最後の人生、最後の願い

総帥

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第2章 アカデミー1年生

10 やっとファンタジー始まった

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 最後に講堂に集まり、レクリエーションは終了だ。学校の敷地内歩き回るのに約1日使うとか...。

 「先輩方、今日はありがとうございました。とても楽しかったです。それに、色々と勉強になえいました。」

 代表して俺がお礼を言う。もちろんみんなでも言うけど、いつの間にか俺が平民組の代表みたいになってた。まあいいけど。お兄さんですから!


 「どういたしまして。こちらも楽しかったよ。レクリエーションは終わりだが、困ったことがあればいつでも頼ってほしい。先輩としても、生徒会長としてもね。
 これからの学生生活を満喫してくれると嬉しいな。」

 

 生徒が全員集まるまで雑談をする。アルト、セイルはステッド先輩、レイン先輩と。リアはアイシャ先輩と。そして俺はライミリウム様と。

 「ところでいつまでライミリウム様なんて呼ぶんだい?」

 「ははは。俺は平民ですから。」

 「そうだね。それでも君は私の従兄弟だし、弟の友人だ。名前で呼んでもらいたいな。あと、普段から砕けてていいからね?」

 「...わかりました、リノファーク様。」

 「んー...。リク、もしくは兄上で。」

 「リク様でお願いします。」

 「あっはははは。」





 「全員集合しましたね。これにてレクリエーションは終了です。皆さん、お疲れ様でした。」

 校長先生だ。生徒の視線が前に向く。

 「ですがもう1つ。やり残している事があります。さあ、5年生の皆さん。準備は出来ていますね?」

 え?なに?隣のリク様を見上げる。俺の視線に気付いたリク様がにっこり笑った。そして、



 バッ!!!腕を上に挙げる。その手に持っているのは、魔具...?

 

 「改めて、入学おめでとう!我々は君達を歓迎する!!」
 そう言い切った瞬間、景色が変化した。
 

 わああああああああ!!!と歓声が上がる。もちろん俺も叫んでる。


 すっげえええ!!講堂内が一瞬にして彩られた。

 星が降り、虹が架かる。妖精のような小人や花びらが空を舞い、動物が戯れている。

 これらは全て映像のようで、触れる事は出来ない。それによく見ると5年生はみんな魔具を持っているようだ。
 すごい。魔法でこんな幻想的な風景も創れるんだ。俺も、出来るようになりたい!





 「1年生の皆さん、貴方達にプレゼントがあります。手を前に出してください。」

 
 「どれどれ、ってうおっ!」

 手を出した途端に、何かが現れた。これは...?


 「今皆さんの手元にあるのは、魔具の素です。それをお好みの杖やアクセサリーに取り込む事で、完成するのです。自分の魔力に馴染むように、肌身離さず持ち歩きなさい。
 1週間後に魔法の初授業があるので、それまでに道具を決めておくようにしてくださいね。これは宿題です。
 せっかくですから、先輩にアドバイスを聞くといいですよ。
 では今日はここまで。好きな時間にお帰りください。」




 すっげー。これが素か...あはは、ブヨブヨしてる。つんつん。

 「リク様、これ失くしたりしたらどうするんですか?新しいの貰えます?」

 「失くすの前提かい。大丈夫。君が触れた時に所有者として登録されたから、何かあっても手元に戻ってくるよ。」

 「そうですか!よかった。」

 「何に取り込もうと思ってる?」

 「うーん...どうしようかな...。リク様は杖なんですね。」

 「そうだよ。半数以上の生徒は杖だね。」

 「確か父さんはアミュレットで母さんは指輪だったな...。うーん、じっくり考えてみます。」

 「うん。これは一生使うものだから、よく考えるといい。魔具は壊れることもあるけど、時間が経てば修復される。でも物は変えれないからね?」

 「へえ...ありがとうございます!」



 他の先輩達の魔具も見せてもらったが、3人とも杖だった。感想としてはハリ◯タ。
 なんかゲームキャラが使うような等身大の杖使ってる人とかいないかな?デカくて邪魔か。



 邪魔にならなくて、かっこいいやつがいいな。うーん、うーん。

 「まあまだ時間はあるし、ひとまず部屋で考えるといいよ。今日はもう帰ろう。」

 「あ、そうですね。ここで悩んでもしょうがないですし。それじゃあ、今日は失礼します。」

 「うん。完成したら見せてね。」

 「はい!」


 全員に挨拶をして帰る。寮でじっくり考えよーっと。

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