異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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5章 王国に潜む悪意1 嵐の前

289 裏切り (改)

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 ニーナの鼓動を感じていると、心が落ち着いていくのが分かる。

 やっぱりニーナの鼓動は安心するなぁ。


 でも他のメンバーも抱きついてきたので、結局もみくちゃになってしまった。

 みんな可愛すぎるぅ。ぎゅーっ。よしよしなでなで。ちゅっちゅっ。


「それじゃみんなを迎えに行こう。家族の問題は、家族みんなで共有したいんだ」


 奈落を脱出してみんなでマグエルに赴き、大量に作ってあったアイスクリームを持ち出し、ターニアさんをパールソバータに連れて行く。

 ムーリとヴァルハール組が揃うのを待って、宿の夕食とアイスクリームを楽しみながら1つ1つ話をしていく事にする。


「まずはニーナ。ターニアさんのことなんだけど、抱きたくなったんじゃなくて、実はもう既に抱いちゃったんだよ」

「あ、そうなんだ? 了解なのー」

「ニーナに伝える前に抱いちゃってごめん。ニーナが気にしなくても、俺が謝りたいから謝らせて欲しい」

「んー、ダンが謝りたいなら謝罪を受け取るけど、気にするどころか嬉しいくらいかなー? だってダンに愛された女って、この世界の誰よりも幸せになれるんだもんっ」


 そう言ってニーナは席を立ち、アイスクリームをしっかり握ったまま、ターニアさんに寄り添って座った。


「母さんと一緒にダンに愛してもらえるなんて、そんなの嬉しすぎるよぅっ。ダンっ。母さんを受け入れてくれてありがとうなのっ」

「あは。これでまたニーナと一緒に毎晩寝られるかなー?」


 満面の笑みを浮かべて俺に感謝を伝えるニーナと、そんなニーナをぎゅーっと抱き締めてニコニコしているターニアさん。

 くぅ、この母娘、発想がエロ過ぎるよぉ。


 ターニアさんで9人目、9人目かぁ……。このままじゃ二桁行っちゃいそうだよぉ。


「でもさぁ、ダンがニーナちゃんに断る前に女を抱くなんて珍しいわねぇ? 私としてはそっちの方がびっくりしちゃうわぁ」

「ティムルちゃん。それは私が誘ったからなんだけど、ダンさんが応じてくれた理由がまた面倒臭いの」


 ティムルに返答しながらも、抱きしめているニーナに向き直るターニアさん。


「ニーナ。落ち着いて聞いてね? 貴女のお父さん、実は生きてたみたいなの」

「「「…………ええ?」」」


 戸惑うみんなの声が重なる。


 ターニアさん、いきなりぶっこむなぁ。単刀直入にも程がある。

 でもどうやって切り出そうか迷ってたからありがたい。


「詳しく説明するね。実は……」


 ターニアさんが作ってくれた話の流れを引き継いで、事の経緯をみんなに説明していく。


 ターニアさんが呪いを受けた、社会的には未発見のアウターの確認に行ったら、そのアウターを占有して富を築いているガレルさんを発見してしまった。

 ガレルさんはニーナとターニアさんがあの家で暮らし始めてすぐに別の女性を娶り、その女性と子供を作り、新たな家族と幸せに過ごしていた。

 ニーナの家に居ない間はずっと家族と一緒に過ごし、解呪の方法を探して旅をした形跡は無かった。

 ニーナとターニアさんが解呪に成功した今になって、ターニアさんとニーナの2人を引き取って、新しい家族と共に暮らしたいと思っている事。


「え、えぇ……? 個人規模でアウターを占有してるのぉ……? な、なんて無駄な事を……」

「ニーナとターニアを家で待たせ、自分はちゃっかり別の家庭で幸せに過ごしておったじゃとぉ……」

「占有しているアウターは非公開、探索は自分たちで行なっていた。だから世界中を旅していた暇なんて無かったってことだね……」

「え、えぇ……? 自分が捨てた家族と新しい家族を同居させるんですか……? ちょ、ちょっとなにを言ってるのか分かりかねますね……」


 俺とターニアさんの説明を聞いてみんなはゲンナリした表情を浮かべ、それぞれが想い想いに感想を呟いている。


「父さん……。それは無いよぉ……」


 そんな中、当のニーナは頭を抱えて大きく息を吐いている。


「私と母さんを残して、失意と無念の中で斃れてしまったんだって思ってたのに……。12歳の、5歳下の弟がいるってなにぃ……?」


 ニーナは絶望しているとか失望しているとか言うよりも、がっくり肩を落として落胆している感じに見える。

 少なくとも冷静さを失っているようには見えないかな。


「私があの家に着いたのは4歳だよ? それなのに5歳下って……。始めに家から旅立った時には、もう他の女性を抱いてたってことじゃないの……」

「んー、まぁ母として元妻として一応フォローしてあげるけど、ガレルが私とニーナを愛していたのは間違いないの。それは私が保証する」


 頭を抱えるニーナと、そのニーナを抱きしめながら優しく語り掛けるターニアさん。


「愛していたからこそ14年間も我慢してくれたんでしょうけどねぇ。15年目にして我慢の限界だったんでしょ。基本的に自分が1番可愛い人だからねガレルは」

「うー……。他の人と暮らしていた事を我慢していたとは言いたくないの~……」


 んー、別に俺が責められているわけでもないのに、同じ男性ってだけでこの場にいるのがちょっと気まずいなぁ。

 ニーナとターニアさんの両方を抱いてしまっている以上、俺も完全に当事者なんだけどさぁ。


「それでねニーナ。ガレルはニーナや私とまた一緒に暮らすことを望んでいるの」

「え~……」

「無いとは思うけど、もしニーナがガレルと一緒に暮らしたいって言うなら、母さんは反対しない。私に構わずニーナの好きにしていいからね?」

「う~ん……。流石に無い、かなぁ……? 父さんがいれば母さんは独りきりになることもなくて、食べ物が無くて起き上がれないくらいに衰弱することも無かったんだし……」


 ……ああそっか。


 ターニアさんの怒りポイントがニーナの衰弱だったように、ニーナの怒りポイントもまた、ターニアさんの衰弱なんだね。

 これじゃガレルさんが2人と同居するのは無理だろうねぇ。


「それに父さんが何を考えてるのか理解できないけど、父さんの新しい家族と仲良くやっていける訳ないの」

「あははっ。だよね~?」

「赤の他人だったら気にせずに済むかもしれないけれど……。私と母さんが死の瀬戸際まで追い込まれている時に笑って暮らしていた人たちを家族だなんて、思えるわけがないの」


 ニーナは怒りなど微塵も感じさせない、呆れきった様子で息を吐いた。

 恐らくニーナは今、ガレルさんが生きていたという事実を切り捨てたんじゃないかなぁ。


 多分ニーナはガレルさんと2度会う気はないだろうけれど……、確認はしておくか。


「ニーナ。ガレルさんには会わなくていいのかな? 俺とターニアさんなら、ニーナを彼の家に送ってあげることも出来るんだけど」

「んー。要らないの。私の父さんは14歳の時に死んだことにするね」


 本当にあっさりと、父は死んだと口にするニーナ。

 俺にお父さんのことを話していたときは、本当にお父さんが大好きなんだなぁって伝わってくるくらいだったのに……。


「父さんのことが大好きだったあの頃のことは否定しないけど、私と母さんの生活を知っていて別の場所でお金持ちとして暮らしていた人なんて、今更興味も無いの」

「……そうだよなぁ」


 ガレルさんが1番やらかしたところって、そこだよなぁ。


 呪われていたターニアさんとニーナは、自力で生活することは本当に困難だった。

 だけど俺とニーナが一緒に生きてこれたように、ターニアさんがステイルーク近郊まで旅をすることができたように……。

 誰か1人でも協力者がいれば、ニーナたちがあそこまで困窮することは無かったんだ。


 ましてやガレルさんはアウターを占有して、巨万の富を得ていたのだから。


 今更何を言ったところで、ガレルさんが自分の意思でこの2人を切り捨てたのは動かしようのない事実なんだよね。

 しかもただ切り捨てただけじゃない。

 助ける力を持っていながら、それを隠して2人にずっと困窮生活を強いていたんだ。


 許されるはずが、ない。


 ガレルさんは2人を愛していたと言っていた。それは本音なのかもしれない。

 だけど愛する2人を助ける力を持っていながらそれを明かさず、自分1人でその力を最大限に利用して幸せになっていたっていうのは、もうフォローのしようがないくらいの裏切り行為だ。

 また一緒に暮らそうと言っていたあの言葉が、狂気に感じてしまうほどに。


「ニーナも興味無いみたいだし、ガレルさんの件はこれで終了でいいかな? 例のアウターに潜れなくなるのは残念だけど、職業浸透は奈落で間に合ってるし問題ないよね」

「奈落を越える狩場というのはなかなかないじゃろう。職業浸透だけを考えるのであれば、最早新たなアウターを探索する必要がないほどなのじゃ」

「アウターエフェクトのドロップアイテムもスキルジュエルも溜まる一方だねぇ……。守人達が育てば一気に放出できると思うから、今は貯めておくしかないね」


 うんうんと頷くフラッタとリーチェ。


 最高に効率の良い狩場だけど、今のところは俺達の独占状態だ。

 俺たち以外の魔物狩りが奈落の奥まで辿り着くのは、いったいいつになるんだろうなぁ。


「それでニーナとターニアさんが嫌じゃなければ、ターニアさんとも婚姻を結ぼうと思うんだ。こんなことで責任を取ることにはならないけど、目に見える繋がりがあってもいいかなって」

「私はそうなってくれたら嬉しいとしか思わないのっ。母さんはどう?」

「あはは。いくら私だって、好きでもない男に体を許したりしないってば。ダンさん。私からもお願いします。ニーナ共々、末永く愛してくださいねー?」


 はい。お願いされますよ。ニーナと一緒に幸せに過ごそうね。

 俺とターニアさんのステータスプレートに宣誓し、婚姻契約が成立する。



 ダン 男 26歳 勇者 仕合わせの暴君
 ニーナ ティムル フラッタ リーチェ ヴァルゴ
 ニーナ(婚姻) ティムル(婚姻)フラッタ・ム・ソクトルーナ(婚姻)
 リーチェ・トル・エルフェリア(婚姻) ムーリ(婚姻)
 エマーソン・ソクトヴェルナ(婚姻) ヴァルゴ(婚姻) ターニア(婚姻)
 奴隷契約 貸付契約



 婚姻契約の多さに引くわぁ……。自分のステータスプレートなんだけどさぁ。


「……って、あれ?」


 そう言えばフラッタもリーチェもエマもファミリーネームまで表示されてるのに、ターニアさんは衰弱してた時にも既にファミリーネームがなかったよな?

 ステータスプレートのファミリーネームの扱いってどうなってるんだろ?


 分からないことはティムルお姉さんに聞いてみよう。


「スペルド王国では貴族籍って国に登録されているものだから、婚姻や奴隷契約を結んでも身分が抹消されるわけじゃないのよ。だから平民であるダンに嫁いだからと言って、フラッタちゃんやリーチェ、エマの身分が失われるわけじゃないの」

「それならなんでターニアさんからはグラフィムの名前が失われてるの?」

「ターニアさんの家名が抹消されているのは、獣爵家を勘当された時に正式な手続きをして身分を抹消されたからなんじゃないかしらね? 国がターニアさんの身分を抹消したんだと思うわぁ」


 日本みたいに、嫁いだら苗字が変わるとかじゃないわけね。

 そう言えばフラッタも一瞬とは言え奴隷に落とされたけど、ファミリーネームを失ったりはしてなかったな。


 さて。婚姻を結んでも名前も身分も変わらないなら、この機会にもう1人受け入れちゃうかぁ。


「婚姻を結んでも失われる物がないならラトリア。お前が良ければ婚姻を申し込んでいいかな?」

「え? 私、ですか?」

「俺は今まで、婚姻を結んじゃうとお前がソクトルーナの名を失うと思ってたんだ。でも俺と婚姻を結んでもお前とゴルディアさんの関係が失われないなら、遠慮なく婚姻を申し込もうと思ってさ」

「ふふ。そうだったんですか。勿論喜んでお受けしますよ。フラッタも私もシルヴァも助けていただいて、毎日好き勝手弄ばれちゃってますからね。婚姻を結んでいないと逆に体裁が悪いくらいですよぅ」


 互いのステータスプレートに婚姻を宣誓し、ラトリアとも婚姻契約が成立する。

 毎日あれだけ貪っておきながら婚姻を結んでいないのは、我ながら無責任な男だったわ。



 ダン 男 26歳 勇者 仕合わせの暴君
 ニーナ ティムル フラッタ リーチェ ヴァルゴ
 ニーナ(婚姻) ティムル(婚姻)フラッタ・ム・ソクトルーナ(婚姻)
 リーチェ・トル・エルフェリア(婚姻) ムーリ(婚姻)
 エマーソン・ソクトヴェルナ(婚姻) ヴァルゴ(婚姻) ターニア(婚姻)
 ラトリア・ターム・ソクトルーナ(婚姻)
 奴隷契約 貸付契約



 わぁい、婚姻契約欄がどんどん延びていくよぉ……。

 目指せ44人ってか? ないわぁ……。


「んー。エマとヴァルゴ、母さんとラトリアって、最近のダンは2人ずつお嫁さんを迎えちゃってるよね。私達の予想を超えるペースでお嫁さんが増える可能性が高いのっ!」


 高いのっ、じゃないよニーナ! 偶然だよっ!

 ラトリアに関しては、先延ばしにしていたのを今引き受けただけだからっ!


「どこかのジジイはお金に物を言わせて奴隷を買い集めていたわけだけど、ダンは凄いわねぇ……。獣爵家の血筋が2人、竜爵家から2人、エマも入れたら3人? 種族もバラバラだし、エルフのお姫様まで迎えちゃってるし、ジジイ越えは時間の問題ねっ」


 現在唯一神鉄装備を作成できる、女神なドワーフのお姉さんを忘れちゃいけないよっ!


 ……ニーナさえいれば他には何も要らないって、本気でそう思っていたのになぁ。

 もう誰1人だって手放せないくらいに、1人1人が大切だよ。


「それも、妾も含めてみーんな女のほうからダンに惚れてしまうというのが凄いのじゃ。ダンは自分から女を漁っているわけではないのにのぅ」


 世界一可愛いフラッタに好きって言われると照れちゃうよぉ。

 俺だってみんなにはベタ惚れだからねー。みんなのこと大好きすぎるぅ。


「ダンはどれだけの女性を受け入れても、全員を満足させちゃうから文句も言えないんだよねぇ。というかお嫁さんが増えれば増えるほどぼく達の事をもっともっと愛してくれるから、ダンが好きだからこそお嫁さんを増やして欲しくなっちゃうんだよぉ」


 お嫁さんが増えるほどみんなを愛しているって言われても、俺自身はピンとこないんだよなぁ。

 俺がみんなを愛したくなっちゃうのは、リーチェもみんなも最高にエロくて可愛いせいなんだよ?


「いやぁ。守人のことやフラッタの家のこと、ティムルの話やニーナの話を聞くと、女が旦那様に惹かれるのはどうしようもないです。旦那様は無自覚に女を幸せにしすぎるのがいけないのです。幸せにされた女が旦那様を愛してしまっても仕方ないではありませんか」


 幸せにするのがいけないなんて初めて聞いたよっ!?


 でもそれこそしょうがないじゃないか。

 ヴァルゴもニーナもフラッタもティムルもリーチェも、ムーリだってラトリアだってエマだってターニアさんだって、目の前で不幸に落ちていくのが分かっているのに手を伸ばさないなんて、そんなこと出来るワケがなかったんだよ。


「私はダンさんを独り占めしたいなって思うんですけど、1人でダンさんの相手をする自信が無いんですよねぇ……。それにしても、体目当てで私に迫ってきたガリアよりも、絶対にダンさんのほうが沢山愛してくれてるのが面白いですよねーっ」


 肉体関係だけの冷めた関係というのもそそるものがあるけれど、好き合っているからこそお互い積極的に求め合えると思うんだよ。

 ムーリのことが大好きだからいっぱい抱きたいし、俺のことが大好きなムーリは積極的に抱かれにくるし、そりゃエロ司祭よりも俺の方がムーリを貪ってしまうのも致し方ないというものさ。


「エマとは婚姻を結んだのにどうして私とは結んでくれないのかなって思ってましたけど、ディアに遠慮していたんですねぇ。ダンさんはディアと会った事もないはずなのに、なんだか私以上にディアの事を大切にしてくれているみたいで嬉しいです」


 ゴルディアさんとは会った事がないけれど、フラッタの父親に粗相は出来ないってば。

 フラッタもラトリアもシルヴァも、最終的に彼は護り抜いてみせたんだ。尊敬すべき男だろう。


 ガレルさんのことも、昨日までは尊敬してたんだけどさぁ……。


「何人伴侶が増えても、その全員が失神するくらい愛してくれますからねぇ。もしも異種族間でも子供を授かることが出来ていたら、死ぬまでに何人の子供を産まされていたんでしょう?」


 たらればの話をしても仕方ないよエマ。

 というか子供が作れないからこその回数でもあると思うしね。


 エマに出産を経験させてあげることは出来なかったけれど、溺れるくらいに愛で満たしてあげるから覚悟して欲しいんだよ。


「私とニーナの男を見る目が違いすぎるよぅ。まさか呪いを受けたニーナをそのまま引き受けてくれる人がいるなんてねぇ。そしてガレルも、呪いを理由に私を見捨てるような人じゃないと思ってたんだけど……。人間って分からないものだなぁ」


 うちの嫁って、結局は全員が人の悪意に苦しめられてきた女性なんだよねぇ。

 エマだってヴェルナ家とルーナ家の都合で翻弄されたようなものだし。


 ニーナたちは呪われていたけど、ガレルさんが見捨てなければあそこまで追い込まれることはなかった。

 ティムルは男の欲望のはけ口にされ、そして捨てられた。

 フラッタやラトリアはある日突然陥れられた。

 ヴァルゴたちは王国への救援を絶たれ、自分達が追い込まれている事も知らずに過ごしていた。

 人の善性を信じるムーリやシスター達は、悪意に塗れた司祭の食い物にされていた。


 ……だからか、予感がするんだよね。

 きっとリーチェの事情も、誰かの悪意によるものなんだろうなってさ。


 リーチェが事情を話してくれないのは、俺が力不足で不甲斐ないからだと思っていた。

 でもイントルーダーを倒しても話してもらえないのは、リーチェの意思で事情を語ることが出来ないからだと思う。

 きっとステータスプレートに宣誓してあるんだろう。


 なんとなく、碌でもない事情が隠されている気がして仕方ない。

 早く全部解決して、最高にエロいエルフのお姫様と愛とエロに塗れた日々を送りたいところなんだけど、今は王国の危機を乗り越えなければいけない。


 こんな素敵な女性を9人も娶っておきながら、エロエロな日々を送る前に王国に滅亡されるわけにはいかないぜっ。
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