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6章 広がる世界と新たな疑問3 ホムンクルス計画
454 パパ (改)
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「さぁリーチェ。約束通りたっぷり相手してあげちゃうよーっ」
別荘に戻った俺達は、アウラが寝ている間に沢山肌を重ね続けた。
別荘のベッドは大きいので、みんなを1度に愛せるのが素晴らしいよなっ。
仕合わせの暴君メンバー5人に注ぎ込み終えたタイミングで転職を終えた4人が戻ってきたので、傾国の姫君と双竜の顎をパーティ単位で一緒に楽しんでしまった。
それでもアウラはまだ眠ったままだったので、2周して3周して、全員のウェストが2サイズくらい増えるくらいに膨らませた頃にようやくアウラが目覚めてくれた。
全員の体を綺麗に拭いて、アウラにも服を着せてから改めて抱っこし、ベッドではなく食堂で会話する。
「初めてだったのに暴走しちゃってごめんね。体の方は問題ないかな? 魔力枯渇の兆候とかどう?」
「もっと、もっとしてぇ……? 気持ちいいの好きぃ……」
俺の質問には答えず、スリスリと体を擦りつけながらおねだりしてくるアウラ。めちゃくちゃ元気そうですね?
……だけど、これはあまり良いことじゃないよな?
まだ心の準備が出来ていない女の子を、快楽で無理矢理手篭めにしたのだから。
「アウラ。大切なことだからちゃんと答えて? 体調にも魔力にも問題ない?」
「大丈夫だよぉ。気持ちよくされたら具合悪いの全部無くなっちゃったからぁ。そんなに心配ならもっとしてぇ? さっきの凄く気持ち良かったからぁ」
……家族におねだりされて微妙な気分になったのは初めてかもなぁ。
アウラにおねだりされる度にどうしても罪悪感とか申し訳なさが浮かんできてしまうけれど、少なくともアウラは復調してくれたみたいだ。
まずは狙い通りアウラを回復させることが出来たことを喜ぼう。
「ねぇダン~? 私、元気になったって言ってるでしょ~? 元気になったからもっともっと続けたいのぉ」
「ごめんねアウラ。アウラのことを直ぐにでも抱いてあげたいところだけど、ちゃんと確認を済ませなきゃいけないんだ」
不満げに頬を膨らませながら、もっともっととおねだりしてくるアウラを抱きしめよしよしなでなで。
手を出した以上はちゃんと責任を取るよ。だけど快楽漬けにはしたくないんだ。
だからお話が終わるまでもう少しだけ我慢してね。
「アウラはこう言ってるけど、ティムルから見ても問題ないかな?」
「ええ。アウラの体内に注ぎ込まれた魔力が沢山見えるからね。相変わらず凄い量の魔力を消費しているみたいだけれど、今すぐどうなることは無いと思うわ。お疲れ様」
ティムルの熱視による診断でも、アウラの魔力枯渇は解消されたように見えるようだ。
なら早速アウラのおねだりに応えてーっとアウラを押し倒しかけたとき、消え入りそうな声で謝罪してくるティムルお姉さん。
「だけど2人とも、今回は色々とごめんなさい……」
「謝らないでって言ったでしょ? とにかくティムルが言った通り、アウラの魔力を俺が補充してあげられることに間違いは無いんだね?」
ティムルが今回の件を引き摺らないように、早々に話題を切り替える。
俺の問いかけにティムルも素直に頷いてくれたので、半ば強制的に関係を迫った感は否めないけど、アウラの生命の危機はとりあえず回避できたようだ。
「……ごめんねアウラ。こういうことって、本来は好きになった人同士がするものなんだ」
「ダン……?」
抱きしめているアウラを解放して、上気している彼女の顔を真っ直ぐに見詰めながら、まずは謝罪の言葉を口にする。
俺の謝罪の言葉に、アウラはきょとんとした顔で首を傾げている。
「俺はもうアウラを生涯愛しぬくつもりだけれど、アウラの気持ちを無視してごめん。謝って済む問題でも無いけど謝らせて欲しい。本当にごめんアウラ」
「え、と……。ご、ごめんねダン。私にはダンが何を謝ってるのか分からないかな……?」
俺が離した体をまた近づけて、ぎゅーっと抱きしめてくれるアウラ。
アウラから伝わってくる鼓動が、素直なアウラの好意をそのまま届けてくれているような気がした。
「カイメンたちに好きにされていた私を助けてくれて、暴走した私を止めてくれて、私を家族に迎え入れてくれて、私の命も助けてくれて、それで最高に気持ち良くしてくれたんだよ? 私にはダンが何を謝ってるのか全然わからないよー?」
「……えっちなことってさ、好きな人同士がやるものなんだよ。いくら気持ち良くさせてあげたからって、本当は好きな人同士じゃないとやっちゃいけないことなんだ。だから……」
「私、ダンのこと好きだよ?」
真っ直ぐに好きだと伝えてくれるアウラに、嬉しい気持ちと罪悪感が綯い交ぜになる。
アウラに好きと言ってもらえて嬉しいけど、こんなに幼い好意を向けてくれる少女を手篭めにしてしまった後悔の念はどうしても拭い去ることが出来ない。
「私の友達になってくれて、私を助けてくれて……。それですっごく気持ち良くしてくれるんだもん。ダンのこと大好きだよー?」
「俺もアウラのことが大好きだけどさ。やっぱり順番がおかしいんだよ。俺は本来やっちゃいけない順番でアウラを愛してしまったんだよ……」
「う~ん……? 良く分かんないなぁ……」
俺の胸に両手を当てて腕を突っ張って距離を取り、俺の顔を真っ直ぐ見詰めてくるアウラ。
俺を見詰めるアウラの瞳からは、ネガティブな感情は一切感じ取れなかった。
「正しい順番とかよく分かんないけどさ。今の私がダンを好きで、もっともっと気持ち良くして欲しいって思ってるんだからそれで良くないかな? 私はダンが好きだし、ダンも私のこと好きなんでしょ? なにが駄目なのー?」
「……駄目じゃ、駄目じゃないよ。何も駄目じゃない、どうしても俺が謝りたかっただけだね。うん、ありがとうアウラ」
まったく俺って奴は、手篭めにしてしまった少女本人に励まされてどうするんだか……。
自己満足の自己否定はここまでだ。
謝罪の言葉も伝えることが出来たのだし、これ以上後悔するのはやめよう。
するべきは後悔ではなく覚悟と決意だ。アウラと共に生き、アウラと共に幸せになる。
手篭めにしてしまった責任を取って、運命に翻弄された少女に誰よりも幸せになってもらえばいいんだよっ!
「大人の都合で振り回されたアウラを、俺の都合で振り回しちゃったように思っただけだよ」
「逆でしょー? 他の人に振り回されてた私を、ダンたちが助けてくれたんじゃないっ」
「そう言ってくれると救われるよ。好きって言ってくれてありがとう。俺も好きだよアウラ。これから宜しくね」
アウラをぎゅーっと抱きしめて、そっとキスをする。
これからずっと宜しくな。アウラのこと、絶対に放さないから。
「ん……ふぅ……ふ、んん……」
愛し合うということがまだ良く分かっていないであろう少女の舌を、これが愛するということなんだよと教えるつもりで徹底的に舐ってあげる。
エルフの特性を引き継いだアウラの唾液は甘くて美味しい。
俺にしがみ付いているアウラの両手がだらりと垂れ下がるまで、少女の舌を吸い続けた。
キスに蹂躙されたアウラが快楽に溺れている間に、他の皆とも話を進める。
「アウラを迎え入れることも生涯愛することも決めたんだけど……。アウラってまだ婚姻契約結べないよね?」
「結べないわねぇ。アウラと婚姻を結ぶ為にはあと2回ほど年を越す必要があるわ」
俺の質問に即答してくれるティムル。
しかし婚姻の12歳縛りってどういう扱いなんだろ? 王国法で決まってるの? ステータスプレートの仕様上不可能なの?
そのままの言葉で訊いてみると、ステータスプレート側の仕様よと返される。
「理屈は分かってないんだけどね。婚姻や奴隷契約は12歳未満の子供には行えないの。ちなみに奴隷契約が15歳からなのは王国法で決まってるのよ」
奴隷契約も、契約の成立自体は12歳から行えるらしい。
しかし王国法では15歳を成人として定めているので、15歳未満の奴隷契約が発覚した場合は未成年略取と見做され、奴隷ではなく所有者の方が罰せられるとのこと。
未成年の奴隷契約の罪は重く、奴隷契約者が犯罪奴隷に落ちるのはもちろんのこと、背後関係を調べる為に友人・知人にまで調査の手が及ぶこともあるとか。
それだけ重い罰則が科せられる上に、奴隷商人になるにはスペルディアに唯一存在する転職魔法陣を用いる必要があり、奴隷商人になった者は王国に届け出ないと犯罪者扱いとなる。
レガリアの意思なのかスペルディア家の意思なのかは不明だけれど、奴隷制度を崩壊させない為に意外なほど奴隷商人の管理はしっかりしているようだ。
ティムル先生による奴隷法の講義が終ると、リーチェ先生が補足してくれる。
「唯一の例外はフォアーク神殿だね。フォアーク神殿での転職の際はステータスプレートの提示を断れるから、ユニークジョブに転職できても隠すことが可能なんだ」
「……なるほど。ランダム転職で犯罪職になったりしても、その場ですぐ捕まる事はないワケだ。再転職の時にもステータスプレートの提示は断れるの?」
「断れるよ。フォアーク神殿の転職は特殊だからね。毎度ステータスプレートを提示しなきゃいけなかったら、竜王のカタコンベを攻略中にあんなに通ったり出来なかったから」
ああそうだった。始めはリーチェに職業設定を使ってやることが出来なかったんだったなぁ。
始めはって言うか、リーチェのことを家族に迎えてやれたのって最近のはずなのに、リーチェを鑑定できなかった頃が遠い昔みたいに感じられちゃうなぁ。
しかし女教師ティムルとリーチェ先生か。そんな学校の生徒になりたい。
じゃなかった。脱線しすぎた。俺が聞きたいのはこっちだったよ。
「ならアウラの扱いってどうしようか? 仕合わせの暴君はメンバーいっぱいだし、婚姻を結べないんじゃお嫁さんと言うのも少し憚られる気がするんだけど」
「んもーっ、相変わらずダンは面倒臭いんだからっ。アウラもダンの事が好きなんだからそれでいいじゃないっ」
いやいやニーナさん。今の時代のスペルド王国で生きていく以上はステータスプレートの提示を避けては通れないんですよ。
だからアウラの公的な扱い方はちゃんと相談して、全員で共有しておく必要があると思うんだよね。
「そもそもの話、アウラの見た目で10歳の表示を見られるとトラブルに繋がりそうなのじゃ。誰かがステータスプレートの提示からアウラを守ってやらねばならぬのう」
「本来であれば旦那様が担うべきお話なのでしょうけれど……。いくらアウラのためでも仕合わせの暴君の席は譲れませんからね。どうしましょうか……?」
フラッタとヴァルゴが腕を組んでうんうんと唸っている。
2人がアウラのためでも譲れないというくらい仕合わせの暴君を大切に想ってくれているのは嬉しい。
けど、元々アウラを仕合わせの暴君に参加させる気は無いのだ。
仕合わせの暴君に参加するということは、マグナトネリコのような相手と戦わなければいけない可能性が出てくるのだから。
「アウラの事はムーリとターニアにお願いしたいんだけどどうかな? アウラももう俺にとっての傾国の美女の1人なわけだしさ」
「ふふ、構いませんよー? アウラさんももう家族ですからねっ」
「私も構わないんだけど……。むしろアウラちゃんのほうが心配なの。ダンさんと離れている時にもしものことがあったら、私とムーリちゃんじゃ助けてあげられないかなぁ」
ふむ。ターニアの言うことも一理あるなぁ。
傾国の姫君にアウラを迎えること自体は、ムーリもターニアも問題ない。
けれどアウラがあまり俺から離れ過ぎているのは不安、かぁ。
「ん~。ムーリとターニアって、もうスポットの最深部に潜ってるんだったよね?」
俺の問いかけに、こくこくと頷いてくれる2人。可愛い。
そしてそんな小さな動きでさえもユッサユッサと揺れるムーリのおっぱい。おいしそう。
「なら2人とも悪いけど、当分は俺達と一緒に行動してくれないかな?」
「えっ、ええっ!? いいいっ、いいんですかっ!?」
おっぱいをどたぷーんと揺らしながら身を乗り出してくるムーリ。
今はこれを凝視しても許されるなんて幸せだなぁ。揉んでも吸っても許されちゃうんだけど。
「うん。クラメトーラの事が片付いたから、今度は聖域の樹海の調査を始める事になると思う。スポットの最深部で戦えるなら2人も問題なく参加できるはずだからさ」
「奈落で見せ付けられたニーナの実力を考えると、ちょっと買い被られてる気がしなくも無いけどねぇ……。でもダンさんとニーナと一緒に居られるのは嬉しいのっ」
たたたーっと駆け寄ってきて、俺の頬にちゅっとキスをしてくれるターニア。
なにこの人。経産婦なのに行動が可愛すぎるんだけど?
「ダッダダッ、ダンさんっ! わ、私たちは……!?」
思わずといった感じで身を乗り出し俺に詰め寄ってきたのは、ラトリアじゃなくてエマだった。
そんなエマの行動に、ラトリアは驚きながらも微笑んでいる。
「エマとラトリアも実力的には申し分ないと思うけど……。俺と一緒に来ると他のことが一切出来なくなるくらい滅茶苦茶にしちゃうと思うよ? 2人の都合とか大丈夫?」
「はい。シルヴァも義娘たちも私なんかよりずっとしっかりしてますから。お許しいただけるなら私とエマもお傍にいさせてください」
「お許しもなにも大歓迎だよ。ヴァルハールのほうが問題ないなら一緒に行こうね」
笑顔で嬉しそうに頷いてくれる2人に思わず見蕩れてしまう。
ラトリアが美人なのはとっくに分かっているけど、エマだって相当な美人さんだよなぁ。
「っとと。俺のお嫁さんが可愛すぎてついつい脱線しすぎたよ。今はアウラの話をしないと」
家族全員で行動できるのが楽しみになってきたけれど、肝心のアウラの扱いについての話し合いがまだ済んでいなかった。
一旦気持ちを落ち着けて、改めてアウラの扱いを相談する。
「う~ん。アウラのステータスプレートの提示はムーリに間に立ってもらうにしても、周りにはアウラの事をなんて言おうか? 普通にお嫁さんでもいいと思う?」
「……んー、大丈夫だとは思うけど2年は長いの。何かの拍子でステータスプレートを見られちゃったら、ダンが未成年略取で捕まっちゃうかもしれないかなぁ?」
ニーナにしては珍しく、俺のお嫁さんを増やすことを躊躇っている。
転職も納税も代行してやれるから、お嫁さん扱いでも問題ないとは思うんだけどねぇ。
この国ではステータスプレートの提示ってかなり頻繁に要求されるから、万が一の事態が怖いのだろう。
「外見だけならなんの問題も無くお嫁さんで通ると思うんだけどねぇ。ステータスプレートの年齢は誤魔化せないから、ボロが出るリスクは常にある、かぁ」
「アウラの体質上、ダンと愛し合うのは避けられぬのじゃ。だからお嫁さんと言うしか無いと思うがのう。体質的にも心理的にも、アウラがダンと離れて生活するのは難しいのじゃ」
リーチェとフラッタはお嫁さん扱いに一票か。
外見だけなら20代と言っても通りそうなんだよなぁ。
だけどステータスプレート情報の露見リスクが常に付き纏うと。これじゃ堂々巡りだな。
「ん~、ならいっそ娘扱いでもすればいいんじゃないかしら? ダンは26だし、10歳の娘が居ても普通よ?」
「へ……?」
ティムルの提案に頭が真っ白になる。
確かに異種族間で養子を貰うケースは珍しくないとフラッタも言っていた。
この世界では16歳差の母娘も別に珍しくはない。だから一見問題が無いように見える。
しかし待ってくれティムル。俺って今後毎日のように徹底的にアウラに注ぎ込まないといけないんだよ?
自分の娘を手篭めにするとかやば過ぎるでしょ。それなんてエロゲ? お巡りさん私です?
「……パパ?」
「…………っ」
しかしティムルの提案で混乱していた俺の思考は、突如腕の中から聴こえてきたアウラのパパ呼びによって完全に停止してしまったのだった。
よ、よりにもよってお前本人が止めを刺すんじゃないってのーっ!
別荘に戻った俺達は、アウラが寝ている間に沢山肌を重ね続けた。
別荘のベッドは大きいので、みんなを1度に愛せるのが素晴らしいよなっ。
仕合わせの暴君メンバー5人に注ぎ込み終えたタイミングで転職を終えた4人が戻ってきたので、傾国の姫君と双竜の顎をパーティ単位で一緒に楽しんでしまった。
それでもアウラはまだ眠ったままだったので、2周して3周して、全員のウェストが2サイズくらい増えるくらいに膨らませた頃にようやくアウラが目覚めてくれた。
全員の体を綺麗に拭いて、アウラにも服を着せてから改めて抱っこし、ベッドではなく食堂で会話する。
「初めてだったのに暴走しちゃってごめんね。体の方は問題ないかな? 魔力枯渇の兆候とかどう?」
「もっと、もっとしてぇ……? 気持ちいいの好きぃ……」
俺の質問には答えず、スリスリと体を擦りつけながらおねだりしてくるアウラ。めちゃくちゃ元気そうですね?
……だけど、これはあまり良いことじゃないよな?
まだ心の準備が出来ていない女の子を、快楽で無理矢理手篭めにしたのだから。
「アウラ。大切なことだからちゃんと答えて? 体調にも魔力にも問題ない?」
「大丈夫だよぉ。気持ちよくされたら具合悪いの全部無くなっちゃったからぁ。そんなに心配ならもっとしてぇ? さっきの凄く気持ち良かったからぁ」
……家族におねだりされて微妙な気分になったのは初めてかもなぁ。
アウラにおねだりされる度にどうしても罪悪感とか申し訳なさが浮かんできてしまうけれど、少なくともアウラは復調してくれたみたいだ。
まずは狙い通りアウラを回復させることが出来たことを喜ぼう。
「ねぇダン~? 私、元気になったって言ってるでしょ~? 元気になったからもっともっと続けたいのぉ」
「ごめんねアウラ。アウラのことを直ぐにでも抱いてあげたいところだけど、ちゃんと確認を済ませなきゃいけないんだ」
不満げに頬を膨らませながら、もっともっととおねだりしてくるアウラを抱きしめよしよしなでなで。
手を出した以上はちゃんと責任を取るよ。だけど快楽漬けにはしたくないんだ。
だからお話が終わるまでもう少しだけ我慢してね。
「アウラはこう言ってるけど、ティムルから見ても問題ないかな?」
「ええ。アウラの体内に注ぎ込まれた魔力が沢山見えるからね。相変わらず凄い量の魔力を消費しているみたいだけれど、今すぐどうなることは無いと思うわ。お疲れ様」
ティムルの熱視による診断でも、アウラの魔力枯渇は解消されたように見えるようだ。
なら早速アウラのおねだりに応えてーっとアウラを押し倒しかけたとき、消え入りそうな声で謝罪してくるティムルお姉さん。
「だけど2人とも、今回は色々とごめんなさい……」
「謝らないでって言ったでしょ? とにかくティムルが言った通り、アウラの魔力を俺が補充してあげられることに間違いは無いんだね?」
ティムルが今回の件を引き摺らないように、早々に話題を切り替える。
俺の問いかけにティムルも素直に頷いてくれたので、半ば強制的に関係を迫った感は否めないけど、アウラの生命の危機はとりあえず回避できたようだ。
「……ごめんねアウラ。こういうことって、本来は好きになった人同士がするものなんだ」
「ダン……?」
抱きしめているアウラを解放して、上気している彼女の顔を真っ直ぐに見詰めながら、まずは謝罪の言葉を口にする。
俺の謝罪の言葉に、アウラはきょとんとした顔で首を傾げている。
「俺はもうアウラを生涯愛しぬくつもりだけれど、アウラの気持ちを無視してごめん。謝って済む問題でも無いけど謝らせて欲しい。本当にごめんアウラ」
「え、と……。ご、ごめんねダン。私にはダンが何を謝ってるのか分からないかな……?」
俺が離した体をまた近づけて、ぎゅーっと抱きしめてくれるアウラ。
アウラから伝わってくる鼓動が、素直なアウラの好意をそのまま届けてくれているような気がした。
「カイメンたちに好きにされていた私を助けてくれて、暴走した私を止めてくれて、私を家族に迎え入れてくれて、私の命も助けてくれて、それで最高に気持ち良くしてくれたんだよ? 私にはダンが何を謝ってるのか全然わからないよー?」
「……えっちなことってさ、好きな人同士がやるものなんだよ。いくら気持ち良くさせてあげたからって、本当は好きな人同士じゃないとやっちゃいけないことなんだ。だから……」
「私、ダンのこと好きだよ?」
真っ直ぐに好きだと伝えてくれるアウラに、嬉しい気持ちと罪悪感が綯い交ぜになる。
アウラに好きと言ってもらえて嬉しいけど、こんなに幼い好意を向けてくれる少女を手篭めにしてしまった後悔の念はどうしても拭い去ることが出来ない。
「私の友達になってくれて、私を助けてくれて……。それですっごく気持ち良くしてくれるんだもん。ダンのこと大好きだよー?」
「俺もアウラのことが大好きだけどさ。やっぱり順番がおかしいんだよ。俺は本来やっちゃいけない順番でアウラを愛してしまったんだよ……」
「う~ん……? 良く分かんないなぁ……」
俺の胸に両手を当てて腕を突っ張って距離を取り、俺の顔を真っ直ぐ見詰めてくるアウラ。
俺を見詰めるアウラの瞳からは、ネガティブな感情は一切感じ取れなかった。
「正しい順番とかよく分かんないけどさ。今の私がダンを好きで、もっともっと気持ち良くして欲しいって思ってるんだからそれで良くないかな? 私はダンが好きだし、ダンも私のこと好きなんでしょ? なにが駄目なのー?」
「……駄目じゃ、駄目じゃないよ。何も駄目じゃない、どうしても俺が謝りたかっただけだね。うん、ありがとうアウラ」
まったく俺って奴は、手篭めにしてしまった少女本人に励まされてどうするんだか……。
自己満足の自己否定はここまでだ。
謝罪の言葉も伝えることが出来たのだし、これ以上後悔するのはやめよう。
するべきは後悔ではなく覚悟と決意だ。アウラと共に生き、アウラと共に幸せになる。
手篭めにしてしまった責任を取って、運命に翻弄された少女に誰よりも幸せになってもらえばいいんだよっ!
「大人の都合で振り回されたアウラを、俺の都合で振り回しちゃったように思っただけだよ」
「逆でしょー? 他の人に振り回されてた私を、ダンたちが助けてくれたんじゃないっ」
「そう言ってくれると救われるよ。好きって言ってくれてありがとう。俺も好きだよアウラ。これから宜しくね」
アウラをぎゅーっと抱きしめて、そっとキスをする。
これからずっと宜しくな。アウラのこと、絶対に放さないから。
「ん……ふぅ……ふ、んん……」
愛し合うということがまだ良く分かっていないであろう少女の舌を、これが愛するということなんだよと教えるつもりで徹底的に舐ってあげる。
エルフの特性を引き継いだアウラの唾液は甘くて美味しい。
俺にしがみ付いているアウラの両手がだらりと垂れ下がるまで、少女の舌を吸い続けた。
キスに蹂躙されたアウラが快楽に溺れている間に、他の皆とも話を進める。
「アウラを迎え入れることも生涯愛することも決めたんだけど……。アウラってまだ婚姻契約結べないよね?」
「結べないわねぇ。アウラと婚姻を結ぶ為にはあと2回ほど年を越す必要があるわ」
俺の質問に即答してくれるティムル。
しかし婚姻の12歳縛りってどういう扱いなんだろ? 王国法で決まってるの? ステータスプレートの仕様上不可能なの?
そのままの言葉で訊いてみると、ステータスプレート側の仕様よと返される。
「理屈は分かってないんだけどね。婚姻や奴隷契約は12歳未満の子供には行えないの。ちなみに奴隷契約が15歳からなのは王国法で決まってるのよ」
奴隷契約も、契約の成立自体は12歳から行えるらしい。
しかし王国法では15歳を成人として定めているので、15歳未満の奴隷契約が発覚した場合は未成年略取と見做され、奴隷ではなく所有者の方が罰せられるとのこと。
未成年の奴隷契約の罪は重く、奴隷契約者が犯罪奴隷に落ちるのはもちろんのこと、背後関係を調べる為に友人・知人にまで調査の手が及ぶこともあるとか。
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レガリアの意思なのかスペルディア家の意思なのかは不明だけれど、奴隷制度を崩壊させない為に意外なほど奴隷商人の管理はしっかりしているようだ。
ティムル先生による奴隷法の講義が終ると、リーチェ先生が補足してくれる。
「唯一の例外はフォアーク神殿だね。フォアーク神殿での転職の際はステータスプレートの提示を断れるから、ユニークジョブに転職できても隠すことが可能なんだ」
「……なるほど。ランダム転職で犯罪職になったりしても、その場ですぐ捕まる事はないワケだ。再転職の時にもステータスプレートの提示は断れるの?」
「断れるよ。フォアーク神殿の転職は特殊だからね。毎度ステータスプレートを提示しなきゃいけなかったら、竜王のカタコンベを攻略中にあんなに通ったり出来なかったから」
ああそうだった。始めはリーチェに職業設定を使ってやることが出来なかったんだったなぁ。
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じゃなかった。脱線しすぎた。俺が聞きたいのはこっちだったよ。
「ならアウラの扱いってどうしようか? 仕合わせの暴君はメンバーいっぱいだし、婚姻を結べないんじゃお嫁さんと言うのも少し憚られる気がするんだけど」
「んもーっ、相変わらずダンは面倒臭いんだからっ。アウラもダンの事が好きなんだからそれでいいじゃないっ」
いやいやニーナさん。今の時代のスペルド王国で生きていく以上はステータスプレートの提示を避けては通れないんですよ。
だからアウラの公的な扱い方はちゃんと相談して、全員で共有しておく必要があると思うんだよね。
「そもそもの話、アウラの見た目で10歳の表示を見られるとトラブルに繋がりそうなのじゃ。誰かがステータスプレートの提示からアウラを守ってやらねばならぬのう」
「本来であれば旦那様が担うべきお話なのでしょうけれど……。いくらアウラのためでも仕合わせの暴君の席は譲れませんからね。どうしましょうか……?」
フラッタとヴァルゴが腕を組んでうんうんと唸っている。
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けど、元々アウラを仕合わせの暴君に参加させる気は無いのだ。
仕合わせの暴君に参加するということは、マグナトネリコのような相手と戦わなければいけない可能性が出てくるのだから。
「アウラの事はムーリとターニアにお願いしたいんだけどどうかな? アウラももう俺にとっての傾国の美女の1人なわけだしさ」
「ふふ、構いませんよー? アウラさんももう家族ですからねっ」
「私も構わないんだけど……。むしろアウラちゃんのほうが心配なの。ダンさんと離れている時にもしものことがあったら、私とムーリちゃんじゃ助けてあげられないかなぁ」
ふむ。ターニアの言うことも一理あるなぁ。
傾国の姫君にアウラを迎えること自体は、ムーリもターニアも問題ない。
けれどアウラがあまり俺から離れ過ぎているのは不安、かぁ。
「ん~。ムーリとターニアって、もうスポットの最深部に潜ってるんだったよね?」
俺の問いかけに、こくこくと頷いてくれる2人。可愛い。
そしてそんな小さな動きでさえもユッサユッサと揺れるムーリのおっぱい。おいしそう。
「なら2人とも悪いけど、当分は俺達と一緒に行動してくれないかな?」
「えっ、ええっ!? いいいっ、いいんですかっ!?」
おっぱいをどたぷーんと揺らしながら身を乗り出してくるムーリ。
今はこれを凝視しても許されるなんて幸せだなぁ。揉んでも吸っても許されちゃうんだけど。
「うん。クラメトーラの事が片付いたから、今度は聖域の樹海の調査を始める事になると思う。スポットの最深部で戦えるなら2人も問題なく参加できるはずだからさ」
「奈落で見せ付けられたニーナの実力を考えると、ちょっと買い被られてる気がしなくも無いけどねぇ……。でもダンさんとニーナと一緒に居られるのは嬉しいのっ」
たたたーっと駆け寄ってきて、俺の頬にちゅっとキスをしてくれるターニア。
なにこの人。経産婦なのに行動が可愛すぎるんだけど?
「ダッダダッ、ダンさんっ! わ、私たちは……!?」
思わずといった感じで身を乗り出し俺に詰め寄ってきたのは、ラトリアじゃなくてエマだった。
そんなエマの行動に、ラトリアは驚きながらも微笑んでいる。
「エマとラトリアも実力的には申し分ないと思うけど……。俺と一緒に来ると他のことが一切出来なくなるくらい滅茶苦茶にしちゃうと思うよ? 2人の都合とか大丈夫?」
「はい。シルヴァも義娘たちも私なんかよりずっとしっかりしてますから。お許しいただけるなら私とエマもお傍にいさせてください」
「お許しもなにも大歓迎だよ。ヴァルハールのほうが問題ないなら一緒に行こうね」
笑顔で嬉しそうに頷いてくれる2人に思わず見蕩れてしまう。
ラトリアが美人なのはとっくに分かっているけど、エマだって相当な美人さんだよなぁ。
「っとと。俺のお嫁さんが可愛すぎてついつい脱線しすぎたよ。今はアウラの話をしないと」
家族全員で行動できるのが楽しみになってきたけれど、肝心のアウラの扱いについての話し合いがまだ済んでいなかった。
一旦気持ちを落ち着けて、改めてアウラの扱いを相談する。
「う~ん。アウラのステータスプレートの提示はムーリに間に立ってもらうにしても、周りにはアウラの事をなんて言おうか? 普通にお嫁さんでもいいと思う?」
「……んー、大丈夫だとは思うけど2年は長いの。何かの拍子でステータスプレートを見られちゃったら、ダンが未成年略取で捕まっちゃうかもしれないかなぁ?」
ニーナにしては珍しく、俺のお嫁さんを増やすことを躊躇っている。
転職も納税も代行してやれるから、お嫁さん扱いでも問題ないとは思うんだけどねぇ。
この国ではステータスプレートの提示ってかなり頻繁に要求されるから、万が一の事態が怖いのだろう。
「外見だけならなんの問題も無くお嫁さんで通ると思うんだけどねぇ。ステータスプレートの年齢は誤魔化せないから、ボロが出るリスクは常にある、かぁ」
「アウラの体質上、ダンと愛し合うのは避けられぬのじゃ。だからお嫁さんと言うしか無いと思うがのう。体質的にも心理的にも、アウラがダンと離れて生活するのは難しいのじゃ」
リーチェとフラッタはお嫁さん扱いに一票か。
外見だけなら20代と言っても通りそうなんだよなぁ。
だけどステータスプレート情報の露見リスクが常に付き纏うと。これじゃ堂々巡りだな。
「ん~、ならいっそ娘扱いでもすればいいんじゃないかしら? ダンは26だし、10歳の娘が居ても普通よ?」
「へ……?」
ティムルの提案に頭が真っ白になる。
確かに異種族間で養子を貰うケースは珍しくないとフラッタも言っていた。
この世界では16歳差の母娘も別に珍しくはない。だから一見問題が無いように見える。
しかし待ってくれティムル。俺って今後毎日のように徹底的にアウラに注ぎ込まないといけないんだよ?
自分の娘を手篭めにするとかやば過ぎるでしょ。それなんてエロゲ? お巡りさん私です?
「……パパ?」
「…………っ」
しかしティムルの提案で混乱していた俺の思考は、突如腕の中から聴こえてきたアウラのパパ呼びによって完全に停止してしまったのだった。
よ、よりにもよってお前本人が止めを刺すんじゃないってのーっ!
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