異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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2章 強さを求めて3 孤児と修道女

143 未来の英雄達 (改)

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 ひと晩中ムーリとリーチェの乳首を2つ一緒に口の中でれろれろちゅぱちゅぱと転がしていたら、いつも通り夜が明け始めていた。

 ちゅうちゅうと乳首には吸い付いたまま2人の手首をタオルを解き、拘束を解く。


 2人の乳首はこのまま一生口の中に捕まえておきたいけど、今日は子供たちの転職の日だ。絶対に遅れるわけにはいかない。

 遅刻の理由がおっぱい吸ってましたじゃ、末代までの恥だ。そもそも俺が末代なんだけどね。みんなとは子供が作れないんだから。

 ムーリだってスペルディアまでドレッドを引率しなきゃいけないし、いい加減解放してあげなきゃな。

 
 ひと晩中愛してくれたみんなに、おはようのちゅーと共に自主的に愛しい気持ちをデリバリーして、最後にみんなともう1度めろめろになってから寝室を出て朝食を作る。


 転職予定の子供たちも来るだろうし、少し多めに用意しておくかな。歩きながら食べられるような物を。




 
 朝食が出来る頃になって、しっかり身支度を整えた5人が下りてくる。


 ……5人。5人かぁ。なんでこんなに増えちゃったのかぁ。

 みんなを迎えた事に後悔は一切してないけど、どうしてこうなった感が半端ないよぉ。


 みんなと出会えた幸福を神様とみんなとおっぱいに感謝して、今日もみんなで朝食を取る。


「あ、そうだご主人様。本日は転職が終わったらおやすみの予定ですよね? でしたらムーリと一緒に服を買いにいきませんか?」

「あ、それいいねニーナ。お金はかなり使っちゃったけど、服はそんなに高くないし」

「これからはムーリの着替えも多少は我が家に置いておく必要がありそうですからね。修道服があるのでそこまで数は必要ないかもしれませんけど……って、むしろ修道服を数枚用意すべきですかね?」


 流石エロ軍師ティムル。俺の思考など、いやむしろ嗜好をお見通しですね。

 でも子供達のいる時は俺の性癖を暴露するのは謹んでね? 謹んでくれるだろうけど念のためね?


「それじゃあ子供達の転職が終わったら、全員で服を買いにいこうか。ついでに子供たちにも動きやすくて丈夫な服を1着ずつ買ってあげよう。普通に必要なものだし転職祝いも兼ねてさ」


 服に防御力はないけれど、服の着心地は動きに影響を与えるはずだ。

 それに毎日戦闘を繰り返すのなら、きっとすぐに服はボロボロになっちゃうだろう。


「……良くもまぁそんな調子で、慈善家ではないなどとのたまうものじゃなぁ?」

「ダーン! シスター! 来たよー!」


 呆れ顔のフラッタに言い返す前に、コテンの元気な声が聞こえてきた。

 その声に反応してティムルが席を立つ。


「ワンダ君たち来たみたいですね。私が出迎えます」


 ティムルが6人を家の中に招待して、食事しながら軽い打ち合わせ。


 スペルディアの修道士ギルドにはドレッドとムーリ。

 商人ギルドにはサウザーとティムル、旅人ギルドにはワンダとニーナとフラッタ。

 戦士ギルドにはコテン、リオン、ビリー、そして俺とリーチェという組み合わせで引率する。


 ただしパーティ編成は俺とムーリとドレッドの3人パーティを組んでいる。ポータルで送迎する為だね。


「それじゃみんな。終わったら1度家に集合ね。ドレッドとムーリは迎えにいくから、ギルドの前で待ってて欲しい」


 ポータルで、まずはムーリとドレッドをスペルディアに送り出す。

 そして各々別れて、目的のギルドに向かった。


 各種ギルド同士はあまり仲がよろしくないらしい。仕事を取り合う競合相手だから無理もないか。

 なのでギルド同士はあまり隣接していないので、全員一緒に回ると時間の無駄なのだ。


「ねぇねぇダン。村人から戦士になると、なにが変わるの?」

「コ~テ~ン~。それは以前も説明したんだけどなー?」


 まぁ戦士ギルドまで無言で居るよりはいいか。復習も兼ねて解説しよう。


「戦士になると装備品の性能をより引き出せるようになるんだよ。だから魔物を倒すのも早くなるし、魔物の攻撃にも耐えられるようになるのさ」


 体力上昇補正は装備品に乗る訳じゃないと思うけど、下手な説明をして防具無しでスポットに突撃する子が出ても困るからな。

 以前フラッタも言ってたけど、職業補正は装備品に宿るってのがこの世界の常識だ。なので装備品の重要性はこれでもかと強調しておくに限る。


「つまり戦士の経験を積めば積むほど、同じ装備品でも強い敵と戦えるようになるんだよ。凄いだろ?」

「えっとぉ……、それなら全員が戦士になればいいんじゃないの?」


 そうだねリオン。それは尤もな意見だと思う。

 だけどニーナのインベントリが無かったら、俺は生活できなかったんだよ。


「安全だけを考えるなら全員戦士はアリだと思う。ただね。魔物を倒してもドロップアイテムを持ち帰れなきゃ意味無いんだよ。強くなれても、それだけじゃお金は稼げないのさ」


 俺自身、ステイーダからアッチンへの行軍で、持ちきれなかったドロップアイテムを泣く泣く諦めたことがある。

 お金に困っているのにドロップアイテムを回収しきれないのは、本当に凄まじいストレスだったなぁ……。


「俺たちが遠征に行っている間にお前たちが真面目に活動をしていれば、その間にワンダのインベントリはかなり大きくなってくれるはずだ。そうすれば大量のドロップアイテムを簡単に運搬できるだろ?」


 引率中は俺のインベントリを提供していたからなぁ。

 自分たちだけで魔物狩りをするようになったら、インベントリの有用さに驚いちゃうかもしれないね。


「お前達6人全員が2回目の転職をする頃には、泊りがけで遠征にいけるようになってると思う。今の俺たちみたいにな」

「泊りがけの遠征……! 半日でも1500リーフ以上だから、丸1日戦えれば5000リーフは稼げちゃうかもっ……!?」

「その上もし魔玉も光ったら……。本当に、本当に全員分の人頭税を……、払えるかもっ……!?」


 都合の良い楽天的な報酬の予想に浮かれるコテンと、現実的に想定した報酬額の多さに驚愕するビリー。


 ま、流石に今は皮算用になっちゃうけどな。

 でも多分お前らはもっともっと稼げるようになるさ。


 1度目の転職が終わったら、2度目の転職の時は戦士の3人は旅人に、それ以外の3人を戦士にする予定だ。そうすればインベントリ持ちは4人、6人全員が戦闘補正持ちになるからね。

 ……はっきり言って将来有望すぎるわ、そんなパーティ。



 戦士ギルドに到着する。外観も内装も小型の冒険者ギルドという感じだな。

 ギルド登録者に仕事の斡旋をする他は戦士に転職をするだけの場所なので、総合ギルド化している冒険者ギルドだけが群を抜いて大きいらしい。

 受付嬢は、美人ではあるけど肩幅が広くてアスリート体系の女性だった。もう完全に、戦士って見た目だわぁ。


「いらっしゃい。今日はどのような用件だい?」

「こっちの子供3人が戦士になりたいんだ。転職の手続きをお願いするよ」


 1度横に退いて、受付の女性に3人の姿を見せる。


「ふぅん。随分若いね。村人からの転職ってことなんだろうけど。あんまり若いと転職出来ないこともあるよ? 納得済みなんだろうね?」


 値踏みするようにコテンたちを眺める受付のお姉さん。


 3人の事を侮ったり見下したりしている風じゃなくて、転職の失敗を純粋に心配してくれているみたいだ。

 転職失敗でトラブルになるケースは多いんだろうなぁ。


「大丈夫。仮に失敗しても文句は言わないよ。でもこの3人、こう見えてスポットでの戦闘経験もそれなりにあるんだよ。だから転職に失敗する心配はしてないかな」


 6人とも村人LV10になってるのは、鑑定のおかげで間違いない。


「へぇ? こんなに小さいのに、もう魔物と戦ってるのかい」


 訝しげな表情から一転、感心したような笑顔をコテンたちに向けてくれた。


「悪いねチビども。見縊ってたよ。3人とも戦士になって、今よりいっぱい魔物を狩っておくれよな」


 子供たちにあっさり謝罪して、エールを贈る受付嬢。

 す、すげぇ男前だなぁ……。


「じゃあ未来の英雄殿の門出に立ち合わせていただこうじゃないかっ」


 受付カウンターから出てきたお姉さんは、あっはっはと笑い声を上げながら屈みこんで、コテンたち3人と目線を合わせる。


「それじゃ3人とも、付いて来てくれるかい? あ、ステータスプレートを出しといておくれよ」

「う、うんっ……!」


 豪快なお姉さんの雰囲気に圧倒されながらも、ワクワクした表情でギルドの奥に案内されていくコテンたち。

 つうか転職って俺は立ち会えないものなのかな? リーチェに聞いてみよう。


「ああ、ダンは知らないよね。転職はパーティメンバーなら同時に行うことが出来るんだけど、逆に望まない転職が起こる事故もあり得るんだ。だから転職希望者だけで転職魔法陣を利用するのが通例なんだよ」


 え、そんなの魔法陣から離れてれば良くない? どんな間抜けがそんな事故を起こすんだよ?


 ……って違うのか。

 例えばギルド未加入の俺みたいな奴が元々戦士であることを隠して転職に立会い、戦士になっちまったじゃないか! どうしてくれるんだ! 謝罪と賠償を請求する! みたいなイチャモンつけてくる可能性を排除してるのかな。


 転職魔法陣のある部屋に入れなければ、クレームの正当性は認められない。

 逆に部屋に入れてしまうと、なんやかんやと屁理屈をこねる奴が出てくるかもと。


 いや、実際に前例があったんだろうなぁ。結構この世界って悪人がのさばってるところがあるし。



 リーチェと雑談しながら10分くらい待っていると、ギルドの奥からワーッという元気な声が聞こえてきた。

 心配はしてなかったけど、問題なく転職できたみたいだね。


「ダンーっ! なってた! 3人とも戦士になってたよーーーっ!」


 男前のお姉さんと一緒に戻ってきたコテンが、ステータスプレートを見せびらかしながら元気いっぱいに報告してくれる。

 一応全員を鑑定して、戦士になっていることを確認しておく。


「ははははっ! その年齢トシで全員転職成功とか、なかなか将来有望じゃないかっ!」


 豪快な笑い声を上げながら、まるで自分のことのように喜んでくれる男前のお姉さん。


「なぁアンタ。未来の英雄殿たちは戦士ギルドには所属してくれないのかい?」

「あー……、悪い。この子達は教会でお世話になってる孤児たちなんだよ。俺達の独断でギルドへの加入を決めるわけにはいかないんだ」


 適当な理由をでっち上げて断っておく。

 実際に各種ギルドに加入するかどうかは教会と子供達本人が決めることだ。ここは俺が口を出すところじゃないだろう。


「そうかい。ま、事情があるなら仕方ないねぇ。一応教会の人にもギルドの加入は確認しておいてもらえるかい?」

「それくらいなら伝えておくよ。戦士ギルドに加入するとどんなメリットがあるのか教えてもらえる?」

「ギルドに加入すると、護衛依頼や討伐依頼なんかを紹介してやれるよ。その代わり納税のタイミングで年会費の金貨5枚を払ってもらうんだけどね」


 金貨5枚は思ったより高いなぁ。

 かなり高額な年会費だけど、ギルドを通して適正な内容の仕事が回ってくる恩恵は大きいのかもしれない。


「ああっと、今から加入すると年会費的に損だねぇ。もし加入するなら年が明けてからにしなよ。年末は年末で仕事は多いけど、危険な仕事も多いからね。稼ぎ時だが新人にはちと厳しい時期だった」


 ギルドの利益よりも子供たちの心配か。どこまでも男前のお姉様だこと。


「色々親切にありがとう。孤児の魔物狩り志望者はもうちょっと増えそうだから、今後ともお世話になると思うよ。宜しくね」

「ああ。いつでも来るといいよ。新たな英雄の門出をしっかり世話してやるからさ」


 お姉様は最後に俺から視線を外して、俺の後ろでソワソワしている子供達に声をかけた。


「3人とも。これからは同じ戦士としてよろしく頼むよ?」

「うんっ! ありがとうお姉さんっ! 私頑張るねっ!」


 お姉様の激励に、元気いっぱいに返事するコテン。

 凄い体育会系な人だなぁ。めっちゃくちゃモテそう。同性に。


 みんなで体育会系お姉様にお礼を言って、戦士ギルドの外に出る。


 他のみんなに少し待ってもらってスペルディアに行き、既に転職を終えたムーリとドレッドを回収する。

 うん。ドレッドも問題なく修道士を得ているね。


 自宅に帰って、ワンダとサウザーも合流。

 それぞれ転職に成功している事を、鑑定でしっかり確認する。


「全員間違いなく転職に成功したね。おめでとう」


 ……祝福の言葉を贈ったものの、お互いのステータスプレートを見せ合いっこしてて聞いてないな?

 みんなが落ち着くまで少しだけ待ってから、改めてみんなに話しかける。


「明日まで引率するけど、明後日からはお前たちだけで魔物狩りを行うことになる。教会のみんなのためにも、無理せず堅実に稼いでくれよなっ!」


 もっちろん! 任せて! 無理しない。などなど、口々に返事をしてくれる未来の英雄達。


 戦士と旅人、それと商人と修道士までは全員浸透させるとしようかな?


 ワンダは冒険者、探索者と進んで移動特化。コテンは戦闘特化で兵士、騎士かな?

 ドレッドはヒーラータンクとして戦闘職と魔法職を平行に、サウザーは職人ルートを進ませるとして……。

 リオンは魔法使いルートとかに進ませられると良いんだけど……。難しいかなぁ。

 ビリーは行商人、豪商、荷運び人あたりを浸透させていくと、裏方としてめちゃくちゃ有能になりそうだ。




 転職を終えた俺達は予定通りにいつもの服屋に移動し、全員上下1着ずつ服を買う。

 加えて、今度大量の孤児を預かる可能性があるので、子供用の丈夫な服を色々なサイズで大量に発注しておいた。


 更に市場で大量の食糧を買い込み、転職祝いも兼ねて今日は俺たちも教会で夕食を取ることにした。

 お祝いなら自宅に招きたいところだけど、どうしても留守番の子が出ちゃうからね。


 最早勝手知ったる教会の炊事場。子供たちと一緒に大量の夕食を作り上げる。

 今日は未来の英雄の門出らしいし、遠慮は無しだっ。ホットサンドメーカー先生にも奮闘していただきましょう!

 
 大量の料理が出来て、みんなが食堂に集まっている。

 堅苦しいことは抜きにしてさっさとご飯を食べようと思ったら、ムーリにひと言頼まれてしまった。


 早く食べた方が良くない? んもー。


「今日ワンダたち6人は無事に転職して、明日から本格的に魔物狩りとしての道を歩み始める。他のみんなもこの先自分が何をしたいのか、じっくり考えて道を選んで欲しい」

「んー……? 自分がやりたいことってなぁに?」

「別に魔物狩りじゃなくてもいいんだ。お店を開きたいとか、世界中を旅して回りたいとか。教会でムーリの手伝いをして過ごしたいとか、なんでもいい」


 魔物狩りなんて、道の1つでしかない。全員が同じ道を選ぶ必要なんてない。


「お前達はもう15歳になっても道が閉ざされることはないんだ。だから大人になったらなにがしたいか、いっぱいいっぱい考えて、今のうちから準備しようぜ。大人になるって、実は最高に楽しいことなんだ」


 自分の未来が閉ざされているのに、それでもムーリやコットンを助けようとしたお前らこそ大人になるべきなんだよ。


「ワンダ。コテン。ドレッド。サウザー。リオン。ビリー。この6人の名前は、来年には憧れを持って語られてるに違いない。新たなる英雄の門出を祝福して、かんぱーい!」

「「「かんぱーい!」」」


 手に持ったコップを全員で勢い良く天に掲げる。

 この世界にも乾杯の文化があるのは、野盗討伐の時に確認済みだぜぇっ!


 誰もが笑顔で、将来何になりたいかを夢中で語りだしている。

 おいおい、食べるか喋るかどっちかにしろっての。


 そんな騒がしい食堂の片隅で、ムーリが隠れて満面の笑顔で泣き続けているのだった。
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