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719 雑用
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「これが終わったら、俺のことも抱いてもらうぜ、ダンっ!!」
家族全員参加のヴァンダライズの成功報酬に、最後の一線を越えることを要求してくるシーズ。
なんだかシーズとの約束事って前倒しにしてばかりじゃない? と戸惑う俺に代わって驚きの声を上げたのは、シーズの親友であるチャールだった。
「シーズ……! アンタなに言って……!?」」
「俺は本気だぜチャール……! 出来ればお前と一緒にダンに愛してもらいたいけど無理強いはしねぇ。だけど俺はもう、ダンと最後まで愛し合えないなんて耐えられねぇんだよぉっ!」
「え、えっと……。勿論私だって嫌なわけじゃないけど、いくらなんでも突然すぎるよぉ……!」
頑なな態度のシーズに、しどろもどろになるチャール。
そんな2人の様子を眺めていると、唇に柔らかい感触が触れた。
抱きしめているアウラに視線を戻すと、彼女はニヤニヤと楽しげに笑いながら俺にキスをしたあと、優しい動きでそっと俺から距離を取った。
2人の所にいってらっしゃいって? まだ10歳の癖に、ニーナみたいなこと言うんじゃないよ、まったく。
離れたアウラを抱き寄せて、1度全力で舌を絡ませて感謝を伝えたあと、まるで決闘しているかのような雰囲気を醸し出しているチャールとシーズを一緒に抱き締めた。
「あっ、ダン……」
「チャールもシーズも落ち着いて。落ち着いてまずは話をしよう。チャールも急いで結論を出す必要はないからね?」
「あっ、べっ別にダンに抱かれるのが嫌だってわけじゃないんだよっ……!? ただいきなりすぎて心の準備が出来てなかったって言うか……!」
「分かってるから落ち着いてチャール。まずは俺と一緒にシーズの話を聞いてみようね」
抱き締めた2人の頭を優しく撫でながら、チャールが落ち着くまで彼女の唇を塞ぎ、優しく口内を舐め回す。
チャールの表情が蕩け、体の力が抜け、鼓動が落ち着き始めるまでじっくりと舌を吸い続け、彼女が完全に落ち着きを取り戻したのを確認してからシーズに向き直る。
「待たせたねシーズ。それじゃ話を聞かせてくれる? お前の気持ちは嬉しいけど、どうしてこのタイミングで抱いて欲しいなんて言い出したのか教えて欲しいんだ」
「……話をするのは構わねぇけどさ。その前に俺へのキスを忘れてるぜ、ダンっ」
「んぐっ」
俺に噛みつくようにキスをしてきて、俺の口内を貪るような情熱的なキスをお見舞いしてくるシーズ。
確かにチャールにだけキスをしたのは不公平だったなと反省して、お詫びの代わりにシーズの情熱的な舌の動きに全力で応戦する。
シーズのお尻側から伸ばした指先で彼女の大切な部分をぐにぐにと刺激しながら、快楽に悦ぶシーズの舌を暫くの間全力で愛撫してあげた。
シーズが気絶しないよう細心の注意を払いながら、何度も仰け反るシーズの舌を丹念に吸い上げたあと、未だ震え続けるシーズの下着の中でゆっくり指を動かしながら再度彼女に問いかける。
「それでシーズ、どうしてこのタイミングで抱いて欲しくなっちゃったの? シーズのココ、すっかり俺を受け入れる準備が出来ちゃってるけど、お互いの為に年内は我慢する約束だったよね?」
「く、ふぅ……! だ、だってよダン、もう年明けまで待つ意味、全然無ぇじゃねぇかよぉ……!」
「んー? 待ちきれないんじゃなくて、待つ意味が無い? それってどういうこと?」
「ひゃぁっ……!? は、話してるんだからつつっ、摘むんじゃねぇよ……! ど、ういうこともなにも、そのまんまの意味だって……あっあっ、やぁんっ……!」
陰核を刺激するのはダメだと言われたので、シーズの中に指を潜り込ませて彼女の好きな部分を指で優しく擦ってあげる。
はぁはぁと甘く乱れた息を吐くシーズの口をキスで塞いで、彼女の言葉の意味を考える。
ここまでしちゃってるシーズと最後の一線を越えていないのは、人間族同士の俺達が最後までしちゃうとまず間違いなく妊娠してしまうためだよな?
チャールと一緒に世界中を見て回りたいという夢を持っているシーズが妊娠してしまったら、彼女の本来の夢に大きく影響してしまう。
そう思って今まで我慢してきたはずで、シーズも納得してくれていると思ってたんだけどなぁ……。
「……ねぇダンさん。シーズの言ってる事、本当に理解できないのかい?」
「んん~?」
しつこくシーズと唇を重ねたままで声がしたほうに視線を向けると、キュールが少し呆れの混じった雰囲気で俺に首を振って見せている。
いや、良く見るとキュールだけじゃないな?
他のみんなも、これだからコイツは~……って雰囲気でひたすら呆れと哀れみの眼差しを向けてきているぞぉ……?
「ダンさん。シーズの夢はこの世界の色んな場所を旅することで、貴方はその夢を応援するつもりでシーズとの一線を越える事を躊躇ってるよね?」
「うんうん」
「でも考えてもみなよ? ダンさんってシーズを連れて海に行ったり聖域の樹海を調査したり、終焉の向こう側や奈落の底まで見せちゃってるんだよ? 元々シーズが想像していた以上に広い世界を、ダンさんはもう見せちゃってるんだからね?」
「……あ~。た、確かにそうかも……?」
思わず口を離してキュールに同意してしまう。
他のみんなも、やっと気付いたかぁ……とでも言うように何度も頷いちゃってるし、はぁはぁと色っぽく息を乱しているシーズ本人まで、シトーっとした視線を向けてきている模様。
「キュールさんの言う通りだぜダン……! お前と一緒に行動するようになってからの数ヶ月で、俺の抱いていた夢はもうすっかり叶っちまってるんだよぉ……!」
「たた、確かに色々連れ回しちゃったのは認めるけどぉ……。それでもこの世界には、まだ見ぬ景色って奴が残されてる可能性も……」
「もしもそんなものがあっても、その時は今みてぇにお前と一緒に見りゃいいだけなんだよっ! 妊娠したら動けないだぁ? むしろ子供と一緒に世界を見て回ったほうが楽しいに決まってんだろっ!!」
「相変わらず言動が一直線すぎるよシーズ……。でも確かに、シーズの言っている事にも一理ありそうだね……」
食って掛かるように愛を叫ぶシーズをよしよしなでなでと宥めながら、自分の行動を振り返って反省する。
思い返してみると、調査、研究の為っていう名目で究明の道標の3人をあらゆる場所に連れ出しちゃってたな……。
これがシーズの夢を妨げてしまったとは思わないけれど、本来シーズが得られるはずだった達成感みたいなものを奪ってしまったかもしれないのか……。
しかし落ち込みかけた俺のことを、シーズ本人が思い切り抱きしめてくれた。
「勘違いすんなよダン。俺はお前に感謝してんだからなっ」
「シーズ……。感謝って?」
「確かに自力で世界中を回るって夢は達成できなかったかもしれねぇ。だけど今度は、家族と一緒に世界中を見て回りたいって新たな夢を見つけることが出来たんだっ! ダンに奪われたものなんか何も無ぇよっ! お前はいつだって、俺に色んなものをいっぱいいっぱいくれてるんだよっ!」
「家族と一緒に……。新しい夢を見つけられた、かぁ」
俺を全力で抱きしめてくれているシーズの華奢な体を優しく抱き締め返す。
シーズの夢を奪ったんじゃなくて、叶えた。そしてシーズは新たな夢を見つけることが出来た。
俺に奪われたものなんて何1つない。俺と一緒になって幸せしか感じていないとシーズが断言してくれる。
自分の半分しか生きていないシーズに、思いっきり甘えてしまったなぁ……。
「……ダン。私も決めたよ」
「チャール?」
家族に甘えなければ生きていけない自分の弱さに気付いて、その弱さに嬉しいような情けないような複雑な気持ちを抱いていると、シーズとは反対の方向からチャールの声が聞こえてくる。
ゆっくりとチャールに視線を向けると、彼女は期待と不安が入り混じったような潤んだ瞳で俺を真っ直ぐに見詰めていた。
「私もやっぱり、シーズと一緒に最後までして欲しい、かな……。ダンと一緒に居る方が私の夢も進んでるし、さ……」
「無理してシーズに合わせなくてもいいんだよ? このままでも年明けには必ず最後までしてあげるから……」
「ん、無理なんかしてないよ。むしろここでシーズに合わせない方が、今の私にとっては無理する事になっちゃう。それくらい、私もダンのことが好きだから、ね……?」
自分の思いを口にしたあと、恥ずかしそうに視線を逸らすチャール。
そんな彼女が愛おしくて、彼女の想いに応えるように静かに唇を重ね、キスをしながら覚悟を決める。
彼女たちなりに真剣に考え抜いた上での選択なのだから、2人の夫として全力で応えようと。
「感情に流されたんじゃなくて、2人とも良く考え抜いた上で口にしたんだってことが良く分かったよ。だから俺も2人の気持ちを全力で受け止める事を約束する」
「へっ! そんな分かりにくい言葉じゃ女は納得しないぜダン? 俺達の気持ちを受け止めるって、具体的にどうしてくれるんだぁ?」
「ははっ。了解だシーズ。今夜帰ったらチャールとシーズを一緒に抱いて、責任を持って俺の子供を孕ませてやる。念には念を入れてひと晩中俺の子種をチャールとシーズの中に注ぎ込んでやるから、期待と覚悟をしておいてくれよ」
「え~? 帰ってから抱かれても、好色家を得ていない私たちがひと晩中ダンに付き合うのは無理だと思うんだけどなぁ~?」
はっきりと孕ませてやると宣言したのに、それですら足りないと俺を揶揄してくるチャール。
つまり家に帰る前に抱いて、2人とも好色家を得た上でひと晩中種付け作業に励みたいってことかなーっ!
「ならヴァンダライズが終わった瞬間押し倒して、チャールとシーズの初めてをこの場で貰ってやるって約束するっ! そして好色家を浸透させたら、誰の邪魔も入らない別荘でひたすら全員に注ぎ込み続けるって約束しちゃうんだよーっ!」
「おっけー! そうと決まればさっさとこんなことは済ませちゃうのーっ!」
俺のエロ宣言を受けて、今まで黙っていたニーナが嬉しそうに声をあげる。
チャールとシーズの2人に良くやったとばかりに親指を立てて見せてから、家族のほうを振り返ってみんなの意志を纏め上げるニーナ。
「全員での初めての共同作業を成功させて、家族みんなでいっぱいいっぱいえっちするのーっ!」
「あはーっ! それじゃダン、さっさとみんなに指示を出してくれるー? 今回のヴァンダライズはかなり変則的だから、貴方の指示が無いと判断がつかないわぁ」
「ある意味これから世界を生み出そうって話なのに、すっげぇ軽いノリになったねティムルっ!? 我が家らしいと言えば我が家らしいけどさぁ」
「なに言ってるのよダンっ! 私たちは世界どころか、異種族間で子供を生み出そうとしてるのよぉ? なら魔力で生み出せる世界なんてサクッと生み出せなきゃダメじゃないのぉ!」
「っ! そういうことなら失敗するわけにはいかないねぇ……!」
流石はティムル。俺がやる気を出す言葉を的確に聞かせてくれるぜっ。
ヴァンダライズを放ったあとは、人間族であるチャールとシーズとの初めてが待っている。
種族が同じ2人を今の俺が最後まで愛したら、確実に俺の子供を孕ませてしまうだろう。
2人との子作りえっちが待っているというだけで最高に興奮して、最早変則ヴァンダライズなんか失敗する気が全くしない。
むしろ最高の気分で子作りえっちする為に、何がなんでも虚無空間の解消を成功させてやろうって気になってくるなっ!
インベントリから双剣を取り出し、家族に背を向ける形で虚無空間の前に立つ。
「みんな。自分のステータスプレートを取り出して、俺との魂の結びつきを意識して欲しい。ここに居るみんなと俺は、魂の端末を通して間違いなく繋がっているから、その繋がりを感じて欲しいんだ」
家族と俺を魂で結び付けてくれているステータスプレートを強く意識することで、互いの魂を繋げあい、魔力を混ざり合わせる。
世界呪を滅ぼした時も、終焉の箱庭を攻略した時も感じた魂の結びつきを、倒すべき敵が居ない平和な状況で再現するんだ。
「仕合わせの暴君メンバーは、ステータスプレートじゃなくて自分の得物に意識を集中してもいいよ。過去に成功した2度のヴァンダライズは、どちらも攻撃に意識を集中していただろうからね」
「うむっ! 妾は武器を意識した方が上手く行きそうなのじゃ! 妾の剣はダンへの愛情そのものじゃからのう!」
「フラッタに同じく、私も槍に集中させていただきますね。私の槍もまた、旦那様との絆そのものなのですから」
青と黒の魔力に身を包んだフラッタとヴァルゴが、俺に向けて武器を構えて魔力を込め始める。
今回はアズールブラスターもジャベリンソウルも発動させなくていいからな? 間違っても切りかかってくるんじゃないぞ2人とも?
「ダダ、ダンさんっ! 私も双剣を取り出していいんですかっ!?」
「勿論いいよラトリア。それぞれが1番魔力を集中しやすい状態を取ってくれて構わない。誰かと手を繋いで、物理的な繋がりを感じてみるのもいいかもしれないね」
俺の言葉にラトリアとエマは双剣を取り出し、ムーリはステータスプレートを握ったまま跪いて祈るような姿勢を取った。
チャールとシーズは互いの手を握り、ターニアもまたニーナと手を繋ぎながらステータスプレートを握っている。
キュールは触心の要領で自身のステータスプレートに魔力を送り、ティムルとリーチェは武器を握りながらもニコニコと手を繋いでいるようだ。尊い。
そんな風にみんなが体勢を整える中、シャロとアウラがオロオロと始めた。
「た、大変申し訳ないんですけどご主人様……。私には魔力を集中した経験なんて殆ど無くて、皆さんのような集中状態に入る事ができそうもありません……」
「ごめんパパ、私もシャロさんと同じだよ~……。1番魔力を集中しやすい状態って言われても、自分じゃ良く分からないって言うか……」
「シャロとアウラは俺に背中から抱き付いてくれる? ヴァンダライズを放つから正面から抱きついちゃダメだよ」
「え? そ、それでいいなら願ったり叶ったりなんですけど……?」
「こ、こうでいいのパパ……? ぎゅ~っ」
戸惑いながらも背中から抱き付いてくれるシャロとアウラ。
柔らかな感触と2人の鼓動が、俺と家族の結びつきをより強く意識させてくれる。
「ステータスプレートを出すのは忘れないで。あとえっちな悪戯もダメだからねシャロ?」
「う、分かってますってばっ。皆さんが集中している時に私だけ楽しんだりしませんって」
「俺の股間を撫で回しながら言っても説得力が無いよ? まぁこの程度ならむしろ俺の集中力も上がってくれるかな?」
「やたーっ! えっちなことには寛容なご主人様が大好きーっ」
嬉しそうに両手で俺の股間を撫で回すシャロだけど、恐らく本当にこの状態が彼女にとっての集中しやすい状態なんだろうな。
望まぬ形で男性に弄ばれ続けたシャロにとって、情事は娯楽ではなく生死を賭けた勝負の場だったのだろうから。
なお今は、精子をかけた最高の快楽の時間となっている模様。
それに俺と同じ人間族で家族で唯一艶福家まで浸透が進んでいるシャロと、人間族を除く5種族全ての種族特性をその身に宿すアウラの存在は、俺とみんなの魔力を繋ぐ中継地点となってくれるかもしれない。
「ニーナは1番後ろで見守ってくれる? 俺とニーナで家族全員を挟むような位置取りでお願い」
「ふふっ。了解なのっ! ここから大好きなダンを想い続けるから、ちゃーんと成功させて気持ちよくなろうねーっ」
ステータスプレートを胸に抱いて深獣化するニーナ。
その隣りでは獣化したターニアも同じようにステータスプレートを抱いて、俺に向かって柔らかく微笑んでくれている。
さぁて。これで全ての準備は整った。
こんな雑用さっさと終わらせて、チャールとシーズに最高の初めてをプレゼントしてあげないとなーっ!
家族全員参加のヴァンダライズの成功報酬に、最後の一線を越えることを要求してくるシーズ。
なんだかシーズとの約束事って前倒しにしてばかりじゃない? と戸惑う俺に代わって驚きの声を上げたのは、シーズの親友であるチャールだった。
「シーズ……! アンタなに言って……!?」」
「俺は本気だぜチャール……! 出来ればお前と一緒にダンに愛してもらいたいけど無理強いはしねぇ。だけど俺はもう、ダンと最後まで愛し合えないなんて耐えられねぇんだよぉっ!」
「え、えっと……。勿論私だって嫌なわけじゃないけど、いくらなんでも突然すぎるよぉ……!」
頑なな態度のシーズに、しどろもどろになるチャール。
そんな2人の様子を眺めていると、唇に柔らかい感触が触れた。
抱きしめているアウラに視線を戻すと、彼女はニヤニヤと楽しげに笑いながら俺にキスをしたあと、優しい動きでそっと俺から距離を取った。
2人の所にいってらっしゃいって? まだ10歳の癖に、ニーナみたいなこと言うんじゃないよ、まったく。
離れたアウラを抱き寄せて、1度全力で舌を絡ませて感謝を伝えたあと、まるで決闘しているかのような雰囲気を醸し出しているチャールとシーズを一緒に抱き締めた。
「あっ、ダン……」
「チャールもシーズも落ち着いて。落ち着いてまずは話をしよう。チャールも急いで結論を出す必要はないからね?」
「あっ、べっ別にダンに抱かれるのが嫌だってわけじゃないんだよっ……!? ただいきなりすぎて心の準備が出来てなかったって言うか……!」
「分かってるから落ち着いてチャール。まずは俺と一緒にシーズの話を聞いてみようね」
抱き締めた2人の頭を優しく撫でながら、チャールが落ち着くまで彼女の唇を塞ぎ、優しく口内を舐め回す。
チャールの表情が蕩け、体の力が抜け、鼓動が落ち着き始めるまでじっくりと舌を吸い続け、彼女が完全に落ち着きを取り戻したのを確認してからシーズに向き直る。
「待たせたねシーズ。それじゃ話を聞かせてくれる? お前の気持ちは嬉しいけど、どうしてこのタイミングで抱いて欲しいなんて言い出したのか教えて欲しいんだ」
「……話をするのは構わねぇけどさ。その前に俺へのキスを忘れてるぜ、ダンっ」
「んぐっ」
俺に噛みつくようにキスをしてきて、俺の口内を貪るような情熱的なキスをお見舞いしてくるシーズ。
確かにチャールにだけキスをしたのは不公平だったなと反省して、お詫びの代わりにシーズの情熱的な舌の動きに全力で応戦する。
シーズのお尻側から伸ばした指先で彼女の大切な部分をぐにぐにと刺激しながら、快楽に悦ぶシーズの舌を暫くの間全力で愛撫してあげた。
シーズが気絶しないよう細心の注意を払いながら、何度も仰け反るシーズの舌を丹念に吸い上げたあと、未だ震え続けるシーズの下着の中でゆっくり指を動かしながら再度彼女に問いかける。
「それでシーズ、どうしてこのタイミングで抱いて欲しくなっちゃったの? シーズのココ、すっかり俺を受け入れる準備が出来ちゃってるけど、お互いの為に年内は我慢する約束だったよね?」
「く、ふぅ……! だ、だってよダン、もう年明けまで待つ意味、全然無ぇじゃねぇかよぉ……!」
「んー? 待ちきれないんじゃなくて、待つ意味が無い? それってどういうこと?」
「ひゃぁっ……!? は、話してるんだからつつっ、摘むんじゃねぇよ……! ど、ういうこともなにも、そのまんまの意味だって……あっあっ、やぁんっ……!」
陰核を刺激するのはダメだと言われたので、シーズの中に指を潜り込ませて彼女の好きな部分を指で優しく擦ってあげる。
はぁはぁと甘く乱れた息を吐くシーズの口をキスで塞いで、彼女の言葉の意味を考える。
ここまでしちゃってるシーズと最後の一線を越えていないのは、人間族同士の俺達が最後までしちゃうとまず間違いなく妊娠してしまうためだよな?
チャールと一緒に世界中を見て回りたいという夢を持っているシーズが妊娠してしまったら、彼女の本来の夢に大きく影響してしまう。
そう思って今まで我慢してきたはずで、シーズも納得してくれていると思ってたんだけどなぁ……。
「……ねぇダンさん。シーズの言ってる事、本当に理解できないのかい?」
「んん~?」
しつこくシーズと唇を重ねたままで声がしたほうに視線を向けると、キュールが少し呆れの混じった雰囲気で俺に首を振って見せている。
いや、良く見るとキュールだけじゃないな?
他のみんなも、これだからコイツは~……って雰囲気でひたすら呆れと哀れみの眼差しを向けてきているぞぉ……?
「ダンさん。シーズの夢はこの世界の色んな場所を旅することで、貴方はその夢を応援するつもりでシーズとの一線を越える事を躊躇ってるよね?」
「うんうん」
「でも考えてもみなよ? ダンさんってシーズを連れて海に行ったり聖域の樹海を調査したり、終焉の向こう側や奈落の底まで見せちゃってるんだよ? 元々シーズが想像していた以上に広い世界を、ダンさんはもう見せちゃってるんだからね?」
「……あ~。た、確かにそうかも……?」
思わず口を離してキュールに同意してしまう。
他のみんなも、やっと気付いたかぁ……とでも言うように何度も頷いちゃってるし、はぁはぁと色っぽく息を乱しているシーズ本人まで、シトーっとした視線を向けてきている模様。
「キュールさんの言う通りだぜダン……! お前と一緒に行動するようになってからの数ヶ月で、俺の抱いていた夢はもうすっかり叶っちまってるんだよぉ……!」
「たた、確かに色々連れ回しちゃったのは認めるけどぉ……。それでもこの世界には、まだ見ぬ景色って奴が残されてる可能性も……」
「もしもそんなものがあっても、その時は今みてぇにお前と一緒に見りゃいいだけなんだよっ! 妊娠したら動けないだぁ? むしろ子供と一緒に世界を見て回ったほうが楽しいに決まってんだろっ!!」
「相変わらず言動が一直線すぎるよシーズ……。でも確かに、シーズの言っている事にも一理ありそうだね……」
食って掛かるように愛を叫ぶシーズをよしよしなでなでと宥めながら、自分の行動を振り返って反省する。
思い返してみると、調査、研究の為っていう名目で究明の道標の3人をあらゆる場所に連れ出しちゃってたな……。
これがシーズの夢を妨げてしまったとは思わないけれど、本来シーズが得られるはずだった達成感みたいなものを奪ってしまったかもしれないのか……。
しかし落ち込みかけた俺のことを、シーズ本人が思い切り抱きしめてくれた。
「勘違いすんなよダン。俺はお前に感謝してんだからなっ」
「シーズ……。感謝って?」
「確かに自力で世界中を回るって夢は達成できなかったかもしれねぇ。だけど今度は、家族と一緒に世界中を見て回りたいって新たな夢を見つけることが出来たんだっ! ダンに奪われたものなんか何も無ぇよっ! お前はいつだって、俺に色んなものをいっぱいいっぱいくれてるんだよっ!」
「家族と一緒に……。新しい夢を見つけられた、かぁ」
俺を全力で抱きしめてくれているシーズの華奢な体を優しく抱き締め返す。
シーズの夢を奪ったんじゃなくて、叶えた。そしてシーズは新たな夢を見つけることが出来た。
俺に奪われたものなんて何1つない。俺と一緒になって幸せしか感じていないとシーズが断言してくれる。
自分の半分しか生きていないシーズに、思いっきり甘えてしまったなぁ……。
「……ダン。私も決めたよ」
「チャール?」
家族に甘えなければ生きていけない自分の弱さに気付いて、その弱さに嬉しいような情けないような複雑な気持ちを抱いていると、シーズとは反対の方向からチャールの声が聞こえてくる。
ゆっくりとチャールに視線を向けると、彼女は期待と不安が入り混じったような潤んだ瞳で俺を真っ直ぐに見詰めていた。
「私もやっぱり、シーズと一緒に最後までして欲しい、かな……。ダンと一緒に居る方が私の夢も進んでるし、さ……」
「無理してシーズに合わせなくてもいいんだよ? このままでも年明けには必ず最後までしてあげるから……」
「ん、無理なんかしてないよ。むしろここでシーズに合わせない方が、今の私にとっては無理する事になっちゃう。それくらい、私もダンのことが好きだから、ね……?」
自分の思いを口にしたあと、恥ずかしそうに視線を逸らすチャール。
そんな彼女が愛おしくて、彼女の想いに応えるように静かに唇を重ね、キスをしながら覚悟を決める。
彼女たちなりに真剣に考え抜いた上での選択なのだから、2人の夫として全力で応えようと。
「感情に流されたんじゃなくて、2人とも良く考え抜いた上で口にしたんだってことが良く分かったよ。だから俺も2人の気持ちを全力で受け止める事を約束する」
「へっ! そんな分かりにくい言葉じゃ女は納得しないぜダン? 俺達の気持ちを受け止めるって、具体的にどうしてくれるんだぁ?」
「ははっ。了解だシーズ。今夜帰ったらチャールとシーズを一緒に抱いて、責任を持って俺の子供を孕ませてやる。念には念を入れてひと晩中俺の子種をチャールとシーズの中に注ぎ込んでやるから、期待と覚悟をしておいてくれよ」
「え~? 帰ってから抱かれても、好色家を得ていない私たちがひと晩中ダンに付き合うのは無理だと思うんだけどなぁ~?」
はっきりと孕ませてやると宣言したのに、それですら足りないと俺を揶揄してくるチャール。
つまり家に帰る前に抱いて、2人とも好色家を得た上でひと晩中種付け作業に励みたいってことかなーっ!
「ならヴァンダライズが終わった瞬間押し倒して、チャールとシーズの初めてをこの場で貰ってやるって約束するっ! そして好色家を浸透させたら、誰の邪魔も入らない別荘でひたすら全員に注ぎ込み続けるって約束しちゃうんだよーっ!」
「おっけー! そうと決まればさっさとこんなことは済ませちゃうのーっ!」
俺のエロ宣言を受けて、今まで黙っていたニーナが嬉しそうに声をあげる。
チャールとシーズの2人に良くやったとばかりに親指を立てて見せてから、家族のほうを振り返ってみんなの意志を纏め上げるニーナ。
「全員での初めての共同作業を成功させて、家族みんなでいっぱいいっぱいえっちするのーっ!」
「あはーっ! それじゃダン、さっさとみんなに指示を出してくれるー? 今回のヴァンダライズはかなり変則的だから、貴方の指示が無いと判断がつかないわぁ」
「ある意味これから世界を生み出そうって話なのに、すっげぇ軽いノリになったねティムルっ!? 我が家らしいと言えば我が家らしいけどさぁ」
「なに言ってるのよダンっ! 私たちは世界どころか、異種族間で子供を生み出そうとしてるのよぉ? なら魔力で生み出せる世界なんてサクッと生み出せなきゃダメじゃないのぉ!」
「っ! そういうことなら失敗するわけにはいかないねぇ……!」
流石はティムル。俺がやる気を出す言葉を的確に聞かせてくれるぜっ。
ヴァンダライズを放ったあとは、人間族であるチャールとシーズとの初めてが待っている。
種族が同じ2人を今の俺が最後まで愛したら、確実に俺の子供を孕ませてしまうだろう。
2人との子作りえっちが待っているというだけで最高に興奮して、最早変則ヴァンダライズなんか失敗する気が全くしない。
むしろ最高の気分で子作りえっちする為に、何がなんでも虚無空間の解消を成功させてやろうって気になってくるなっ!
インベントリから双剣を取り出し、家族に背を向ける形で虚無空間の前に立つ。
「みんな。自分のステータスプレートを取り出して、俺との魂の結びつきを意識して欲しい。ここに居るみんなと俺は、魂の端末を通して間違いなく繋がっているから、その繋がりを感じて欲しいんだ」
家族と俺を魂で結び付けてくれているステータスプレートを強く意識することで、互いの魂を繋げあい、魔力を混ざり合わせる。
世界呪を滅ぼした時も、終焉の箱庭を攻略した時も感じた魂の結びつきを、倒すべき敵が居ない平和な状況で再現するんだ。
「仕合わせの暴君メンバーは、ステータスプレートじゃなくて自分の得物に意識を集中してもいいよ。過去に成功した2度のヴァンダライズは、どちらも攻撃に意識を集中していただろうからね」
「うむっ! 妾は武器を意識した方が上手く行きそうなのじゃ! 妾の剣はダンへの愛情そのものじゃからのう!」
「フラッタに同じく、私も槍に集中させていただきますね。私の槍もまた、旦那様との絆そのものなのですから」
青と黒の魔力に身を包んだフラッタとヴァルゴが、俺に向けて武器を構えて魔力を込め始める。
今回はアズールブラスターもジャベリンソウルも発動させなくていいからな? 間違っても切りかかってくるんじゃないぞ2人とも?
「ダダ、ダンさんっ! 私も双剣を取り出していいんですかっ!?」
「勿論いいよラトリア。それぞれが1番魔力を集中しやすい状態を取ってくれて構わない。誰かと手を繋いで、物理的な繋がりを感じてみるのもいいかもしれないね」
俺の言葉にラトリアとエマは双剣を取り出し、ムーリはステータスプレートを握ったまま跪いて祈るような姿勢を取った。
チャールとシーズは互いの手を握り、ターニアもまたニーナと手を繋ぎながらステータスプレートを握っている。
キュールは触心の要領で自身のステータスプレートに魔力を送り、ティムルとリーチェは武器を握りながらもニコニコと手を繋いでいるようだ。尊い。
そんな風にみんなが体勢を整える中、シャロとアウラがオロオロと始めた。
「た、大変申し訳ないんですけどご主人様……。私には魔力を集中した経験なんて殆ど無くて、皆さんのような集中状態に入る事ができそうもありません……」
「ごめんパパ、私もシャロさんと同じだよ~……。1番魔力を集中しやすい状態って言われても、自分じゃ良く分からないって言うか……」
「シャロとアウラは俺に背中から抱き付いてくれる? ヴァンダライズを放つから正面から抱きついちゃダメだよ」
「え? そ、それでいいなら願ったり叶ったりなんですけど……?」
「こ、こうでいいのパパ……? ぎゅ~っ」
戸惑いながらも背中から抱き付いてくれるシャロとアウラ。
柔らかな感触と2人の鼓動が、俺と家族の結びつきをより強く意識させてくれる。
「ステータスプレートを出すのは忘れないで。あとえっちな悪戯もダメだからねシャロ?」
「う、分かってますってばっ。皆さんが集中している時に私だけ楽しんだりしませんって」
「俺の股間を撫で回しながら言っても説得力が無いよ? まぁこの程度ならむしろ俺の集中力も上がってくれるかな?」
「やたーっ! えっちなことには寛容なご主人様が大好きーっ」
嬉しそうに両手で俺の股間を撫で回すシャロだけど、恐らく本当にこの状態が彼女にとっての集中しやすい状態なんだろうな。
望まぬ形で男性に弄ばれ続けたシャロにとって、情事は娯楽ではなく生死を賭けた勝負の場だったのだろうから。
なお今は、精子をかけた最高の快楽の時間となっている模様。
それに俺と同じ人間族で家族で唯一艶福家まで浸透が進んでいるシャロと、人間族を除く5種族全ての種族特性をその身に宿すアウラの存在は、俺とみんなの魔力を繋ぐ中継地点となってくれるかもしれない。
「ニーナは1番後ろで見守ってくれる? 俺とニーナで家族全員を挟むような位置取りでお願い」
「ふふっ。了解なのっ! ここから大好きなダンを想い続けるから、ちゃーんと成功させて気持ちよくなろうねーっ」
ステータスプレートを胸に抱いて深獣化するニーナ。
その隣りでは獣化したターニアも同じようにステータスプレートを抱いて、俺に向かって柔らかく微笑んでくれている。
さぁて。これで全ての準備は整った。
こんな雑用さっさと終わらせて、チャールとシーズに最高の初めてをプレゼントしてあげないとなーっ!
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