異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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8章 新たな王と新たな時代2 亡霊と王

612 ※閑話 失伝 入植 (改)

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「少なくとも、テレスからの魔力流入と救命導着の生命維持機能が健在な限り、私たちの生命は保証されているわ。だから落ち着いて考えましょう」


 リーダーであるコルが、笑顔を浮かべながら穏やかな口調で語りかけてくれる。


 もうテレスは滅亡してしまって、異なる世界に散り散りになった他の越界調査隊と合流することも出来ない。

 その事実を突きつけられても、私たち4人は意外なほど落ち着いていた。


 勿論テレスにはそれぞれ大切な人だって居たし、そうでなくても故郷が滅亡してしまったなんてショックではある。

 けれど越界調査隊に志願した時に家族との別れも、テレスの滅亡も1度は覚悟したことだった。


 それが現実に起きてしまったことは悲しくて仕方ないけれど……。

 それでも覚悟が出来ていた分、絶望に心折れずに済んだのは幸いだったと思う。


「直ぐにでも環境を整えていきたいところだけど、何処までやるかが問題なんだよなー」


 両腕を組みながら、悩ましげに唸るカル。

 いち早く立ち直った彼女は、既に自分のやるべき事を完全にイメージ出来ているみたい。


「いくら導着のおかげで生命維持には事欠かないって言っても、食事はしたいしさー。かと言って知的生命体を自分の手で生み出すのには抵抗があるんよー」

「カル。まずは最低限の循環を作りあげてくれる? 貴女の葛藤は理解できるけど、今はまだそこまで考えるほどの環境すら出来上がってないでしょ?」

「ん、まぁねー。ならまずは水と植物周りを整えてみるー。メルも協力してよー?」

「へ? それは勿論協力するけどさぁ……。私は環境になんて詳しくないから、ちゃんと具体的な指示をお願いね?」

「分かってるってー。このカル姉さんを信用せーいっ」


 不安げな私の反応が不満なのか、自分を信用しろーと強調するカル。


 でも、カルって天才肌だからなぁ。

 自分だけしか理解できない説明で周りを混乱させることも多いから、はっきり言って油断出来ないよ~っ。


 ……感覚だけで基礎環境を完璧に創造しちゃってるあたり、本当に天才なんだけどさぁ。


「ミルと私はコラプサーへの対策を考えながら、貴女達が調整した環境の観察も行なうわ。何か問題が起こりそうなら直ぐに止めてあげるから、当面は好きにやっちゃって良いわよ」

「自由にって言われると余計難しいんだけどねー……。でも了解だよ。大気と大地を作ったのは私なんだから、責任持って創世してやろうじゃないのーっ」


 私たちがこの世界で生きていく為に、この日から改めて環境作りが始まった。

 この世界で生きる以外に選べる道が無くなった私たちは、逆に吹っ切れて迷うことなく作業に従事することが出来たのかもしれない。


 カルはまず海を作って水を確保し、そこから少しずつ天候を調整しながら食物連鎖を計画していく。

 私たちは魔法強化のおかげで千年は生きられるし、そこに導着の生命維持機能が合わさればかなりの長期間生きていくことが出来る。


 それでも環境が自然に整うのを見守るには短すぎると思うけれど、焦って変な生物を生み出す必要は今のところ無いんだよーと、カルはケラケラ笑っていた。


「んー。ほんっとワケ分かんない世界だね。見てよメル。海が途中で途切れて魔力に還っちゃってるよー」

「あれ……世界の果てってことなんだ……。カルが行なった天地創造の効果がまだ及んでなくて、魔力が大気や大地を保ってられないんだねぇ……」

「この世界はちょっとずつ広がってるってミルも言ってたし、私たちしか居ない状況で気にしても仕方無いんだけど……。海の生物を作り出そうと思ったら、ちょーっとだけ気をつけなきゃいけないぜーっ」


 困った困ったと言いながら、テレスの常識では考えられないこの世界で生きていくことを、カルは少しずつ楽しみ始めているように思えた。

 けれど決して暴走や独断専行をすることは無く、どれほど些細な環境の整備でもみんなに相談し、ゆっくりと生態系を作り上げていった。


「……テレスのみんなには申し訳無いけどさー。ゼロから新しい世界を創造して、その世界に付きっ切りでいていいなんて、私に取っちゃ天国みたいな環境だよー」

「……ふふ。ダメだよカル。私たちが天国みたいなんて言っちゃ洒落にならないってばぁ」

「……ぷっ! あははっ! これでも結構シリアスに悩んでたつもりなんだけどなー? ありがとねメルーっ」


 楽しそうにしながらも、カルだって悩まないわけじゃなかった。

 けれどそれでも笑っていられれば、きっと幸せに暮らしていけると、みんなの笑顔を見るたびに信じる事が出来た。




「カル。メル。緊急事態よ。ちょっと2人にも共有しておきたい話があるの」


 ある日リーダーのコルに呼び出された私とカルは、少し表情を険しくするコルとミルの纏う雰囲気に少し胸をざわつかせる。


 この雰囲気は、明らかに悪いニュースってことだよね?

 まさかとは思うけど、コラプサーに何か動きでもあったのかな……?


 直ぐに何か問題が起こるわけじゃないと思うけど、と前置きしてから、コルは私たちを呼び出した用件を説明してくれる。


「私たちが開いたテレスへの異界の門が……少しずつ広がってる……!?」

「ほんっとうにゆっくりとしたペースなんだけどね。おかげで今まで気付かなかったくらいにゆったりとしたペースだけど……。確実に広がってるみたいなの」


 どうやらこの世界の環境が整うにつれて、その環境維持に必要な魔力量が増えてしまい、この世界に漂う魔力が少なくなってしまうらしい。

 その不足分を補うように魔力の流入する勢いが増し、その勢いに押されて異界の門が少しずつ広がってしまっているようだ。


 コルに続いて、実際に現地に赴いて調査したというミルから詳しい説明を受ける。


「テレスから流入してくる魔力と、この世界を構成する魔力は少し違っていてね。異界の門とこの世界の境界線に魔力の壁みたいなものが出来上がっちゃってるみたいなんだ……」

「あ~……。この世界は私の精霊魔法を仲介して形作られたから、少し変質しちゃって純粋な魔力ではなくなっちゃてるのかー……」

「その障壁がテレスからの魔力を押し留めているのはいいんだけど、今度はその内部にテレスからの魔力がどんどん溜まり続けていてね……。どうにか魔力を消費しないと何が起こるか分からない状態なんだ」


 ここでミルが言っている魔力の消費とは、テレスから流入してくる魔力のことだ。

 既にこの世界を構成する魔力が不足気味なところ、それを更に消費してしまうようなことがあれば、テレスからの魔力流入は更に加速してしまうだろうなぁ。


「もしも内部の魔力が破裂したら大災害になりかねないし、それが無くても魔力を溜め続けたらコラプサーに勘付かれちゃう可能性も否定出来ないの」

「なるほど……。確かに緊急性は低いけど、今すぐに対処すべき問題だね……」

「だから2人に来てもらったのよ。なにかいい魔力の使い道は無いかしらってね」


 恐らくわざと軽い雰囲気を作ってくれているコル。

 そのおかげか、4人での話し合いも雑談みたいに軽い気持ちで発言できた。


「……魔力の使い道って言っても、私らが使ってるのは不足気味のこの世界の魔力だからねー。考えるべきは魔力の使い道じゃない。魔力の変換効率を上げる方法ってわけだー」

「それが出来なくても、一時的にでもテレスからの魔力を食い止めるなり溜めておくなり出来ないと、だね……。この世界は少しずつ広がり続けているんだから、このままじゃ将来的にテレスの魔力に塗りかえられちゃう……」


 カルが思考のとっかかりを作ってくれたので、その方向性を引き継いで考えを巡らせていく。


 この世界の魔力が不足するほど魔力の流入量が増えるんだったら、この世界の魔力を使いすぎて魔力が枯渇してしまうことを心配する必要は無くなった、よね?

 問題はテレスの魔力をこの世界の魔力に変換する速度が全く間に合っていないってことだ。


「……単純に今開いている異界の門の拡張を防ぎたいだけなら、別の場所にもう1つ門を開けばいいだけだとは思うんだ」

「あ、そっか……! 1ヶ所から流入してくる魔力を分散させれば、異界の門にかかっている圧力も分散するのね……!?」

「けれど、それをやっても根本的な問題解決には繋がらない……。門の拡張は防げるけど、流入量の増加はむしろ加速する……」

「いえ、メル。まずはその案を採用して、今開いている門の拡張を一刻も早く抑制しましょう」

「……えっ!?」


 殆ど独り言に近かった私の案を、コルはすぐさま採用し、実行すべきだと主張する。

 まだ結論を出す前の段階で思考を止められて、逆に私は焦ってしまう。


「ま、待ってよコル! こんなのまだ思いつきでしかなくて、どんな影響があるかも計算出来てないよ!?」

「時間が稼げるだけでも充分よメル。異界の門が広がれば広がるほどに様々なリスクが増大すると考えるなら、まずはそこをさっさと抑制しちゃいましょ」

「コルが言ってることも分かるけど……!」


 コルがあえて軽い態度で接してくれているのは分かるけど、今度はそれに不安感を覚えてしまう。

 コルは私の事を信用してくれているのかもしれないけど、私はコルほど私の考えを信用出来ないよ~!


「異界の門を複数開けばそれだけ魔力が流入しやすくなるし、テレスとも繋がりやすくなるってことなんだよ……? 本当に大丈夫、かな……?」

「それは門の拡張を放置しても同じことでしょ?」

「うっ……。それは確かにそうかもしれないけどぉ……」

「それに普通に考えて、100の大きさの門が1つ開いているのと、50の門が2つ開いているのとでは話が全く違ってくるわ。魔力以外のモノが流入してくるリスクを考えるなら、1つの門の大きさは小さければ小さいほどいいはずよ」


 魔力以外のモノ……。

 ここでコルがイメージしているのはきっと、テレスに留まっているコラプサーのことだよね……。


 確かにコラプサーが越界するためには、巨大な異界の門が開いていないと無理だろう。

 その理論で行けば100の門1つよりも50の門2つの方が……っていうコルの言い分も一理あるなぁ……。


 結局良い案も浮かばなかったので、コルの主張通りに新たな異界の門を開けて、始めに開いた門の拡張を抑制した。

 想定通りに門の拡張が止まってくれたことで、ほっと胸を撫で下ろす。


「さて。メルも言っていた通り、これは問題解決までの時間稼ぎでしかないわ。2つ目の門が時間を稼いでいるうちに、根本的な解決って奴を模索しましょ」

「魔力の変換効率を上げる方法、だね。ちなみにカルはこの世界を創ったわけだし、カルなら魔力そのものの変換も出来るんじゃないのかい?」

「んー。出来るっちゃぁ出来るけどさぁ……。既に循環している世界で消費される魔力は膨大で、私個人で変換できる量なんて高が知れてるよー? それにこの世界のためを思うなら、私が死んでも機能するシステムを作らんとさー。創世した責任は重いぜー」


 カルの言う通り、私たちがずっと見てなきゃ機能しないシステムなんて作り上げたら絶対にダメだ。

 既に少しずつ生命体も生み出されてきているわけだし、自分の死後はどうでもいいなんて考えは無責任すぎるもんね……。


 創世した責任なんて考えるだけで押し潰されちゃいそうなのに、なんだかんだ言っても責任を投げ出そうとしないカルは偉いよー……。


「私がこの世界を創世した時みたいにさ。テレスからの魔力は象りやすいんだよね。けど異なる魔力同士が混ざり合うことって基本的に無いから、テレスの魔力を自動的にこの世界の魔力に変換できるシステムが必要なのよなー」

「テレスからの魔力は象りやすい……。ってそうだ! 2人に言うの忘れてたっ!」

「ミル? 忘れてたって、何を?」

「異界の門の周辺に、テレスからの魔力で構成された擬似生命体が生まれ始めてるようなんだっ!」

「「えっ……!?」」


 生命体の自然発生。

 その話が本当なら、世界に及ぼす影響は想像を絶する……!


 魔力の変換問題は先延ばしに出来たんだから、まずはその生命隊を確認しなければと、一旦話し合いを中止して異界の門に急行した。

 そしてそこで私が目にしたのは、肉体も意思も持たない、魔力だけで構成された人型の無数の影だった。


「なに、あれ……。本当に生物なの……?」

「確信が持てないから擬似生物って言ったんだ。生物学者のカルの見解は?」

「私は環境学専門なんですけどねーっ? ぶっちゃけミルの表現がピッタリだと思うよ? 擬似生命体って奴?」


 専門外と言いながら、あっさり見解を示してみせるカル。


 異界の門とこの世界の境界線では他の場所よりも魔力の濃度が濃くなっている。

 そうして濃くなった魔力が行き場を求めて、この世界で活動している唯一の知的生命体である私たちを模して、人型に象られてしまったのではないかとカルは言う。


「あれ、テレスからの魔力が自然に象られた存在なのよね? ならあえてあの擬似生命体の形成を促進することで、テレスの魔力を一時保留することは出来ないかしら……?」

「「「あっ……!」」」


 コルのアイディアは直ちに検証されて、カルが作ったこの世界の根源的な機能の1つに組み込まれる。


 テレスから流入した余剰な魔力は、魔力で構成された擬似生命体に変換されて蓄えられる。

 擬似生命体に形作られたテレスの魔力は、この世界に存在する生命体として世界に適合し、擬似生命体が死ぬ時にこの世界の魔力となって大気に変換されていく。


 魔力で出来た擬似生命体を便宜上『魔物』と呼称し、魔物を屠ることで世界のバランスを保てるようなシステムが完成した。

 より世界の根本を支えるシステムとなるように、魔物を狩る度に魔力の結晶体が精製されるようにも調整した。


「ははっ! ようやく戦闘員として活躍出来そうだよ! カルっ! 好きなだけ魔力を使っていいからね! その分は私が稼ぐからっ!」

「こらー! 手加減しろミルーっ! 際限なく狩っちゃったら、それはそれで危険だろがーっ!」

「う、う~ん……。魔物の狩りすぎを抑制する為に、なんらかの防衛機能は必要かもねぇ……」


 戦闘員として調整されたミルの身体能力は凄いなぁ……。

 私じゃ自分で魔物を狩るのは難しそうだよぉ……。


 私が狩るって言っても、ミルが譲ってくれなそうだけど……?


「うおーっ! 肉だっ、魚だーっ! 魔物発生システム、まさかの副産物だぜーっ!」


 魔物から得られる魔力結晶には食料品も含まれていて、まだ食物連鎖も上手く機能していない世界で肉や魚を食べるのはなんだか不思議な感じがした。

 なぜか味は凄く良かったけどねっ!


 ミルが張り切って魔物を乱獲したおかげで、魔力のバランスも私たちの食生活も良くなっていった。

 異界の門の拡張も止まり、世界の拡張のペースは以前と変わらずとてもゆっくりとしたペースのままで変化は無い。


 世界の基礎が形作られて、これ以上は無理に手を加えなくても良いんじゃないだろうか?

 とても順調な生活に、そんな風にみんなが思い始めていた時に事件は起こった。





「た……大変だっ……! 3人とも早く、急いで異界の門に来てくれーっ!!」

「ミ、ミル……!? いったい何が……!? と、とにかくすぐ行くわっ! メルとカルも急いでっ……!!」

「なんだいなんだいっ……! 今度はいったい何が起こったって言うのさ……!」


 ある日、物凄く慌てた様子のミルに、突然精霊魔法で呼び出される。

 普段から比較的冷静沈着で、寝起き以外はいつも頼れるミルがここまで取り乱すなんて尋常じゃないよ……!


 ミルの反応を追って、始めに開いた方の異界の門に3人で駆けつける。

 私たちがそこで見たのは、ミルが必死に見知らぬ人たちを介抱している姿だった。
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