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5章 王国に潜む悪意4 戦いの後
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ゴルディアさんを弔った翌日、マグエルの自宅でもパーティが行われることになった。
「……なんだか色々なことがあったよなぁ」
この世界に来て約1年。俺とニーナは本当に沢山の人に関わってきた。
始めは俺とニーナだけで完結していた世界が、ティムルと出会い、フラッタと共に事件を追い、リーチェを抱きしめる為に走り続けた日々。
そこにヴァルゴが加わり、ラトリアもエマもターニアも加わって、気付けば随分と賑やかになってくれたもんだよなぁ。
ボロ屋だった我が家も改装に続く改装で、今では大奥かよってツッコミを入れたくなるような離れまで建設されている。
荒れ放題だった庭は花壇と畑に整備され、春になって様々な花を咲かせている。
見違えるように華やいだ我が家の庭には沢山のテーブルが並べられ、その上には大量の料理が乗っている。
トライラム教会の孤児達がいくら食べ盛りと言っても、これだけあれば流石に足りるだろ。足りてくれ。足りますよね?
……なんにしても、今日が晴れてくれて本当によかった。
「ダンーっ! 入っていいのーっ!?」
「おっともう来たか。入っていいよーっ」
噂をすればなんとやら。元気なコテンの声を先頭に、孤児たちの到着だ。
準備に忙しいみんなに代わって、孤児達を庭に招き入れる。
「料理は自由に食ってくれてて構わないぞ。残っても仕方ないから遠慮せずに食ってくれよな。みんなが出てきたら家も開放するから、トイレとか小さい子の休憩とかは家に入っていいからね」
いつの間にか幼児の数が増えたマグエルの孤児院。
小さい子をずっと立たせておくのは酷だろうから、適度に休ませてあげないとな。
素直な孤児たちは俺が話し終えるまで料理を口にせず待っていてくれたけど、食べていいと言われた瞬間、バーゲンに突撃する主婦のような勢いで我先にと料理に手を伸ばし始めた。
そんな中でも小さい子供達を優先してあげるコイツらは本当に偉いね。
「ダン、シスターは? 他のみんなはまだなのー?」
「間もなく来るよリオン。もうちょっとだけ待ってて。みんなは今日の為におめかししてくれてるんだ。楽しみにしてろよー?」
まー、1番楽しみにしてるのは間違いなく俺だけどねっ!
今日のためにあえて1度も確認しなかったからな。俺も見るのは初めてなんだよっ!
ワクワクドキドキが止まらず生体察知を発動すると、みんなが玄関に向かって移動しているのが感じられた。
早速迎えに行かなければーっ!
光の速さで玄関先まで移動した俺の前で、ゆっくりと家のドアが開かれる。
「あはっ。待ちきれなくて迎えに来ちゃったの?」
家の前に立っている俺を見て、くすくすと肩を揺らすニーナ。
家から出てきたのは、それぞれが色とりどりのドレスに身を包んだ、俺の愛すべき家族達。
そう、今日は我が家の結婚披露宴なのだ。
この世界には婚姻に対する特別な行事なんて無いらしいけれど、この世界に来てちょうど1年の節目にリーチェの問題を解決してやることも出来て、俺達が関わった全ての人達に感謝を伝えたくなったんだ。
それにやはり日本の結婚式のイメージを持っている俺としては、ドレスに着飾ったみんなを見たくて仕方なかったんだよねー!
服装のバリエーションがあまり無い世界なので、ドレスのデザインはみんな一緒で、両肩を露出させたシンプルなデザインのドレスを着用してもらっている。
だけど品質はスペルディアのドレス職人に頼んだ最高級品で、肌触りも着心地も最高の逸品に仕上がっている……、ハズだ! だってそのまま寝室に直行しますし?
「どうかなダン? こんな服初めて着るからなんだか不思議な感じなの」
ニーナは明るい黄色のドレスを着用している。
獣化した狐っ娘ニーナの金色の瞳をイメージしてみたのだ。
「ニーナ。綺麗過ぎるよぉ。こんな綺麗な女の子が俺の奥さんだなんて嘘みたいだ……」
初めてニーナを見た時は夜だったのに、夜の闇ですら隠し切れなかったニーナの美貌。
太陽の下で笑顔を浮かべるニーナを見て、見蕩れるなっていう方が無理だよっ。
「ドレスもとっても似合ってる。素敵過ぎて言葉にならないよ……」
「まるでお姫様にでもなったみたいなのっ。ふふ、私は英雄になるよりもダンのお姫様になる方が嬉しいかなっ」
ちゅっと軽く唇を重ねたニーナは、そのまま俺の隣りに立った。
そして俺と一緒に、熱視の碧眼を思わせる青いドレスのティムルを迎える。
「……ちょっとティムルお姉さん、いくらなんでも美人過ぎるでしょー?」
「あはーっ。お姉さん、婚姻がこんなに幸せなものだったなんて知らなかったわよぅ」
真っ黒な肌に鮮やかな青いドレスが良く映えたティムルは、その鮮やかな青色にも負けないとびっきりの笑顔で俺の胸に飛び込んでくる。
「すっごく綺麗だよ。ティムルと婚姻を結べて本当に幸せだ……」
「お姉さんも幸せよー……。愛する貴方と添い遂げることがこんなにも幸せだなんてねぇ……」
抱き合ったティムルと唇を合わせてから、瞳の色を思わせる真っ赤なドレスに着飾ったフラッタに視線を向ける。
「いつも世界一可愛いけど、今日のフラッタはとっても美人さんだね。綺麗だよフラッタ。ドレス、凄く似合ってる」
「えへへ。ダンに綺麗って言ってもらえるの、すっごくすっごく嬉しいのじゃっ!」
抱っこをせがむフラッタを抱き上げて、視線を合わせたフラッタとキスを楽しむ。
……みんなの前だっていうのに、段々我慢出来なくなってきたな?
フラッタとのキスを堪能していると、褐色の肌に明るい翠のドレスを着込んだリーチェが俺の前にやって来た。
名残惜しいけどフラッタ、またあとでね? よしよしなでなで。
「翠のドレス、良く似合ってるよリーチェ。翠の姫エルフって異名は本当にリーチェに相応しいね」
「始めはダサいって言ってたの、一生忘れないんだからねー?」
「あー……。それを言われると申し訳なくなるわぁ……」
あの時はごめんリーチェ。お詫びにいっぱいキスしようね。
自分をダンゴモチって名付けるような奴のセンスなんか気にしなくていいんだよ。お前はいつだって最高の女だったんだから。
リーチェのわがままボディを抱きしめてお詫びのキスを続けていると、続いてヴァルゴの姿が目に映った。
紫の肌に真っ黒なドレスを着込んでいるヴァルゴは、全体的に明るいドレスが多い中で逆に目立っていて、彼女の魅力を一層引き立てているように思えた。
「いつも凛としたヴァルゴのドレス姿は新鮮だな。綺麗だよヴァルゴ。とっても似合ってる」
「き、着慣れないので少々気恥ずかしいですけど……。でも装備品でもないのにサイズはピッタリで肌触りも素晴らしい。守人の集落でもこのような服が作りたいと思ってしまいますね」
森の中でずっと槍を振るってきたヴァルゴは、質感や縫製技術に目がいってしまうみたいだ。
それでも少し舞い上がっているように見えるヴァルゴを捕まえて、彼女の唇やほっぺに沢山キスを落す。
ヴァルゴとじゃれあっていると、薄いピンクのドレスを身に纏ったムーリが姿を現した。
シスターのイメージで白いドレスでも良かったんだけど、ナチュラルボーンエロシスタームーリちゃんの淫乱イメージでピンクのドレスを贈ることにした。
……勿論この理由は誰にも明かしていない。胸に秘めて墓まで持っていく覚悟だ。
「ムーリの金髪にドレスの薄い桃色が華やかで凄く綺麗だよ。やっぱりムーリにはピンクが似合うね」
「ふふ。本当にダンさんは手加減が下手で困りますよっ。今私がどれだけダンさんに可愛がって欲しいって思ってるか分かりますぅ?」
我慢してるのはお互い様だからね? みんなを今すぐ寝室にお持ち帰りしたい衝動がさっきから止まらないんだから。
さぁおいでムーリ。とりあえず応急処置としてキスしたいから。
淫乱シスターが淫らに絡めてくる舌の感触を味わっていると、紫色のドレスのラトリアが出てきた。
ラトリアのドレスは竜化した際のルーナ家の瞳の色をイメージしているそうで、前から1番好きな色のドレスだったのだそうだ。
ルーナ家が支配された際にドレスも全て奪われてしまったので、今回改めて俺から贈らせてもらった。
「初めて剣を合わせたときのラトリアの瞳にそっくりな色だね。良く似合ってるよラトリア。着ている本人はドレスよりもずっと綺麗だけど」
「ふふ、ありがとうございます。ああ、またこんなに華やかで幸せな日々が送れるなんて夢みたいですよぉ……!」
ドレスを着慣れているっぽいラトリアの所作は、ドレス以上に美しい。
そんなラトリアの魅力を損なわないように、丁重に慎重に唇を重ねた。
そんなラトリアの後ろから遠慮がちに現れたエマは、純白のドレスに身を包んでいる。
俺のイメージでは1番花嫁衣裳のイメージが強い白のドレスは、献身的に他人に尽くしてきたエマに贈りたかったんだ。
「綺麗だよエマ。白いドレスも凄く似合ってる。着てくれてありがとう」
「う~……。嬉しいけど恥ずかしいです……。まさか私がドレスなんて着る日がくるなんてぇ……」
両手で顔を隠してしまったエマを優しく抱きしめて、隠れていない耳元に何度も愛の言葉を囁く。
そして抗議の為に両手が避けられた隙を見逃さずにエマの唇を奪ってあげた。
とろんとした表情で為すがままに口内を弄ばれるエマに続いて現れたターニアは、少し落ち着いたベージュのドレスを着ている。
わりとお転婆娘だったターニアは、華やかなドレス姿が昔から少し苦手だったそうだ。
「似合ってるよターニア。明るいニーナのドレス姿と並ぶと2人とも映えるようだよ」
「ステイルークを発つと決めた日にこういうものは全部諦めたはずなんだけどねぇ。本当にダンさんはぜーんぶ取り返しちゃうんだもん。もうダンさんが取り返してくれてないものを探す方が難しいのっ」
勢いよく胸に飛び込んできたターニアを抱きとめて、2人でたっぷりと唾液を交換する。
このままドレス姿のみんなと唾液を交換して、唾液以外の体液も思い切り交換したい衝動が半端じゃないけど、何とか堪えてみんなと一緒に庭の方に向き直る。
「みんな。1年間ありがとう。みんなのおかげで俺はこんなに幸せになれた。だから今日は俺がどれだけ幸せか知って欲しいし、そんな幸せをみんなと分かち合いたいと思って集まってもらったんだ」
リーチェにお願いして、精霊魔法で庭中に俺の声を届けてもらう。
パーティに参加したみんなはわざわざ料理を食べる手を止めて、俺の言葉に耳を傾けてくれる。
「今日は沢山食べて飲んで笑って、みんなも楽しんでいってくれたら嬉しいよっ!」
「「「わーーーっ!!」」」
教会の孤児を中心に、元気いっぱい歓声で応えてくれた招待客。
パーティの参加者はマグエルの孤児を中心に、この1年間で俺と関わってきた人をなるべく沢山招待している。
ステイルークからはラスティさんとフロイさん、そして奴隷商のゴールさんと防具屋の店長のアミさん。
……ラスティさんとフロイさんの距離が微妙に近い気がするな?
マグエルからは孤児達だけではなく、服屋の店長さんやいつもお世話になっている大工さん。
トライラムフォロワーの度重なる転職で何度もお世話になった過程で仲良くなった、各種ギルドの職員さんなんかも出席してくれている。
ヴァルハールからはシルヴァの奥さん5人だけが参加している。
シルヴァは昨日1日休んだこともあって、今日はヴァルハールで仕事をしているらしい。
ゴルディアさんの剣を継ぐ者として、使命感に燃えているんだそうだ。
ペネトレイターやエルフ族も参加希望者が殺到したけれど、流石に全員を受け入れるのは無理なので代表者だけに絞ってもらった。
トライラム教会からはイザベルさんとテネシスさんからお祝いの伝言だけをいただく。
俺のお祝いよりも教会と子供達を優先するのは安定のトライラム教会だ。
「ちょっとちょっとティムルーっ! 貴女ばっかりこんなに幸せなっちゃうなんてズルくなーいっ!?」
「あはーっ! それ、私が夫とニーナちゃんを初めて見たときに同じこと思いましたよーっ」
ティムルはマグエルの商人や大工さんに加えて、キャリアさんやオディさん率いるシュパイン商会首脳陣に囲まれて質問責めにあっている。
そんな中にカラソルさんも混じっているのがちょっと面白かった。真相はキャリアさんに引っ張り込まれたらしいけど?
「此奴らが妾が剣を見ているトライラムフォロワーでのぅ! あっちでティムルを取り囲んでおるのがシュパイン商会なのじゃーっ」
真面目なフラッタはシルヴァの奥さん達を牽引して、積極的に色んな人達と顔を合わせているみたいだ。
ヴァルハールの外の人々、竜人族では無い人々、色々な人と交流することが竜人族に必要なことだと思っているんだね。
「それでですねっ! このあとがすっごく楽しみなんですよーっ! きっと数日間は寝室から出られないんじゃないかなーっ」
「そ、そうなんだぁ……」
ムーリは勿論マグエルの孤児たちに、とりわけ女の子に囲まれて質問責めに遭っている。
だけど幸せ満点のムーリがなんでもベラベラ語っちゃうから、聞いてきた女の子たちのほうが若干引き気味の模様。
「職業の加護無しで魔物と戦い生き延びてきたなど、本当に信じられませんよ……」
「いやいやっ! 職業の加護を得てなお、ヴァルゴが賞賛するほどに磨かれたその剣技こそ信じられんよっ! 貴女の志の高さには敬服してしまうなっ」
ラトリアとエマはペネトレイターから参加したルドルさんカランさんと、剣や槍の話で盛り上がっているようだ。
ラトリアたちはイントルーダーと戦えるようになろうと思っているし、ペネトレイターも力不足を嘆いているからね。いい刺激になるのかもしれない。
「ラスティー! エルフ族の人たちは弓を得意とする人が多いって話なのっ。ちょっと話を聞いてみないー?」
ターニアはステイルーク組と話をしながらも、その豪胆さとコミュ力で、ちょっと遠慮がちなエルフ族をどんどん人の輪に引っ張り込んでいる様子。
1度地獄を味わったターニアにはもう怖い物なんて無いのかもね。
「あはは。違う世界から来たぼくたちの王子様は、こんなに沢山の人たちを幸せにしてくれたんだねーっ」
「そうですね。旦那様のお傍に居るといつも笑い声が絶えなくて、とっても幸せな気持ちになれますよ……」
「俺は愛する家族以外を幸せにしたつもりは無いんだけどねぇ。って、おっと?」
俺から離れる気が無いリーチェと護衛のヴァルゴの腰を抱き寄せて、笑顔と笑い声に溢れた自宅の庭を眺めていると、ニーナがコットンを連れて、庭を一望できるこの場所にやってきた。
2人の邪魔にならないように、少し移動して場所を譲る。
「コットン。お花で満開になったこの家の庭を貴女と一緒に見たいって言ったの、覚えてるかな? やっとあの時の話が果たせたのっ」
「…………」
ニーナの言葉を聞いたコットンは、ニーナに反応を返すこともできず、花と笑顔に溢れた庭の様子を泣きながら眺めている。
そんなコットンの肩を抱いたニーナは、恐らくわざと俺に聞こえるような声でコットンに語りかける。
「お花と笑顔が満開のこのお庭は、貴女がいなかったら絶対に作れなかったの。私がダンに見せたかったお庭を作ってくれて、本当にありがとうコットンっ!」
「こっ、こんなっ、こんな庭っ……。ゆっ、夢にだって想像できたことっ、ないっ、よぉ……!」
満開の庭を見詰めながら、なんとかニーナに応えようとするコットン。
だけどしゃくりあげが酷くて上手く喋れないみたいだ。
「ずっと昔から受継がれてきた孤児たちのお花の知識。それが作り上げたのがこのお庭なのっ! マグエルの孤児たちに根付いていたお花の知識は、コットンのおかげでようやく満開に花開くことが出来たんだよーっ」
「このお庭が、私達が繋いできた物の証……? これがお姉ちゃん達の命の証なの……? 私、みんなの命を引き継いであげることが出来てたのかな……?」
「お花と笑い声に溢れたこのお庭に居る人達は、きっとこれからは素晴らしい未来が待ってるんだろうなぁって思ってくれてると思うんだっ。だからこれからも沢山、色んな花を咲かせて見せて欲しいなぁ?」
花と笑顔と笑い声に溢れた、幸福に満ちた自宅の庭。これがニーナが俺に見せたかった庭なんだ。
コットンがいなかったら作れなかった、コットンが奴隷に落ちた悲しみが混ざったら完成しなかった、誰もが幸せだけに満ち溢れた光景。
「ダンはずっと頑張ってくれたけど、ダンだけじゃこのお庭は完成しなかったんだ。みんなが幸せを諦めないでくれたからこそ、このお庭を完成させることが出来たんだよ」
ニーナが呪いに負けて命を諦めることも無く、ティムルが現実に負けて幸せを諦めることも無く。
フラッタが悪意に負けて家族を諦めることも無く、リーチェが偽りに負けて自分を諦めることも無く。
ヴァルゴが境遇に負けて強さを諦めることも無く、ムーリが貧困に負けて子供達を諦めることも無く。
ラトリアが支配に負けてフラッタを諦めることも無く、エマが運命に負けて孤独を受け入れることも無く、ターニアが絶望に負けて命を投げ出すことが無く。
みんながみんな、諦めずに戦い続けてくれたからこそ辿り着けた、幸せの到達点。
「……幸せと喜びで満開の庭、か。確かにこんなの見ちゃったら、素晴らしい未来を期待しちゃうよなぁ」
……だけど、こんなのはゴールじゃない。誰もが幸せを目指して努力できるなんて、実は当たり前のことでしかないんだ。
この幸せな光景はゴールなんかじゃなくて、当たり前の時代の始まりでしかないはずだ。
俺は誰かを幸せに出来るほど立派な人間だとは思ってないけれど、誰かが不幸になるのを我慢出来ない我が侭な人間であることは間違いない。
この庭の光景が世界中に広がっていくように、この世界の不幸全てを滅ぼしてやりたい。
勿論、愛するみんなと一緒にね。
「……なんだか色々なことがあったよなぁ」
この世界に来て約1年。俺とニーナは本当に沢山の人に関わってきた。
始めは俺とニーナだけで完結していた世界が、ティムルと出会い、フラッタと共に事件を追い、リーチェを抱きしめる為に走り続けた日々。
そこにヴァルゴが加わり、ラトリアもエマもターニアも加わって、気付けば随分と賑やかになってくれたもんだよなぁ。
ボロ屋だった我が家も改装に続く改装で、今では大奥かよってツッコミを入れたくなるような離れまで建設されている。
荒れ放題だった庭は花壇と畑に整備され、春になって様々な花を咲かせている。
見違えるように華やいだ我が家の庭には沢山のテーブルが並べられ、その上には大量の料理が乗っている。
トライラム教会の孤児達がいくら食べ盛りと言っても、これだけあれば流石に足りるだろ。足りてくれ。足りますよね?
……なんにしても、今日が晴れてくれて本当によかった。
「ダンーっ! 入っていいのーっ!?」
「おっともう来たか。入っていいよーっ」
噂をすればなんとやら。元気なコテンの声を先頭に、孤児たちの到着だ。
準備に忙しいみんなに代わって、孤児達を庭に招き入れる。
「料理は自由に食ってくれてて構わないぞ。残っても仕方ないから遠慮せずに食ってくれよな。みんなが出てきたら家も開放するから、トイレとか小さい子の休憩とかは家に入っていいからね」
いつの間にか幼児の数が増えたマグエルの孤児院。
小さい子をずっと立たせておくのは酷だろうから、適度に休ませてあげないとな。
素直な孤児たちは俺が話し終えるまで料理を口にせず待っていてくれたけど、食べていいと言われた瞬間、バーゲンに突撃する主婦のような勢いで我先にと料理に手を伸ばし始めた。
そんな中でも小さい子供達を優先してあげるコイツらは本当に偉いね。
「ダン、シスターは? 他のみんなはまだなのー?」
「間もなく来るよリオン。もうちょっとだけ待ってて。みんなは今日の為におめかししてくれてるんだ。楽しみにしてろよー?」
まー、1番楽しみにしてるのは間違いなく俺だけどねっ!
今日のためにあえて1度も確認しなかったからな。俺も見るのは初めてなんだよっ!
ワクワクドキドキが止まらず生体察知を発動すると、みんなが玄関に向かって移動しているのが感じられた。
早速迎えに行かなければーっ!
光の速さで玄関先まで移動した俺の前で、ゆっくりと家のドアが開かれる。
「あはっ。待ちきれなくて迎えに来ちゃったの?」
家の前に立っている俺を見て、くすくすと肩を揺らすニーナ。
家から出てきたのは、それぞれが色とりどりのドレスに身を包んだ、俺の愛すべき家族達。
そう、今日は我が家の結婚披露宴なのだ。
この世界には婚姻に対する特別な行事なんて無いらしいけれど、この世界に来てちょうど1年の節目にリーチェの問題を解決してやることも出来て、俺達が関わった全ての人達に感謝を伝えたくなったんだ。
それにやはり日本の結婚式のイメージを持っている俺としては、ドレスに着飾ったみんなを見たくて仕方なかったんだよねー!
服装のバリエーションがあまり無い世界なので、ドレスのデザインはみんな一緒で、両肩を露出させたシンプルなデザインのドレスを着用してもらっている。
だけど品質はスペルディアのドレス職人に頼んだ最高級品で、肌触りも着心地も最高の逸品に仕上がっている……、ハズだ! だってそのまま寝室に直行しますし?
「どうかなダン? こんな服初めて着るからなんだか不思議な感じなの」
ニーナは明るい黄色のドレスを着用している。
獣化した狐っ娘ニーナの金色の瞳をイメージしてみたのだ。
「ニーナ。綺麗過ぎるよぉ。こんな綺麗な女の子が俺の奥さんだなんて嘘みたいだ……」
初めてニーナを見た時は夜だったのに、夜の闇ですら隠し切れなかったニーナの美貌。
太陽の下で笑顔を浮かべるニーナを見て、見蕩れるなっていう方が無理だよっ。
「ドレスもとっても似合ってる。素敵過ぎて言葉にならないよ……」
「まるでお姫様にでもなったみたいなのっ。ふふ、私は英雄になるよりもダンのお姫様になる方が嬉しいかなっ」
ちゅっと軽く唇を重ねたニーナは、そのまま俺の隣りに立った。
そして俺と一緒に、熱視の碧眼を思わせる青いドレスのティムルを迎える。
「……ちょっとティムルお姉さん、いくらなんでも美人過ぎるでしょー?」
「あはーっ。お姉さん、婚姻がこんなに幸せなものだったなんて知らなかったわよぅ」
真っ黒な肌に鮮やかな青いドレスが良く映えたティムルは、その鮮やかな青色にも負けないとびっきりの笑顔で俺の胸に飛び込んでくる。
「すっごく綺麗だよ。ティムルと婚姻を結べて本当に幸せだ……」
「お姉さんも幸せよー……。愛する貴方と添い遂げることがこんなにも幸せだなんてねぇ……」
抱き合ったティムルと唇を合わせてから、瞳の色を思わせる真っ赤なドレスに着飾ったフラッタに視線を向ける。
「いつも世界一可愛いけど、今日のフラッタはとっても美人さんだね。綺麗だよフラッタ。ドレス、凄く似合ってる」
「えへへ。ダンに綺麗って言ってもらえるの、すっごくすっごく嬉しいのじゃっ!」
抱っこをせがむフラッタを抱き上げて、視線を合わせたフラッタとキスを楽しむ。
……みんなの前だっていうのに、段々我慢出来なくなってきたな?
フラッタとのキスを堪能していると、褐色の肌に明るい翠のドレスを着込んだリーチェが俺の前にやって来た。
名残惜しいけどフラッタ、またあとでね? よしよしなでなで。
「翠のドレス、良く似合ってるよリーチェ。翠の姫エルフって異名は本当にリーチェに相応しいね」
「始めはダサいって言ってたの、一生忘れないんだからねー?」
「あー……。それを言われると申し訳なくなるわぁ……」
あの時はごめんリーチェ。お詫びにいっぱいキスしようね。
自分をダンゴモチって名付けるような奴のセンスなんか気にしなくていいんだよ。お前はいつだって最高の女だったんだから。
リーチェのわがままボディを抱きしめてお詫びのキスを続けていると、続いてヴァルゴの姿が目に映った。
紫の肌に真っ黒なドレスを着込んでいるヴァルゴは、全体的に明るいドレスが多い中で逆に目立っていて、彼女の魅力を一層引き立てているように思えた。
「いつも凛としたヴァルゴのドレス姿は新鮮だな。綺麗だよヴァルゴ。とっても似合ってる」
「き、着慣れないので少々気恥ずかしいですけど……。でも装備品でもないのにサイズはピッタリで肌触りも素晴らしい。守人の集落でもこのような服が作りたいと思ってしまいますね」
森の中でずっと槍を振るってきたヴァルゴは、質感や縫製技術に目がいってしまうみたいだ。
それでも少し舞い上がっているように見えるヴァルゴを捕まえて、彼女の唇やほっぺに沢山キスを落す。
ヴァルゴとじゃれあっていると、薄いピンクのドレスを身に纏ったムーリが姿を現した。
シスターのイメージで白いドレスでも良かったんだけど、ナチュラルボーンエロシスタームーリちゃんの淫乱イメージでピンクのドレスを贈ることにした。
……勿論この理由は誰にも明かしていない。胸に秘めて墓まで持っていく覚悟だ。
「ムーリの金髪にドレスの薄い桃色が華やかで凄く綺麗だよ。やっぱりムーリにはピンクが似合うね」
「ふふ。本当にダンさんは手加減が下手で困りますよっ。今私がどれだけダンさんに可愛がって欲しいって思ってるか分かりますぅ?」
我慢してるのはお互い様だからね? みんなを今すぐ寝室にお持ち帰りしたい衝動がさっきから止まらないんだから。
さぁおいでムーリ。とりあえず応急処置としてキスしたいから。
淫乱シスターが淫らに絡めてくる舌の感触を味わっていると、紫色のドレスのラトリアが出てきた。
ラトリアのドレスは竜化した際のルーナ家の瞳の色をイメージしているそうで、前から1番好きな色のドレスだったのだそうだ。
ルーナ家が支配された際にドレスも全て奪われてしまったので、今回改めて俺から贈らせてもらった。
「初めて剣を合わせたときのラトリアの瞳にそっくりな色だね。良く似合ってるよラトリア。着ている本人はドレスよりもずっと綺麗だけど」
「ふふ、ありがとうございます。ああ、またこんなに華やかで幸せな日々が送れるなんて夢みたいですよぉ……!」
ドレスを着慣れているっぽいラトリアの所作は、ドレス以上に美しい。
そんなラトリアの魅力を損なわないように、丁重に慎重に唇を重ねた。
そんなラトリアの後ろから遠慮がちに現れたエマは、純白のドレスに身を包んでいる。
俺のイメージでは1番花嫁衣裳のイメージが強い白のドレスは、献身的に他人に尽くしてきたエマに贈りたかったんだ。
「綺麗だよエマ。白いドレスも凄く似合ってる。着てくれてありがとう」
「う~……。嬉しいけど恥ずかしいです……。まさか私がドレスなんて着る日がくるなんてぇ……」
両手で顔を隠してしまったエマを優しく抱きしめて、隠れていない耳元に何度も愛の言葉を囁く。
そして抗議の為に両手が避けられた隙を見逃さずにエマの唇を奪ってあげた。
とろんとした表情で為すがままに口内を弄ばれるエマに続いて現れたターニアは、少し落ち着いたベージュのドレスを着ている。
わりとお転婆娘だったターニアは、華やかなドレス姿が昔から少し苦手だったそうだ。
「似合ってるよターニア。明るいニーナのドレス姿と並ぶと2人とも映えるようだよ」
「ステイルークを発つと決めた日にこういうものは全部諦めたはずなんだけどねぇ。本当にダンさんはぜーんぶ取り返しちゃうんだもん。もうダンさんが取り返してくれてないものを探す方が難しいのっ」
勢いよく胸に飛び込んできたターニアを抱きとめて、2人でたっぷりと唾液を交換する。
このままドレス姿のみんなと唾液を交換して、唾液以外の体液も思い切り交換したい衝動が半端じゃないけど、何とか堪えてみんなと一緒に庭の方に向き直る。
「みんな。1年間ありがとう。みんなのおかげで俺はこんなに幸せになれた。だから今日は俺がどれだけ幸せか知って欲しいし、そんな幸せをみんなと分かち合いたいと思って集まってもらったんだ」
リーチェにお願いして、精霊魔法で庭中に俺の声を届けてもらう。
パーティに参加したみんなはわざわざ料理を食べる手を止めて、俺の言葉に耳を傾けてくれる。
「今日は沢山食べて飲んで笑って、みんなも楽しんでいってくれたら嬉しいよっ!」
「「「わーーーっ!!」」」
教会の孤児を中心に、元気いっぱい歓声で応えてくれた招待客。
パーティの参加者はマグエルの孤児を中心に、この1年間で俺と関わってきた人をなるべく沢山招待している。
ステイルークからはラスティさんとフロイさん、そして奴隷商のゴールさんと防具屋の店長のアミさん。
……ラスティさんとフロイさんの距離が微妙に近い気がするな?
マグエルからは孤児達だけではなく、服屋の店長さんやいつもお世話になっている大工さん。
トライラムフォロワーの度重なる転職で何度もお世話になった過程で仲良くなった、各種ギルドの職員さんなんかも出席してくれている。
ヴァルハールからはシルヴァの奥さん5人だけが参加している。
シルヴァは昨日1日休んだこともあって、今日はヴァルハールで仕事をしているらしい。
ゴルディアさんの剣を継ぐ者として、使命感に燃えているんだそうだ。
ペネトレイターやエルフ族も参加希望者が殺到したけれど、流石に全員を受け入れるのは無理なので代表者だけに絞ってもらった。
トライラム教会からはイザベルさんとテネシスさんからお祝いの伝言だけをいただく。
俺のお祝いよりも教会と子供達を優先するのは安定のトライラム教会だ。
「ちょっとちょっとティムルーっ! 貴女ばっかりこんなに幸せなっちゃうなんてズルくなーいっ!?」
「あはーっ! それ、私が夫とニーナちゃんを初めて見たときに同じこと思いましたよーっ」
ティムルはマグエルの商人や大工さんに加えて、キャリアさんやオディさん率いるシュパイン商会首脳陣に囲まれて質問責めにあっている。
そんな中にカラソルさんも混じっているのがちょっと面白かった。真相はキャリアさんに引っ張り込まれたらしいけど?
「此奴らが妾が剣を見ているトライラムフォロワーでのぅ! あっちでティムルを取り囲んでおるのがシュパイン商会なのじゃーっ」
真面目なフラッタはシルヴァの奥さん達を牽引して、積極的に色んな人達と顔を合わせているみたいだ。
ヴァルハールの外の人々、竜人族では無い人々、色々な人と交流することが竜人族に必要なことだと思っているんだね。
「それでですねっ! このあとがすっごく楽しみなんですよーっ! きっと数日間は寝室から出られないんじゃないかなーっ」
「そ、そうなんだぁ……」
ムーリは勿論マグエルの孤児たちに、とりわけ女の子に囲まれて質問責めに遭っている。
だけど幸せ満点のムーリがなんでもベラベラ語っちゃうから、聞いてきた女の子たちのほうが若干引き気味の模様。
「職業の加護無しで魔物と戦い生き延びてきたなど、本当に信じられませんよ……」
「いやいやっ! 職業の加護を得てなお、ヴァルゴが賞賛するほどに磨かれたその剣技こそ信じられんよっ! 貴女の志の高さには敬服してしまうなっ」
ラトリアとエマはペネトレイターから参加したルドルさんカランさんと、剣や槍の話で盛り上がっているようだ。
ラトリアたちはイントルーダーと戦えるようになろうと思っているし、ペネトレイターも力不足を嘆いているからね。いい刺激になるのかもしれない。
「ラスティー! エルフ族の人たちは弓を得意とする人が多いって話なのっ。ちょっと話を聞いてみないー?」
ターニアはステイルーク組と話をしながらも、その豪胆さとコミュ力で、ちょっと遠慮がちなエルフ族をどんどん人の輪に引っ張り込んでいる様子。
1度地獄を味わったターニアにはもう怖い物なんて無いのかもね。
「あはは。違う世界から来たぼくたちの王子様は、こんなに沢山の人たちを幸せにしてくれたんだねーっ」
「そうですね。旦那様のお傍に居るといつも笑い声が絶えなくて、とっても幸せな気持ちになれますよ……」
「俺は愛する家族以外を幸せにしたつもりは無いんだけどねぇ。って、おっと?」
俺から離れる気が無いリーチェと護衛のヴァルゴの腰を抱き寄せて、笑顔と笑い声に溢れた自宅の庭を眺めていると、ニーナがコットンを連れて、庭を一望できるこの場所にやってきた。
2人の邪魔にならないように、少し移動して場所を譲る。
「コットン。お花で満開になったこの家の庭を貴女と一緒に見たいって言ったの、覚えてるかな? やっとあの時の話が果たせたのっ」
「…………」
ニーナの言葉を聞いたコットンは、ニーナに反応を返すこともできず、花と笑顔に溢れた庭の様子を泣きながら眺めている。
そんなコットンの肩を抱いたニーナは、恐らくわざと俺に聞こえるような声でコットンに語りかける。
「お花と笑顔が満開のこのお庭は、貴女がいなかったら絶対に作れなかったの。私がダンに見せたかったお庭を作ってくれて、本当にありがとうコットンっ!」
「こっ、こんなっ、こんな庭っ……。ゆっ、夢にだって想像できたことっ、ないっ、よぉ……!」
満開の庭を見詰めながら、なんとかニーナに応えようとするコットン。
だけどしゃくりあげが酷くて上手く喋れないみたいだ。
「ずっと昔から受継がれてきた孤児たちのお花の知識。それが作り上げたのがこのお庭なのっ! マグエルの孤児たちに根付いていたお花の知識は、コットンのおかげでようやく満開に花開くことが出来たんだよーっ」
「このお庭が、私達が繋いできた物の証……? これがお姉ちゃん達の命の証なの……? 私、みんなの命を引き継いであげることが出来てたのかな……?」
「お花と笑い声に溢れたこのお庭に居る人達は、きっとこれからは素晴らしい未来が待ってるんだろうなぁって思ってくれてると思うんだっ。だからこれからも沢山、色んな花を咲かせて見せて欲しいなぁ?」
花と笑顔と笑い声に溢れた、幸福に満ちた自宅の庭。これがニーナが俺に見せたかった庭なんだ。
コットンがいなかったら作れなかった、コットンが奴隷に落ちた悲しみが混ざったら完成しなかった、誰もが幸せだけに満ち溢れた光景。
「ダンはずっと頑張ってくれたけど、ダンだけじゃこのお庭は完成しなかったんだ。みんなが幸せを諦めないでくれたからこそ、このお庭を完成させることが出来たんだよ」
ニーナが呪いに負けて命を諦めることも無く、ティムルが現実に負けて幸せを諦めることも無く。
フラッタが悪意に負けて家族を諦めることも無く、リーチェが偽りに負けて自分を諦めることも無く。
ヴァルゴが境遇に負けて強さを諦めることも無く、ムーリが貧困に負けて子供達を諦めることも無く。
ラトリアが支配に負けてフラッタを諦めることも無く、エマが運命に負けて孤独を受け入れることも無く、ターニアが絶望に負けて命を投げ出すことが無く。
みんながみんな、諦めずに戦い続けてくれたからこそ辿り着けた、幸せの到達点。
「……幸せと喜びで満開の庭、か。確かにこんなの見ちゃったら、素晴らしい未来を期待しちゃうよなぁ」
……だけど、こんなのはゴールじゃない。誰もが幸せを目指して努力できるなんて、実は当たり前のことでしかないんだ。
この幸せな光景はゴールなんかじゃなくて、当たり前の時代の始まりでしかないはずだ。
俺は誰かを幸せに出来るほど立派な人間だとは思ってないけれど、誰かが不幸になるのを我慢出来ない我が侭な人間であることは間違いない。
この庭の光景が世界中に広がっていくように、この世界の不幸全てを滅ぼしてやりたい。
勿論、愛するみんなと一緒にね。
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