異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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7章 家族みんなで冒険譚3 エルフェリアで過ごす夜

549 壊れスキル (改)

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「ダンに聞きたい事があるんだよ。もし時間があるんだったら少し話を聞いてくれないかなっ」

「旦那様、楽しい時間になりそうですねぇ……?」


 元気いっぱいのシーズと、色気いっぱいのヴァルゴの囁き。

 両極端な2人の反応に平常心を取り繕って、天国のような拷問の時間が幕を開けた。


 食堂で究明の道標の3人と向かい合ったまま、全身がエロスに包まれている俺達仕合わせの暴君。

 気配遮断は凄いなぁ。

 俺の両手が好色家姉妹の下着の中を弄っていたり、ヴァルゴが俺の耳を好き勝手噛んだり舐めたりしているのに、目の前の3人がみんなに気付く気配は全然無いんだもん。


 ティムルとリーチェにチロチロと先っぽを舐められる快感を必死に押さえ込んでいると、ようやくシーズが聞きたい事とやらを切り出してくる。


「俺が聞きたいのはさ。職業ごとの浸透の優先順位なんだよ」

「ん? 職業そのものじゃなくって?」

「ダンたちくらいの実力を付ければ片っ端から浸透を進められるんだろうけどさ。普通の人たちはそうもいかないだろ? だから浸透させるべき職業の優先順位があったら聞いておきたいんだっ」

「なっ……るほど。話は分かったよ……」


 挑発的な視線のリーチェにちゅうううっと音を立てて吸い上げられたせいで思わず腰が浮きそうになってしまったけど、補正を全開にして何とか堪える。


 くっ、流石にこのままじゃバレかねない……!

 五感補正を可能な限り薄めて、みんなから送られてくる快楽を出来るだけ小さく……!


 って、そんなこと出来る訳ないよねーーーっ!?

 俺の肉体が、本能が、魂が、みんなから送られてくるエロい刺激を余すところなく享受し増幅したがってるんだもんっ!


 くそーーっ! 戦闘中は自在に操れるのに、エロいことになると途端に言う事を聞かなくなる職業補正が恨めしい!

 っていつまで吸ってるんだよリーチェーーーっ! 今禁止っ、禁止されてるからぁっ……!


 なんとか快感に耐えていると、その姿を思案していると取られたのか、シーズの言葉を補足するようにチャールが話しかけてくる。


「最初から3人以上のパーティを組むことが出来る人なら、戦士、旅人、商人を1人ずつ始めるのがいいと思うんだけどさー。私とシーズみたいに少人数の人だっているわけでしょ? そういう人たち向けの情報も知りたいんだ」

「ダンとニーナも始めは2人っきりだったって聞いてるし、装備もお金も無い状態からのスタートだったんだよな? そういう経験をしてきたダンの考える優先順位を知りたいんだよ」


 ヴァルゴが俺の服の中でゆっくりと指先で正中線を往復するのを感じながら、チャールとシーズの言葉に耳を傾ける。


 トライラム教会の孤児なら、小人数で装備も揃っていない状態からスタートすることはもう無いと思うけれど、俺とニーナのような状況で魔物狩りを始めなきゃいけない人だって常にいるだろうなぁ。

 そういう余裕の無い状況の人たちが優先するべき職業か……。


「真剣な2人の気持ちにちゃあんと考えて応えてあげてね? 適当に濁しちゃダメなんだからっ」

「ダンとニーナが考える浸透の優先順位。妾も普通に気になるのじゃ。特に少人数のケースなどは理由もしっかり聞きたいのう?」


 わざと別の意味に取れるような言い回しをするニーナと、意外なほど真面目な口調で俺に語りかけてくるフラッタ。

 対照的な2人は左右から俺の服の中に手を入れて、俺の乳首を執拗に捻ったりつねったり引っ張ったりしてくる。


 いくら服の中とは言え、眼の前でここまでごそごそ動いてるのに気づかれないなんて、もう気配遮断スキルって気配を遮断しているなんてレベルじゃない気がするんだよ?

 相手の認識を阻害する、どちらかと言うと幻術とか催眠に近い能力じゃね……?


 俺の両手の指先から伝わる熱と湿り気と強い締まりを感じながら、エロい思考を可能な限り追い出して真面目に考える。


「基本は戦士と旅人を1人ずつがいいと思うけど……。もしもソロで魔物狩りを始めなきゃいけないとするなら、俺なら旅人を優先したいかなぁ?」

「えー? 1人だからこそ戦士になって、魔物狩りへの安全性を高めるべきなんじゃないのー?」

「装備品を用意できるなら戦士でいいと思う。でも1人で魔物狩りを始めるような人が、始めから充分な準備を整えられるとは思わないからさぁ」

「……そっか。お金も装備も無いってそういうことなんだ……」


 トライラムフォロワーの恵まれたスタートに思い至ったのか、チャールが少し後ろめたそうに呟いた。

 でもシーズもキュールさんも反応していないので、俺も聞こえない振りをしておくとしよう。


 ソロスタートの場合は本当にケースバイケースで、人によって優先度が大きく変わりそうではある。

 武器と体防具くらい揃えられるのであれば戦士の補正が活きてくるし、装備が揃えられないのならインベントリと持久力補正を優先して旅人になり、常に動き回った方がいいと思うんだよな。


「戦士の補正は装備品にしか乗らないことを考えると、俺なら戦闘外でも役に立つ旅人を優先するよ。インベントリがあればお金を盗まれる心配もなくなるしね」

「ふむ、確かに装備品は高額だからね。トライラムフォロワーの子たちのようなサポートを受けられない人となると、戦士よりも旅人の方が有用な場合もあるわけだ」


 俺を交互に挟み込んでくるリーチェとティムルの生意気おっぱいの感触に全力で耐えていると、今まで黙って聞いていたキュールさんも会話に混ざってきた。

 キュールさん自身も戦えない人だから、戦闘職を後回しにするという選択に興味が湧いたのかもしれない。


「お金や装備品を管理するのにもインベントリは必要だものね。持久力補正を得ればポーターとして雇ってもらうことも出来るかもしれない。けれどやはり戦闘補正が得られないと魔物狩りをするのは危険じゃないかい?」

「ぶっちゃけ、ソロの魔物狩りがリスクをゼロにするのって不可能だと思う。だから戦士と旅人の特性をしっかり説明して、どっちを優先すべきかを自分自身で判断してもらうのが理想なんじゃないかな」

「ふ~ん。滅茶苦茶職業浸透を進めてるダンでも、絶対不変の正解みたいなものは導き出せねーんだな」

「シーズは俺を買い被りすぎだっての。絶対不変の最適解なんてあったら苦労しないってば」


 俺のケースを振り返っても、ニーナに旅人を担当してもらえたから俺は戦士になることが出来たわけで、始めは俺自身も戦士より旅人を優先した記憶がある。

 治安の悪いこの世界では、常にお金を盗まれる心配をしなくちゃいけないからなぁ。


「大体俺は鑑定スキルのおかげで他の人より効率よく転職できただけで、時間をかければ世界中の人が俺と同じことが出来るんだって……」

「「「いや、それはないっ!」」」

「ちょっ!? みんなでハモって断言するのやめてもらえますーっ!?」


 しかもチャールたちには聞こえてないけど、うちの家族まで声を揃えてツッコミを入れやがったからねっ!?

 俺がみんなに突っ込んで掻き回して流し込みたいのを必死に我慢してるっていうのにさぁっ!


 ちょっと不貞腐れつつ、話題に上がらない商人についても言及しておく。


「戦士と旅人に比べると優先度はどうしても下がっちゃうけど、商人だって悪くはないんだ。商人の先には行商人や各種生産職、魔玉の発光を促す豪商が待ってるからね」

「……えっ?」

「他人の敵意、悪意を見抜ける目利きだって有用なスキルだし、やっぱり基本3職は押さえておきたいかなー……って、3人ともどうしたの?」


 思わず腰が浮かびそうになるほどの快感のせいで気付くのに遅れたけれど、なぜかチャールたち3人は鳩が豆鉄砲を食らったような顔で固まっている。

 ちなみに俺は、鳩が豆鉄砲を食らった時の表情なんて知りませんが。


「……待ってダン。今なんて言ったの?」

「ん? 商人だって有用だから、やっぱり3職は押さえておきたいよなって……」

「違う! その前だよっ! 魔玉の発光を促すとか言わなかったかっ……!?」

「あ、それのことか。うんうん、言ったよ? 豪商の職業スキルに魔玉発光促進ってスキルがあってね。通常よりも魔玉の発光が早くなるんだー」

「なるんだー、じゃないよーーーっ!? なんだいそのスキル!? これまでの常識を根底から覆すようなトンデモスキルじゃないかっ……!!」


 わなわなと震えながらキュールさんが大声をあげる。

 俺も快感に震えそうになる体を必死に堪えている。


 あ、ティムル。俺のふとももを指先でゆっくりなぞるの、今はやめてもらっていいっすか?


「なんでダンさんはそんなになんでもないことのように言えるわけっ!? 魔玉の発光が早まるって……嘘でしょ……!?」

「思った以上に大袈裟な反応でびっくりしてるよ。というかレガリアに居たキュールさんなら知っててもおかしくないと思ってたけどねぇ」

「私も知らないけど、恐らくレガリアでも一切知られてなかったよっ……!? って言うか、鑑定無しにそのスキルに気付くのは無理なんじゃないかなっ……!?」

「あー、確かにそうかも? 豪商になった瞬間に目に見えるような違いがあるわけじゃなかったからねぇ」


 俺には鑑定スキルがあって当たり前って感覚だったけど、これって転移ボーナスで貰ったチート能力だったんだよなー。

 今までのスペルド王国の平均年収が10~15万リーフ、つまり魔玉3つ分相当だったことを考えると、魔玉発光促進スキルって確かにトンデモスキルと言われてもおかしくないか。


「魔玉の発光が促されるなら魔物狩りの年収は跳ね上がるよっ!? それに流通する魔玉の量も増大して、一気にマジックアイテムの普及が進むかもしれない……!」

「あ~そっか。マジックアイテムって高価なのもあるけど、燃料の発光魔玉が不足してたから普及が遅れてたわけか。魔玉の量と国民の収入が増えるなら、確かに一気に普及するかもしれないね」

「ご、ごめんダンさん! この情報は直ぐに帝国に流していいかなっ!? 多分陛下も喜んでくれると思うんだ……!」

「チャールたちが作った職業の資料も報告してるんでしょ? ならそれと同じ扱いでいいんじゃない? 魔玉って特定の場所でしか取れないアイテムじゃないから、ヴェルモート帝国と情報共有しても問題ないでしょ」


 問題ないとは思うけど、一応ゴブトゴさんにも直ぐに報告をしたほうがいいかな。


 俺はもう発光魔玉なんて価値を感じなくなってたから、魔玉発光促進がここまで常識外れスキル扱いされるとは思ってもいなかったよ。

 俺だってティムルを迎えたばかりの頃は、魔玉発光促進スキルにだいぶお世話になったっていうのにな。


 ぐぉぉっ!? そ、そこを甘噛みしちゃダメだって! 唇でハムハムしないでぇぇ……!?


「ついでに言うと、魔玉発光促進と並んで壊れスキルだと思うのが行商人の所持アイテム重量軽減スキルかな。所持アイテムなんてスキル名の割に、木材や水の重量も軽減されるからね」

「た、確かにあらゆる場面での肉体的な負担が減るからね……。日常生活は勿論のこと、装備品の重量も軽くなるから、誰でも重い武器や防具も難なく身につけられるように……!?」

「このスキルのおかげで非力な人間族の俺でも、我が家のお姫様たちを片手で抱きかかえることが可能だからね。個人的な意見だけど、このスキルの有る無しで人生が一変するくらいの超重要スキルだと思ってるよ」


 職業の加護が日常生活や対人戦にあまり適用されないのに対して、所持アイテム重量軽減スキルはありとあらゆる場面で強力に作用してくれる例外的なスキルだ。

 まだまだ文明水準の低いこの世界で生きていくのに最も必要なスキルだと言っても、決して過言ではない気がする。


「ふふ。懐かしいのっ。まだスポットの遠征をしてた頃は、行商人のティムルにすっごく助けられたっけ」

「あはーっ。私が加入した時は、ダンがもう行商人になってたけどねー?」

「妾たちは移動魔法が使えなかったからのう。ダンとティムルの運搬能力が無ければ、スポットの最深部になぞ辿り着けなかったじゃろうなぁ」

「ティムルとフラッタがグランドドラゴンアクスやドラゴンイーターを片手で振り回してるように、戦闘面での恩恵も大きいんだよね。ぼくだけ行商人になれてない時は、自分だけ荷物が持てなくて寂しかったなぁ」

「何気に行商人ルートを進めれば敏捷性補正が多く獲得できますし、職人に進めば五感と身体操作性に補正が乗りますからね。対人戦をこなす上でも重要なルートと言えるでしょう」


 俺の体中を絶え間なく刺激しながら、感慨深げに談笑する俺のお姫様たち。


 なんで談笑しながら手や口は忙しなく動かせるんだよぉ……!

 リーチェもティムルも、挑発的に俺を見ながら舐めるの止めてよぉ! 寝室ならいくらやってもいいからさーっ!


「……つまり商人の優先度は低いけれど、商人から派生する行商人と豪商の重要度は凄く高いってことでおっけー?」

「そういうことだね。商人からは職人ルートに進むことも出来るから、金策目的なら最優先で浸透を進めていくのがいいかもしれないなぁ」


 Sっ気全開のみんなに天上の責め苦を受けていると、会話の流れをまとめたチャールが確認するように聞いてくる。

 周りに流されずにマイペースを保てるのがチャールの長所だよねー。


「……俺とチャールは戦闘力を優先しちまったけど、なんだか行商人を浸透させたくなってきちまったなぁ?」

「焦らなくてもいいさ。戦闘力を優先したのだって間違ってるわけじゃないんだし。シーズもチャールも好きな職業から浸透させていけばいいからね。いつでも相談に乗るよ」

「おおっとダンさん。私の相談には乗ってくれないのかな?」

「……俺が何も言わなくても、キュールさんは好きな職業を進めそうだし?」

「ははっ! 違いねぇっ!」


 あははと大口を開けて笑うシーズ。

 けどお前には申し訳無いんだけど、俺には全く笑う余裕が無いんだよ?


 とうとう開始されてしまった全力のバキューム攻撃に、さっきから全身冷や汗と脂汗が止まらない……!


「行商人と豪商以外なら、移動魔法と各種魔法士の優先度がちょっと高いくらいかな? あとはパーティ人数や自分の目的に合わせて優先する職業を決めるべきだと思う。こんな感じで納得してくれた?」

「おうっ! ありがとなダン! 早く嫁のみんなのところに戻りたいだろうに、引き止めて悪かったよっ」

「シーズもお嫁さんになれば、ずーっとダンとお話できるよ?」

「うっせぇチャール! 真面目な話をしてたってのに茶化すんじゃねぇやっ」

「あ、そうだ。真面目な話と言えば……」


 くぅぅ……! せっかく会話が終了しそうな流れだったのに、自ら話題を提供する羽目になるとは……!

 一刻も早くハメハメしたいところだけど、でも思い至っちゃったら言わないのも気持ち悪いんだよなぁくそぉ……!


「まだ未定だけど、やっぱりキュールさんに整合の魔器を調べてもらう事になるかもしれない。その時はよろしく頼むよ」

「んっ、任せてくれたまえ。その話は願ったり叶ったりだ。こちらこそよろしくお願いするよ」


 俺のお願いを二つ返事で受け入れてくれるキュールさん。

 レリックアイテムに触心を試すのが物凄く楽しみなようで、なんだかソワソワしているぞ?


「ちなみにだけど、何のために整合の魔器を調査するんだい? 聖域の樹海が正常化したかを調べたいとか?」

「いや、将来的な話になるけど、安全にアウターを発生させる技術を確立しておきたくてさ。これから一気に人も増えるだろうから」

「ア、アウターを発生させるだなんて……。ダンさんはまるでメナスみたいなことを言うねぇ?」

「うわ、メナスみたいとか言われても、自分でもびっくりするくらい嬉しくないな……」


 だろうねぇと、肩を竦めておどけるキュールさん。

 メナスのことを知らないチャールとシーズは、2人揃って首を傾げて俺達を見ていた。


「あいつは神器呼び水の鏡を研究して、色々なマジックアイテムを開発していたんだろうなぁ。その研究資料とか残ってれば良かったんだけど……」

「ん? 残ってるんじゃないのかい? メナスの研究所も壊滅させちゃったのかな?」

「メナスの研究所?」

「うん。呼び水の鏡やイントルーダーの研究なんかを延々とやらされてたよ? しんどかったねぇ……」


 遠い目をして昔を懐かしむキュールさん。

 この感じだとキュールさん、実際にその場に行ってノーリッテにこき使われていたのか?


「ひょっとしてキュールさんもそこに行ったことある? なら案内してくれない? ちょっと興味あるんだ」

「あ~っと済まない。私もポータルで連れて行かれただけだからね、とても案内は……」

「行ったことがあるなら案内できるでしょっ! キュールさんはもう旅人を浸透させ終わってるんだからっ」

「旅人の浸透が終わってって……冒険者、移動魔法か! た、確かに!? 確かに今の私なら自力であそこにいけるのか……!?」


 興奮したキュールさんの様子を見るに、自分のポータルで人を案内するっていう発想が無かった様だ。

 行ったことさえあるなら、冒険者に転職してもらって移動魔法を使って貰えれば充分案内可能なのにね。


 思いがけずノーリッテの拠点に踏み込むことができそうだ。

 レリックアイテムの研究なんて未知で無謀な試みだから、過去の資料はいくらあってもいいだろう。


 本格的に整合の魔器を調べる前に、ノーリッテの研究記録を確かめておきたいところだなぁ。
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