異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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812 慟哭の最終決戦⑤ ※閑話 儀式

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「さぁて……。そろそろ状況と俺の狙いには気付かれた頃かな?」


 狂乱の渓谷の入り口である転移魔法陣を制圧し、竜人族の奴隷にブレスで魔法陣ごと地面を吹き飛ばさせた俺は、想定通りに事が運んでいる事に堪えようのない満足感と優越感を覚えそうになる。


 しかしまだ計画は道半ばでしかない。

 笑うには早過ぎるし、まだ全然油断できる状況でも無い。


 笑うのは全てが終わってから、仕合わせの暴君を確実に排除出来てからじゃないとね。


「周囲の状況は? 魔物狩りたちの反発は見られるかな?」

「いえ、バルバロイ様がばら撒いた金のおかげで、むしろ多くの魔物狩りたちが上機嫌で街に繰り出して行ったようです。新たに来る者にもご命令通り金貨を渡して追い返しておりますが……。こんなに散財して本当に宜しかったのですか?」


 このひと晩で俺が散々した金額を知っているトットが、心なしか青褪めた表情で問いかけてくる。


 確かにトットが不安に思うのも無理は無いほどの金額を出費してしまったのは間違いないけど、今夜の計画が成功すれば俺は世界を裏で操る黒幕になりえるんだ。

 ここは将来に備えて出し惜しみする場面じゃなく、チャンスを掴む為に全力を出すべき時さ。


 奴隷の転職が許可された後に鍛えさせた俺の奴隷たちなら、こんな雑魚ばかりの魔物狩りなんて一瞬で制圧できただろうけれど、下手に扱ってスウィートスクリームを刺激させるわけにはいかないからね。

 金さえ払ってやれば大抵の人間はご機嫌になる。これは仕合わせの暴君から学んだんだぜトット?


 スウィートスクリームに集まっている奴らの中には、俺達を一瞬で叩きのめせるような実力者も少なくない。

 だから騒動は起こしてもそれを発覚させないように立ち回れば、事前に打ち合わせしてあった通りに引き篭もってくれているはずだからな。


「余計な心配はせず、そろそろガルシア陛下をこの場にお連れしてくれ。無事に神器の奪取に成功したことと、陛下に超越者になっていただく事を伝え忘れないようにね?」

「それは心得ておりますが……。本当にバルバロイ様が超越者にならなくても宜しいのですか?」

「あはは。興味が無いと言えば嘘になるかな? でもねトット。俺は自分が自分以外の何者かになるかもしれないなんて堪えられないんだ。俺は俺のままで全てを掌握してみせるよ」


 報告によると以前仕合わせの暴君と対峙した者たちは、首魁だったメナスを含めた全員が人外の異形に変化してしまったというじゃないか。

 馬鹿馬鹿しい。俺は人の皮を脱ぎ捨てる気は毛頭無いんだよ。


 でなければ、人の身でありながらあれほどの力を身につけたあの男に敗北を喫してしまうことになってしまうからねぇ……!





『この世で最も優れし者よ。汝に明かそう。暴君の真実を』

「あぁっ!? ……なんだぁ今の声は。幻聴にしてはやけにハッキリ聞こえ……うおぉっ……!」


 始まりの黒から帰還して、1人残らず妻たちが逃げ出した怒りを玩具にぶつけていた俺の頭に鳴り響く、聴き覚えの無い威厳に満ちた声。

 戸惑う俺の頭の中に声に続いて、ある男の歩いてきた軌跡が映像となって流れ込んできた。


 ギルドを通さず転職できる能力を使って、盗賊たちを弱体化して女たちを助ける男。

 偶然授けられた力をダシに、竜爵家の娘や建国の英雄の気を惹いていく男。

 その力で稼いだ金でトライラム教会に取り入り、各種族に恩を売って回る男の姿が鮮明に映し出されていく。


『彼の暴君の真実、汝なら理解できよう。あの者はただ運が良かっただけなのだと』

「……アンタが誰かは知らないけど、教えてくれて感謝するよ。やっぱりあの野郎、特別な力で俺のラズを惑わしたんじゃねぇかぁ……!!」

『その強い想い。神に選ばれるに相応しい資質と認めよう。最も優れし者よ。暴君に奪われた神器を取り戻し、自身の王権神授を証明するが良い』


 くくく。笑っちゃうねぇ? かつては簒奪者でしかなかったスペルディア家の末裔が、本当に神器に選ばれてしまう日が来るなんてさ。

 けどアンタには悪いんだけど、俺は王になるよりも、王を意のままに操る方が好きなんだ。


『ならば示そう。汝の願いを叶える解を。我が神託を聞き、汝が願いを叶えるといい』


 そうして示されたのは、帝国で密かに保管されている識の水晶の詳細な情報だった。

 どうやら俺に神託を授けてきたのは失われた神器の識の水晶で、遠く離れた地にいる俺に神託を飛ばすのは用意では無いので、まずは暴君の手に渡っていない自分自身を手に入れろと要求してくる。


 俺に対して偉そうな態度を取る神器の事は気に食わないけど、これは重要なカードになりそうだ。

 ちょうど帝国の元最強剣士さんとの連携を取りつけたところだし、早速働いてもらうとするかな?


 かつて皇帝カレン・ラインフェルドの直属の護衛まで上り詰めたカルナスは、俺からの助言を必要ようとせずにあっさりと神器を奪い去ってきた。

 ついでに若い女を3人も攫ってきてくれたのは評価してやってもいいところだけど、自分でも意外なほど食指が動かないなぁ。


「あ、貴女が識の水晶に選ばれた方なのですね……! 器巫女として貴方に出会えた事を心から嬉しく思います……!」

「今までコイツを預かってくれてありがとね。3人の事は俺からもちゃんと説明してあげるつもりだけど、今はまだ時期が悪いんだ。悪いけど少しの間隠れていて欲しい。俺達が世に出るタイミングはコイツが知らせてくれるから」


 識の水晶の為だけに存在していると言う器巫女の3人は、識の水晶を引き合いに出せば何でも素直に頷いてくれて扱いが楽だな。


 そういう神託が下されたと言って無理矢理関係を迫ったらどんな反応をするのか興味あるけど、種族代表会議まではもう日が無い。

 今は女を抱く時間すら惜しんで動かなきゃね。




「これで私の話も信じてくださいますか? 我が王よ」

「神器、識の水晶……。この世の全ての問いに答えられる神器だって……? だからアンタは始まりの王の名前なんて知っていたと……?」

「ええ。我が王こそがこの世界に君臨すべき存在だと教えてくれたのもまたこの神器なのです。つまり我が王ガルシア・ハーネット・スペルディア陛下こそが、全種族の頂点に立つべき神に選ばれた特別な存在なのです」


 神器を手に入れた事によって、ガルの最後の心の壁も壊してやることが出来た。

 これで仕合わせの暴君と直接対峙する役目は彼に任せることが出来る。


 なんだかんだ言ってガルは真面目な男だったからねぇ。

 真面目だからこそ最後の一線をなかなか超えてくれなかったけれど、真面目だからこそ一線を越えた後は躊躇なく振舞ってくれるでしょ。


「……だがよ。神器が選んだのは俺じゃなくてアンタだろ? ならアンタが上に立つべきじゃねぇのか?」

「宰相のゴブトゴを連想してください。私は我が王の上に立ちたいのではなく、我が王の後ろで我が王のことすら意のままに操りたいのです」

「……へっ。そこは取り繕わねぇんだな? ま、でもアンタらしい答えだぜ……」


 俺に不信感を抱いているガルは、俺の野心を聞いたことで逆に安心感を得たようだ。

 自分が超越者になるのも悪くないけど、超越者となり神に相応しい存在となったガルを人の身のままで支配できるシチュエーションに比べたら、比べるのも嫌になるほどつまらない想像だね。


「全てのお膳立ては私が整えます。私が我が王に望むのは唯1つ。暴君と直接対峙し、そして葬っていただきたい……!」

「言うまでもねぇが、俺の実力はダンの足元にも及んでねぇぞ? 生半可な策じゃ覆せねぇほどの差が、俺と奴の間にはあるんだが?」

「然るべきタイミングて、陛下に神器を託します。3つ全ての神器を揃え、神に選ばれた真の王として偽りの暴君と対峙すれば、どちらが王に相応しい人物であるかが分かりましょう」

『迷える人の王よ。ならば示そう。汝の求める疑問の解を』

「なっ……! こ、これが神託……!? う、うおおおぉぉぉっ……!!」


 どうやら識の水晶は、あの男の職業浸透状況をガルに見せ付けたようだ。

 その上で最も職業浸透を進めやすい場所、状況を開示し、神に足る器となれと迫る識の水晶。


 なぁにが神の器だよ、馬鹿馬鹿しい。

 神器に頼って王になっても、それは結局神器の言いなりになるってことでしかないだろうに。


 しかし俺と違って、どうやらガルにはいい刺激になったようだね?


「神殺し……だとぉ……! あの野郎、の事を殺すなんて嘯いてやがるのかぁ……!?」

「……ご安心ください我が王よ。あの男に我が王を討たせるつもりはありません」


 既に神気取りのガルに少し笑いそうになってしまった。

 危ない危ない。忠臣なら主の勘違いを後押ししてあげなくっちゃね?


「その為の私、その為の神器です。我が身も神器も、どうか陛下のお役に立たせてください」

「ああ、任せたぜぇバルバロイ……! 俺が何者だろうがどうでもいい……! だがあの野郎の下にいる事だけはどうにも我慢ならねぇんだよぉっ……!」


 ははっ。俺は神の座になんて興味は無いけど、君の言っている事には心から共感できるよ。


 順風満帆だった俺達の人生に突如立ち塞がり、俺達の全てを狂わせた仕合わせの暴君ダン。


 俺達はただ、あの男の下にいるのが我慢ならないだけなんだよなぁ……!!





「……来てやったぜバルバロイ。一体に俺何をさせようってんだ?」

「お待ちしておりました我が王ガルシア。ご足労に心から感謝を」


 トットが連れて来たガルは、緊張感を漂わせて状況を確認してくる。

 流石にこれからあの男と直接対決するとなれば、多少の緊張は目を瞑るべきか。


「我が王よ。スウィートスクリームの様子は変わりありませんか? 出来れば今後の世界を牽引する彼らを巻き込みたくはないのですが……」

「安心しな。1人も勝手な行動をせずに食堂で固まってるよ。こうしてこっそり抜け出す方が大変だったくらいだ」

「そうですか……。我が王の妻で私の妹であるマギーは特に巻き込みたくありませんからね。あそこにいてくれるなら安全でしょう」

「……シャーロット様と言いマギーと言い、意外と妹想いなんだなアンタ」

「我が王もご存知かとは思いますが、お恥ずかしながら私は男兄弟とはあまり折り合いが良くなくて。ラズとマギーだけが心許せる相手なのです」


 どうやら俺を止められる戦力にまだ動きはなさそうだ。


 だけどガルが居ない事に気付いたマギーがいつ駆けつけてくるかも分からないからな。

 早いところ準備を始めるとしようか。


「ご覧ください我が王よ。この通り3つの神器は確かに取り戻して参りました」

「う……お……! し、識の水晶以外の神器なんて初めて見るのに、アンタの言ってる事が間違いねぇって見ただけで分かる……! 理解させられちまう……!」

「それでは我が王よ。どうぞ3つの神器の中心にお立ち下さい。決して神器には触れないようにお気をつけて」

「あ、ああ……。俺は神器の所有権を持ってねぇからな。了解だ……」


 三角形の形に並べた神器の中心に、恐る恐る足を踏み入れるガル。

 その姿のどこが王であり神なんだよと笑ってしまいそうになるけれど、所有者でも無いのに3つ神器の中心に立てているだけでも良しとしようか。


「それでバルバロイ? これにはなんの意味があって、これからいったい何をしようってんだ?」

「これから神器の所有者として、我が王に神器をお返ししようと思っております。その為に我が王にはかなりの負担を掛けてしまうかと思いますが……」

「構わねぇよ。人の身で神になろうってんだ。その程度の覚悟はしてきたさ……!」


 冷や汗をかきながらも不敵に笑うガル。

 野郎の笑顔になんて興味は無いけど、神器の圧力に負けずに笑顔を浮かべられるその胆力は頼もしいね。


「識の水晶に確認した儀式ですから、これで我が王に神器をお返しし、我が王を神の高みへを到らせることが出来るはずです。……あとはタイミングと我が王の魂次第です」

「へっ、任せな……! これでも長いこと救世主なんて呼ばれてたんだ……! 神になって世界中の人間を余さず救って見せるからよぉ……!」


 うん。多少頼りなくはあるけど、一応ガルもちゃんと王の資質は兼ね備えていると言ってもいいんじゃないかな。


 どんな時でも気丈に振舞うガルの存在感に安心を覚える者も多いだろう。

 人の上に立ち、王として神として君臨しても何の違和感も無い人物のはずだ。


「呼び水の鏡から生み出される魔力を識の水晶が導き、始界の王笏の万物を砕く力を我が王に宿します」

「神降ろし……。俺自身に神器の力を宿す儀式か……」

「チャンスは1度きりですが、私は我が王の成功を確信しております。我が王よ、我が神と成った貴方との再会を心待ちにしておりますよ」


 さぁて、これで儀式の準備は完璧だ。

 後は最後の仕上げ、アウターが消滅するほどの魔力を、呼び水の鏡が生み出す魔力と共にガルに注ぎ込むだけだ。


 自分勝手にこの世界の頂点に立った暴君よ。

 神器に選ばれたこの俺と、この世界の人々に選ばれたガルが、誰にも望まれずに頂点に立ったお前を今すぐ引き摺り下ろしてやるよ。


 この世界にとっての異物であるお前なんて、俺達が塵も残さずこの世界から消し去ってやるからなぁ?
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