異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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731 お昼寝

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「ただいまなのー……って、ずいぶん楽しんだみたいだねー?」


 すっかり魔力も回復しきった頃、ニーナたち引き篭もり準備組が戻ってきた。

 けれどティムルとがっつりキス中で、シャロとムーリの下着の中に両手さんも潜り込んでしまっているので、ニーナに反応を返すことが出来なかった。


 エロエロタイムを満喫中の俺達をスルーして、腰を下ろしたニーナが食事の準備を始める。


「ティムルー。1回お昼ゴハン食べるのー。だからダンを解放してくれるー?」

「っぷはぁ。了解よニーナちゃん。確かにお腹も減っちゃったわぁ」


 相変わらずニーナの言う事は素直に聞くティムルが、あっさりと俺から離れて食事の準備に参加する。

 けれどこれ幸いにと覆い被さってきたリーチェに阻まれて、俺は準備に参加することが出来ないっ。


「リーチェー。ダンにも食事させるから口は開けておいてくれるー?」

「ありがとニーナっ! ならキスは我慢するねーっ」

「両手も塞がってるみたいだから、3人で食べさせてあげてねー」


 くんずほぐれつしている俺達に、まるでお供え物をするようにサンドウィッチを置いていくニーナ。

 俺がエロいことをしている状況はニーナにとって日常茶飯事なんだろうけど、いくらなんでもスルースキル高すぎでは?


「あ、メタドライブはどうなったー? えっちなことだけしてないよねー?」

「そうそうニーナちゃん! ニーナちゃん達が留守の間に1度メタドライブをしたんだけど、アウターの中が一気に広がったみたいなのよぉ!」


 ニーナたちが留守中に起こった出来事を、ティムルが楽しそうに報告している。

 それ自体はとても助かるんだけど、エロいことまで詳細に報告しなくていいんじゃないかなー?


「ほら起きろチャール。昼飯食おうぜ」

「ん~、シーズぅ……? って、あれ? なんで私、キュールさんと手を握ってるのぉ……?」

「愛しの旦那様じゃなくて悪いねチャール。私たちの旦那様はとっても忙しそうだったので、私が代わりを務めさせていただいたのさ。ふわぁ~……」


 俺と手を繋いで寝たはずのチャールが、いつの間にか隣で寝ているキュールと手を繋いでいて混乱している。

 そんなチャールの頭を撫でながら、欠伸混じりに事情を説明するキュール。


 キュールはニーナたちが戻ってくるまで状況の進展はなさそうだと、早々に寝ちゃったんだよなー。


 積極的におっぱいをこすり付けてくるリーチェ、ムーリ、シャロの3人とイチャイチャエロエロを楽しみながら、3人に料理を口に運んでもらって王様気分で昼食を摂取する。

 料理よりも3人をペロリと平らげたくて仕方ないけど、本番行為は禁止されているので我慢しよう。


 アレだけ出して我慢も何もないけどなっ。


「のうニーナ。ユニにもゴハンをあげられないかのー?」

「いいねフラッタっ。でもどうすればいいのかな? ここに置いたらユニも食べてくれるかなー?」

「んー、ユニも植物なんだから栄養の摂取は出来ると思うけど……。世界樹に肥料を与えた例なんて無いよねぇ……」


 フラッタとニーナの可愛すぎる提案に、リーチェが首を捻っている。


 日本ではお供え物って習慣があったけど、エルフ族には信仰対象の世界樹にお供え物をするような習慣は無かったようだ。

 むしろ世界樹の、というか宿り木の根の恵みで生活していたようなものだろうから、お供えするよりも受け取るイメージの方が強そうだな。


「植物基準で考えるなら、根っこの方に置いたほうがユニも取り込みやすいんじゃないかな? ここってユニの幹部分に近いと思うんだけど」

「えー? でもさリーチェ、下の根っこはアウターであってユニじゃなくない? アウターもユニの一部なのかも知れないけどさー」

「ん……。確かにかつての世界樹も宿り木の根とは明確に区別されていたかも……。ならここに置いてみていいんじゃないかな?」

「だねー。もしダメなら別の場所に試せばいいだけだしっ。それじゃフラッタ、提案した貴女が渡してきてあげてねー」

「了解なのじゃーっ。ユニ、みんなのお料理はとっても美味しいのじゃっ。ユニもいっぱい食べると良いのじゃーっ」


 リーチェと並ぶ食いしん坊のフラッタが、自分の分の料理を俺の直ぐ脇に積み上げた。

 何も全部あげることはないだろうに、フラッタってば相変わらず全力だなぁもう。


「フラッタ。俺の分を半分あげるから、ユニと一緒にフラッタも食べよう? ユニも1人で食べるより、フラッタと一緒に食べる方が絶対に喜ぶよー」

「むむっ! 確かにそうかも知れぬなっ。ならばダンよ、遠慮無くいただくのじゃーっ」


 俺の分として確保してあった料理を手に持って、足取り軽くユニの元に戻るフラッタ。

 その可愛すぎる行動に流石のエロい三連星も毒気を抜かれたのか、ニコニコしているフラッタを微笑ましそうに眺めている。


「ニーナっ。母上も早く来るのじゃっ! みんな一緒にユニとお昼を食べるのじゃーっ」

「落ち着きなさいフラッタ。既にみんな一緒に食べてますからねー?」

「私の分も半分あげるのー。フラッタも食べなきゃだめなんだからねー?」


 慌てて駆け寄ったニーナとラトリアに挟まれて、フラッタは更にご機嫌な様子だ。

 ニコニコとユニを見上げながら、俺とニーナから分けられた料理をもぐもぐと美味しそうに咀嚼している。


 けれどユニの為にと置かれた料理に変化は見受けられないな。


「ニーナ、メタドライブを発動してもいいかな? 俺の魔力で活性化したらユニも何らかのリアクションを取ってくれるかもしれないし」

「オッケーなの。それじゃティムル、ダンの事を見ててあげてねー」

「こちらもオッケー。お姉さんに任せなさぁいっ」


 ニーナ司令官と参謀ティムルからゴーサインが出たので、エロい三連星を抱きしめながらメタドライブを発動する。

 相変わらずユニからは嬉しそうな楽しそうな感情が伝わってくるけど、リアクションは取ってくれるかな?


 普通に考えればそんな劇的な消化吸収は起こらないはずだけど、相手は世界樹のユニだからなー。

 何か予想外のリアクションを取ってくれても良さそうな気はするね。


「あ、でもユニ、いつもよりも嬉しそうにしてるかも? ちょっとウキウキしてるような感情が混ざってるような……」

「ふははっ! みんなで食べるご飯は美味しいからのうっ! ユニ、遠慮せずにいっぱい食べると良いのじゃーっ」


 え、この流れだと俺の魔力を遠慮無く持ってかれたりしない?

 ユニがそんなことするとは思わないけど、流石にちょっとドキドキしちゃったじゃないか。


 って、もしかしてこのユニのウキウキは、目の前に積まれた食事への好奇心か?


 つまりユニは料理に興味を持っていて、そしてフラッタと一緒に食事したいって意思はあるわけだ。

 だけど俺達のような手や口が無いから、どうやって料理を食べればいいのか分からない?


「え~? 頭の良さそうなユニがそんなことで悩むかなぁ? 確かに私と同じ食事方法ってわけにはいかないと思うけどさー」

「私もアウラと同意見かなー。戸惑ってたりもどかしそうにしてる感情は伝わってないんでしょ? なら心配ないんじゃないかな」


 アウラとチャールはユニの事を完全に信用しているようだ。

 戸惑っている様子が無いなら余計なことはせずに、フラッタとのやり取りに任せてしまうべきだと進言してくる。


 確かに食事方法が分からないならそういう感情が伝わってこないとおかしいか。

 フラッタと同じくひたすらご機嫌な様子だし、俺はこのままメタドライブを発動してるだけでいいのかな。


 なんて暢気に構えていたけれど、ユニは特にリアクションを見せずに時間だけが過ぎていき、俺に魔力枯渇の症状が出始めた為にお食事会はお開きとなった。


「料理は手付かずかー。つまりユニに普通の食事は必要ないってことだねー」

「うむうむっ。同じ料理を食せぬのは残念じゃが、一緒に食事をすることは出来るのじゃっ。これからもなるべく一緒に食事をしにくるからのーっ」


 料理は食べてもらえなかったけど、ニーナもフラッタも落ち込んでいる様子は無さそうだ。

 ユニは終始喜びっぱなしだったし、一緒に食事できただけで満足だったのかな。


 メタドライブで伝わってきたウキウキとした感情は、料理じゃなくてフラッタやニーナたちに向けられていたのかもしれない。


「ふむふむ。アウターが更に広がってはいるけど、まだ魔物は居ないみたいだね。でもこの調子なら時間の問題じゃないかな」

「そうですね。アウターの拡張速度も加速しているようなので、魔物が湧くのも時間の問題でしょう。もしかしたらユニ、フラッタとの食事が楽しかったのかもしれませんねえ」


 食事を終えて根っこドーム内を調査に行ったキュールとヴァルゴから、アウター拡張のお知らせが届く。


 どんどんアウターの拡張スピードも上がっているみたいだけど、小規模アウターと呼ばれるスポットですら徒歩でひと月弱は歩かなきゃ踏破出来ない広さだからなー。

 実際に魔物が出るまでには、もっともっとアウターを拡張しなきゃいけないのかもね。


「ダンの魔力も回復させなきゃいけないし、みんなでお昼寝するよー。ダンもえっちは一旦お休みして、みんなと一緒にお昼寝するのー」

「へーいりょうかーい。それじゃ今度はアウラとフラッタ、そしてニーナかなー。ぎゅーっとしてあげるから一緒に寝ようねー」


 ユニの前では本番禁止令が出されたままなので、えっちな気持ちよりも愛しい気持ちの方が強めの3人を抱き締める事にする。

 好色家姉妹は華奢なので抱き締めやすいのも素晴らしいねっ。


「ん~。なんだかここはすっごく眠くなっちゃうねー? ユニの傍、凄く気持ちいいの~」

「ゴハンの後はお昼寝なのじゃ~。ユニもダンもニーナもアウラも一緒にお昼寝なのじゃぁ……」

「さっきも寝たのに、確かになんだかいくらでも寝れちゃうなぁ。ふわぁ~……」


 朝来た時に1度寝たはずの3人は。俺の胸に収まった途端に直ぐにむにゃむにゃとまどろみ始める。

 こっそりフルファインダーで周囲を確認すると、なんかこの場所の魔力がサンクチュアリに似た清浄な効果を発揮しているようだ。


 ユニが自力でサンクチュアリと同等の効果を発動できるなら、魔物が発生してもユニは自力で魔物が外に出るのを阻止出来る気がする。

 俺の死後、何らかの理由でユニの監視、警備をする者が居なくなっても、アウターから魔物があふれ出す心配は無くなったかな?


 その後魔力が回復する度にメタドライブを発動し、魔力が枯渇したらお昼寝するというサイクルを繰り返し、アウターの奥行きが700メートルを超えたあたりで日没となった。


「流石に今日中に魔物が発生する事は無かったみたいですねー?」

「残念だけど仕方ないよラトリア。比較的小さいスポットや竜王のカタコンベでも、こことは比べ物にならない広さだもん。まだまだ魔力量が足りてないんだろうね」

「ふふっ。毎日ユニに会いに来ればいいだけですしね。フラッタとも仲良くしてくれていますし、今後の成長が楽しみですっ」


 微笑むラトリアに同意の意味を込めた少し長めのキスをしたあと、支援魔法士が浸透していない究明の道標の3人を除く家族全員でユニの周りを取り囲み、一斉にサンクチュアリを発動してユニの回りを覆ってあげる。

 ユニにこんなこと必要ないとは思うけど、半日程度は維持されるサンクチュアリから家族みんなの魔力を感じてくれたらいいかなと思ったのだ。


「むむ~、私たちも支援魔法士の浸透を急がなきゃダメだね。私たちだけユニと仲良くなれてないみたいでちょっと嫌だもん」

「同感だぜチャール。だけどダンに頼んで浸透を進めるのもなんか違うんだよなー。自分の手で浸透を進めたいって言うかさー」

「う~ん……。2人の言っている事は分かるけど、私は荒事が苦手なんだよなぁ。ダンさんに頼んで職業浸透が進むなら、それに越した事は無いと思うんだがねぇ?」


 更なる職業浸透に意欲を燃やすチャールとシーズに、ちょっとだけ辟易した様子を見せてしまうキュール。

 2人の力になりたいと思っているはずのキュールだけど、それはそれとして戦闘が苦手というのも本音だろうからなぁ。


「じゃあねユニっ。みんなで数日引き篭もる予定だけど、ユニには毎日会いに来るからねーっ」

「ユニの前だと最後まで出来ないのが難点だけど、ダンが気持ち良さそうにスヤスヤ眠ってくれるのは嬉しいよねぇ。アウラの言う通り、なるべく毎日顔を出すからっ」


 精霊魔法の使い手であるリーチェとアウラが、精霊魔法を発動しながらアウラに別れの挨拶をしている。

 我ながら今日はいっぱいお昼寝してしまったけど、俺の寝顔が見れて嬉しいと家族のみんなには滅茶苦茶好評だった。


 おっぱい吸っても褒められるし、みんなを抱きしめてお昼寝するだけでも褒められるんだから異世界って最高だよなっ。

 そんな最高の世界を維持していくためにも、ユニにはもうちょっと成長してもらわないとなぁ。


「今日のところはこれで失礼するよ。また明日もみんな一緒に来るから、明日は一緒に朝ごはんも食べような、ユニ」


 アウラとリーチェの間を縫って、俺もユニの幹を擦りながら明日の訪問を約束しておく。


 久しぶりに思い切り惰眠を貪って、心も体も充実しているのを感じる。


 持久力補正のおかげで眠らなくていいやと思っていたけど……。なんだか全身が軽く感じるよ。

 ユニのおかげで体調は万全だ。これなら明日の朝までひたすら運動できそうだぜっ。


 俺は全身の調子が上がっている事を自覚しながら、ポータルを使用して準備万端の別荘へと転移したのだった。
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