24 / 111
第2章 アカデミー1年生
10 やっとファンタジー始まった
しおりを挟む最後に講堂に集まり、レクリエーションは終了だ。学校の敷地内歩き回るのに約1日使うとか...。
「先輩方、今日はありがとうございました。とても楽しかったです。それに、色々と勉強になえいました。」
代表して俺がお礼を言う。もちろんみんなでも言うけど、いつの間にか俺が平民組の代表みたいになってた。まあいいけど。お兄さんですから!
「どういたしまして。こちらも楽しかったよ。レクリエーションは終わりだが、困ったことがあればいつでも頼ってほしい。先輩としても、生徒会長としてもね。
これからの学生生活を満喫してくれると嬉しいな。」
生徒が全員集まるまで雑談をする。アルト、セイルはステッド先輩、レイン先輩と。リアはアイシャ先輩と。そして俺はライミリウム様と。
「ところでいつまでライミリウム様なんて呼ぶんだい?」
「ははは。俺は平民ですから。」
「そうだね。それでも君は私の従兄弟だし、弟の友人だ。名前で呼んでもらいたいな。あと、普段から砕けてていいからね?」
「...わかりました、リノファーク様。」
「んー...。リク、もしくは兄上で。」
「リク様でお願いします。」
「あっはははは。」
「全員集合しましたね。これにてレクリエーションは終了です。皆さん、お疲れ様でした。」
校長先生だ。生徒の視線が前に向く。
「ですがもう1つ。やり残している事があります。さあ、5年生の皆さん。準備は出来ていますね?」
え?なに?隣のリク様を見上げる。俺の視線に気付いたリク様がにっこり笑った。そして、
バッ!!!腕を上に挙げる。その手に持っているのは、魔具...?
「改めて、入学おめでとう!我々は君達を歓迎する!!」
そう言い切った瞬間、景色が変化した。
わああああああああ!!!と歓声が上がる。もちろん俺も叫んでる。
すっげえええ!!講堂内が一瞬にして彩られた。
星が降り、虹が架かる。妖精のような小人や花びらが空を舞い、動物が戯れている。
これらは全て映像のようで、触れる事は出来ない。それによく見ると5年生はみんな魔具を持っているようだ。
すごい。魔法でこんな幻想的な風景も創れるんだ。俺も、出来るようになりたい!
「1年生の皆さん、貴方達にプレゼントがあります。手を前に出してください。」
「どれどれ、ってうおっ!」
手を出した途端に、何かが現れた。これは...?
「今皆さんの手元にあるのは、魔具の素です。それをお好みの杖やアクセサリーに取り込む事で、完成するのです。自分の魔力に馴染むように、肌身離さず持ち歩きなさい。
1週間後に魔法の初授業があるので、それまでに道具を決めておくようにしてくださいね。これは宿題です。
せっかくですから、先輩にアドバイスを聞くといいですよ。
では今日はここまで。好きな時間にお帰りください。」
すっげー。これが素か...あはは、ブヨブヨしてる。つんつん。
「リク様、これ失くしたりしたらどうするんですか?新しいの貰えます?」
「失くすの前提かい。大丈夫。君が触れた時に所有者として登録されたから、何かあっても手元に戻ってくるよ。」
「そうですか!よかった。」
「何に取り込もうと思ってる?」
「うーん...どうしようかな...。リク様は杖なんですね。」
「そうだよ。半数以上の生徒は杖だね。」
「確か父さんはアミュレットで母さんは指輪だったな...。うーん、じっくり考えてみます。」
「うん。これは一生使うものだから、よく考えるといい。魔具は壊れることもあるけど、時間が経てば修復される。でも物は変えれないからね?」
「へえ...ありがとうございます!」
他の先輩達の魔具も見せてもらったが、3人とも杖だった。感想としてはハリ◯タ。
なんかゲームキャラが使うような等身大の杖使ってる人とかいないかな?デカくて邪魔か。
邪魔にならなくて、かっこいいやつがいいな。うーん、うーん。
「まあまだ時間はあるし、ひとまず部屋で考えるといいよ。今日はもう帰ろう。」
「あ、そうですね。ここで悩んでもしょうがないですし。それじゃあ、今日は失礼します。」
「うん。完成したら見せてね。」
「はい!」
全員に挨拶をして帰る。寮でじっくり考えよーっと。
0
お気に入りに追加
141
あなたにおすすめの小説
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。
夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。
陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。
「お父様!助けてください!
私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません!
お父様ッ!!!!!」
ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。
ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。
しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…?
娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
家族内ランクE~とある乙女ゲー悪役令嬢、市民堕ちで逃亡します~
りう
ファンタジー
「国王から、正式に婚約を破棄する旨の連絡を受けた。
ユーフェミア、お前には二つの選択肢がある。
我が領地の中で、人の通わぬ屋敷にて静かに余生を送るか、我が一族と縁を切り、平民の身に堕ちるか。
――どちらにしろ、恥を晒して生き続けることには変わりないが」
乙女ゲーの悪役令嬢に転生したユーフェミア。
「はい、では平民になります」
虐待に気づかない最低ランクに格付けの家族から、逃げ出します。
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる