異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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6章 広がる世界と新たな疑問2 世界の果て

420 協議 (改)

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 クラクラットで出会ったドワーフの少女アウラが、ポータルで去っていった。

 見た目はムーリと同じくらいの年齢に見えたけど、10歳らしいから少女って事にしておこう。


「とりあえずみんなとアウラの話がしたいんだけど……。ここで出来る話じゃないよね?」

「そうだね。誰にも邪魔されない場所……別荘にでも移動しようか」


 アウラを見送った俺達はリーチェの提案の通りに、一旦ニーナの別荘に引っ込む事にした。

 せっかくお弁当まで作ってきたけど、アウラの件も含めて外では出来ない話題が多すぎるからね。


 おっと、帰る前に熱視を試してもらっておこう。


「ティムル。ここで熱視を使ってみてくれる? 魔力の流れってどうなって……って、熱視の発動も問題になったりしないよね?」

「流石にここでは熱視は珍しくないと思うわよ? 街中で発動する人は珍しいかもしれないけど」


 言いながら瞳の色を蒼く変えていくティムル。


 ティムルが青い瞳で周囲をキョロキョロと見回しても、そのティムルを不審に思う人は居ないようだ。

 この程度で不信感を持たれるなら、種族混成集団って時点で不信感マックスだったね。


「……うん。やっぱり一定の方向に流れ続けているみたい。その流れの先には暴王のゆりかごがあるのかしらねぇ?」

「その可能性は高いけど、まだなんとも言えないね。熱視ありがとうティムル」


 碧眼のティムルにちゅっとキスをして熱視を解除してもらい、ムーリとくっついたままポータルを唱えて別荘に転移した。

 あ、そうだ。ここなら誰の邪魔も入らないんだし、せっかくのお弁当を家の中で食べる必要も無いかな?


「せっかくお弁当を用意してきたし、天気もいいからこのまま外で食べよっか。ここなら外でも会話を聞かれる心配も無いしさ」

「それいいねっ。クラクラットではお料理を広げるのもちょっと気が引けちゃったから、ここで遠慮無くいっぱい食べるのーっ」

「では敷物と飲み物くらいは用意するとしようかのう。お茶は妾が準備するのじゃっ」


 ニーナとフラッタの言葉を合図に、みんなで手分けしてテキパキと食事の準備を整える。

 俺はムーリとエマを抱き寄せて交互にキスを楽しんでいましたけどね?


 だってさ~。俺が手伝おうとすると家族総出で止めにくるんですよ? ダンの仕事はそっち! って。

 これって仕事なの? 好きなことを仕事にするってこういうことじゃないよね?


「アウラさんの匂い、なんだかちょっとダンさんに似た雰囲気がありました。全然違う匂いなのに、どこか似通っているような……」

「種族の違う俺と似た匂いねぇ……」


 アウラがドワーフの狂気の研究によって生み出された存在だと仮定した場合、アウラと俺に共通点があるとすれば、それは肉体と魔力の関係が常人と異なるって部分になるのかな。

 ああ、もしかして肉体と魔力のバランスが上手くいってないから、長時間外で活動できなかったりするんだろうか。


「ならムーリは、アウラの匂いでもえっちな気分になっちゃった?」

「まさかぁ。私をこんなにえっちにしちゃうのは、ダンさんだけに決まってるじゃないですかぁ」

「可愛いムーリをえっちにしちゃった責任を取りたいところだけど、まずは真面目な話を終わらせてからにしよう。後でいっぱい可愛がってあげるからね」


 生乳をムニュムニュと揉みながら、じれったくなるようなゆっくりとした動きでムーリと舌を絡め続ける。

 お互いの舌を突き出して、口の外で舌同士をヌルヌルと絡め合わせる。エロいなぁこのシスター。


「ううう……。私もムーリさんみたいに素直に甘えたいですよぉ……。歳を取ると素直になるのが怖くなっちゃうんですよね……」

「怖がらないでいっぱい甘えていいんだよ? エマが素直になれるようにいっぱい甘やかしてあげるからさ」


 エマの頭を抱き寄せて、押し付けるように唇を奪う。

 そして口の中を余すところ無く舌で蹂躙し、エマの舌を根元から強く吸いあげる。


 食事の準備が整うまでの僅かな間、2人の唇を貪るようにキスし続けてしまった。


「お楽しみのところ申し訳ありませんが旦那様。食事の用意が整いましたよ」

「ん、了解。残念だけどキスの続きは話のあとでね?」


 食事の準備が整ったので、エマとムーリの口を解放する。おっぱいは解放してあげないけど?

 両手では引き続きムーリとエマのおっぱいを引っ張り、両手が塞がっているのでフラッタとラトリアにお弁当を口に運んでもらう。もぐもぐ、美味しい。


「それじゃみんな。食べながらでいいから話をしていきましょうか。話が終わったらダンに思い切り愛してもらいましょうねー」

「今回はぼくとティムルが当事者っぽいから、ぼくたちで話を進めさせてもらうね。もぐもぐ」


 ティムルとリーチェが司会進行を買って出てくれる。

 でもリーチェ。進行役をこなすなら食事は後にした方がいいんじゃないかなぁ?


「みんなも思い至ったと思うけど、恐らくアウラがドワーフ族の研究対象で間違いないと思うわ。研究によってアウラがどんな存在になったのかまでは分からなかったけどね」

「偶然にしては出来すぎだと思うけど、どうやら姉さんが面倒を見ていたみたいだからね。きっと姉さんがぼく達とアウラを引き合わせてくれたんだって思う事にするよ」


 巡り合わせかぁ。

 ま、俺達は仕合わせの暴君だからな。巡り合わせに関しちゃ右に出る者は居ないかもしれないね。


 ってフラッタ。ラトリアも。料理を運ぶたびにキスされたら食事できないんだよ? ちゅっちゅっ。


「アウラに全く敵意が無かったのは幸いだったねー。お友達にもなってくれたし、思ったよりも穏便に話が進みそうなのー」

「ん~、それはどうかなぁ。アウラちゃん本人に敵意は無くても、周囲の人間に悪意が無いとは限らないんじゃない?」


 ニーナの楽観的な意見に、すぐ釘を刺すターニア。

 そんなターニアも、アウラに悪気が無いことは否定していないみたいだ。


「穏便に事が進むのであれば何よりですが、やはり楽観は出来ませんよね。暴王のゆりかごに入ることも出来ませんでしたし、クラクラットで出来る事があまり無い状況ですよ」

「アウラに会う為にクラクラットに通うのは構わぬが、彼女と確実に会えるわけではないのが辛いところなのじゃ。もう少し能動的に動きたいところなのじゃがのう」


 ヴァルゴとフラッタが状況の停滞を憂慮している。

 もしもアウラが誰かに利用されているならすぐにでも何とかしてやりたいところだけど、今の俺達に出来ることはほとんど無さそうだから歯痒いんだろう。


「出来ることなら直ぐにでもアウラを連れ出してやりたいところなんだけどね。体が持たないとか言われると迂闊には動けないよ。アウラに関しては、今は慎重に動くしか無いと思う」

「そうですね。彼女自身もあまり不幸な目に遭っている様子はありませんでしたし、今のところ緊急性はあまり高くないでしょう。ただ、ドワーフの研究を完成させてしまって大丈夫なのか、そこだけが不安です」


 そうか。エマに言われるまで気づかなかったけど、研究がまだ完成していないから自我を保てている、みたいな可能性も否定出来ないのか。

 確かに迂闊には動けない状況だけど、悠長に構えていて手遅れになってしまったら目も当てられないな。


「ん~……。アウラさんがドワーフによって生み出された存在だとしたら、どうして今暴王のゆりかごの探索が禁じられているんでしょうね?」

「「え……?」」


 ラトリアの零した疑問に、何人かの呆けた声が重なった。

 その反応に自分の疑問が共有されてないと気付いたラトリアは、必死に自分の疑問を言葉にする。


「だってそうじゃないですか? 暴王のゆりかごでアウラさんの研究が行われていたとするなら、アウラさんはもう既にアウターの外に出て活動しているわけじゃないですか。なら暴王のゆりかごを閉鎖する意味ってなんなんでしょう?」

「……確かに言われてみれば少しおかしい……、のか? いやでもまだ調整が必要みたいだから、恐らく研究施設であろう暴王のゆりかごの探索を禁じてもあまり違和感はないような……」

「そうなると逆に、調整の必要なアウラを外に出していた理由が分かりませんね。長く活動できないアウラをあえて外に出す理由とはいったい?」


 ヴァルゴが腕を組んで思案している。

 体が持たないなんてリスクを負ってまでアウラを外に出す理由か。


「今現在も調整が続いているなら……慣らし、とか?」

「慣らしね。確かにそれはありそうかも……」


 俺の慣らしという意見に、ティムルがなるほどと頷いてくれた。


「でも、もし今慣らしからの最終調整が進められていると仮定するなら、アウラの研究が完成するのはもう間近って事になりそうね」

「んー、このまま研究を完成させて大丈夫なんでしょうか……?」


 ティムルの言葉に、再度ラトリアが不安げに口を開いた。


「ステータスプレートを見る限りでは、アウラさんにはなんの誓約も契約もされていませんでした。大切な実験体であるはずなのにこの杜撰な管理は、普通じゃちょっと考えられませんよ?」

「母上の言う通り少し心配じゃな。誓約や契約が無くてもアウラを自由に出来る自信があるということなのやもしれぬ。研究が完成した暁にアウラが別人になってしまうようなことがなければ良いのじゃが……」


 ラトリアとフラッタが不安を煽るようなことを言ってくる。

 でも2人の言う通り、長年の研究の日倦怠であるはずのアウラをなんの縛りも無しに1人で行動させるなんて、正気の沙汰とは思えない。


 蒼穹の盟約の話を聞いたアウラが、研究者側を裏切る可能性だって低くないはずだ。

 いくら肉体の調整が済まなければ長時間活動できないらしいとは言え、自由にさせすぎている印象は確かにある。


「アウラさんの状況を考えるなら、奴隷契約や誓約など、何かしらの縛りを行うのが普通ですよね? それをしない理由ってなんでしょう?」

「……いや、もしかしたらしたくても出来なかった、とか?」


 エマの疑問を聞いて、何かに思い当たったようにリーチェが呟く。

 契約や誓約で縛りたかったけれど、出来ない事情があったってこと?


「どういうことリーチェ? 説明してくれる?」

「うん。ぼくの勝手な想像でしかないけど、アウラには何らかの魔力処理が行われていると仮定するよ? だけどその際に、魂に紐付いた契約や誓約が邪魔だったんじゃないかなって思ったんだ」

「……ただでさえ未知の領域に踏み込んだ研究ですものね。些細な不確定要素も排除しておきたかったと考えるなら納得がいくかも」


 ティムルの言葉に、この世界の種族間の違いはその身に宿す魔力の違いでしかなく、肉体的な差異は無いと言っていたノーリッテの言葉を思い出す。


 つまり何らかの魔力処理を施されるということは、魂に直接干渉することを意味するわけだ。

 魂に紐付いたステータスプレートに干渉する誓約や契約は、魔力による魂の干渉にどんな影響を及ぼすか読めなかったって感じか?


「う~ん、理由は分からないけど、アウラちゃんがステータスプレートに縛られていないのはいいことじゃないかな? 今日の感じだと敵対する感じじゃなかったし」

「ターニアの言う通り、アウラがぼく達と敵対する理由は無いと思うんだけど……。姉さんの死を知ったアウラがどう行動するかはちょっと読めないんだよね……」

「リーチェの姉のことを家族同然だと言っておったからのう。妾たちにとってのダンのような存在だったと思って良いじゃろうな」


 もぐもぐと料理を頬張りながら腕を組むフラッタ。

 本当のリーチェの死に関しては俺達は一切関わっていないけれど、彼女の感情の矛先がリーチェの妹であるリュートに向けられる可能性は決して低くないと思う。


「自暴自棄になって、体が持たないのすら無視して暴走されても困るの。あまり悠長に構えている時間は無さそうだね」


 俺の危惧を敏感に感じ取ったニーナが、神妙な面持ちで口を開く。

 そんなニーナの言葉に、俺に乳首をくりくりされているムーリも同意を示した。


「そうですね。経緯はどうあれアウラさんは被害者でしょう。絶対に助けてあげたいです……!」


 アウラは被害者。

 ムーリが俺にぎゅっと抱きつきながら零した言葉に、彼女を絶対に見捨てはしないと決意を新たにする。


「アウラに敵意が無いのは良いんだけど、アウラを連れ出すことが難しいのが難点だね。今は情報が少なすぎて対応を思いつかないよ」

「そうね。ニーナちゃんが言うようにあまり悠長に構えてもいられないんだけど、それでも対応を誤るわけにはいかないわ。まずは彼女と接触を続けたいところね」

「それじゃ明日からなるべくクラクラットに通って、アウラとの接触を試みよう」


 ティムルに頷きを返しながら、アウラの対応をまとめる。


「可能であればアウラの体に関する情報を聞き出して、アウラの身柄を保護してしまいたいところだね」

「あはっ。アウラの体に関する情報を集めるとか、ダンってばとってもえっちなのっ」

「そういう意味じゃないからっ! っていうかアウラって10歳でしょ! いくらなんでも手を出す気は無いってば!」

「嫁ぐ前の、まだ13歳だった妾のおっぱいを玩具にしたダンが言っても、な~んの説得力も無いのじゃーっ」

「くっ……! ですよねー……!」

「外見だけならニーナよりも年上に見えたしの、普通に抱いてしまえばよかろう?」


 数え年で13歳の、日本だったらJS相当だったフラッタに言われると何も言い返せないよぅ……!


 って言うかそうだよ! この世界って数え年表記なんだよ!

 10歳ってことは、日本で言ったらまだひと桁なんだってばぁ! お巡りさん私です!?


「最近のダンはまた激しくなってきたからねぇ。そろそろお嫁さんを増やさないと、流石のお姉さんも身が持たないわよぉ」

「まったくですよ。最近は失神しても構わずに注ぎ続けるのですから。旦那様に愛していただけるのが嬉しすぎて、そのまま意識が戻ってこれなくなってしまいそうで怖いです」

「ダ~ンさんっ。私が戻ってこれなくなったら、責任を取って一生愛してくださいねぇ?」


 ……うん、アウラの話はもう終わったかな?

 食事も粗方終わっているようだし、俺のベッドインを阻む要素は何も無さそうだ。


 みんなが居れば何も要らないんだよっ。新しい嫁なんて迎える必要は全く無いんだってばっ。

 俺がみんなのことをどれだけ好きかってこと、体の奥に思い切り思い知らせてあげないとなぁ!
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