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廃墟屋敷の謎に迫れ②
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ギイィィィと軋んだ音を立てて、扉が開く。覗くと中は真っ暗だった。外観的には廃墟に見えたが、光が差し込んでくるような破損は一切ない様だ。流石王家の保有物だけはある。
背後を振り返って王子達を見る。どうやら本気で私一人で行かせる気だ。こんな場所に婚約者一人放り投げるとか。この王子ホントに禄でもない。せめてお付きの人間一人ぐらい付けてくれて罰は当たらないだろうに……私は諦めて廃墟屋敷へと足を踏み入れる。
「おじゃましまーす」
一応声をかけておく。誰も居ないのは分かっているが、一応礼儀作法として。
うん、暗い!
一歩屋敷に足を踏み入れるとそこには闇が広がっていた。開け放たれた扉からの光はあるが、それが届くのは極々狭い範囲で、中を見通すにはまるで足りていない。
私には超能力があるので真っ暗闇でも問題無いのだが。明かりもつけず中をうろついている様を王子達に万一目撃された日には、私は目出度く悪魔付きのレッテルを張られてしまう事に成るだろう。面倒だが魔法を使う事にする。
探偵業に明け暮れてはいても、これでも魔法学院の生徒の端くれだ。光を灯す 光源の魔法位お手の物。私は魔法を詠唱し、光の玉を生み出した。光は弱弱しく、私の周りを照らすので精いっぱいだが、只のフェイク様なのでこれで十分だった。
しかし埃っぽい。超能力でバリアーを張って埃を弾く事も出来るが、此方も使えない。出て来た時、私が一切汚れていないと王子が訝しむのが目に見えているからだ。
ああ、もう本当に面倒い臭い事この上なしだ。
こんな事なら王子は先に帰ってくれてればいいのに……まあ流石にそれは無理かぁ。
お化け屋敷に私を突っ込ませた王子でがあるが、流石に王都の外れにあたる場所に私一人置いて帰る様な真似はしないだろう。その中途半端な思いやりが、逆に私の足を引っ張るというというのに。有難迷惑とは正にこの事だ。
私はそのまま真っすぐにロビーを抜け――途中ボロボロの甲冑がいくつかも飾ってあり、不気味な事この上なしだったが、私は気にせず通り抜ける――大階段の前に差し掛かる。階段に足をかけるとみしっと軋む音を立った。だが元々の作りがしっかりしていせいか、感触的には普通に上って大丈夫そうだ。まあ一応念の為、超能力で体を軽く浮かせて階段を上がる事にする。
「ここかぁ……」
階段を上ってドン付き。恐らく主の執務室に当たる部屋の扉を開け、中に入った。
何故私が迷わず真っ直ぐこの部屋に来たのか?その理由は至って簡単である。屋敷に入った時点で 超能力による大まかなチェックは済ませてあり、怪しい物にはすでに目星をつけてあったからだ。まあ怪しいというかなんというか。此処にあるのは――
無数の死体だった。
「はぁ、やだやだ……」
死体とご対面など楽しいものではない。それも複数同時となれば猶更だ。しかし見つけてしまった以上、無視も出来ない。私は執務室の右奥の角にある、空の棚の前まで行き、3段目の棚の奥板を強く押して棚を横にスライドさせる。
棚の底には、横方向にだけ動く小さな算盤の様なキャスターが仕込まれており。3段目の棚板を押している間だけ動く仕組みになっていた。
ゴロゴロと音を立て、棚が真横に動く。動かした棚の後ろからは、下り階段が姿を現した。この階段は一階部分を素通りし、地下室へと繋がっている。死体があるのはこの先だ。
「はぁぁぁぁ……」
私は大きく溜息を吐いた。
隠された地下室。無数の死体。憂鬱な気分で一杯だ。だがこの場に留まっていても仕方が無い。私は意を決して階段へ一歩足を踏み出した。
背後を振り返って王子達を見る。どうやら本気で私一人で行かせる気だ。こんな場所に婚約者一人放り投げるとか。この王子ホントに禄でもない。せめてお付きの人間一人ぐらい付けてくれて罰は当たらないだろうに……私は諦めて廃墟屋敷へと足を踏み入れる。
「おじゃましまーす」
一応声をかけておく。誰も居ないのは分かっているが、一応礼儀作法として。
うん、暗い!
一歩屋敷に足を踏み入れるとそこには闇が広がっていた。開け放たれた扉からの光はあるが、それが届くのは極々狭い範囲で、中を見通すにはまるで足りていない。
私には超能力があるので真っ暗闇でも問題無いのだが。明かりもつけず中をうろついている様を王子達に万一目撃された日には、私は目出度く悪魔付きのレッテルを張られてしまう事に成るだろう。面倒だが魔法を使う事にする。
探偵業に明け暮れてはいても、これでも魔法学院の生徒の端くれだ。光を灯す 光源の魔法位お手の物。私は魔法を詠唱し、光の玉を生み出した。光は弱弱しく、私の周りを照らすので精いっぱいだが、只のフェイク様なのでこれで十分だった。
しかし埃っぽい。超能力でバリアーを張って埃を弾く事も出来るが、此方も使えない。出て来た時、私が一切汚れていないと王子が訝しむのが目に見えているからだ。
ああ、もう本当に面倒い臭い事この上なしだ。
こんな事なら王子は先に帰ってくれてればいいのに……まあ流石にそれは無理かぁ。
お化け屋敷に私を突っ込ませた王子でがあるが、流石に王都の外れにあたる場所に私一人置いて帰る様な真似はしないだろう。その中途半端な思いやりが、逆に私の足を引っ張るというというのに。有難迷惑とは正にこの事だ。
私はそのまま真っすぐにロビーを抜け――途中ボロボロの甲冑がいくつかも飾ってあり、不気味な事この上なしだったが、私は気にせず通り抜ける――大階段の前に差し掛かる。階段に足をかけるとみしっと軋む音を立った。だが元々の作りがしっかりしていせいか、感触的には普通に上って大丈夫そうだ。まあ一応念の為、超能力で体を軽く浮かせて階段を上がる事にする。
「ここかぁ……」
階段を上ってドン付き。恐らく主の執務室に当たる部屋の扉を開け、中に入った。
何故私が迷わず真っ直ぐこの部屋に来たのか?その理由は至って簡単である。屋敷に入った時点で 超能力による大まかなチェックは済ませてあり、怪しい物にはすでに目星をつけてあったからだ。まあ怪しいというかなんというか。此処にあるのは――
無数の死体だった。
「はぁ、やだやだ……」
死体とご対面など楽しいものではない。それも複数同時となれば猶更だ。しかし見つけてしまった以上、無視も出来ない。私は執務室の右奥の角にある、空の棚の前まで行き、3段目の棚の奥板を強く押して棚を横にスライドさせる。
棚の底には、横方向にだけ動く小さな算盤の様なキャスターが仕込まれており。3段目の棚板を押している間だけ動く仕組みになっていた。
ゴロゴロと音を立て、棚が真横に動く。動かした棚の後ろからは、下り階段が姿を現した。この階段は一階部分を素通りし、地下室へと繋がっている。死体があるのはこの先だ。
「はぁぁぁぁ……」
私は大きく溜息を吐いた。
隠された地下室。無数の死体。憂鬱な気分で一杯だ。だがこの場に留まっていても仕方が無い。私は意を決して階段へ一歩足を踏み出した。
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