異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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868 近況

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「さて、時間的にはもう1、2か所くらいは回れるかな?」


 自分の性欲との付き合い方に悩むマドゥを抱きぐるみにしつつ時間を確認すると、時間は4時を少しすぎたくらいだった。

 ゆっくり食事した後に思い切りみんなを可愛がったことを考えると、相変わらず呆れるほど早いな俺はっ!


 妊娠も受け入れられてるし、みんなの中は気持ち良すぎるしで、なんだかどんどんえっちのペースが早まっている気がしないでもない。

 それと身体操作性補正のおかげで無限弾数、ノンストップ射精という芸当も可能なおかげで、みんなのお腹をポッコリさせるのも時間がかからない。


 えっちな悪戯をしながらマドゥの身支度を手伝っていると、ニーナが首を傾げながら口を開く。


「竜王のカタコンベの次ってどこにするのー? 探索した順番で言えば聖域の樹海? 踏破した順なら奈落だったっけ?」

「ふぅむ。聖域の樹海のデータは気になりますが、あそこは異界の扉が開いているわけではありませんからね。どうします旦那様?」

「データは多いに越したことは無いだろうから、今日はその2つを回って終わりにしよう。順番は聖域の樹海、奈落ってことで」


 行き先が決まったら早速行動だ。フラッタがシルヴァに挨拶をしているうちにパパっとベッドメイキングを済ませ、凄まじい臭気を放っている洗濯物を桶の中に突っ込んで終了だ。

 流石に洗濯まではさせられないと恐縮されてしまったので、使用人云々の話はシルヴァの冗談だったかな? 俺本人を目の前にして使用人が拒否できる仕事でもないかもしれないけど。なんせフラッタとラトリアの夫ですしね俺。


「行くよリーチェ。もう1人は……聖域の樹海に行くんだからヴァルゴにしようか」

「お邪魔しますね。ふふ、初めは照れ臭かったですけど、守人の皆の前で旦那様に甘えるのもすっかり慣れてしまいましたっ」

「私も慣れるべきなのかしらぁ……。あ、甘えたくないわけじゃないんだけどね……?」


 そうやって葛藤している時点で時間の問題だと思うけど、好きにしていいよと2人を抱き寄せ、まずはアルフェッカに転移する。

 既に現在のアルフェッカは500年前の旧アルフェッカよりも賑わっているらしく、リーチェはしきりに感心した様子で村の様子を眺めていた。


「旧アルフェッカがあったのはもう少し北……ちょうど今のスペルディアがあったあたりだけど、それでもアルフェッカが賑わっているというだけでも嬉しいものね。他種族が一緒に過ごしているのも懐かしいわ」

「そう言えば、リーチェの知り合いのエルフって残ってないの? 友人とか」

「その辺はライオネルも聞いてみたんだけど、残念ながらあんまり残ってないみたい」


 俺の問いかけに、少しだけ寂しさを滲ませるリーチェ。

 ヴァルハールやアルフェッカでエルフに会っても特に交流が無かったので思い切って聞いてみたけど、リーチェはリーチェで既に確認済みだったのね。


「そもそも姫教育が忙しくて友人作りも捗らなかったんだけど……。王族として長の補佐を任されることが多かったから、エルフよりも他種族の方が知り合いが多かったくらいなの。それにエルフ族の長老たちは同胞たちによって処刑されたみたいだし、顔見知りが多少残っている程度ね」

「あ~。長の側近を務めていたってことは、偽りの英雄譚絡みで真っ先に処分された層に知り合いが多かったわけかぁ」

「リュートのことばかり構っていた私も悪いんだけどね。付き合いが深かったエルフはもうライオネルくらいしかいないわ」

「え~? 姉さんっていつも忙しそうにしてて、あんまり構ってくれなかったじゃないか~」

「本当に忙しくてあれでも限界だったのよっ。私だってお役目さえなければずーっとリュートに構っていたかったのに~っ」


 どうやらリーチェはその美貌から、交渉の場にはよく名指しで呼び出されていたらしい。

 リーチェとリュートのお母さんも評判の美人エルフではあったようだけど、独身であるリーチェの方が人気があるのは仕方ない。


 リーチェに当時のアルフェッカの話を聞きながら、聖域の樹海の中心部に足を運んだ。


「これが整合の魔器……。世界樹と同質のレリックアイテムなのね……」

「世界樹であるユニのお兄ちゃん、いやお姉ちゃん? になるのかな。残念ながらこれはダンの子供ってわけじゃないんだけどねー」


 リーチェとリュートが整合の魔器に釘付けになったので、俺はヴァルゴとムーリを侍らせながら魔人族の集落を見て回る。

 ムーリを選んだのは記録をお願いしているからで、決しておっぱいが理由だったわけではない。一応。


 毎回呼び出す際には怒られるので、今回はしっかり許可を取ってアポリトボルボロスを召喚し、彼にも土木作業に従事してもらうことにする。

 変幻自在に体型を変えられるアポリトボルボロスは、土木作業でも運搬作業でも大活躍間違いなしだ。


「集落周りは大分片付いてきたね。樹海の規模を考えると気が遠くなるほど先は長いと思うけど、居住スペースの確保は充分って感じ?」

「そうですな。ダン殿の支配下にあるとはいえイントルーダーが闊歩しているのは心臓に悪いですが、その作業速度は異次元と言っていいでしょう。彼らが居なかったら集落周りを片付けるのにすら数百年は必要だったかもしれませぬ」


 相変わらずカランさんは元気にアウターを巡っているらしいけど、ディローム族の族長のルドルさんとは話をすることができた。

 やっぱりイントルーダーが近くにいるのは恐怖感や威圧感を感じるそうだけど、集落周りの片付けがひと段落したおかげで最近は快適らしい。


「整合の魔器のおかげで、新たな苗木もスクスクと成長しております。流石に元の樹海の姿を取り戻すにはまだまだ時間がかかると思われますが」

「木々が減ったおかげで、集落からも空を仰げるようになったのは良いことだと思うんです。だからその辺も皆と話し合って、私たちも住みやすいように手を入れていきたいのですが、旦那様は構いませんか?」

「そこで俺に断る必要は無いよヴァルゴ。魔人族のことは魔人族のみんなで決めていいんだ。タラム族の皆さんと話し合ってもいいしね」


 聖域の樹海の魔力はやはり特殊で、世界呪マグナトネリコを滅ぼしたタイミングと、終の神ガルフェリアを滅ぼしたタイミングで普段の数万倍近い数値を叩き出している。

 それに加えてヴェノムクイーンを滅ぼす前後で、普段の魔力量が4倍近く変わっている。増えた方が正常値だとするならば、ヴェノムクイーンはレリックアイテムから7割近い魔力を奪っていたってことになるのか。


 ついでにスレッドドレッドの餌の運搬は上手くいっているのか確認すると、日々少しずつ増え続けているドラゴンサーヴァントのおかげで消費が追い付かないレベルで運搬されているそうだ。

 シャロの所有奴隷でも問題なく入れるくらいの樹海の端に、人が運搬できるサイズの材木が文字通り山のように積んであるらしい。


「行商人のスキルが無かったら正しく奴隷労働でしたよ……。逆に重量軽減スキルを教えていただいていたので快適な職場ですね」


 巣穴に移動するとちょうどシャロの筆頭奴隷のスランが居合わせたので、彼に話を聞いてみる。

 ここは機密性の高い場所なので、シャロが特に信用している者たちで管理しているようだ。


「ダンさんの使役しているという魔物に直接運んでいただけたら助かるんですけど、そうするとスレッドドレッドが怯えるそうなので。結局人が運んであげる必要があるんです」

「魔物と野生動物は相性が悪いからね。野生動物は基本的にアウターに入ることも嫌がるみたいだし」

「ただ、山のように積まれている材木を見て、スレッドドレッドたちが個体数を増やし始めているとシャーロット様が仰っていました。私たちには違いが分かりませんが、あの方が言うならそうなのでしょう」


 どうやらシャロはスレッドドレッドたちにとても懐かれているらしく、シャロが居る時だけスレッドドレッドたちが姿を現すことも多いようだ。

 警戒心が強いはずの彼らもシャロが近づいても逃げることが無く、シャロの口から餌を食べることもあって信じられないと興奮気味に語るスラン。


 スランには言わないけど、実は俺の手からも彼らは食事してくれたりする。

 というか彼らは俺とシャロが彼らの餌を確保し、その量を大幅に増やした人物と認識しているようで、俺とシャロには割と友好的に接してくれたりする。なのでちょっと可愛い。


 クモ型の野生動物であるスレッドドレッドだけど、意外にもその繁殖力はあまり高くなく、今後ゆっくりとその個体数を増やしていくことだろう。

 自分たちで個体数の調整まで可能なアイツらのことだ。俺が気に掛けるまでも無いと思うけどね。


 しかし餌が潤沢に用意されたせいか納められる糸の量は増加していて、沢山の服が試作できるとシャロが喜んでいたっけ。


「よし。それじゃ奈落に行くよー」


 聖域の樹海の魔力量のデータも記録し、俺たちは奈落の最寄り街であるパールソバータに移動した。

 ここではシャロの所有奴隷が魔物狩りとして奈落に潜っているので、世間話がてら話を聞いてみる。


「お~。とうとう奈落6階層も発見されたんだ?」

「へぇ。シャーロット様が事前に周知してありましたが、当時はどえらい騒ぎになりやしたぜ」


 野盗の頭目として犯罪奴隷になった男は、チンピラ丸出しの口調で当時の興奮を伝えてくる。

 俺はリーチェとリュートを抱き寄せながら、パールソバータの混乱を最小限に留めたシャロの情報操作に感心する。


「現在はもう踏破者も出ておりやすが、その殆どが魔人族と竜人族でして……。パールソバータの魔物狩りは、良くて7階層、平均は5階層ってところっすわ。それでも依然と比べて大分頑張っているそうですがね」


 パールソバータの魔物狩りを足踏みさせているのは、最深部の魔物の多さだ。守人のみんなは大体攻撃魔法が使えるし、竜人族は恵まれた体格で攻撃範囲が広く、その身体能力で巨大な武器も難なく振るえるからな。

 おまけに竜化やブレスと言った手札も多く、6人全員が竜人族なら竜化のローテーションを組むことすら可能だ。


 ……魔法の得意なはずのエルフが話題に上がらないのは、俺が仕事を回しすぎているせいかもしれないな?


「ちなみにお前みたいなシャロの奴隷たちはどんな感じなの?」

「俺らは基本的に非戦闘員の護衛なんで、深く潜る感じじゃねぇんすわ。一部元気のあり余ってる奴らが挑戦してやすが、ようやく4階層を超えたところくらいすね」

「短期間でそこまで潜れりゃ充分だと思うけど……。元気の有り余ってる奴ら、かぁ」


 専門的に魔物狩りに回しているのはガチの犯罪者なはずなので、あまり暴力的な奴らに力をつけさせすぎるのもよくないかもしれない。シャロの奴隷なら滅多なことは出来ないとは思うけど、粗暴な者が力を持っているというだけで不安を感じる人もいるからな。

 奴隷には広域殲滅手段を持たせないことにするか? いや、いっそ職業浸透数に上限を設けてもいいかもな。


 好戦的な奴隷の扱いには一考の余地があるとして、シャロの奴隷たちが格安で一般人の護衛を引き受けているおかげで、パールソバータとエルドパスタムでは住人の職業浸透の進みが少し早いそうだ。

 多くの住人がインベントリを使用可能になったことでスリや盗難の被害が激減し、軽犯罪が行なわれなくなったことで治安がかなり良くなっているらしい。


 世間話を終えた俺たちは、少し傾きかけた太陽を気にしながら奈落に足を踏み入れた。


「へ~。リーチェは奈落の踏破経験もあるんだ」

「まぁね。というか最終的にはここで職業浸透を進めたの。でも1日もあれば職業浸透が終わっていたなんて知らなかったな……」


 少しだけ悔しさを滲ませて、独り言のように呟くリーチェ。もしも今の職業浸透の知識を持っていたら、ガルクーザの討伐も達成できていた可能性は低くないからなぁ。


 ちなみにシルヴァが捕らわれていた6階層には興味が無いということで、最深部の大穴に直行している。

 魔物が出ない場所だけど見応えのある場所のせいか、周囲にちらほら魔物狩りがいるようだ。


「今更当時を悔やんでも仕方ないけど……。どちらにしても当時はダンさんも居なかったんだし、あの敗北は運命だったと受け入れるしかないかしら」

「なんでそこで俺を出すかなー? 蒼穹の盟約のメンバーだって、英雄と呼ばれるほどには強かったんじゃないの?」

「英雄と呼べる程度の実力しかなかったのよ私たちは。仕合わせの暴君メンバー1人1人だって当時の邪神よりずっと強いのに、他の5人が束になっても構わないダンさんとか形容する言葉が無いレベルよ?」

「ははっ。ダンがスポットの浅いところで頑張っていた頃が懐かしいよ。今のダンしか知らない姉さんには信じられないかもしれないけど、たった1年前はまだスポットの最深部にさえ到達できていなかったねーっ」


 俺を挟んで会話するものだから、リュートとリーチェのプリンセスおっぱいがムニュムニュと押し付けられて大変素晴らしい。

 俺におっぱいを押し付けるのはムーリの役目だったけど、俺の言った数字を真面目に記録するムーリというのは逆に新鮮で、たまにはこういうのも悪くないなという気分になる。


 奈落最深部は魔物が出ないので、最深部の魔力量と12階層の魔力量をそれぞれ記録してから奈落を脱出する。

 パッと調査しただけでも奈落の数値がちょっと異常だし、お姉さんやキュールからはどんな意見が聞けるかな?
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