が引き攣れてさらにどろりと血を流したのがわかった。
『手は動く。でも、こんなに出血していたら立った瞬間に失神するかもしれない。走って逃げるのは無理だ』
きっともう生きていないと思われたのだろう、幸いにもどこも拘束されていなかった。
『どこへ向かっているのか。さっき、湿地と言っていた。湖の近くだろうか?帝都からそれほど遠くへは来ていないはず』
目線一つ動かすこともできないくらいに衰弱している。体中が痛みを訴えているのに、頭の中だけが妙に冷静に働いていた。
『埋められるのか、落とされるのか、それとも吊るされるのか。どちらにしてもどこかでこの荷馬車は止まる。そして次の動きがあるはず。それまでは死体に徹しなくては』
ガタガタと揺れる荷台の上で眠いようなだるいような重たい瞼を閉じた。
『アビエルは心配しているだろう。帝都騎士団が動いているということは、アルからとうに連絡を受けているはずだ。大丈夫だろうか』
どのようにこのことを受け止めているかを思いやって申し訳なくなった。
『自分を責めていないだろうか。苦しんでいないだろうか。アルは‥‥アルは私との約束を覚えてくれているだろうか』
荷馬車の車体がグッと進行方向に沈んだようになり、止まった。
「おい、俺は向こうの船をこっちへ曳いてくる。それまでに、板にそいつを乗せて重石をつけておけ」
聞きなれた声、ペイトン将軍だ。荷馬車の周りをぐっぽぐっぽと滑った場所を歩く音がして、上にかぶさっていた布が取り払われた。足を持たれズルズルと引きずられる。背中が引き攣れて身が千切れるような痛みが走る。おかげで朦朧としていた意識がしゃんとした。
荷台からドスンと落とされたが湿地の柔らかい泥の上だったので、頭を打たなくて済んだ。男が板の上にレオノーラの体を乗せようと脇の下に自分の腕を入れる。その瞬間、男の首に腕を回し、そのまま体を反転させて男の顔を泥の中に埋め込んだ。
細い首を掴まれて不利を被らないために、気道を潰されないよう防御することには長けている。だから気道を狙うことも熟知している。気道を潰すのに力はいらない。ほんの数秒で男は体の力を抜いた。もっと力があれば首の骨まで回せるのだろうが今は無理だ。
体全体で呼吸をしながら、真っ暗なあたりを伺う。ペイトン将軍はまだ戻ってきていない。這うようにして荷馬車の前ににじり寄り、引いていた馬の体についている馬具を解く。馬の体に飛び乗るだけの腕力がもうなかったので、荷台をよじ登り馬の尻から這って馬の背にしがみついた。たてがみを掴み、馬に囁く。
「いい子ね。お願い、私を助けて。誰にも見つからないところへ連れて行って」
馬の脇腹にグッとかかとを押し込むと馬ははじけたように、荷馬車と連結していた馬具を落として走り始めた。朦朧とした視線で側道の先に森があるのが夜の闇にもわかった。馬をそちらに誘導する。
荷馬車を引いていた割には反応がいい。普段は訓練にも使われているのだろうか。思わず微笑んだ。
「いい子」
意識を失わないように大きく息をしながら必死で馬の背にしがみつく。ほどなくして背後から馬の蹄の音がする。あぁ、ペイトン将軍が追って来ている。どこまで逃げ切れるだろうか。向こうは将軍の馬だ。速さが違う。踵で馬の脇腹を叩きながら、速度を落とさないように走る。
小枝をくぐるように超えて木立の先の崖を駆け上がる。重い軍馬の足音が背後に迫っているのがわかる。目の前の木立が途切れると、湿った土が現れ、大きくは無いが水量のある滝の入り口に出た。
『ここが限界か』
レオノーラの体から力が抜け始めると、自然に馬の速度も落ちてくる。たてがみを掴む自分のこぶしが異様なほど白いのが分かった。もう、手にも力が入らない。
「ヘバンテス、もうこれ以上逃げることはできないぞ」
重く暗いペイトンの声が響く。レオノーラは獣道から開けた湿地の方へ馬を寄せ、追ってきたペイトンに向き合うように馬を回転させた。
「ひどいありさまだな。よくその手傷でここまで逃げ切れたものだ。私の剣を受けてまさか息があるとは思わなかった。魔女の力か」
自分の言った言葉を嘲笑するかのように顔に歪んだ笑みを浮かべた。
「本当は湖に沈めたかったが、仕方ない。まぁ、この滝も湖に流れ込んでいるからちょうどいいだろう」
そう言って馬に乗ったまま、肩で息をするレオノーラの方へ歩み寄る。それに合わせてレオノーラも馬を後退させる。ペイトンとの距離を測りながらじりじりと後の無いところまで下がる。
「なんだ、自分から落ちてくれるのか。はは、手間がかからず結構なことだな。自分の女がボロボロの姿で滝壺で見つかればあの生意気な皇太子もさぞ悲嘆にくれるだろう。あぁ、今は皇帝だな。何が共和国だ。戦争も知らん若造が腑抜けたことを。我々は蜂起して帝国を取り返す。その手始めとしておまえを見せしめにする。はははは、魔女が死ねばあの若造も性根が入るかもしれんな」
レオノーラはうつろな目でペイトンの一人語りを聞いていた。その姿を見てペイトンはさらにレオノーラに近寄り馬ごと滝壺に落とそうと距離を詰めた。
レオノーラの馬の鼻先とペイトンの馬の鼻先がつくほどに近づいた時、レオノーラは、最後の力を振り絞って馬の脇腹に踵を押し込み、馬を前へ走らせた。そして走り出した馬からペイトンの馬に飛び乗ると、ペイトンの背後に回り、掬うように掴んだ馬の手綱をペイトンの首に巻き付ける。
「私は魔女だからね。残念だけど一人では死なないわ」
そう囁いて、もがくペイトンを馬に押し付け、滝に向かって馬とともに飛んだ。
『痛い』
体中が経験したことのない痛みに悲鳴を上げていた。ぬるぬるとしたものはどうやら自分の流す血のようだ。
ガタガタと粗く揺れる荷馬車に乗せられているのがわかる。指を曲げようと力を入れると、ギシギシとした感覚で曲げることはできた。荷馬車が舗装されていない道を走っていることはわかる。しかし、どこへ向かっているかは上から臭く重たい布をかけられているのでわからない。
荷馬車を引いている男と別の男の声が聞こえた。
「おい、あれは帝都騎士団の馬だ。まずい、小屋に向かっている。引き返せ、反対の湿地に進むぞ」
荷馬車が向きを変えようと大きく道路を回り込む。車輪の片方が路肩を滑り落ちて、レオノーラの体も荷台を転がった。必死で呻きをこらえる。背中の裂けた皮膚が引き攣れてさらにどろりと血を流したのがわかった。
『手は動く。でも、こんなに出血していたら立った瞬間に失神するかもしれない。走って逃げるのは無理だ』
きっともう生きていないと思われたのだろう、幸いにもどこも拘束されていなかった。
『どこへ向かっているのか。さっき、湿地と言っていた。湖の近くだろうか?帝都からそれほど遠くへは来ていないはず』
目線一つ動かすこともできないくらいに衰弱している。体中が痛みを訴えているのに、頭の中だけが妙に冷静に働いていた。
『埋められるのか、落とされるのか、それとも吊るされるのか。どちらにしてもどこかでこの荷馬車は止まる。そして次の動きがあるはず。それまでは死体に徹しなくては』
ガタガタと揺れる荷台の上で眠いようなだるいような重たい瞼を閉じた。
『アビエルは心配しているだろう。帝都騎士団が動いているということは、アルからとうに連絡を受けているはずだ。大丈夫だろうか』
どのようにこのことを受け止めているかを思いやって申し訳なくなった。
『自分を責めていないだろうか。苦しんでいないだろうか。アルは‥‥アルは私との約束を覚えてくれているだろうか』
荷馬車の車体がグッと進行方向に沈んだようになり、止まった。
「おい、俺は向こうの船をこっちへ曳いてくる。それまでに、板にそいつを乗せて重石をつけておけ」
聞きなれた声、ペイトン将軍だ。荷馬車の周りをぐっぽぐっぽと滑った場所を歩く音がして、上にかぶさっていた布が取り払われた。足を持たれズルズルと引きずられる。背中が引き攣れて身が千切れるような痛みが走る。おかげで朦朧としていた意識がしゃんとした。
荷台からドスンと落とされたが湿地の柔らかい泥の上だったので、頭を打たなくて済んだ。男が板の上にレオノーラの体を乗せようと脇の下に自分の腕を入れる。その瞬間、男の首に腕を回し、そのまま体を反転させて男の顔を泥の中に埋め込んだ。
細い首を掴まれて不利を被らないために、気道を潰されないよう防御することには長けている。だから気道を狙うことも熟知している。気道を潰すのに力はいらない。ほんの数秒で男は体の力を抜いた。もっと力があれば首の骨まで回せるのだろうが今は無理だ。
体全体で呼吸をしながら、真っ暗なあたりを伺う。ペイトン将軍はまだ戻ってきていない。這うようにして荷馬車の前ににじり寄り、引いていた馬の体についている馬具を解く。馬の体に飛び乗るだけの腕力がもうなかったので、荷台をよじ登り馬の尻から這って馬の背にしがみついた。たてがみを掴み、馬に囁く。
「いい子ね。お願い、私を助けて。誰にも見つからないところへ連れて行って」
馬の脇腹にグッとかかとを押し込むと馬ははじけたように、荷馬車と連結していた馬具を落として走り始めた。朦朧とした視線で側道の先に森があるのが夜の闇にもわかった。馬をそちらに誘導する。
荷馬車を引いていた割には反応がいい。普段は訓練にも使われているのだろうか。思わず微笑んだ。
「いい子」
意識を失わないように大きく息をしながら必死で馬の背にしがみつく。ほどなくして背後から馬の蹄の音がする。あぁ、ペイトン将軍が追って来ている。どこまで逃げ切れるだろうか。向こうは将軍の馬だ。速さが違う。踵で馬の脇腹を叩きながら、速度を落とさないように走る。
小枝をくぐるように超えて木立の先の崖を駆け上がる。重い軍馬の足音が背後に迫っているのがわかる。目の前の木立が途切れると、湿った土が現れ、大きくは無いが水量のある滝の入り口に出た。
『ここが限界か』
レオノーラの体から力が抜け始めると、自然に馬の速度も落ちてくる。たてがみを掴む自分のこぶしが異様なほど白いのが分かった。もう、手にも力が入らない。
「ヘバンテス、もうこれ以上逃げることはできないぞ」
重く暗いペイトンの声が響く。レオノーラは獣道から開けた湿地の方へ馬を寄せ、追ってきたペイトンに向き合うように馬を回転させた。
「ひどいありさまだな。よくその手傷でここまで逃げ切れたものだ。私の剣を受けてまさか息があるとは思わなかった。魔女の力か」
自分の言った言葉を嘲笑するかのように顔に歪んだ笑みを浮かべた。
「本当は湖に沈めたかったが、仕方ない。まぁ、この滝も湖に流れ込んでいるからちょうどいいだろう」
そう言って馬に乗ったまま、肩で息をするレオノーラの方へ歩み寄る。それに合わせてレオノーラも馬を後退させる。ペイトンとの距離を測りながらじりじりと後の無いところまで下がる。
「なんだ、自分から落ちてくれるのか。はは、手間がかからず結構なことだな。自分の女がボロボロの姿で滝壺で見つかればあの生意気な皇太子もさぞ悲嘆にくれるだろう。あぁ、今は皇帝だな。何が共和国だ。戦争も知らん若造が腑抜けたことを。我々は蜂起して帝国を取り返す。その手始めとしておまえを見せしめにする。はははは、魔女が死ねばあの若造も性根が入るかもしれんな」
レオノーラはうつろな目でペイトンの一人語りを聞いていた。その姿を見てペイトンはさらにレオノーラに近寄り馬ごと滝壺に落とそうと距離を詰めた。
レオノーラの馬の鼻先とペイトンの馬の鼻先がつくほどに近づいた時、レオノーラは、最後の力を振り絞って馬の脇腹に踵を押し込み、馬を前へ走らせた。そして走り出した馬からペイトンの馬に飛び乗ると、ペイトンの背後に回り、掬うように掴んだ馬の手綱をペイトンの首に巻き付ける。
「私は魔女だからね。残念だけど一人では死なないわ」
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