異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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5章 王国に潜む悪意1 嵐の前

297 ウェポンスキルの検証 (改)

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 ぼうっと惚けているティムルをこのままぎゅーっと抱きしめていたいところだけれど、俺たちは魔物狩りをサボってイチャついてたからね。

 みんなが復活する前に俺達2人でもう少し作業を進めておかないと、流石にみんなに申し訳なさ過ぎる。


「それじゃティムル。武器は充分な量があると思うけど、追加でミスリルまでの武器を全種類、俺とティムルでお互いに5つずつ作ろうか」

「え? 作るのは構わないけど、私とダンで5つずつ作ったら、同じ武器が10個ずつ完成しちゃうんじゃないの? そんなに作る必要があるのかしら?」

「仮に余っても今なら使い道は沢山あるし、みんなが起きてから数が足りなくなりましたーって事態は避けたいんだ」


 さっきリーチェとも武器を作ったけれど、どっちかと言うとリーチェの体内に舌が侵入している時間のほうが長かったからさ。

 だからもうちょっと数を用意しておきたいんだ。


 ダマスカス武器には下位品質の武器が必要になるし、作成したスキルジュエルを武器に付与してスキル自体の性能も確かめないといけないからね。

 それに性能の低いスキルでも、スキル融合で強化できる可能性がある。


 素材も潤沢だし、魔力が有り余ってる俺と、生産スキルの魔力消費が少ないドワーフのティムルが揃っていて出し惜しみをする必要なんてないさ。


「「抗い、戦い、祓い、貫け。力の片鱗。想いの結晶。顕現。エレメンタルダガー」」


 鉄製、鋼鉄製、ブルーメタル、精霊銀、そして聖銀。

 細かく分けるともう少し種類があるんだけど、まずは主だった素材であるこの5種類の武器を作成する。


 ティムルは元々生産に強いところに魔導師の高速詠唱も活用して、次々と武器を生産していく。

 俺は俺で詠唱短縮と同時詠唱を活用して、複数の武器を同時に作成していく。


 が、人間族の俺には武器作成の魔力コストが重いので、ミスリル武器の同時作成は結構きつかった。


 各素材のダガー、ロングソード、バスタードソード、槍、弓、メイス、斧を作り上げた。


「これが斧かぁ。重量軽減スキルが無かったら、ちょっと片手では振り回せないかな」


 右手に握ったブルーメタルアクスから、ズシリとした重みが伝わってくる。

 斧を使って得られる職業は無いと聞いているので、斧を手にしたのはこれが初めてだ。


 基本的にうちのパーティは速度特化だからな、フラッタ以外。

 そのフラッタだって速度に特化していないだけで、速度そのものは高速だし。


「ダン~。なんでこんなに沢山武器を作ってるの~?」

「あ、起きたんだねニーナ。それじゃみんなもそろそろ復活するかな?」


 武器を作り終える頃には他のみんなも復活してくれたので、鉄製のロングソードでスキルジュエル作成を実演して見せた。


「はい。今見せた通り、武器からウェポンスキルジュエルが作りだせることが分かったよね?」

「はいっ、じゃないのじゃっ、まったく……!」

「話には聞いてたけど……。実際に目にすると驚くね……」


 目をまん丸にして驚いているフラッタとリーチェをよしよしなでなで。

 比較的世間知らずのニーナとヴァルゴは、スキルジュエルの自作にもあまり驚いていない模様。


「うちのパーティはせっかく6人ともアイテム職人を浸透させているんだから、全員で1つずつスキルジュエル化を試してみたいと思うんだ」


 同じ武器から生み出せるスキルジュエルは複数あるのか。

 スキルの使用者によって、生み出されるスキルは変化するのか。


 全員でスキルジュエル生成を試すことで、そういったランダム要素のようなものが存在するのか検証したいのだ。

 同じ種類の武器から6人とも同じスキルが生み出されるなら、作りだせるスキルはきっと武器毎に固定なんだ、と判断していいんじゃないだろうか。


「よーし、それじゃまずは鉄製のダガーからいくよーっ! せーのっ!」

「「「紡ぎ合わせ、組み立て創れ。秘蹟の証明。想いの結晶。顕現。スキルジュエル」」」


 ニーナの掛け声を合図にアイテム作成を使用して、ダガーからスキルジュエルを作成する。

 作成自体はヴァルゴも問題なく行うことが出来て、6つのスキルジュエルを生み出す事に成功したけれど、その全てが『投刃』のスキルジュエルだった。

 うん。試行回数が少なすぎるけど、基本的には生み出せるスキルジュエルは固定っぽいかな?


「みんなも今ので要領を掴めたわよね? それじゃ次は鉄製のロングソードをお願いね」


 ティムルに配ってもらった鉄製のロングソードで、再度みんなでアイテム作成。

 出来上がったのはやはりすべて同じ、『霞斬り』のスキルジュエルだけだった。


「ふむ。2度試しても完成するスキルジュエルに揺らぎは無いのう。それでは次は、鉄製のバスタードソードを使わせてもらうのじゃーっ!」


 フラッタの元気な掛け声でアイテム作成を発動するも、出来上がったのは霞斬りのスキルジュエルだった。


 んー……? これは斬撃武器ってことで、ロングソードもバスタードソードも共通のスキルになるのかな?

 ならダガー系は……? 片手でしか持てない武器は、小型武器ってカテゴリなんだっけ。


「う~ん。ウェポンスキルの種類ってあまり確認されてないんだよねぇ。斬撃武器、打撃武器、射撃武器くらいの区別しかないのかも? それじゃ次は無印の弓を試してみよっか」


 リーチェに促されて、弓と矢を材料にスキルジュエルを作成する。

 そうして完成したのは、『魔弾』という名のスキルジュエルだった。


「通穿牙や槍円舞があるので、槍用のウェポンスキルがあるのは間違いないですが、いったい何が生み出されるのでしょうね。それでは鉄の槍を試しましょう」


 少しウキウキした感じのヴァルゴと共に槍を材料にアイテム作成をすると、『貫刺かんざし』というスキルジュエルが作り出された。


 こんな調子で6人でワイワイキャーキャと一喜一憂しながら、大量のスキルジュエルを作成していく。

 得られたスキルジュエルはそれぞれ以下の通りだ。


 片手武器枠の無印ダガーからは『投刃』、鋼鉄のダガーからは『重刃』のスキル。

 斬撃武器は鉄製ロングソードからは『霞斬り』、鋼鉄製からは『斬鉄』。バスタードソードも同じく霞斬りと斬鉄だった。

 射撃カテゴリの無印弓からは『魔弾』、コンポジットボウからは『流星』。

 槍は刺突武器という区別なのか、無印槍は『貫刺』、鋼鉄の槍からは『大円』が得られた。

 そして我がパーティには使い手の居ない打撃武器の無印メイスからは『強打』、鋼鉄のメイスからは『通打』。

 最後に斧を素材にして無印斧からは斬鉄、鋼鉄の斧からは強打を生み出すことが出来た。


 この結果から考えると、斧は打撃武器と斬撃武器の中間的な扱いなのか?


「ん~……。こんなに大量のウェポンスキルジュエルを見てると眩暈がしちゃうわねぇ……」

「でも、1つも知っているウェポンスキルが無いんだよね? 自力生成できるウェポンスキルとドロップするウェポンスキルは別なのかな?」


 大量のスキルジュエルを前に、ティムルとリーチェのお姉さん組が首を捻っている。


 しかしここで残念なお知らせが1つ。

 ウェポンスキルを生み出せたのは最低品質とその1つ上の品質までで、ブルーメタル以上の武器からスキルジュエルを生み出すことは出来なかった。

 つまりスキルジュエルを生成できるのは、無印や鉄素材の武器から、鋼鉄素材の武器までということになる。


「んー。もしダンの言う通り、バランスを考えて色々な物が設計されているとしたら……。ブルーメタル以上の品質の武器は上位武器の素材になるから、素材にもならない低品質の武器だけをスキルジュエルに再利用できるようにした、とかなのかなー?」

「もしくは、生み出せるスキルを妾たちが知らないために生み出すことができない、とかかのう? しかし強振打や烈波斬、槍円舞すら作りだせないのは意外だったのじゃ」


 ふむ。ニーナの言っている事の方が理に適ってる気がするな。

 俺は投刃なんて知らなかったのにスキルジュエルは生み出せたわけだし、低品質武器からのウェポンスキルジュエルの生成に知識はあまり影響が無い気がする。

 ブルーメタル武器以降はダマスカスやオリハルコン武器の素材になるから、スキルジュエルを生み出す事で数が減るのを嫌ったと考える方が分かりやすいね。


 一応ティムルにダマスカスダガーを作ってもらって試してみたけど、やはりアイテム作成は発動してくれなかった。


「恐らく神鉄武器も素材化できないから、神鉄武器のウェポンスキルを武器から抽出することは不可能なんでしょうね。武器を触媒としないで直接スキルジュエル化を行なったから作り出せた、みたいな」

「それもまたバランス、という事でしょうか。稀少な神鉄、重銀の武器を変に消費しないようにと。そして本来抽出できないからこそ、神鉄武器には強力なスキルが多い?」

「ええ。ヴァルゴの言う通りだと思う。……だからダンのやったことって、なんとなく抜け道っぽく感じるわぁ」


 ティムルが呆れたような視線を俺に送ってくる。

 俺の腕の中でそんな顔しても可愛いだけなんですけどー? ぎゅーっ。

 
 しかし、抜け道かぁ。

 確かに低品質の武器からウェポンスキルを生み出せると知っていたなら、神鉄武器の素材からスキルジュエルを生み出す発想は出なかったのかもなぁ。

 試した順番が逆だったからこそ辿り着けた発想なのかもしれない。


 出来上がったスキルジュエルを適当な武器に付与。

 生成の検証が終わったら、今度はスキルの性能を確かめないとな。


「それじゃ今度は各種スキルの性能を試そう。造魔、ブラックカイザードラゴン」


 造魔で竜王とアウターエフェクトを呼び出して、スキル検証用のサンドバックになってもらう。

 人類の進化と発展のために、竜王は犠牲になったのだ。


「あははっ! 刃が届いてないのに攻撃が届いてるのーっ!」


 小型武器のスキル投刃は、斬撃を飛ばすことが出来るスキルのようだ。

 ただし直接切りかかるよりも威力は低いらしい。


 重刃の方は、1度の切り付けで2回分の斬撃ダメージを与えることが出来るスキルだ。ひと言で言えばはやぶさの剣か。

 重い刃ではなく、重ねる刃ということらしい。


「へ~。魔法を切れるなんて面白いわねー」


 斬撃武器の霞斬りは、威力は低いけれど魔法を切れるスキルらしい。

 攻撃というよりも防御スキルに近いのかな?


 斬鉄は名前からも予想はついていたけど、貫通効果持ちの威力が高い斬撃スキルだ。

 癖が無くて扱いやすいね。


「ふむ。打撃系ウェポンスキルは扱いが簡単で使いやすいのじゃー」


 メイス系の強打は、単純に威力の高い打撃攻撃で、通打の方は貫通効果のある打撃スキルのようだ。

 どちらも扱いやすいスキルだけれど、強打の方は結構反動が大きいかもしれない。


「ふぅん……。スキルを発動すると、弓から矢先に魔力が伝わっていく感じなんだね。なるほど……」


 弓矢から得られたウェポンスキルは、どちらも矢に魔力を込めて放つスキルらしい。

 魔弾の方は魔力を込めて威力を上げ、流星のほうは速度を上げるウェポンスキルだ。両者とも単純な性能だけど、それゆえに使いやすそうだね。

 ただし、威力も速度も底上げには限界があるようだ。


「ふぅむ……。これでしたら通穿牙と槍円舞のほうが強力に思えますね?」


 槍のスキル貫刺は貫通効果のある刺突攻撃、大円は槍を用いた切り払いの威力を底上げするスキルらしい。

 こちらも単純な性能で、なんとなく通穿牙と槍円舞の前提スキルっぽい性能に感じるなぁ。


 ひと通りのスキル検証が済んだところで、リーチェが尻尾を振った子犬のように飛び付いてくる。


「ゆ、弓のウェポンスキルを扱える日が来るなんて夢みたいだよぉ! ダン! ぼくの武器にウェポンスキルを付与させてくれないかなぁっ!?」

「はいはい落ち着いてリーチェ。勿論付与するのは構わないんだけど、その前に検証を終わらせようねー」


 興奮しているリーチェを抱きしめて落ち着かせる。よしよしなでなで。

 スキルの付与は勿論構わないけど、後から後悔しない為にももうちょっと検証しようね。スキル枠にも限界があるんだからさ。



 次に検証するのは、同名スキルの合成と進化だ。


「お、おーっ!? ちゃんと融合してくれたのーっ!」


 投刃を合成させて完成したスキルは『飛斬』。投刃と比べて威力も攻撃範囲も大幅に向上しているようだ。

 けど攻撃魔法を使える現在のニーナとティムルには、あまり有用なスキルではないかな?


 重刃を合成して現れたスキルは『重連撃』。1度の攻撃に2度の攻撃判定を生み出すことは同じだけど、重連撃は魔力が続く限り重刃の効果を発動し続けることが出来るスキルだ。

 獣化、深獣化を用いた超高速戦闘が可能なニーナには扱いやすいんじゃないかな。


「あら、スキルを合成して烈波斬が出来るなんて。これはお姉さん、ちょっと予想外だったかしらぁ」


 霞斬りを合成して出来たのは『烈波斬』。ようやく見たことのあるスキルが登場だ。

 強振打の斬撃版くらいにしか思ってなかったけど、どうやら烈波斬でも攻撃魔法を切り捨てることが出来るらしい。


 そして斬鉄を合成して出来た『破軍』は、単純に斬鉄の威力と範囲を高めた斬撃スキルだ。

 一瞬溜めが必要だけど、貫通効果持ちの高威力範囲斬撃はなかなかに使いやすそうだね。


「あ、危なかったぁ……。さっき慌ててスキル付与しなくて良かったよぉ……」


 魔弾の合成で作れる『烈射』は、魔弾と流星の両方の性能を併せ持つ矢を放つスキル。

 流星の合成で得られる『天泣てんきゅう』は、放った矢を転移させて別の方向から命中させるというトンデモ性能だ。


「ふむ。ドラゴンイーターに付与したウェポンスキルは、本来打撃武器のものだったようじゃのう」


 打撃系は強打の合成で、無双将軍お馴染みの高威力単体スキルの『強振打』。

 通打の合成で作れる『衝震撃』は貫通効果のある高威力の打撃攻撃で、反動がかなり大きいスキルだった。


「フラッタの時点で予想しておりましたが、やはり槍はこの2つになりましたか」


 槍は予想した通り、貫刺の合成で『通穿牙』、大円の合成で『槍円舞』が作り出せた。

 ドロップするウェポンスキルは、一応1段進化済みのスキルなんだなぁ。


「さて問題はここからですね。フラッタのドラゴンイーターに付与された剛震撃を考えると、ここから少なくとももう1段スキルを進化させることが出来るはずです」


 この先の合成が可能だということは、ヴァルゴのデーモンスピアのスキルも強化されるということだ。

 頭打ちだと思われていた災厄のデーモンスピアの強化の予感に、興奮を隠し切れないヴァルゴ。


 うん。可愛いからとりあえず抱きしめておこう。ぎゅーっ。

 逸るヴァルゴを宥めつつ、やはり片手武器から1つ1つスキル合成を試していく。


「え、え~……? インパクトノヴァが届かない場所からでも竜王に斬りかかれちゃうの……」


 飛斬から作れるのは『絶影』というスキルで、距離を無視して対象に斬撃を届かせるという恐ろしすぎるスキルだ。

 絶影も天泣も対人戦には使えないことは確認できたから安心だけど、こんなもの対人戦で使えたら暗殺し放題だよ。恐ろしすぎる。


「うわわっ!? 1回しか斬ってないのに、いっぱい斬った事になっちゃうのーっ!」


 重連撃を合成すると『乱気流』というスキルに進化した。

 1回の攻撃にランダムで1~4回の攻撃判定の乗せられるという、多少のギャンブル性はあるけれど手数が爆発的に増やせるスキルだろう。


「ま、まさか上級攻撃魔法すら切り捨ててしまうなんて……!」


 烈波斬の合成スキルは『断空』。竜王のドラゴンズネストすらぶった切ってしまえる対魔の斬撃だ。

 破軍の合成スキルは『絶空』。込めた魔力に応じて威力と範囲が跳ね上がる斬撃スキルで、俺の魔力全てを込めたらどんな性能になるのか、ちょっとワクワクさせられるなっ。


「ふはははーっ! まさか知らずに上位ウェポンスキルを振るっておったとはのうっ!」


 強振打の合成で作れるのは無双将軍御用達の『剛震撃』。

 物理攻撃版インパクトノヴァだ。マジで斬撃じゃなくて打撃だったのかよ。


 そして衝震撃を合成して出来る『波状槌』は、物理版クルセイドロアのような性能だ。

 全方位範囲型スキルで、貫通効果のある物理ダメージを広範囲にばら撒くという凶悪過ぎるスキルである。

 流石に単発威力は剛震撃に1歩譲るみたいだけどね。


「凄い……! 凄い凄い凄いっ! 弓のウェポンスキルって、こんなに凄いんだっ……!」


 烈射からは『牙竜点星』という、1矢の威力を極限まで高めるスキルが作れた。単純な性能だけれど、込める魔力には上限が無く、弓版の絶空と言ったところか。


 そして天泣合成では『外待天弓ほまちてんきゅう』という、名前からは性能が一切想像出来ないスキルが完成。

 外待天弓で放たれた矢が着弾すると、全周囲からその着弾点に向かって無数の魔力矢が放たれるという、非常に回避が難しいスキルだ。

 使い方によっては多数の魔物を巻き込むことが可能かもしれない。

 
 威力の牙竜点星、手数の外待天弓といった感じかなぁ?


「槍のスキルは性能が分かりやすいですね。通常の槍の扱いの延長線上で使用していけそうです」


 通穿牙からは『貫輝閃かんきせん』という、槍が届かない範囲にまで高威力の刺突を届けるスキルが、槍円舞からは『破旋衝はせんしょう』という、これまた槍が届いていない範囲にも攻撃を届ける全周囲攻撃スキルが得られた。

 槍のスキルはシンプルな効果の分、威力や範囲が高めに設定されている感じかな?


 そしてスキルの合成はここまでが限界だった。

 神鉄素材から生み出されるウェポンスキルは、別枠扱いという事になるのかねぇ。


「わーっ!? 重連撃に絶影が乗せられるよっ!? 呪物の短剣もアサシンダガーもこの2つでいいんじゃないかなっ!?」

「私のオリハルコンダガーは1つずつしか枠が空いてないから……。ニーナちゃんほどの高速戦闘は出来ないし、遠距離攻撃には叫喚静刻もあるから、両方に乱気流を付与しようかしら?」

「ふむ。妾のドラゴンイーターは本当に凄まじい武器だったのじゃなぁ……。波状槌も捨てがたいが、範囲攻撃はサンダースパークやクルセイドロアで補えるしの。これで満足なのじゃっ」

「烈射と天泣でも充分な性能なのに、聞いたこともなかったその上のスキルを2つも付与できるなんてっ! 弓使いとしてこれ以上嬉しい事はないよぉっ!」

「貫輝閃も破旋衝も癖が無くて非常に使いやすいですね。最早攻撃魔法無しでも、アウターエフェクト程度には負ける気がしませんよ」


 みんなワイワイ騒ぎながら、自分の武器に好きなスキルを付与している。

 フラッタだけは変化が無かったけれど、知らないうちに最上位スキルを付与できていたのだから仕方ないね。


 俺は安全性を考えて断空を付与するかとも思ったんだけど、やはり魔力過多の俺には絶空のほうがハマるだろう。

 俺の全魔力を込めたら、イントルーダーでも瞬殺出来たりしないかなぁ?


 余った素材はみんなで手分けして武器に変えて、明日ヴァルゴと一緒に魔人族に返却しに行くとしよう。

 これで、今出来る限りの戦力強化は完了した事になるのかなぁ?
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