異世界でモフモフな ”オオカミ“ に転生した。俺には特別な進化候補があるそうなので、例え『最弱』でも『最強』を目指す。

LittleNight

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帰巣本能？

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　あっついぁわぁ～。
　それにさっきからパチパチッって音がしたり焦げ臭い匂いがしてる。
　そういやオオカミもしっかりと鼻は効く。
　オオカミってイヌ科イヌ属で完璧に犬だし、当たり前か。
　いや、この世界ではどうか知らないけど。

　うん、これは俗に言う山火事……じゃないか？
　林火事？まあとりあえずヤバい事になった。
　ああ！せっかくの良い景色が！

　あの時は逃げるのに必死だったから分からなかったけど、かなり燃え広がって来ている。
　
　うわー避難してて良かった。
　一面林の中にいるんじゃなかったのかって？
　この階層には林だけじゃなくて切り立った崖が有る。
　まだ全貌は見えないが、もしかしたらこの階層の端のなのかも。
　結構ここは大岩がゴロゴロしていて、
　体感的に１５階建のマンションくらいの高さはあるぞ。
　まあきっと人からしたらせいぜい半分くらいなんだろう。
　俺って進化したとはいえ結構小っちゃいからな。
　異世界なんだからもっと大きくなっても良いのに。

　まあそんなわけで今は崖の中腹くらいの岩に溶け付いている。
　猫は液体っていうけどこの世界のオオカミもそうっぽい。
　そう！今や椅子が体に合わせてフィットするのではない、自分が椅子にフィットする時代なのだ！
　そんなわけでまったりと休憩している。
　燃える林を背景に。
　なんだか俺がヤバイ人みたいになってるじゃないか！
　俺はそこまでヤバい人ではない！
　いや、人ではないけど。

　なんか話しが脱線した気がするけど、まあいいか。
　まあ火事の事はいいや
　だってもう起こってしまった事はどうしようもないし、ここに思い入れがあるわけでも無い。
　ましてや自分を襲ってくる怪物たちを助けたいとも思わない。
　なんなら俺の糧となれって感じでトドメを刺しに行くかな。
　せめて安らかに死んでくれって感じで。
　骨は拾わんぞ。

　あれ？話が横転しかけている。
　もうこの話は事故る前にさっさと終わろう。
　とりあえずこの岩を調べてみるか。

【岩　Lv.－】
　レアリティ：－
　特殊効果：魔力吸収(微)　自動修繕

　迷宮の比較的浅い階層の岩。
　不活性の魔力を吸収し、自身の損傷を治す。
　

　嘘だろ！？ここって比較的浅い階層？
　マジか～
　多分、最後の階層まで生き抜かないとここから出れないだろうし。
　前の心スポ階層を探索しても出口らしいのは無かった。
　見落としてるだけかも知れないけど。
　でも、通ってきたはずの水路？すらいつの間にか消えていたからな～。

　まだまだ知らない事が事が多いな。
　まあそもそもここの事を知らないから当たり前っちゃ当たり前だけど。

　そこの小石は～？

【石　Lv.－】
　レアリティ：－
　特殊効果：魔力吸収(極微)　自動修繕
　
　迷宮の比較的浅い階層の小石。
　不活性の魔力を吸収し、自身の損傷を治す。

　まさかのほぼ一緒！
　鑑定さんのコピペ疑惑浮上してきたんだが。
　まあいいや。
　要は岩＝小石ってことね。
　
　じゃそこの草は？

【猫草　Lv.－】
　光の法力を吸収し、魔力を放出する。
　猫系統の生物が食べると胃腸を整える猫御用達の草。

　特殊効果：魔力供給(微)　再生　
　レアリティ：－

　おっと、変化球が飛んで来た。
　ってゆうか、だれが猫だ。
　いや、猫もいいな～。
　もふもふだし、可愛いし。
　ん？
　俺ってむっちゃ猫っぽくね？
　
　ちょっとこの草、食べてみようかな？

　ぱくっ

　ごくん

　……まじぃ。
　草のあじ。

　うん。知ってた。
　狼だもんね。
　何でこんなに血迷ったんだろう。

　よし、こんな所で道草食ってないでさっさとこの岩山を登ろう。
　文字通り道草食ってたからな～。
　うん？道がないならただの草か？どうなんだろう。
　“僕の前に道はない、僕の後ろに道は出來る”
　の理論でいったら道はある……のかな？

　
　あれっ？
　そんなこと言ってる間に火が消えてら。
　案外燃えた木が少ないな～。
　木々が結構密集してたのに燃え広がってない。
　迷宮パワー的な感じかね？

　てかひっろいな～。
　ある程度登ったはずなのに林の終わりが見えない。
　例の病院よりもグッと広い。
　もうこれは森認定しても良いかもな。

　おっと、ようやく頂上が見えてきた。
　ようやくこのエレベーター無し高層マンションの様な道が終わる！
　全力ダッシュだ～！
　
　頂上にと～うちゃ～く！
　この山は俺の物だー！

　はあ～。よ～やく着いたー。
　しんどかった～。
　休憩～。
　もう何だったら明日まで休憩したい。
　ここをキャンプ地点とする！！
　
　キャンプはしないけど、長期休憩。
　改めて今来た道を見返して観るとすっげえ頑張ったな～。

　そしてとうとう、ようやく、たどり着いた頂上は～？
　なんと、クレーターというか、何だっけ？
　あ、そうそう、思いだしたカルデラだ、カルデラ。
　でも平野を山で囲った様にも見える。
　でもそんな事はそうそう無いだろうし、やっぱカルデラかな。

　

　そして何よりも
　その広場の中心にやたらデカい桜の木がそびえ立っていた。
　花は満開ですごく綺麗だ。
　山に囲われた広場にでっかい桜の木がある。
　ここはハイキングの名所かな？
　心霊スポットの次はハイキングスポットか。
　何？ここはデートスポットなの？
　俺にはかんっぜんに関係ないんだけど！
　そもそも相方がいないんだよチキショウ。
　帰っていいかな？
　てか帰らせて。
　

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